座標: 北緯43度44分4.74秒 東経7度25分16.8秒 / 北緯43.7346500度 東経7.421333度 / 43.7346500; 7.421333

1962年モナコグランプリ (1962 Monaco Grand Prix) は、1962年のF1世界選手権第2戦として、1962年6月3日モンテカルロ市街地コースで開催された。

モナコ 1962年モナコグランプリ
レース詳細
1962年F1世界選手権全9戦の第2戦
モンテカルロ市街地コース(1929-1972)
モンテカルロ市街地コース(1929-1972)
日程 1962年6月3日
正式名称 XX Grand Prix de Monaco
開催地 モンテカルロ市街地コース
モナコの旗 モナコ モンテカルロ
コース 市街地コース
コース長 3.145 km (1.954 mi)
レース距離 100周 314.500 km (195.421 mi)
決勝日天候 曇(ドライ)
ポールポジション
ドライバー ロータス-クライマックス
タイム 1:35.4
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス
タイム 1:35.5 (42周目)
決勝順位
優勝 クーパー-クライマックス
2位 フェラーリ
3位 フェラーリ

レース概要 編集

この年は23台のエントリーがあったが実際に参加したのは21台で、前年同様、主要ワークスチームの各2台(ポルシェヨアキム・ボニエダン・ガーニーBRMグラハム・ヒルリッチー・ギンサークーパーブルース・マクラーレントニー・マグスロータスジム・クラークトレバー・テイラーフェラーリフィル・ヒルのみノミネートされ、もう1台は"X[要曖昧さ回避]"(ロレンツォ・バンディーニウィリー・メレスのいずれか)となっていた。リカルド・ロドリゲスもエントリーされていたが、予備登録だったため決勝への出走はできなかった。)は自動的に決勝へノミネートされ、予選の結果により残りの6台を決勝に出走させる方式であった。このため、旧型マシンを使用して予選下位に沈んだボニエとマグスも決勝に進出することができた[1]。予選の結果によりクラークが初のポールポジションを獲得し、バンディーニ、メレス、ジャック・ブラバムモーリス・トランティニアンイネス・アイルランドジョン・サーティースロイ・サルヴァドーリが決勝進出を果たした。

決勝は100周で行われ、クーパー・ワークスのマクラーレンが予選3位から優勝した。クーパーにとって、これが1.5Lエンジン時代(1961年 - 1965年)の唯一の優勝であった[2]。2位フィル・ヒル、3位バンディーニとフェラーリ勢が続いた。サーティースが4位に入賞し、ローラは初のポイントを獲得した。

エントリーリスト 編集

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン
  ポルシェ・システム・エンジニアリング 2   ヨアキム・ボニエ ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
4   ダン・ガーニー 804 ポルシェ 753 1.5L F8
  スクーデリア・デ・トマソ 6   ロベルト・ブッシネッロ 1 デ・トマソ F1 アルファロメオ ジュリエッタ 1.5L L4
  オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 8   リッチー・ギンサー BRM P48/57 BRM P56 1.5L V8
10   グラハム・ヒル P57
12   トニー・マーシュ 1 P48/57
  クーパー・カー・カンパニー 14   ブルース・マクラーレン クーパー T60 クライマックス FWMV 1.5L V8
16   トニー・マグス T55 クライマックス FPF 1.5L L4
  チーム・ロータス 18   ジム・クラーク ロータス 25 クライマックス FWMV 1.5L V8
20   トレバー・テイラー 24
  ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 22   ジャック・ブラバム ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
  エキュリー・ギャロワーズ 24   ジャッキー・ルイス BRM P48/57 BRM P56 1.5L V8
  ヨーマン・クレジット・レーシングチーム 26   ロイ・サルヴァドーリ ローラ Mk4 クライマックス FWMV 1.5L V8
28   ジョン・サーティース
  ロブ・ウォーカー・レーシングチーム 30   モーリス・トランティニアン ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
  UDT・レイストール・レーシングチーム 32   マステン・グレゴリー ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
34   イネス・アイルランド クライマックス FWMV 1.5L V8
  スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 36   フィル・ヒル フェラーリ 156 フェラーリ Tipo178 1.5L V6
38   ロレンツォ・バンディーニ
  リカルド・ロドリゲス 2
40   ウィリー・メレス
  スクーデリア・レパブリカ・ディ・ヴェネツィア 42   ニーノ・ヴァッカレッラ ロータス 18/21 クライマックス FPF 1.5L L4
  エキュリー・マールスベルゲン 44   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
  エキュリー・ナツィオナーレ・スイッセ 46   ジョー・シフェール ロータス 21 クライマックス FPF 1.5L L4
ソース:[3]
追記
  • タイヤは全車ダンロップ
  • ^1 - マシンが準備できず
  • ^2 - 予備登録

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 18   ジム・クラーク 1 ロータス-クライマックス 1:35.4 1
2 10   グラハム・ヒル 1 BRM 1:35.8 + 0.4 2
3 14   ブルース・マクラーレン 1 クーパー-クライマックス 1:36.4 + 1.0 3
4 40   ウィリー・メレス 2 フェラーリ 1:36.4 + 1.0 4
5 4   ダン・ガーニー 1 ポルシェ 1:36.4 + 1.0 5
6 22   ジャック・ブラバム 2 ロータス-クライマックス 1:36.5 + 1.1 6
7 30   モーリス・トランティニアン 2 ロータス-クライマックス 1:36.8 + 1.4 7
8 34   イネス・アイルランド 2 ロータス-クライマックス 1:37.0 + 1.6 8
9 36   フィル・ヒル 1 フェラーリ 1:37.1 + 1.7 9
10 38   ロレンツォ・バンディーニ 2 フェラーリ 1:37.2 + 1.8 10
11 28   ジョン・サーティース 2 ローラ-クライマックス 1:37.9 + 2.5 11
12 26   ロイ・サルヴァドーリ 2 ローラ-クライマックス 1:38.5 + 3.1 12
13 46   ジョー・シフェール 3 ロータス-クライマックス 1:38.9 + 3.5 DNQ
14 8   リッチー・ギンサー 1 BRM 1:39.0 + 3.6 13
15 24   ジャッキー・ルイス 3 BRM 1:39.0 + 3.6 DNQ
16 32   マステン・グレゴリー 3 ロータス-BRM 1:39.2 + 3.8 DNQ
17 20   トレバー・テイラー 1 ロータス-クライマックス 1:40.0 + 4.6 14
18 38   リカルド・ロドリゲス 4 フェラーリ 1:40.1 + 4.7 DNS
19 2   ヨアキム・ボニエ 1 ポルシェ 1:42.4 + 7.0 15
20 16   トニー・マグス 1 クーパー-クライマックス 1:42.7 + 7.3 16
21 44   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール 3 ポルシェ 1:44.4 + 9.0 DNQ
22 42   ニーノ・ヴァッカレッラ 3 ロータス-クライマックス 2:01.8 + 26.4 DNQ
ソース:[4]
追記
  • ^1 - 予選の結果に関係なく決勝出場権が与えられた[1]
  • ^2 - 予選の結果により決勝進出[1]
  • ^3 - 予選不通過[1]
  • ^4 - ロドリゲスは予備登録でバンディーニのマシンをドライブしたため、決勝に出走せず

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 14   ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 100 2:46:29.7 3 9
2 36   フィル・ヒル フェラーリ 100 + 1.3 9 6
3 38   ロレンツォ・バンディーニ フェラーリ 100 + 1:24.1 10 4
4 28   ジョン・サーティース ローラ-クライマックス 99 + 1 Lap 11 3
5 2   ヨアキム・ボニエ ポルシェ 93 + 7 Laps 15 2
6 10   グラハム・ヒル BRM 92 エンジン 2 1
7 40   ウィリー・メレス フェラーリ 90 油圧 4
8 22   ジャック・ブラバム ロータス-クライマックス 77 アクシデント 6
Ret 34   イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 64 燃料ポンプ 8
Ret 18   ジム・クラーク ロータス-クライマックス 55 クラッチ 1
Ret 26   ロイ・サルヴァドーリ ローラ-クライマックス 44 サスペンション 12
Ret 16   トニー・マグス クーパー-クライマックス 43 ギアボックス 16
Ret 20   トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 24 オイル漏れ 14
Ret 4   ダン・ガーニー ポルシェ 0 アクシデント 5
Ret 30   モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 0 アクシデント 7
Ret 8   リッチー・ギンサー BRM 0 アクシデント 13
DNQ 46   ジョー・シフェール ロータス-クライマックス 予選不通過
DNQ 24   ジャッキー・ルイス BRM 予選不通過
DNQ 32   マステン・グレゴリー ロータス-BRM 予選不通過
DNQ 44   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 予選不通過
DNQ 42   ニーノ・ヴァッカレッラ ロータス-クライマックス 予選不通過
DNS 38   リカルド・ロドリゲス フェラーリ 予選のみ(バンディーニのマシンをドライブ)
ソース:[5]
ラップリーダー[6]

第2戦終了時点のランキング 編集

  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ a b c d 1962 Monaco Grand Prix”. MOTORSPORT DATABASE. 2018年4月25日閲覧。
  2. ^ (林信次 1997, p. 36)
  3. ^ Monaco 1962 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年4月26日閲覧。
  4. ^ Monaco 1962 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年4月26日閲覧。
  5. ^ 1962 Monaco Grand Prix”. formula1.com. 2014年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月20日閲覧。
  6. ^ Monaco 1962 - Laps led”. statsf1.com. 2018年4月24日閲覧。

参考文献 編集

  • 林信次『F1全史 1961-1965』ニューズ出版、1997年。ISBN 4-938495-09-0 

外部リンク 編集

前戦
1962年オランダグランプリ
FIA F1世界選手権
1962年シーズン
次戦
1962年ベルギーグランプリ
前回開催
1961年モナコグランプリ
  モナコグランプリ 次回開催
1963年モナコグランプリ