1965年のFIAフォーミュラ1
世界選手権
前年: 1964 翌年: 1966
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1965年のF1世界選手権(1965ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第16回大会である[1]1965年1月1日南アフリカで開幕し、10月24日メキシコで開催される最終戦まで、全10戦で争われた。

1965年のF1世界選手権

シーズン概要 編集

 
ドイツグランプリでのジャック・ブラバムニュルブルクリンクにて。

1965年はジム・クラークが2度目のタイトルを獲得したシーズンとなったが、第2戦のモナコはインディ500に参加するため欠場したものの、それを除くと6連勝を達成したシーズンであった。ジャッキー・スチュワートはデビューイヤーでシーズン3位を達成、リッチー・ギンサーはメキシコグランプリ自身唯一、そしてホンダにとって初の勝利を挙げた。5年間続いた1.5リッターF1時代最後の一戦での勝利であった。

開催地及び勝者 編集

ラウンド レース サーキット 開催日 ポールポジション ファステストラップ 優勝者 コンストラクター タイヤ レポート
1   南アフリカグランプリ プリンス・ジョージ 1月1日   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
2   モナコグランプリ モナコ 5月30日   グラハム・ヒル   グラハム・ヒル   グラハム・ヒル   BRM D 詳細
3   ベルギーグランプリ スパ・フランコルシャン 6月13日   グラハム・ヒル   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
4   フランスグランプリ シャレード 6月27日   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
5   イギリスグランプリ シルバーストン 7月10日   ジム・クラーク   グラハム・ヒル   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
6   オランダグランプリ ザントフォールト 7月18日   グラハム・ヒル   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
7   ドイツグランプリ ニュルブルクリンク 8月1日   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス D 詳細
8   イタリアグランプリ モンツァ 9月12日   ジム・クラーク   ジム・クラーク   ジャッキー・スチュワート   BRM D 詳細
9   アメリカグランプリ ワトキンズ・グレン 10月3日   グラハム・ヒル   グラハム・ヒル   グラハム・ヒル   BRM D 詳細
10   メキシコグランプリ エルマノス・ロドリゲス 10月24日   ジム・クラーク   ダン・ガーニー   リッチー・ギンサー   ホンダ G 詳細

エントリーリスト 編集

チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ ドライバー 出場ラウンド
  スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC
  ノース・アメリカン・レーシングチーム
フェラーリ 158
1512
フェラーリ V8
フェラーリ F12
D   ジョン・サーティース 全戦
  ロレンツォ・バンディーニ 全戦
  ニノ・ヴァッカレラ 8
  ルドヴィコ・スカルフィオッティ 8, 10
  ペドロ・ロドリゲス 9-10
  ボブ・ボンデュラント 9
  オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P261
P61
BRM V8 D   グラハム・ヒル 全戦
  ジャッキー・スチュワート 全戦
  リチャード・アトウッド 1
  チーム・ロータス ロータス 33
25
クライマックス V8 D   ジム・クラーク 1, 3-10
  マイク・スペンス 全戦
  ペドロ・ロドリゲス 2
  ゲルハルト・ミッター 7
  ゲキ 8
  モイセス・ソラーナ 9-10
  ブラバム・レーシング・オーガニゼーション ブラバム BT11 クライマックス V8 G   ジャック・ブラバム 1-3, 5, 7, 9-10
  ダン・ガーニー 1, 3-10
  デニス・ハルム 2, 4-8
  ジャンカルロ・バゲッティ 8
  クーパー・カー・カンパニー クーパー T77
T73
クライマックス V8 D   ブルース・マクラーレン 全戦
  ヨッヘン・リント 全戦
  ロブ・ウォーカー・レーシング・チーム ブラバム BT7
BT11
クライマックス V8
BRM V8
D   ヨアキム・ボニエ 全戦
  ジョー・シフェール 全戦
  DW レーシング・エンタープライゼス ブラバム
ロータス
BT11
33
クライマックス V8 D   ボブ・アンダーソン 1-8
  ポール・ホーキンス 2-3, 5, 7
  レグ・パーネル・レーシング ロータス 25
33
BRM V8 D   トニー・マグス 1
  リチャード・アトウッド 2-3, 5-10
  マイク・ヘイルウッド 2, 5
  イネス・アイルランド 3-6, 8-10
  クリス・エイモン 4, 7
  ボブ・ボンデュラント 10
  ジョン・ウィルメント・オートモビルズ ブラバム BT11
BT10
BRM V8
フォード L4
D   フランク・ガードナー 1-3, 5-8
  ポール・ホーキンス 1
  クリス・エイモン 6
  ジョン・ラヴ クーパー T55 クライマックス L4 D   ジョン・ラヴ 1
  デヴィッド・プロフェット ブラバム BT10 フォード L4 D   デヴィッド・プロフェット 1
  オテレ・ヌッチ アルファロメオ
LDS
スペシャル
Mk 2
アルファロメオ L4
クライマックス L4
D   ピーター・デ・クラーク 1
  ダグ・セリュリエ 1
  ローソン・オーガニゼーション ロータス
クーパー
21
T51
クライマックス L4
マセラティ L4
D   アーニー・ピータース 1
  デヴィッド・クラプハム 1
  スクーデリア・スクリバンテ ロータス 21 クライマックス L4 D   ネヴィル・レダール 1
  クライヴ・ピュージー ロータス 18/21 クライマックス L4 D   クライヴ・ピュージー 1
  サム・ティングル LDS Mk 1 アルファロメオ L4 D   サム・ティングル 1
  レイズ・エンジニアリング RE 1 アルファロメオ L4 D   レイ・リード 1
  テッド・ランフィアー ロータス 22 フォード L4 D   ブラウッシュ・ニーマン 1
  トレヴァー・ブロクダイク クーパー T59 フォード L4 D   トレヴァー・ブロクダイク 1
  ジャッキー・プレトリウス LDS Mk 1 アルファロメオ L4 D   ジャッキー・プレトリウス 1
  ブライアン・ルーベンハイマー ロータス 20 フォード L4 D   ブライアン・ルーベンハイマー 1
  デイヴ・チャールトン ロータス 20 フォード L4 D   デイヴ・チャールトン 1
  アレックス・ブリグノート クーパー T55 クライマックス L4 D   アレックス・ブリグノート 1
  ホンダ・レーシング ホンダ RA272 ホンダ V12 G   ロニー・バックナム 2-4, 6-10
  リッチー・ギンサー 2-10
  スクーデリア・セントロ・スッド BRM P57 BRM V8 D   ルシアン・ビアンキ 3
  ウィリー・メレス 3
  マステン・グレゴリー 3, 5, 7-8
  ジョー・シュレッサー 4
  ロベルト・ブッシネッロ 7-8
  ジョルジオ・バッシ 8
  ボブ・ジェラード・レーシング クーパー T60
T73
クライマックス V8
フォード L4
D   ジョン・ローズ 5
  アラン・ローリンソン 5
  イアン・ラビー・レーシング ブラバム BT3 BRM V8 D   イアン・ラビー 5, 7-8
  クリス・エイモン 5
  ブライアン・ガビー ロータス 24 クライマックス V8 D   ブライアン・ガビー 5

1965年のドライバーズランキング 編集

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。ベスト6戦がポイントランキングに数えられた。

順位 ドライバー RSA
 
MON
 
BEL
 
FRA
 
GBR
 
NED
 
GER
 
ITA
 
USA
 
MEX
 
ポイント[2]
1   ジム・クラーク 1 1 1 1 1 1 10 Ret Ret 54
2   グラハム・ヒル 3 1 5 5 2 4 2 2 1 Ret 40 (47)
3   ジャッキー・スチュワート 6 3 2 2 5 2 Ret 1 Ret Ret 33 (34)
4   ダン・ガーニー Ret 10 Ret 6 3 3 3 2 2 25
5   ジョン・サーティース 2 4 Ret 3 3 7 Ret Ret 17
6   ロレンツォ・バンディーニ 15 2 9 8 Ret 9 6 4 4 8 13
7   リッチー・ギンサー Ret 6 Ret Ret 6 14 7 1 11
8   マイク・スペンス 4 7 7 4 8 Ret 11 Ret 3 10
9   ブルース・マクラーレン 5 5 3 Ret 10 Ret Ret 5 Ret Ret 10
10   ジャック・ブラバム 8 Ret 4 DNS 5 3 Ret 9
11   デニス・ハルム 8 4 Ret 5 Ret Ret 5
12   ジョー・シフェール 7 6 8 6 9 13 Ret Ret 11 4 5
13   ヨッヘン・リント Ret DNQ 11 Ret 14 Ret 4 8 6 Ret 4
14   ペドロ・ロドリゲス 5 7 2
15   ロニー・バックナム Ret Ret Ret Ret 13 5 2
16   リチャード・アトウッド Ret 14 13 12 Ret 6 10 6 2
-   ヨアキム・ボニエ Ret 7 Ret Ret 7 Ret 7 7 8 Ret 0
-   フランク・ガードナー 12 Ret Ret 8 11 Ret Ret 0
-   マステン・グレゴリー Ret 12 8 Ret 0
-   ボブ・アンダーソン NC 9 DNS 9 Ret Ret DNS 0
-   イネス・アイルランド 13 Ret Ret 10 9 Ret 0
-   ポール・ホーキンス 9 10 Ret 0
-   ボブ・ボンデュラント 9 Ret 0
-   ピーター・デ・クラーク 10 0
-   トニー・マグス 11 0
-   イアン・ラビー 11 DNQ 0
-   モイセス・ソラーナ 12 Ret 0
-   ルシアン・ビアンキ 12 0
-   ニノ・ヴァッカレラ 12 0
-   サム・ティングル 13 0
-   ロベルト・ブッシネッロ DNQ 13 0
-   デヴィッド・プロフェット 14 0
-   クリス・エイモン Ret DNS Ret 0
-   ジョン・ラヴ Ret 0
-   マイク・ヘイルウッド Ret 0
-   ジョン・ローズ Ret 0
-   ゲルハルト・ミッター Ret 0
-   ジャンカルロ・バゲッティ Ret 0
-   ゲキ Ret 0
-   ジョルジオ・バッシ Ret 0
-   トレヴァー・ブロクダイク DNQ 0
-   ダグ・セリュリエ DNQ 0
-   ネヴィル・レダール DNQ 0
-   ブラウッシュ・ニーマン DNQ 0
-   アーニー・ピータース DNQ 0
-   アラン・ローリンソン DNQ 0
-   ブライアン・ガビー DNQ 0
-   ジャッキー・プレトリウス DNPQ 0
-   クライヴ・ピュージー DNPQ 0
-   デイヴ・チャールトン DNPQ 0
順位 ドライバー RSA
 
MON
 
BEL
 
FRA
 
GBR
 
NED
 
GER
 
ITA
 
USA
 
MEX
 
ポイント
結果
金色 勝者
銀色 2位
銅色 3位
ポイント獲得
完走
完走扱い(全周回数の90%以上走行)
規定周回数不足(NC)
リタイア(Ret)
予選不通過(DNQ)
予備予選不通過(DNPQ)
失格(DSQ)
スタートせず(DNS)
レース中止(C)
水色 プラクティスのみ(PO)
金曜日テストドライバー(TD)
2003年以降
空欄 プラクティス出走せず(DNP)
除外 (EX)
到着せず (DNA)
欠場 (WD)

1965年のコンストラクターズランキング 編集

ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。ベスト6戦がポイントランキングに数えられた。各コンストラクターとも最上位の車両にポイントが与えられた。

順位 マニファクチャラー RSA
 
MON
 
BEL
 
FRA
 
GBR
 
NED
 
GER
 
ITA
 
USA
 
MEX
 
ポイント[2]
1   ロータス-クライマックス 1 10 1 1 1 1 1 10 12 3 54 (58)
2   BRM 3 1 2 2 2 2 2 1 1 Ret 45 (61)
3   ブラバム-クライマックス 8 7 4 4 6 3 3 3 2 2 27 (31)
4   フェラーリ 2 2 9 3 3 7 6 4 4 7 26 (27)
5   クーパー-クライマックス 5 5 3 Ret 10 Ret 4 5 6 Ret 14
6   ホンダ Ret 6 Ret Ret 6 14 7 1 11
7   ブラバム-BRM 7 6 8 6 8 11 Ret Ret 11 4 5
8   ロータス-BRM 11 Ret 13 Ret 13 10 Ret 6 10 6 2
-   ブラバム-フォード 9 0
-   アルファロメオ 10 0
-   LDS-アルファロメオ 13 0
-   クーパー-フォード DNQ DNQ 0
-   LDS-クライマックス DNQ 0
-   ロータス-フォード DNQ 0
順位 マニファクチャラー RSA
 
MON
 
BEL
 
FRA
 
GBR
 
NED
 
GER
 
ITA
 
USA
 
MEX
 
ポイント
  • 太字はカウントされたポイント

ノンタイトル戦結果 編集

ランドグランプリは3リッターカーによる初のF1レースであった。

レース サーキット 開催日 優勝者 コンストラクター レポート
  II ケープ・サウス・イースター・トロフィー キラーニー 1月9日   ポール・ホーキンス   ブラバム-クライマックス 詳細
  I レース・オブ・チャンピオンズ ブランズ・ハッチ 3月13日   マイク・スペンス   ロータス-クライマックス 詳細
  XIV シラクサグランプリ シラクサ 4月4日   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス 詳細
  I サンデー・ミラー・トロフィー グッドウッド 4月19日   ジム・クラーク   ロータス-クライマックス 詳細
  XVII BRDC インターナショナル・トロフィー シルバーストン 5月15日   ジャッキー・スチュワート   BRM 詳細
  IV メディトレニアングランプリ ペルグーサ 8月15日   ジョー・シフェール   ブラバム-BRM 詳細
  VIII ランドグランプリ キャラミ 12月4日   ジャック・ブラバム   ブラバム-クライマックス 詳細

参照 編集

  1. ^ FIA Yearbook, 1974, grey section, pages 118-121
  2. ^ a b ベスト6戦がポイントランキングに数えられた。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

外部リンク 編集