LOVEppears
『LOVEppears』(ラヴピアーズ)は、日本の歌手・浜崎あゆみの2枚目のオリジナル・アルバム。1999年11月10日にavex traxより発売。
『LOVEppears』 | ||||
---|---|---|---|---|
浜崎あゆみ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1999年![]() | |||
ジャンル | J-POP | |||
時間 | ||||
レーベル |
avex trax AVCD-11740(オリジナル盤)[1] AVCD-96371~4/B(20th Anniversary Edition 初回盤)[2] AVCD-96375~7(20th Anniversary Edition 通常盤)[2] | |||
プロデュース | MAX MATSUURA | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
浜崎あゆみ アルバム 年表 | ||||
| ||||
EANコード | ||||
EAN 4988064117406 (オリジナル盤) EAN 4988064963713 (20th Anniversary Edition 初回盤) EAN 4988064963751 (20th Anniversary Edition 通常盤) | ||||
『LOVEppears』収録のシングル | ||||
|
解説編集
オリジナルアルバムとしては前作『A Song for ××』から、わずか10ヶ月後の発売となった。 11thシングル「appears」との同時発売。シングルカットを含むとシングル11曲を収録しており、ほぼ全てにタイアップが付いていることから、実質ベストアルバム的な内容となっている。
アルバムのタイトルである「LOVEppears」は「LOVE」と「appears」からの造語。また、オリジナルアルバムでは本作で初めて浜崎のシンボルマークである「A」のロゴ表記が用いられ、以後の作品にも継承されている。
本アルバムに収録されているシングルの大半は、リアレンジやミックスを変更して収録されている (ただし、「Trauma」と「Boys & Girls」「End roll」は除く)。収録されているシングルのうち「kanariya」と「Fly high」は後にリカットとして発売されたものである(「Fly high」の方には原曲は収録されていない)。また、表記こそされていないが、「TO BE」、「too late」、「monochrome」もリアレンジを施されて収録されている。
ジャケットキービジュアル及び、アートワークに関しては、生々しい裸の姿が当時の若者らが大きな反響を呼び、同日にリリースされた「appears」を『黒アユ』、本アルバムを『白アユ』というネーミングが定着した。アルバム撮影の際、浜崎は「ジャケット・アイデアは、スタッフとの打ち合わせで、Ayuが言った意見。エーッ? って思うかもしれないけど、“上半身は洋服なし!胸は髪の毛で隠しちゃえ”みたいな感じで、アッという間に決まって」とコメントしていた[6]。
DISC2の内容[7]編集
CD EXTRA部分には浜崎本人の「おはよう」などの声やこれまでに浜崎が出演した作品のCM集、ジャケットの写真撮影風景などが収録されている。CD部分には、リミックスバージョンのメドレーと、1stアルバム『A Song for ××』収録曲のリミックスが収録されている。
コンセプト編集
- アルバムに封入されている別冊ライナーノーツ内にて、当時の専務でもある松浦勝人と浜崎本人によるインタビューが以下のように綴られている。
- 本当の浜崎あゆみを知る上での重要なキーワード。それは “目に見えるモノと真実のギャップ”
- 松浦は「“目に見えるモノと真実のギャップ”。ayuは、自ら命名したアルバム『LOVEppears』のタイトルに、“目に見えるモノと真実のギャップ” は、まさに、本当の浜崎あゆみを知る上での重要なキーワードだと思う。スタッフ・サイド、しかもすごく限られた、(ayuを信頼した) スタッフにしか見えない本当の姿。何かをつくる上では、ベースとなる企画立案から制作過程の細かな裏方的作業まで…。ayuは、どんなモノでも最終段階ギリギリまで自分の目で確認してから世の中に発表したがるし、インタビューを受けた後には、初校 (ゲラ) や色校と呼ばれる印刷見本のようなモノまでも全てチェックし、自分で直し (ペン) を入れる。雑誌の写真やCDのジャケットを飾るスチール撮影の時には、出来上がったポジ (写真) も全て自分で確認し、何十何百枚の中から自分で選ぶ。プロモーション・ビデオやCMなどの撮影時は、1カットごとに必ずその場で今録った映像をモニターで確認し、自分で演技を直したり、気がつけば監督やカメラマンと構図や演技するタイミングについて話し始めることもある。また、衣装・ヘアメイクに関しては、事前にある程度のことをやっておいて、現場の雰囲気や空気を感じて作り上げていく。衣装は常に多めに用意をしているし、突然、何かを追加することも珍しくない。ちなみに、アルバムと同時発売のマキシ・シングル『appears』のプロモーションビデオに出てくるピンクのセットアップは、実際に現場を自分の目で確認してから、パンツにハサミを入れて短パンにしたんだよね。」「少なくとも自分で今まで巡り会って来た人間の中でそこまで徹底的にこだわるひとはいなかったんだなぁ。」と語っている。
- これについて浜崎は「だってayuがやらないで誰がやるの?」「ayuが信頼した人たち、プロフェッショナルな人たちがやったこと、つくったモノに自分なりの考えやカラーをくわえさせる感じ」と語っている。
- 松浦は「大抵初めだけの三日坊主で終わるのがたいがい。ayuの場合これだけ知名度が出てきてもなお、裏方的な作業まで全てを自分でするというのは正直頭が下がる…。だから、ホントはProduced by ayumi hamasakiと明記してもいいと思ってる。事実、全て自分でやっているし、ayuがやっていることはもうプロデュースの域に十分達してると思うから…。」と語っている。
- ayuが詞を初めて見た時は、こんなの18歳が書く詞じゃないよと思った
- 松浦は「“ayuは本当に詞を書いているのか?” なんていう中傷を聞くことがある。確かに、自分も最初にayuの詞を見た時は、“本当にこいつが書いた詞なのか? 18歳 (当時) が書く詞じゃないよ” と思った。」「当時の詞はまだ荒削りで、ハマりが悪く、何のことを言ってるのか分からないモノとかもあったからね。でも、フニャフニャの手書き文字で書かれた詞を見た時、職業作家が書く詞の何百倍も痛いものがあった。心にグッと突き刺さってきた。」と語っている。
売上記録編集
初週で120.2万枚を売り上げ、初登場1位を獲得。自身初の初動ミリオンおよび累計ダブルミリオンを記録した。
批評編集
専門評論家によるレビュー | |
---|---|
レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
CDジャーナル | 肯定的[8] |
CDジャーナルは、「大胆なビジュアルが話題になったあゆの新作は、おなじみのナンバーのニュー・ミックスと、メガ・ミックスや過去の作品をリイシューしたCD EXTRAを加えた2枚組。エイベックスのドル箱アーティストだけにクオリティの高い楽曲が居並ぶ。しかし……。」「次から次へとニュー・アイテムが発売されるので、ファンは追いかけるのが大変であろう、そして早くも2ndアルバムまでがリリースされちゃうのだ。あの華奢な体のどこにそんなパワーが!?」と批評した[8]。
LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-編集
本作『LOVEppears』及び、11thシングル「appears」リリースから20年後である2019年11月10日に、リマスター盤『LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-』(ラヴピアーズ / アピアーズ・トゥエンティーズ・アニバーサリー・エディション)が発売。こちらは、浜崎公認である。収録曲全てマスターテープからリマスタリングを施し[9]、さらに『appears』のリミックス、ライブなど複数のバージョンを1枚にコンパイルした特典ディスクに加え、収録曲のPVと完全初公開となる「Trauma」の振り付け映像が収録されたDVDが追加される。
初回生産限定盤には、縦長デジパック透明スリーヴ仕様、特設サイトアクセスカードが封入されている[10]。
本リリースに先駆け、自身の誕生日にあたる10月2日にこれまでに発表されたデビュー曲「poker face」から最新アルバム『M(A)DE IN JAPAN』の間にリリースされた、100曲以上のミュージック・ビデオを動画サイトYouTubeにおいてフル尺で一挙解禁された[11]ほか、本リリース同日には、今作に収録されている「TO BE」と「appears」から2本のリリックビデオが公開された[12]。また10月11日には、本アルバムDISC1収録の全16曲がリマスター音源の配信が先行として行われた[13]。
令和へ元号改名後、初のCD作品・アルバムとなった。
収録曲編集
DISC1編集
- 全曲作詞:浜崎あゆみ
- Introduction (1:09)
- 作曲・編曲:HΛL
- インスト曲
- Fly high (4:07)
- Trauma (4:17)
- And Then (4:13)
- immature "Album Version" (4:45)
- Boys & Girls (3:54)
- 作曲:D・A・I / 編曲:鈴木直人&D・A・I
- 9thシングル
- 本人出演 花王ソフィーナ「オーブ(AUBE)」イメージソング
- TO BE (5:18)
- 作曲:D・A・I / 編曲:鈴木直人&D・A・I
- 8thシングル
- 本人出演 JT 「桃の天然水」CMソング
- End roll (4:49)
- P.S II (4:48)
- 作曲:桑原秀明 / 編曲:HΛL
- 前作『A Song for ××』収録の「POWDER SNOW」をアレンジしたもの。
- WHATEVER "Dub's 1999 Remix" (7:20)
- 作曲:菊池一仁 / 編曲:宮崎"D・M・X"泉
- 6thシングル。シングル版である"Version M"を7分弱に尺伸ばししたExtented版。
- too late (4:25)
- appears "Album Version" (5:38)
- 作曲:菊池一仁 / 編曲:HΛL
- 11thシングルのアレンジで、このアルバムと同日にリリースされた。
- 本人出演 花王ソフィーナ「オーブ(AUBE)」クリスマスソング
- monochrome (4:22)
- 作曲:D・A・I / 編曲:鈴木直人&D・A・I
- 10thシングル「A」収録曲
- 表記されていないが、シングルとは異なるアレンジで収録
- 本人出演 JT「桃の天然水」CMソング
- Interlude (0:56)
- 作曲・編曲:鈴木直人
- インスト
- LOVE〜refrain〜 (5:21)
- 作曲:つんく / 編曲:鈴木直人
- 7thシングル「LOVE〜Destiny〜」の原曲で、「LOVE~Destiny~」とはアレンジと歌詞が異なる。
- Who... (9:58)
- 作曲:菊池一仁 / 編曲:鈴木直人
- 映画「月」主題歌(後に決定)。
- 後にバラード・ベスト・アルバム『A BALLADS』と、オールタイム・ベストアルバム『A COMPLETE 〜ALL SINGLES〜』において、新録音されたものが収録された。
- (Secret Track) kanariya (3:08)
- 作曲:星野靖彦 / 編曲:CPM-Marvin
- 「Who...」終了後しばらく経つと聞けるシークレットトラック。
- 後に12thシングルとしてシングルカット。
DISC2編集
- ayu's EURO MEGA-MIX "Y&Co.MIX" (9:48)
- Remixed by Akira"BOSS"Yokota, Tetsuya"REMOCON"Tamura for 横田商会
- ayu's HOUSE MEGA-MIX "N.S House Mix" (9:58)
- Remixed by Shoji Ueda
- A Song for ×× "MILLENNIUM MIX" (4:46)
- POWDER SNOW "Acoustic Orchestra Version" (5:04)
- FRIEND II "MAKE MY MAD MIX" (4:29)
20th Anniversary Edition編集
- appears
-
- DISC3 収録曲参照
DISC4編集
- 「初回生産限定盤」のみ
- appears (HΛL's Progress)
- appears (Acoustic version)
- appears (Armin van Buuren's remix)
- appears (Junior's Appears On The Air)
- appears (HW Club Mix)
- appears (DJ-TURBO remix)
- appears (Junior's Club Mix)
- appears (HW Tokyo Hard House Mix)
- appears (Armin van Buuren's Sunset Dub)
- appears (Aggressive Extended Mix)
- appears (Melodic Extended Mix)
- appears (Shinichi Osawa remix)
- appears (Inst melo version)
DVD編集
- 「初回生産限定盤」のみ
- Fly high
- Boys & Girls
- TO BE
- WHATEVER
- appears
- Kanariya
- LOVE〜Destiny〜
- Who... (Live Lyric Video)
- Trauma (ayupan振り付け映像)
脚注編集
- ^ “LOVEppears|浜崎あゆみ”. ORICON STYLE. オリコン. 2016年6月7日閲覧。
- ^ a b “LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-|浜崎あゆみ”. ORICON STYLE. オリコン. 2019年11月13日閲覧。
- ^ “ゴールドディスク認定 1999年11月”. 日本レコード協会. 2016年10月2日閲覧。
- ^ “有料音楽配信認定 2014年12月”. 日本レコード協会. 2016年10月2日閲覧。
- ^ “浜崎あゆみ、女性アーティストアルバムTOP10入り歴代1位【オリコンランキング】。”. オリコン (2019年11月12日). 2019年11月13日閲覧。
- ^ 『オリコンウィーク The Ichiban』(1999年11月15日号より)[5]。
- ^ avexによる「LOVEppears」特設サイト
- ^ a b “浜崎あゆみ / LOVEppears”. CDジャーナル. 2020年8月17日閲覧。
- ^ “浜崎あゆみ、『LOVEppears』20周年を記念しアニヴァーサリー・エディション発売”. BARKS (2019年9月4日). 2019年9月4日閲覧。
- ^ “『LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-』リリース決定!”. 公式サイト (2019年9月4日). 2019年9月4日閲覧。
- ^ “YouTubeにて全Music Videoのフル尺を解禁!”. 公式サイト (2019年10月2日). 2019年11月13日閲覧。
- ^ “★本日展着日★「TO BE」「appears」のリリックビデオを公開!”. 公式サイト (2019年11月7日). 2019年11月13日閲覧。
- ^ “本日より、11月10日発売の『LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-』のDisc1が、フラッシュプライスで先行配信スタート!”. 公式サイト (2019年10月11日). 2019年11月13日閲覧。