U-23レスリング世界選手権

U-23レスリング世界選手権(U-23レスリングせかいせんしゅけん)は、世界レスリング連合(UWW)が主催する、大会開催年の12月31日時点で23歳以下の選手によって争われるレスリングの世界大会。第1回大会は2017年11月にポーランドブィドゴシュチュで開催された[1]

優勝者 編集

男子グレコローマン 編集

歴代優勝者
59kg以下級 66kg以下級 71kg以下級 75kg以下級 80kg以下級 85kg以下級 98kg以下級 130kg以下級
1 2017年  河名真寿斗  シュマギ・ボルカバーゼ  ダニエル・カタラガ  ファティ・センギス  ブルハン・アクブダク  エリック・シルバシー  アレクサンドル・ゴロビン  セルゲイ・セメノフ
55kg以下級 60kg以下級 63kg以下級 67kg以下級 72kg以下級 77kg以下級 82kg以下級 87kg以下級 97kg以下級 130kg以下級
2 2018年  ヌグザリ・ツルツミア  文田健一郎  遠藤功章  モハメド・イブラヒム・エラサイード  ジェンギズ・アルスラン  ダニエル・カタラガ  ゲラ・ボルクバゼ  セメン・ノビコフ  アレクサンドル・ゴロビン  ズビアディ・パタリーゼ
3 2019年  小川翔太  アルメン・メリキャン  メイサム・ダルハニ  モハメド・エルサイード  モハマドレザ・ゲラエイ  イスラム・オピエフ  ミラド・アリルザエフ  セメン・ノビコフ  アルビ・マルティン・サボライネン  アリアクバル・ホセイン・ユソフィアーマドチャリ
4 2021年  マブルド・リズマノフ  アンバル・アラヒアロフ  レリ・アブラゼ  ハスラト・ジャファロフ  イドリス・イバエフ  レバイ・タマシュ  アイベンゴ・リカゼ  アレクサンドル・コマロフ  アルトゥール・サルグシャン  アミン・ミルザザデフ
5 2022年  ポウヤ・ダドマルズ  ケレム・カマル  イマン・モハマディ  セイエド・ダニアル・ソフラビ  グルバン・グルバノフ  マルハス・アモヤン  エザウセ・ムクブ  タカチ・イストバン  アレクス・セーケ  ファティフ・ボズクルト
6 2023年  ゲオルギー・トハーゼ 中立選手(AIN)アンバル・アラヒアロフ 中立選手(AIN)ラフマン・タブムルザエフ  スルタン・アセトゥリ 中立選手(AIN)ドミトリ・アダモフ  アレクサンドリン・グチュ 中立選手(AIN)アウエス・ゴニボフ 中立選手(AIN)マゴメド・ムルタザリエフ 中立選手(AIN)パベル・フリンチュク  ハムザ・バキル

男子フリースタイル 編集

歴代優勝者
57kg以下級 61kg以下級 65kg以下級 70kg以下級 74kg以下級 86kg以下級 97kg以下級 125kg以下級
1 2017年  アンドレウ・オルテガ  中村倫也  ナチン・クーラー  リチャード・ルイス  ガジ・ナビエフ  アリハン・ジャブライロフ  モジタバ・モハンマドシャフィー・ゴレイジ  ゲノ・ペトリアシビリ
57kg以下級 61kg以下級 65kg以下級 70kg以下級 74kg以下級 79kg以下級 86kg以下級 92kg以下級 97kg以下級 125kg以下級
2 2018年  長谷川敏裕  マゴメドラスル・イドリソフ  樋口黎  タイムラズ・サルカザノフ  アブタンディル・ケンチャーゼ  ニカ・ケンチャーゼ  カムラン・ガセンプル  シャミル・ズバイロフ  ギビ・マチャラシビリ  サイード・ガミドフ
3 2019年  アンドレウ・オルテガ  ウルクベク・ジョルドシュベコフ  トゥラン・バイラモフ  ミルザ・スクフルヒア  ラザムベク・ジャマロフ  タリエル・ガフリンダシビリ  カムラン・ガセムプル  ボー・ニッカル  モジタバ・ゴレイジ  アミル・ホセイン・ザレ
4 2021年  アリアバス・ラザザデ  アルセン・ハルチュニャン  ゲオルギオス・ピリディス  エルナザル・アクマタリエフ  チェルメン・バリエフ  マゴメド・マゴマエフ  ムハンメド・アリエフ  オスマン・ヌルマゴメドフ  アミル・アリ・アザルピラ  アンソニー・カシオピ
5 2022年  アマン・セフラワト  アルセン・ハルチュニャン  バズゲン・テバニャン  ゲオルギー・エルバキゼ  モハンマド・サデグ・フィルズプル  ウラジーメル・ガムクレリゼ  白井達也  アミル・ホセイン・フィルズプル  アミル・アリ・アザルピラ  アミル・レザ・マスミ
6 2023年 中立選手(AIN)ナチン・モングシュ 中立選手(AIN)バシル・マゴメドフ 中立選手(AIN)イブラギム・イブラギモフ 中立選手(AIN)イナルベク・シェリエフ  キーガン・オトゥール 中立選手(AIN)マゴメド・マゴマエフ  アーロン・ブルック  ムハメド・ギムリ  アイザック・トルンブル  ワイアット・ヘンドリクソン

女子フリースタイル 編集

歴代優勝者
48kg以下級 53kg以下級 55kg以下級 58kg以下級 60kg以下級 63kg以下級 69kg以下級 75kg以下級
1 2017年  エビン・デミルハン  五十嵐未帆  奥野春菜  熊野ゆづる  坂野結衣  源平彩南  クームバ・ラロック  松雪泰葉
50kg以下級 53kg以下級 55kg以下級 57kg以下級 59kg以下級 62kg以下級 65kg以下級 68kg以下級 72kg以下級 76kg以下級
2 2018年  五十嵐未帆  角谷萌々果  五十嵐彩季  アレクサンドリア・タウン  グレイス・ブレン  川井友香子  源平彩南  ジュダリ・サンチェス・ロドリゲス  ブセ・トスン  パ・リハ
3 2019年  加賀田葵夏  奥野春菜  ルオ・ラヌアン  南條早映  田南部夢叶  稲垣柚香  榎本美鈴  古市雅子  ミライミス・マリン・ポトリレ  パ・リハ
4 2021年  エミリー・シルソン  ルシア・エペス  アンドレーア・アナ  アリナ・フルシナ  アンヘリナ・リサク  アナ・ゴディネズ  アナスタシア・ラブレンチュク  クンバ・ラローク  アナスタシア・アルペエワ  アイペリ・メデトキジ
5 2022年  須崎優衣  奥野春菜  清岡もえ  南條早映  德原姫花  尾﨑野乃香  森川美和  ネスリン・バシ  アミト・エラー  タチアナ・レンテリア
6 2023年  伊藤海  大野真子  今井佑海  屶網さら  ソロミア・ビニク  稲垣柚香  イリナ・リンガチ  ネスリン・バシ  アミト・エラー UWWレーティカ・フーダ

国別団体戦優勝国 編集

グレコローマン 男子フリースタイル 女子フリースタイル
2017   ジョージア   ロシア   日本
2018   ジョージア   ロシア   日本
2019   イラン   ロシア   日本
2021   ロシア   ロシア   ウクライナ
2022   イラン   ジョージア   日本
2023   トルコ   アメリカ合衆国   日本

国別獲得メダル数 編集

順位国/地域
1  日本 (JPN)38111766
2  ロシア (RUS)17242566
3  イラン (IRI)1782853
4  ジョージア (GEO)15111642
5  トルコ (TUR)11103354
中立選手(AIN)114823
6  アメリカ合衆国 (USA)10111233
7  ウクライナ (UKR)7103754
8  アゼルバイジャン (AZE)6152243
9  アルメニア (ARM)541019
10  モルドバ (MDA)48921
11  ハンガリー (HUN)43613
12  キューバ (CUB)4138
13  中華人民共和国 (CHN)35715
14  キルギス (KGZ)33713
15  カナダ (CAN)2259
16  フランス (FRA)2226
17  エジプト (EGY)2035
18  ノルウェー (NOR)2002
19  インド (IND)18817
20  カザフスタン (KAZ)161724
21  ルーマニア (ROU)13812
22  ポーランド (POL)1348
23世界レスリング連合(UWW)1269
24  フィンランド (FIN)1124
25  ギリシャ (GRE)1113
26  エクアドル (ECU)1102
  コロンビア (COL)1102
  スロバキア (SVK)1102
29  ドイツ (GER)1089
30  クロアチア (CRO)0516
31  ベラルーシ (BLR)04711
32  モンゴル (MGL)021214
33  オーストリア (AUT)0112
  ブルガリア (BUL)0112
35  スイス (SUI)0101
  デンマーク (DEN)0101
37  スウェーデン (SWE)0055
38  イタリア (ITA)0033
  リトアニア (LTU)0033
40  イスラエル (ISR)0022
41  オランダ (NED)0011
  セルビア (SRB)0011
  チェコ (CZE)0011
  チャイニーズタイペイ (TPE)0011
  チュニジア (TUN)0011
  トルクメニスタン (TKM)0011
  ナイジェリア (NGR)0011
  ベネズエラ (VEN)0011
  ラトビア (LAT)0011
計 (国/地域数: 49)174174348696

開催地 編集

期間 開催国・地域/都市
第1回 2017年   ポーランドブィドゴシュチュ
第2回 2018年   ルーマニアブカレスト
第3回 2019年   ハンガリーブダペスト
第4回 2021年   セルビアベオグラード
第5回 2022年   スペインポンテベドラ
第6回 2023年   アルバニアティラナ

(出典[2])。

トラブル 編集

  • 2017年大会の86kg級初戦でイランのアリレザ・カリミ・マシアニがロシアのアリハン・ジャブライロフと対戦して3-2でリードしていたものの、この試合に勝つと次戦でイスラエルのウリ・カラシニコフと対戦することが判明したために、コーチがタイムを取ってマシアニを呼び寄せてわざと負けろとの指示を与えると、マシアニはなす術なくポイントを取られ続けて3-14でテクニカルフォール負けした。結果、この階級ではジャブライロフが優勝、カラシニコフが3位になった。なお、マシアニは2013年にも類似の行動を取ったという。イランレスリング連盟はマシアニを英雄と賞賛した[3][4]。一方、この件に関してUWWは調査に乗り出した[5]。2018年2月にUWWはマシアニに6ヶ月、コーチのハミドレザ・ジャムシディに2年間の出場停止処分を科した。イランレスリング連盟はこの決定に抗議するとともに、イスラエルとの対戦を拒む姿勢に変更を加えるつもりはないと警告した[6][7]
  • 2023年の今大会は当初フィンランドタンペレで開催予定だったが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を理由にフィンランドがロシアとその協力者であるベラルーシの選手に対してビザ発給を拒否したため、開催地がアルバニアティラナに変更された。各種言動を調査した上で、軍や政府機関と関わり合いを持たず、戦争を支持していないと判断されたロシアとベラルーシの選手は、中立の立場(AIN)で参加することになった。一方でアルバニアは、2022年9月に政府関連施設への大規模なサイバー攻撃にイランが関与していたと断定してイランと国交を断絶していたため、今大会に参加予定だったイラン選手団へのビザ発給を拒む事態となった[8][9][10]。また、UWWはインドレスリング連盟(WFI)の元会長によるセクハラ行為を巡る混乱で、定められた期間内に会長選挙が実施されなかったことを理由に、WFIに対して暫定的な資格停止処分を科した。そのため、インドの選手は今大会にUWW名義で出場することになり、国旗や国歌を使用できない[11][12]

脚注 編集

外部リンク 編集