We are』(ウィー・アー)は、1980年11月21日に発売されたオフコース通算8作目のオリジナル・アルバム

We are
オフコーススタジオ・アルバム
リリース
録音
  • 1980年8月21日 – 9月28日 (1980-08-21 – 1980-09-28)
  • FREEDOM STUDIO 1 & 2
  • 1980年10月1日 (1980-10-01)
  • DAVLIN STUDIO (Saxophone & Steelguitar)
ジャンル
レーベル EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI
プロデュース オフコース
チャート最高順位
  • 1位(オリコン
  • 1981年度年間6位(オリコン)
  • 登場回数35回(オリコン)
ゴールドディスク
  • 第23回日本レコード大賞ベスト・アルバム賞
  • オフコース アルバム 年表
    • LIVE
    • (1980年 (1980)
    • We are
    • (1980年 (1980)
    『We are』収録のシングル
    1. Yes-No ⁄ 愛の終わる時
      リリース: 1980年6月21日 (1980-06-21)
    2. 時に愛は ⁄ 僕等の時代
      リリース: 1980年12月1日 (1980-12-01)
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    解説 編集

    8月から始まったアルバム制作は、9月末にすべての録音を終え、アメリカでミックスダウンを行った。ミキサーとして依頼したビル・シュネーは、TOTOボズ・スキャッグススティーリー・ダンなど多くのミュージシャンのプロデュースやミキシングを手掛けたエンジニアだった。きっかけは、小田がツアー中のある地方でパチンコをしたときにパチンコ玉と交換したレコードがボズ・スキャッグスの『ミドル・マン』で、良い音なのでジャケットを見たらエンジニアとしてクレジットされていたのがビル・シュネーだった。早速、小田が連絡をとったところ、他にも候補を立てた中でビルが最初に返事をしたからだという。

    ビル・シュネーの仕事振りには驚かされることが多く、その音楽的センス、手際のよさ、大胆さ。微妙な感覚に多くを学び、『We are』は満足の出来となった。このアルバムについて武藤敏史は「ミキサーというのは、最終的に音楽をまとめる、いわばコンダクターでしょう。今まではどちらかというと、電機家とかエンジニアだった。彼らが、もっとこういう風にしたいなと思っても、いつも電機との闘いで、エンジニアはもうひとつ彼らの思うように表現できていなかった。それをはじめて可能にしたのがビル・シュネーだったんだよね。彼もまたアーティストだったから。彼らの思うように表現してくれる人だった。だから彼らも満足しているんじゃないかな」と語っていた。

    5人のオフコースなのだから、権利も責任も5等分にすると小田は考えた。それを明確に示すため、ジャケットの表にはローマ字のタイプで5人の名前が並べられた[注釈 1]。裏側も5人の写真が、同じ大きさで並べられた。

    A-3「おまえもひとり」のギターソロは歌の裏およびエンディングが鈴木、間奏が松尾の演奏。コンサートでも同じ振り分けで、鈴木は複雑なフレーズを正面を向いて歌いながら弾いている。

    A-5「いくつもの星の下で」は、なかなか曲が出来なかったときにやっと作り上げたものの、自分でも判断がつかず、スタジオで初めて音を出したとき、メンバーの一人に「イイ曲だよこれ!」と言われてホッとしたことを覚えていると、鈴木が後に『BeSide[注釈 2]のセルフライナーで書いている。

    B-2「せつなくて」はクレジット上は大間と松尾の作品だが、松尾によれば実際には、特にサビの部分は小田に相当手伝ってもらったという。詞の内容は、松尾の過去の恋愛事情がモデルになっており、Aメロにある「君の好きな街」とは代々木のことである。大間はこうした背景を情報共有した上で松尾と共同作詞したという。[1]この曲は後に松尾がシングル「せつなくて[注釈 3]にてセルフ・カヴァーしているが、そこでは小田がオフコース解散後初となる元メンバーとのコラボレーションとして、ピアノ&ピアノ編曲で参加している。

    B-3「Yes-No」はシングルではイントロに収録されていた富樫要のフリューゲルホーンが省略され、後半部に大間によるカウベルが加えられている。

    B-4「私の願い」は小田のプロデュースで鈴木雅之によってカヴァーされ、アルバム『Dear Tears[注釈 4]に収録、後にシングルカットされた[注釈 5]2005年の小田のコンサートツアーに先立ち、ピアノ弾き語りで歌って欲しい曲のアンケートを取ったところ、最もリクエストの多かった曲。

    B-5「きかせて」はコンサート・ツアー“We are”でも本編の最後を締める曲として使われ、曲の後半ではニューヨークの夜景の映像が使われた。大間によればこの曲のドラムは「自分でもよくぞここまでと思う」というほど一切の無駄を省いた究極のドラミングだという。

    収録曲 編集

    SIDE A
    全編曲: オフコース
    #タイトル作詞作曲時間
    1.時に愛は小田和正小田和正
    2.僕等の時代小田和正小田和正
    3.おまえもひとり鈴木康博 · 清水仁鈴木康博
    4.あなたより大切なこと小田和正小田和正
    5.いくつもの星の下で鈴木康博鈴木康博
    SIDE B
    全編曲: オフコース。
    #タイトル作詞作曲時間
    1.一億の夜を越えて安部光俊鈴木康博
    2.せつなくて大間仁世 · 松尾一彦松尾一彦
    3.Yes-No小田和正小田和正
    4.私の願い小田和正小田和正
    5.きかせて小田和正小田和正

    クレジット 編集

    Produced by OFF COURSE
    Arranged by OFF COURSE
    Keyboards    KAZUMASA ODA
    Guitars    YASUHIRO SUZUKI
    Electric Bass    HITOSHI SHIMIZU
    Guitars & Harmonica    KAZUHIKO MATSUO
    Drums & Percussion    HITOSE “Jiro” OMA
       Strings    TAMANO Strings Section
       Saxophone    GARY HERBIG
       Steelguitar    DOUG LIVINGSTON
     
    Exectuive Producer    TOSHIFUMI MUTOH (Assistant    MASAHIKO INA)
    Recording Engineer    SHIROH KIMURA (Sept-1)
    Mixing Engineer    BILL SCHNEE (Assistant    STEVEN FONTANO)
    Assistant Engineer    SUSUMU MERA (FREEDOM STUDIO)
    Associate Engineer    RYOJI HACHIYA
    Recorded at FREEDOM STUDIO 1&2 from Aug.21 to Sep.28
    Saxophone & Steelguitar at DAVLIN STUDIO (Oct.1)
    Remixed at CHEROKEE STUDIO from Sep.29 to Oct.2
    Cutting at THE MASTERING LAB (Oct 7,10)
     
    General Manager    KAZUHIKO NISHIZAWA
    Promotion Manager    HIROSHI “MAJO” UENO
    Tour Manager    KAZUTOYO KOUCHI
    Road Manager    KANAME TOGASHI
     
    Graphic Concept, Design    HIROYUKI FUKUZATO
    Photography    JIN “TAMJIN” TAMURA
    ©1980 Fairway Music Co. Ltd, & Pacific Music Publishing Co. Ltd.
     
    Our Tour Staff
       Stage    TETSURO MISHIMA (Musical Station)    KAZUHIKO AZUMA    HIDEKI KUGA
       Sound    SHIROH KIMURA (Sept-1)    RYOHEI KAWAMINAMI (Sept-1)    MASANORI YAMAZAKI (Sept-1)
       Lighting    AKIRA OKABE (Staff Service)    HIDEKI MAKI (Staff Service)    KOHJI SASAKI (Staff Service)
     
    Special Thanks to
       TOSHIBA EMI NITTA GROUP
       P.M.P - ICHI ASATSUMA    AKIRA SASAJIMA    HARUYOSHI KAWAMOTO    GEORGE KAKIZAKI
       Freedom Studio
       Mac Studio
       Leo Music
       MAKOTO SUGIMOTO
       HISASHI FUJITA
       SHIGERU YOSHIDA
       Ibanez    Fujigengakki
       Ludwig & Zildjian
       imported by NONAKA BOEKI CO., LTD.

    TOCT-25642, TOCT-95042 編集

    We are
    オフコーススタジオ・アルバム
    リリース
    録音
    • 1980年8月21日 – 9月28日 (1980-08-21 – 1980-09-28)
    • FREEDOM STUDIO 1 & 2
    • 1980年10月1日 (1980-10-01)
    • DAVLIN STUDIO (Saxophone & Steelguitar)
    ジャンル
    時間
    レーベル
    • EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI (TOCT-25642)
    • EXPRESS ⁄ EMI Music Japan (TOCT-95042)
    プロデュース オフコース
    EANコード
    EAN 4988006196018 (TOCT-25642)
    EAN 4988006218482 (TOCT-95042)
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    解説 編集

    2005年、レコード・デビュー35周年にあわせ“オリジナル・アルバム15タイトル紙ジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍中のオリジナル作品がリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁を復刻した紙ジャケット仕様にてリリースされた。2009年にはSHM-CDフォーマット、通常のプラ・ケース仕様で再発された。

    収録曲 編集

    1. 時に愛は
    2. 僕等の時代
    3. おまえもひとり
    4. あなたより大切なこと
    5. いくつもの星の下で
    6. 一億の夜を越えて
    7. せつなくて
    8. Yes-No
    9. 私の願い
    10. きかせて

    クレジット 編集

    • リマスタリング・エンジニア:行方洋一
    • ジャケット資料協力:喜多雅美 (サウンドステーション)
    • ライナーノーツ:田家秀樹

    リリース履歴 編集

    # 発売日 リリース 規格 品番 備考
    1 1980年11月21日 (1980-11-21) エキスプレス ⁄ 東芝EMI LP ETP-90038 帯の代わりにステッカーが貼られる。レーベルがアルバム独自のデザインになる。
    CT ZT28-700 カセット同時発売。
    2 1983年11月21日 (1983-11-21) CD CA35-1015 初CD化(以降全てアーティスト非監修による再発)。
    3 1985年9月28日 (1985-09-28) CD CA32-1164 品番および価格改定。
    4 1987年7月5日 (1987-07-05) CD CA25-1488 オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)の中の1枚。
    CT ZH22-1858 オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12本組カセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)の中の1本。
    5 1991年6月7日 (1991-06-07) CD TOCT-6209  
    6 1992年6月24日 (1992-06-24) CD TOCT-6943 音蔵シリーズでの再発。
    7 1998年2月25日 (1998-02-25) CD TOCT-10091 Q盤シリーズでの再発。
    8 1998年11月18日 (1998-11-18) CD TOCT-10549 オリジナル・アルバム+ライブ・アルバム全13タイトルの14枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)の中の1枚。
    9 2001年11月28日 (2001-11-28) CD TOCT-10781 スーパーリマスタリングシリーズでの再発。
    10 2005年3月24日 (2005-03-24) CD TOCT-25642 紙ジャケット仕様。24ビット・デジタル・リマスタリング音源による再発。
    11 2009年1月21日 (2009-01-21) エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン SHM-CD TOCT-95042  

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ 順序は生年月日順。
    2. ^ 鈴木康博BeSide1996年10月23日発売 ZIG ZAG ⁄ BMG VICTOR CD:BVCR-772
    3. ^ 松尾一彦せつなくて2010年10月20日発売 Still Life Records CD:CVOV-10002
    4. ^ 鈴木雅之Dear Tears1989年9月21日発売 EPIC/SONY CD:32・8H 5117
    5. ^ 鈴木雅之「私の願い」 1989年12月1日発売 EPIC/SONY SCD:ESDB 3045

    出典 編集

    1. ^ 2022年12月29日 ABS秋田放送「賀内隆弘の年末も名曲~秋田県人が支えたオフコース」
    2. ^ 【CD】We are<初回生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。
    3. ^ 【SHM-CD】We are<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。

    外部リンク 編集

    音楽配信サイト 編集

    ハイレゾ配信 編集