カコイーシーズ
カコイーシーズ(Cacoethes)は、アメリカ生まれの競走馬で、引退後は日本で繋養されていた種牡馬である。名前の由来はラテン語のCacoethes(カコエテス=抑えがたい衝動)から。
カコイーシーズ | |
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ハリソン夫人の勝負服 | |
欧字表記 | Cacoethes |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1986年3月7日[1][2] |
死没 | 2009年9月11日(23歳没)[2] |
父 | Alydar |
母 | Careless Notion |
母の父 | Jester |
生国 | アメリカ合衆国 |
生産者 | Fran and Ray Stark[1] |
馬主 | ハリソン夫人[1] |
調教師 | ガイ・ハーウッド(イギリス)[1] |
競走成績 | |
生涯成績 | 14戦4勝[1] |
獲得賞金 |
31万1671ポンド 36万ドル 2802万5800円 |
経歴
編集出自
編集カリフォルニア州の生産者、スターク夫妻の生産したサラブレッドの牡馬である。1987年のキーンランドのイヤリングセールにおいて上場されたカコイーシーズは、購買代理人のジェームズ・デラホークに225,000ドルで落札された[1]。その後ガイ・ハーウッド調教師のもとに預けられたカコイーシーズは当初ポール・ロックに所有されていたが、2歳シーズンが始まる前にハリソン夫人に購入された。
競走馬時代
編集2歳、3歳
編集1988年は1戦のみの出走で、デビュー戦となったアスコット競馬場10月のオータムステークスに11/1(単勝12倍)のオッズで出走、勝ち馬ナシュワンから5馬身半差離された3着だった[3]。
1989年、この年の初戦は、4月24日のプリンセスオブウェールズグラデュエーションステークスであった。この競走でカコイーシーズは5/6(単勝約1.83倍)のオッズで1番人気に支持され、2着馬に7馬身差をつける圧勝で初勝利を挙げた[4]。続くダービートライアルステークス(G3・芝12ハロン)ではそれまで無敗できたプライベートアーミーという馬が1番人気になっていて、カコイーシーズは2番人気であった。この競走でカコイーシーズは終始先頭を譲らず、2着のプライベートアーミーに4馬身差をつけて楽勝、重賞初勝利を挙げた[5]。
6月7日、ダービーステークス(G1・芝12ハロン)では3/1(単勝4倍)のオッズでナシュワンに次ぐ2番人気だったが、ナシュワンに敗れ3着だった。 ダービー後は2週間後のキングエドワード7世ステークス(G3)では再び1番人気に支持され、これをパット・エデリー鞍上のもと2着馬に3/4馬身差をつけて制した[6]。続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(G1)に挑むが、再びナシュワンに今度はクビ差で及ばず2着だった。さらに続くインターナショナルステークス(G1)も2着で、凱旋門賞では2番人気となるが14着という結果に終わった。
4歳
編集1990年、この年は4月のグレアムステークスから始動したが1番人気で4着だった。2年連続出走となったキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスも4着[7]、2か月間隔を空けて出走したカンバーランドロッジステークス(G3)で2着と勝ちきれなかった。
その後アメリカに遠征し、遠征初戦のターフクラシック(G1)を制しG1初勝利を挙げた[8]。しかし続くブリーダーズカップターフ(G1)では9着だった。11月にはジャパンカップに出走するために初来日を果たし、中央競馬初出走となったレースでは、3番人気で3着となり、このレースを最後に競走馬を引退することになった。
年度別繁殖成績表
編集年 | 出走 | 勝利 | AEI | 収得賞金 | |||
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頭数 | 回数 | 頭数 | 回数 | 順位 | |||
1994年 | 5 | 19 | 3 | 4 | 317 | 0.78 | 3381万5000円 |
1995年 | 26 | 135 | 6 | 9 | 110 | 0.71 | 1億5988万8000円 |
1996年 | 36 | 165 | 15 | 26 | 35 | 1.21 | 3億8394万7000円 |
1997年 | 36 | 235 | 15 | 16 | 45 | 1.15 | 3億6254万8000円 |
1998年 | 40 | 239 | 22 | 28 | 40 | 1.15 | 3億9831万8000円 |
1999年 | 39 | 205 | 39 | 19 | 61 | 0.86 | 2億8302万2000円 |
2000年 | 40 | 189 | 11 | 13 | 76 | 0.68 | 2億2222万2000円 |
2001年 | 37 | 175 | 12 | 14 | 78 | 0.80 | 2億2548万5000円 |
2002年 | 31 | 140 | 7 | 8 | 98 | 0.69 | 1億5566万3000円 |
2003年 | 17 | 88 | 7 | 10 | 94 | 1.25 | 1億4826万1000円 |
2004年 | 25 | 94 | 3 | 5 | 113 | 0.68 | 1億1507万1000円 |
2005年 | 25 | 98 | 5 | 5 | 124 | 0.56 | 9340万6000円 |
2006年 | 18 | 67 | 2 | 4 | 178 | 0.43 | 5035万円 |
2007年 | 24 | 88 | 3 | 5 | 133 | 0.51 | 7966万1000円 |
通算 | 399 | 1937 | 150 | 166 | - | - | - |
※2007年終了時点。
種牡馬時代
編集引退後は日本で種牡馬入りした。コンサートボーイを始め地方競馬で多くの活躍馬を輩出している。2007年限りでシンジケートが解散されたが、健康状態や受胎率などは問題がなく引き続きトヨサトスタリオンセンターで種牡馬を続けることになった。
後継種牡馬としてコンサートボーイとエスプリシーズが種牡馬入りしている。
主な産駒
編集太字はGI・JpnI競走を示す
- 1992年産
- 1993年産
- 1994年産
- シーズプリンセス(ファンタジーステークス)
- カコイサンデー(高知県知事賞)
- 1995年産
- ロングイカロス(小倉サマージャンプ)
- ユニティステージ(トゥインクルレディー賞、京成盃グランドマイラーズ)
- 1996年産
- エビスジャパン(黒潮盃)
- 1998年産
- ナミ(エーデルワイス賞、桜花賞、東京プリンセス賞、トゥインクルレディー賞、ゴールデンティアラ賞、スーパーチャンピオンシップ)
- 1999年産
- エスプリシーズ(川崎記念、東京湾カップ、船橋記念、京成盃グランドマイラーズ、報知オールスターカップ)
- プルザトリガー(エンプレス杯、トゥインクルレディー賞、TCKディスタフ)
- 2002年産
- メイプルエイト(金盃)
- 2003年産
- ミスジョーカー(東京シンデレラマイル)
- アスターバジル(黒潮盃)
- 2004年産
- エスプリベン(報知オールスターカップ)
- プラネットワールド(建依別賞)
- 2005年産
- 2006年産
- ツクシヒメ(TCKディスタフ)
- アラベスクシーズ(北海優駿)
- 2007年産
- 2008年産
母父としての主な産駒
編集グレード制重賞優勝馬
編集血統表
編集カコイーシーズの血統(レイズアネイティヴ系/Nasrullah3×4=18.75%、Bull Lea5×5=6.25%、Bull Dog(Sir Gallahad III)5×5=6.25%) | (血統表の出典) | |||
父 Alydar 1975 栗毛 |
父の父 Raise a Native1961 栗毛 |
Native Dancer | Polynesian | |
Geisha | ||||
Raise You | Case Ace | |||
Lady Glory | ||||
父の母 Sweet Tooth1965 鹿毛 |
On-and-On | Nasrullah | ||
Two Lea | ||||
Plum Cake | Ponder | |||
Real Delight | ||||
母 Careless Notion 1970 鹿毛 |
Jester 1955 鹿毛 |
Tom Fool | Menow | |
Gaga | ||||
Golden Apple | Eight Thirty | |||
Thorn Apple | ||||
母の母 Miss Uppity1956 鹿毛 |
Nasrullah | Nearco | ||
Mumtaz Begum | ||||
Nursery School | Count Gallahad | |||
Kindergarten F-No.2-e |
脚注
編集- ^ a b c d e f “Cacoethes (CA)”. EQUIBASE. 2022年6月19日閲覧。
- ^ a b “カコイーシーズ(USA)”. 血統書サービス. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022年6月19日閲覧。
- ^ “Red Oaks Autumn Stakes result”. Racing Post (8 October 1988). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Prince of Wales Graduation Stakes result”. Racing Post (24 April 1989). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Derby Trial Stakes result”. Racing Post (13 May 1989). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “King Edward VII Stakes result”. Racing Post (20 June 1989). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “King George VI and Queen Elizabeth Diamond Stakes result”. Racing Post (28 July 1990). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Turf Classic result”. Racing Post (7 October 1990). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “名種牡馬カコイーシーズが死亡” (2009年10月1日). 2017年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月20日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- カコイーシーズ(USA) - 競走馬のふるさと案内所