ウィリアムズ・FW40
ウィリアムズ・FW40 (Williams FW40) は、ウィリアムズが2017年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。
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カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ウィリアムズ | ||||||||||
先代 | ウィリアムズ・FW38 | ||||||||||
後継 | ウィリアムズ・FW41 | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
エンジン |
メルセデス M08 EQ Power+ 1.6L V6ターボ | ||||||||||
タイヤ | ピレリ | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | ウィリアムズ・マルティーニ・レーシング | ||||||||||
ドライバー |
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出走時期 | 2017年 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 83 | ||||||||||
初戦 | 2017年オーストラリアGP | ||||||||||
最終戦 | 2017年アブダビGP | ||||||||||
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本来であれば、前年のFW38の続番である「FW39」となるところだが、2017年は「ウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリング」としてのF1参戦40周年[1]を迎えるため、シャシー名称を「FW40」としている[2]。
概要 編集
2017年2月17日に画像が先行公開され[3]、同月25日にオンラインで公開された[4]。新しいレギュレーションに合わせる形で、フロントウイング、フロアの前端、リアウイングはいずれも三角形状を持っている。また、フロントウイングとリアウイングの幅が広くなり、大きくなったピレリタイヤに合わせられた[5]。画像先行公開時にはなかったシャークフィンがオンライン公開時に装着されている[6]。
2017年シーズン 編集
ドライバーは当初残留予定だったバルテリ・ボッタスがニコ・ロズベルグの引退を受け急遽メルセデスへ移籍したため、前年引退宣言を行ったフェリペ・マッサが引退を撤回して復帰。チームメイトはランス・ストロールが昇格した。
序盤はマッサが奮闘したびたび予選Q3に進出、まめに入賞する位の戦力状態であった。一方ストロールは予選で劣ったり他車との接触リタイヤが続き批判もあったが、第8戦アゼルバイジャンGPでストロールが初の表彰台に立った。これが結果的にトップ3チーム(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)以外で唯一の表彰台を獲得したドライバーとなった。また、第13戦イタリアGPは雨で荒れた予選でストロールが4位となり、レッドブル勢のグリッド降格によりフロントローを獲得した。
マッサは第11戦ハンガリーGPのフリー走行で体調不良を訴え欠場。予選以降はリザーブドライバーのポール・ディ・レスタが代走を務めた[7]。
この年は、ボッタスの移籍やペイドライバーのストロールの加入など、チーム環境に波乱のあったシーズンであったが、結果だけ見ればコンストラクターズ5位を確保した。マッサは前年に近いポイントを獲得。ストロールもF1のデビューイヤーながらも、序盤の3戦と第16戦以外は完走しており、表彰台入賞やマッサと同等のポイントを得るなど一定の結果を残した。だが、総獲得ポイントでは前年の半分近くに減少している。そしてマッサはこのシーズンをもって完全にF1から引退した。
スペック 編集
シャシー 編集
- 型式:FW40
- シャシー構造:カーボンファイバー/ハニカムコンポジット構造
- フロントサスペンション:プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン/スプリング&アンチロールバー
- リアサスペンション:プルロッド式ダブルウィッシュボーン/スプリング&アンチロールバー
- ギアボックス:ウィリアムズ 8速シームレスシーケンシャル・セミオートマチック+リバース/電子油圧制御によるギアセレクト
- クラッチ:カーボンマルチプレート
- ダンパー:ウィリアムズ
- ホイール:APtech マグネシウムホイール
- タイヤ:ピレリ P-Zero
- ブレーキシステム:APレーシング 6ピストン(フロント)、4ピストン(リア)キャリパー/カーボンファイバーディスクブレーキ&パッド
- ブレーキシステム:APレーシング 4ピストンキャリパー、カーボンディスク&パッド
- ステアリング:ウィリアムズ パワーアシスト・ラック・アンド・ピニオン
- 燃料システム:ATL製ケブラー強化ゴム製タンク
- 電子システム:FIA(MES)スタンダードECU
- 冷却システム:アルミオイル&冷却水&ギアボックス・ラジエーター
- コックピット:6点式シートベルト75mmショルダーストラップ&HANSシステム/各ドライバー専用カーボンファイバーシート
- 全高:950mm
- 全幅:2,000mm
- 重量:728kg(燃料・冷却水・ドライバー含む)
パワーユニット 編集
記録 編集
年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ポイント | ランキング |
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AUS |
CHN |
BHR |
RUS |
ESP |
MON |
CAN |
AZE |
AUT |
GBR |
HUN |
BEL |
ITA |
SIN |
MAL |
JPN |
USA |
MEX |
BRA |
ABU | |||||
2017 | 19 | マッサ | 6 | 14 | 6 | 9 | 13 | 9 | Ret | Ret | 9 | 10 | PO | 8 | 8 | 11 | 9 | 10 | 9 | 11 | 7 | 10 | 83 | 5位 |
18 | ストロール | Ret | Ret | Ret | 11 | 16 | 14† | 9 | 3 | 10 | 16 | 14 | 11 | 7 | 8 | 8 | Ret | 11 | 6 | 16 | 18 | |||
40 | ディ・レスタ | Ret |
脚注 編集
- ^ 前身の「フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ」は含まれない。ただし、シャシー名の「FW」は前身時代の1974年から使用されている。1977年はマーチを走らせたため、コンストラクターとしてのデビューは翌1978年となる。
- ^ “幻の「FW39」。F1参戦40周年のウイリアムズ、来季はシャシー名のしきたり破る”. AUTOSPORTweb (2016年11月2日). 2016年11月2日閲覧。
- ^ “ウイリアムズF1チーム、2017年型ニューマシン、『FW40』の画像を公開”. AUTOSPORTweb (2017年2月17日). 2017年3月3日閲覧。
- ^ “ウィリアムズが新車FW40を公開”. ESPN F1 (2017年2月25日). 2017年3月3日閲覧。
- ^ “【2017年F1ニューマシン技術解説】ウイリアムズFW40”. motorsport.com (2017年2月19日). 2017年3月3日閲覧。
- ^ “ウィリアムズ FW40:実車画像”. F1-Gate.com (2017年2月25日). 2017年3月3日閲覧。
- ^ “ウィリアムズ、体調不良のマッサに代えてポール・ディ・レスタを起用”. F1-Gate.com (2017年7月29日). 2017年7月29日閲覧。
- ^ “ウィリアムズ「FW40」 スペック”. STINGER (2017年2月25日). 2017年3月3日閲覧。