サドウスキー
サドウスキー(英:Sadowsky)は、アメリカ合衆国のニューヨーク市クイーンズにある楽器企画製造・販売会社。企画や営業などに携わる従業員は10名以下の小規模企業である。ベースやギター、プリアンプ、弦、パーツ類などを扱う自社名を冠したプライベートブランドを展開している。
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略称 |
サドウスキー Sadowsky |
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本社所在地 |
![]() ニューヨーク市クイーンズ |
設立 | 1979年 |
業種 | 製造業・その他の製品 |
事業内容 | 楽器企画販売・楽器修理 |
代表者 | Roger Sadowsky |
歴史編集
1979年にロジャー・サドウスキー(Roger Sadowsky)がリペアショップとして創業。 当初はリペアショップとしてニューヨークでマーカス・ミラーなどを代表する顧客のベースを改造したり修理するのが専門であった。 その後、シェクターやトム・アンダーソン、ワーモスなどに発注してベースギターやエレキギターの販売も始めた。
製品概要編集
サドウスキーはリペアショップであったのもあり、創業当初からセットアップやモディファイに重きを置き、組み込みを除く木工や木材加工などの製造は全て外注である。また、各部品自体も弦はリチャードココ、ピックアップはディマジオや、セイモア・ダンカン、ノードストランド、ローラーといった一流メーカーに特注品を発注する拘りもある。また塗装は楽器専門の塗装会社のウィルキンズ・ギター・フィニッシュに委託している。以下は主な製品。
- Sadowsky NYC
本社で企画と組み込みまで行うベースギターとエレキギター、エレキナイロンギターのカスタムオーダー。ベースギターは34インチのスケール長であり、現在のモデルではそれ以外のスケールでは提供されていない。基本は受注生産であるが自社の店舗で完成品も販売している。
ギターのシェイプはディンキーやテレキャスターのコピーモデルを採用している。ピックアップはロジャー・サドウスキーがディマジオに特注したピックアップを標準仕様としているが、顧客の希望によってセイモア・ダンカンやノードストランド、ローラーなどのメーカーの製品にすることも出来る。[1]
製品の特徴としては、ギター、ベースともニューヨークという土地柄もありノイズやそれに起因する音痩せに対する対処としてプリアンプを内蔵したモデルが標準であり、また、創業者のロジャーの「軽いギターこそ良い楽器」という考え、そしてスタジオ・セッションミュージシャンがスタジオやライブハウス間の移動及び長時間の演奏で負担にならないようボディにチャンバー加工(リブドチャンバー)を施し軽量化を図ったモデルを基本としている。
- Sadowsky Masterbuilt
2020年より立ち上げられたベースギターの世界戦略モデル。製造はドイツのワーウィック社が行っている。ロジャー・サドウスキーが直接監修し、チャンバーボディをはじめとした仕様はNYCと同じ手法にて製造されている。
- Sadowsky Metroline
- Metroline Express
いずれもサドウスキー・ベースギターの低コストパフォーマンスモデルである。
当初は後述の通り日本で製造されていたが、2020年よりMetrolineはワーウィックにて、Metroline Expressはワーウィック監修のもと中国で製造している。
NYCとMetroLineの明確な相違点は、ボディー加工がNYCがチャンバーであるのに対しMetrolineはソリッドであることや、ハードウェアの仕様、ボディーのトップ材がMetrolineでは限定されている。
更なる廉価版であるMetroline Expressにはヘッドストックにサドウスキーのロゴはなく、代わりに「RSD(Rojer Sadowsky Design)」のロゴが与えられている。この理由としては、2005年頃に中国国内で何者かによりサドウスキーの商標が登録されており、それを取り戻すため2015年より裁判にて係争中のための暫定的な措置であるとしている。ジャズベーススタイルの仕様が基本で、ボディ材はオクメのみ使用されている。
- Sadowsky Archtop
オカダインターナショナルが仲介の元、愛知県の寺田楽器に外注で製造し、自社でセットアップするアーチトップギターシリーズ。ピックアップはディマジオ製の特注品。現在入手可能な5つのモデルには、ジム・ホールモデル、ジミー・ブルーノモデル、セミホローモデル、LS-17(ロングスケール/17" lower bout)とSS-15(ショートスケール/15" lower bout)などが存在する。
著名な使用ミュージシャン編集
同社のアーチトップギターは多くのジャズ系のギタリストが演奏し、エンドースされている。
- 宇田大志
- ジム・ホール
- ジミー・ブルーノ
- ラッセル・マローン
- ジョン・アバークロンビー
- レオナルド・アムエド
- カミラ・メサ - SS-15をメインに使用中
- Nakajin(SEKAI NO OWARI)
また、同社はエレキギターのみならず、エレクトリック・ナイロン・ストリングスギターも製作しており、代表的な愛用者にはリー・リトナーがおり、同社のホームページでもフィーチャーされている。
多くの著名ベーシストにも愛用されている。
サドウスキー・メトロライン編集
サドウスキー・メトロライン(英:Sadowsky Metroline)はサドウスキーの代理店のオカダインターナショナルが1997年から国内向けに展開していたプライベートブランド。
資本関係はないが、元従業員の菊地嘉幸が社員として勤めていることから、名前の使用を認可されているコピーブランド。製造は長野県のRedHouseやT's Guitarsなど。
SuhrやEMGといったブランドの代理店であるため、それらのピックアップを取り付けることでコストダウンを図っている。設立当初はSadowsky TokyoやSadowsky TYOと名乗っていた。
2020年をもって日本国内での生産が終了し、ドイツのベースメーカー、ワーウィックに移管されることになった。[4]
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使用ミュージシャン編集
- 増崎孝司(DIMENSION)- かつてはAir CraftやSuhrをメインギターとしていたが、2010年頃からサドウスキーをメインに切り替えた(日本製だけでなくNYC製ギターも使用)。EMG製ピックアップを搭載したストラトシェイプのモデルやテレキャスターシェイプのボディにJason Lollar製ピックアップを搭載した「ジャズキャスター」を愛用[5]。
- TOKIE
- 上ちゃん(マキシマムザホルモン)
- 松本孝弘(B'z)- 松本から「フェンダー・ストラトキャスターのネックが太すぎる」と要望を受け、ネックが細めの黒と赤の2本のストラトを受注した。
- 徳永暁人(doa)
- 田川ヒロアキ
- 広石武彦
- 川崎哲平
- 尼川元気
脚注編集
- ^ Sadowsky HP "Guitar Player Review"
- ^ “Featured Artists Homepage”. Official Website. Sadowsky Guitars (30th Anniversary). 2009年4月4日閲覧。
- ^ “Featured Artists Homepage”. Official Website. Sadowsky Guitars (30th Anniversary). 2009年4月4日閲覧。
- ^ from Roger about the Sadowsky/Warwick Licensing Agreement|date=Sadowsky Official HP
- ^ “Featured Artists Homepage”. Official Website. Sadowsky Guitars (30th Anniversary). 2013年5月6日閲覧。