ナパーム・デス

ナパーム・デス(Napalm Death)は、イギリス出身のグラインドコアバンド

ナパーム・デス
Napalm Death
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ドイツ・ヴァッケン公演 (2017年8月)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド
バーミンガム
ジャンル グラインドコア[1][2][3]
デスメタル[1][2][3]
ヘヴィメタル[2]
ハードコア・パンク(初期)
活動期間 1981年 - 現在
レーベル イヤーエイク・レコード
センチュリー・メディア
公式サイト http://www.napalmdeath.org/
メンバー マーク・グリーンウェイ (Vo)
ミッチ・ハリス (G)
シェーン・エンバリー (B)
ダニー・ヘレーラ (Ds)
旧メンバー ジェシー・ピンタード (G)
ほか別記参照

グラインドコアの始祖的存在として知られている。活動初期はメンバーの出入りが激しく、オリジナルメンバーは不在となりながらも脈々と活動を続け、「カテドラル」「カーカス」といったバンドを結成するプレイヤーを輩出した。

目次

略歴編集

 
スコットランド・アバディーン公演 (2007年8月)
 
フランス・クリソン公演 (2013年6月)

1981年、イギリスのバーミンガムで結成された。ニック・バレンがボーカルとして、ディスチャージ(DISCHARGE)、カオスUK(CHAOS U.K.)等の、ハードコアで政治的主張を行うパンク・ロックに影響されて結成。

結成年に「Punk Is a Rotting Corpse」(DEMO TAPE)を発表。音楽性としてはハードコアアナーコ・パンク英語版の中間で、上述のバンドと比べ際立ったところのない、平凡な音であった。しかしクラス(CRASS)とライブで数回共に活動したことがきっかけで、後に発表されたクラス自身のレーベルオムニバスに参加することになった(「Bullshit Detector Volume 3 」1984年)。現在も使用されている"NAPALM DEATH"の標章は、この時点ですでにできあがっていた。

音楽性の転機は、イギリスイプスウィッチのクラスト・コア(CRUST CORE)の始祖であるエクストリーム・ノイズ・テラー(EXTREME NOISE TERROR。当時はまだ「TERROR」は付いていない)でドラムスであったミック・ハリスが加入したことが大きい。この時点で、結成時からのメンバーはすでにニックのみになっており、彼がボーカルベースを兼任した。

1985年に、「Hatred Surge」(DEMO TAPE)を発表。これまでの5本のデモと異なり、激しい音楽性に変化する。翌年には7作目となる後のセカンドアルバムと同じ表題である「From Enslavement to Obliteration」(DEMO TAPE)を発表し、1stアルバムと同じ題で、フルアルバム並みの曲数の「Scum」(Demo Tape)の2本を発表した。

イギリスノッティンガムで最速だったプラズミッド(PLASMID)が解散し、さらに速度感が増したヘレシー英語版(HERESY)のベース、カルブ(KALVIN PIPPER)が、まだイヤーエイク・レコードを作ったばかりの保有者であったディグ(DIGBY PERSON)にテープを渡したことがきっかけで、後のファーストアルバム「SCUM」(アナログ LP)発売に繋がることになった。

1987年、これまで立て続けに出した「テープ」ではなく、アナログでかつ単独、そしてアルバムという形態で「SCUM]が発表された。このアルバムの音(や曲数)が与えた様々な分野への影響度は大きかった。ここからナパーム・デスの第2期が始まったと言える。ただA面・B面で、ドラムスのミック以外が違うという特殊な形態になった。A面には、85年、86年の2本のDEMO TAPEの面子で収録。原構成員のニック、3本のDEMOに参加したジャスティンが音楽性の不一致により脱退(脱退後、ゴッドフレッシュ(GODFLESH)を結成)、B面は、ミック・ハリスが独自のブラスト・ビートを編出し、曲が加速。リー・ドリアンや、カーカス(CARCASS)のビル・スティアーが加入して録音された。

メンバーそれぞれの嗜好性が様々で、リーやこの後正式に加わるシェーン・エンバリーが当時好んで聞いていた早く極端な音楽に大きく影響され、また日本のS.O.BGAUZE等にも触発されて、重く、早く極端に演奏時間の短い楽曲、歌詞が全く聞き取れない歌唱法のグラインド・コアと呼ばれる音楽性へ変化した。

ジェームスの後任にシェーン・エンバリーが加入。

1988年のセカンドアルバム「From Enslavement to Obliteration」(アナログ LP)でその音楽は完成された。S.O.Bとのツアーで、1989年に初来日。ラインナップはリー・ドリアン(Vo)、ビル・スティアー(G)、シェーン・エンバリー(B)、ミック・ハリス(Ds)の4人だった。

1989年にリー・ドリアン(Vo)が抜け、唯一の結成初期からの在籍メンバーで中心人物だったミック・ハリス(Ds)が1991年に脱退すると、彼らの音楽性は徐々に変化し、デスメタル的な要素を取り込み独自の音を形成していった。また、彼らの歌詞の内容はハードコア・パンク出身というのもあり、首尾一貫して社会を批判する傾向が強く出た政治的なものが多い。

2009年、LOUD PARKへの参加が決定した。

メンバー編集

現ラインナップ編集

  • ボーカル: マーク "バーニー" グリーンウェイ Mark "Barney" Greenway (1989–1996, 1997– )
    1969年7月13日生まれ。3rdアルバム「Harmony Corruption」より加入。加入前はイギリスデス・メタルバンドベネディクション英語版(BENEDICTION)でボーカルを務めていた。1996年に一度脱退するが、翌年には復帰。脱退の間はエクストリーム・ノイズ・テラー(EXTREME NOISE TERROR)に在籍していた。親日家で知られるメンバーの中でも特に親日派で、東日本大震災発生時には旧知の日本のバンドに声を掛け、東北地方のライブハウスで被災地への義捐金を募るベネフィットコンサートを開催したり、被災地の支援ボランティアに自ら参加している。2015年の「BURRN!」誌のインタビューでは、自ら日本の地方都市に在住する意思があることを語っている。
  • ドラムス: ダニー・ヘレーラ Danny Herrera (1991– )
    1970年生まれ。ミック・ハリスの後任として、4thアルバム「Utopia Banished」より加入。ヴェノモス・コンセプト(VENOMOUS CONCEPT)などのサイド・プロジェクトにも関わる。

旧メンバー編集

  • ボーカル(1982-1985)、ベース&ボーカル兼任(1985-86): ニック・バレン Nicholas J Bullen (1982-1986)
    バンドの創始者。8本のDEMO TAPE(最後の2本の曲数はアルバム級。ディスコグラフィーの「DEMO」参照)と、クラスレコードのオムニバス「Bullshit Detector Volume 3」、1stアルバム「Scum」のA面(1曲目から12曲目)に参加。脱退後、ミック・ハリスと共にダブアンビエントプロジェクトスコーン英語版(SCORN)を結成するが、後に脱退する。
  • ドラムス:マイルズ・ラトレッジ Miles Ratledge (1982-1985)
    オリジナルメンバーでミック加入以前のドラムス。5本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、および、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ベース(1982)、ギター(1983-1985):グレアム・ロバートソン Graham Robertson (1982-1985)
    オリジナルメンバー。5本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、および、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ギター:ダリル・フィデスキー Daryl "Sid" Fideski (1982)
    オリジナルメンバー。3本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「And, Like Sheep, We Have Gone Astray」に参加。
  • ギター:サイモン・オッペンハイマー Simon Oppenheimer (1982)
    オリジナルメンバー。3本のDEMO TAPE「Punk Is a Rotting Corpse」から「And, Like Sheep, We Have Gone Astray」に参加。
  • ベース:フィンバー・クイン Finbar Quinn (1983-1984)
    マイルズ(RATと呼ばれていた)がギターにチェンジしたことで、ベースとして加入。2本のDEMO TAPE、「Kak」と「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」、オムニバス「Bullshit Detector Volume 3」に参加。
  • ベース:ピート・ショー Pete Shaw (1985)
    6本目のDEMO TAPE、「Hatred Surge」に収録されているLIVE音源のみ参加。
  • ベース: ジェームス・ホワイトリー James "Jim" Whitely (1986-1987)
    1stアルバム『Scum』のB面(13曲目から28曲目)に参加。脱退後は、フィルスキック(FILTHKICK)を結成し、エクストリーム・ノイズ・テラー(Extreme Noise Terror)とのスプリットアルバム、同バンドのボーカルであるディーン(DEAN)が主催する、シンク・ビロー(SINK BELOW RECORDS)オムニバス「PUNKS NOT DREAD」、日本のMCRカンパニーから、ライズ・フロム・ザ・デッド(RISE FROM THE DEAD)とのスプリットに参加。現在もU.K クラストコアシーンで活動中。
  • ギター: ビル・スティアー Bill Steer (1987-1989)
    1stアルバム『Scum』のB面(13曲目から28曲目)、および2ndアルバムに参加。ゴア・グラインドバンドカーカス(CARCASS)のギタリストとしても知られる。ナパーム・デスとカーカスを掛け持ちで活動していたが、自身のバンドであるカーカスに専念するために脱退した。1995年にカーカスを脱退後、ブルーズ・ロックバンドファイアバード(FIREBIRD)を結成。2013年現在は再結成されたカーカスを中心に活動中。
  • ギター: ジェシー・ピンタード Jesse Pintado (1989-2004)
    1969年7月12日生、2006年8月27日没(糖尿病の合併症のため死亡)。
    3rdアルバム『Harmony Corruption』より加入。加入前はアメリカグラインド・コアバンドテロライザー(TERRORIZER)でギターを弾いていたが、解散後にナパーム・デスに加入。2004年にナパーム・デスを脱退し、その後は再結成したテロライザーに参加していたが、2006年8月に糖尿病の合併症のためオランダの病院で亡くなる。
  • ボーカル: フィル・ヴェイン Phil Vane (1996-1997)
    エクストリーム・ノイズ・テラー(Extreme Noise Terror)のボーカル。マーク・バーニー・グリーンウェイ脱退後加入したが結局バーニーが戻ってきたので元のバンドに戻った。

ディスコグラフィー編集

DEMO(全てCOMPACT CASSETE)編集

  • 1982年 Punk Is a Rotting Corpse
  • 1982年 Halloween
  • 1982年 And,Like Sheep,We Have Gone Astray
  • 1983年 Kak
  • 1983年 Unpopular Yawns of Middle Class Warfare
  • 1985年 Hatred Surge
  • 1986年 Enslavement To Obliteration
  • 1986年 Scum
  • 1982~1983年までのDEMOは、当時一番影響を受けたと思われるクラス(CRASS)に歌詞や姿勢の影響がうかがわれる。またサウンド面ではハードコアとパンク・ロックの中間で、アナーコ・パンクと呼ばれるジャンルの音に近い。
  • 「Unpopular Yawns of Middle Class Warfare」では、後のアルバムに収録される「Caught...in a Dream」の原型が聴けるが、別の曲に聴こえるほど違いは大きい。
  • 1stアルバムに繋がる1986年の、アルバムと同タイトルの2本のDEMOは、ミックのドラムがかなり完成されており、前年の「Hatred Surge」と比較しても、サウンドスピードの違いは大きい。ニックやジャスティンはスワンズ(SWANS)等のような重くで暗いサウンドに傾倒していたため、ミックのより高速な音楽への志向と乖離。1stアルバムのA面録音後に脱退したと考えられる。

アルバム編集

  • 1987年 Scum (12"LP)
  • 1988年 From Enslavement To Obliteration (12"LP)
  • 1989年 The Peel Sessions (*1) (12"LP/CD)
  • 1990年 Harmony Corruption (12"LP/CD)
  • 1989年 The Peel Sessions (*2) (12"LP/CD)
  • 1992年 Live Corruption (CD)
  • 1992年 Death by Manipulation (CD)
  • 1992年 Utopia Banished (CD)
  • 1994年 Fear, Emptiness, Despair (CD)
  • 1996年 Diatribes (CD)
  • 1997年 Inside the Torn Apart (CD)
  • 1998年 Words from the Exit Wound (CD)
  • 2000年 Enemy of the Music Business (CD)
  • 2000年 COMPLETE RADIO ONE SESSION (CD)
  • 2002年 Order of the Leech (CD)
  • 2003年 Noise for Music's Sakes (CD) ※ベストアルバム
  • 2004年 Punishment in Capitals (CD)
  • 2004年 Leaders Not Followers: Part 2 (CD)
  • 2005年 The Code Is Red... Long Live The Code (CD)
  • 2006年 Smear Campaign (CD)
  • 2009年 Time Waits For No Slave (CD)
  • 2012年 Utilitarian (CD)
  • 2015年 Apex Predator - Easy Meat (CD)

  • 日本では「Scum」および「Enslavement To Obliteration」の全曲に、セカンドアルバム初回特典7"EP「The Curse」より、A面の「The Curse」の1曲を除いた曲と、EPの「Mentally Murdered」から1曲をあわせ、計55曲入りのCDが『ナパーム・デス』として発売されている。
  • 「Scum」のアートワークは、イギリスニューキャッスルのファスト・コアバンド、エレクトロ・ヒッピーズ英語版(ELECTRO HIPPIES)でボーカルをしていたジェフ・ウォーカー(JEFF WALKER)(後のカーカス(CARCASS))がデザインした。イアーエイクのアナログ盤は、オリジナルがブルー、後にイエロー、オレンジ、モノクロと、色違いジャケットが数種類存在している。特に初回のブルーは、現在も高値で取引されている。
  • 「Scum」のバックの写真は、イギリスブラッドフォードのグラインド・コア・バンド、ソア・ソロート英語版(SORE THROAT)の最初のドラマーであるニック・ロイルズ(NICK ROYLES)が撮影。
  • 「Scum」収録曲「ユー・サファー」は、演奏時間はわずか1秒しかない(CDトラック上は6秒)。この曲はフジテレビの「トリビアの泉」でも紹介され、メンバーも出演し、さらには曲の紹介を日本語で行った。投稿者は金の脳を獲得した。
  • 「Harmony Corruption」のUK初回盤LPは、10曲入りLIVEアルバム「Recorded Live at the I.C.A London 29 June 1990」との2枚組。
  • 「COMPLETE RADIO ONE SESSION」は、THE PEEL SESSION *1と*2のセット。
  • 日本盤の「Enemy of the Music Business」には、ハードコア・パンクバンドのカバーEP『Leaders Not Followers』の全曲がボーナストラックとして収録されている。

EP(シングル/マキシシングル)編集

  • 1988年 The Curse (7"EP)
  • 1988年 S.O.B & NAPALM DEATH (Flexi 7"EP)
  • 1989年 LIVE EP (7"EP)
  • 1989年 Mentally Murdered(7"EP/12"EP/CD)
  • 1991年 Mass Appeal Madness (CD)
  • 1992年 The World Keeps Turning EP (CD)
  • 1993年 Nazi Punks Fuck Off (7"EP/Picture 7"EP/CD)
  • 1995年 Greed Killing (CD)
  • 1996年 NAPALM DEATH & AT THE GATES/Cursed to Tour '96 (Split CD)
  • 1997年 NAPALM DEATH & COALESCE/In Tongues We Speak (Split CD)
  • 1998年 Breed to Breathe (CD)
  • 1999年 Leaders Not Followers (7"EP/CD)

  • 「The Curse」は、セカンドアルバム「Enslavement To Obliteration」の初回特典。同名タイトル曲は現時点でもCD化されていない。
  • 「LIVE EP」は、リーのレーベル「RISE ABOVE RECORDS」からリリース。
  • 「Mentally Murdered」は、7"EPと12"EP/CDは曲数が異なる。CDは紙ジャケット。

Various Artists(オムニバス)編集

  • 1984年 Bullshit Detector Volume 3
  • 1989年 THE NORTH ATLANTIC NOISE ATTACK
  • 1989年 Grindcrusher
  • 1990年 Pathological Compilation
  • 1990年 Earache Sampler #2
  • 1991年 Grindcrusher II - The Ultimate Earache
  • 1992年 Masters of Brutality
  • 1992年 Masters of Brutality 2
  • 1992年 Virus 100
  • 1994年 Rareache
  • 1994年 Earplugged
  • 1995年 Mortal Kombat
  • 1995年 Metallurgy
  • 1997年 Radio Kerrang! - Introduced by Coal Chamber [volume 2]
  • 1997年 Musik für die Neunziger Vol.III
  • 1997年 Earplugged 2
  • 1998年 Hellspawn
  • 1998年 Earplugged 3
  • 2000年 Immortalised

  • 「THE NORTH ATLANTIC NOISE ATTACK」では、スタジオ音源、リーのボーカルで「SCUM」「LIFE」が聴ける。
  • 「Virus 100」はデッド・ケネディーズ(DEAD KENEDYS)のカバー集であるが、「NAZI PUNK FUCK OFF」で参加している曲はシングルと同じテイク。

出典編集

  1. ^ a b Napalm Death - ナパーム・デス - キューブミュージック・2014年12月8日閲覧。
  2. ^ a b c Napalm Death|Biography”. オールミュージック. All Media Guide. 2015年2月16日閲覧。
  3. ^ a b Napalm Death reviews, music, news - sputnikmusic・2015年7月11日閲覧。

外部リンク編集