プジョー・908 (Peugeot 908) は、プジョー・スポールにより2011年ル・マン・プロトタイプカテゴリー向けに開発されたプロトタイプレーシングカーである。

プジョー・908
(コードネーム: 90X)[1]
ル・マンのプレテストにおけるプジョー・908(2011年)
ル・マンのプレテストにおけるプジョー・908(2011年)
カテゴリー ル・マン・プロトタイプ(LMP)1
コンストラクター プジョー
先代 プジョー・908 HDi FAP
後継 プジョー・9X8
主要諸元[2]
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, トーションバー ダンパー, アンチロールバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, トーションバー ダンパー, アンチロールバー
トレッド 2,000 mm (79 in)
ホイールベース 2,950 mm (116 in)
エンジン プジョー・HDi 3.7 L (230 cu in) V8 ツインターボ, ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション リカルド 6速 シーケンシャル・マニュアル リミテッド・スリップ・デフ
重量 Appr. 900 kg (2,000 lb)
燃料 トタル ディーゼル
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム フランスの旗 プジョー・スポール トタル
ドライバー オーストリアの旗 アレクサンダー・ヴルツ
イギリスの旗 アンソニー・デヴィッドソン
スペインの旗 マルク・ジェネ
ポルトガルの旗 ペドロ・ラミー
フランスの旗 フランク・モンタニー
フランスの旗 ステファン・サラザン
チームタイトル 1 (2011 ILMC)
コンストラクターズタイトル 1 (2011 ILMC)
初戦 2011年のセブリング12時間レース
出走優勝ポールFラップ
7553
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プジョー初のディーゼルプロトタイプカーであるプジョー・908 HDi FAPの後継車で、エンジンは2011年のル・マンプロトタイプカーのレギュレーションに合わせ、ツインターボで過給される3.7リットルV型8気筒ディーゼルエンジンである。

2011年のル・マン24時間レースに3台体制で参戦し9号車、8号車、7号車の順に2-3-4フィニッシュを果たした。

ル・マンではアウディ・R18 TDIに敗れはしたものの、インターコンチネンタル・ル・マン・カップ(ILMC)やアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)などではアウディを上回る速さを見せつけ、2011年のILMCチャンピオンを獲得した。

2011年3月のジュネーブ・モーターショーで公開された908 HYbrid4

当初は2012年もル・マン24時間、そして同年より復活するFIA 世界耐久選手権への参戦が予定されていたものの、2012年1月にプジョー本社が耐久レース活動全般の打ち切りを決定したことに伴い活動を終了した。リチウムイオンバッテリーを搭載するディーゼルハイブリッドカー908 HYbrid4[3]での参戦を計画し、2011年11月にはテスト走行を行っていたが[4]、実戦投入を前にお蔵入りすることになった。

戦績 編集

インターコンチネンタル・ル・マン・カップ 編集

チーム クラス No. ドライバー Rds. 1 2 3 4 5 6 7 Pts. Pos.
SEB
 
SPA
 
LMS
 
IMO
 
SIL
 
PET
 
ZHU
 
2011   プジョー・スポール・トタル
  チーム・プジョー・トタル(#9 Rd.3)
LMP1 7   アレクサンダー・ヴルツ 1-3 8 1 4 113 1位
  マルク・ジェネ 1-3 8 1 4
  アンソニー・デビッドソン 1-4, 6-7 8 1 4 1 Ret 1
  セバスチャン・ボーデ 4–7 1 1 Ret 1
  サイモン・パジェノ 5–6 1 Ret
8   フランク・モンタニー All 3 2 3 2 8 1 2
  ステファン・サラザン All 3 2 3 2 8 1 2
  ペドロ・ラミー 1 3
  ニコラ・ミナシアン 2-3 2 3
  アレクサンダー・ヴルツ 6 1
9   セバスチャン・ボーデ 2-3 8 2
  ペドロ・ラミー 2-3 8 2
  サイモン・パジェノ 2-3 8 2

ル・マン24時間レース 編集

チーム クラス No. ドライバー 周回数 総合順位 クラス順位
2011   プジョー・スポール・トタル LMP1 7   アンソニー・デビッドソン
  アレクサンダー・ヴルツ
  マルク・ジェネ
351 4位 4位
8   ステファン・サラザン
  フランク・モンタニー
  ニコラ・ミナシアン
353 3位 3位
  チーム・プジョー・トタル 9   セバスチャン・ボーデ
  サイモン・パジェノ
  ペドロ・ラミー
355 2位 2位

脚注 編集