三河一宮駅
三河一宮駅(みかわいちのみやえき)は、愛知県豊川市一宮町下新切にある、東海旅客鉄道(JR東海)飯田線の駅である。
三河一宮駅* | |
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![]() 駅舎(2018年2月) | |
みかわいちのみや Mikawa-ichinomiya | |
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所在地 | 愛知県豊川市一宮町下新切33 |
所属事業者 | 東海旅客鉄道(JR東海) |
所属路線 | CD 飯田線 |
キロ程 | 12.0 km(豊橋起点) |
電報略号 | ミイ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
745人/日(降車客含まず) -2017年- |
開業年月日 | 1897年(明治30年)7月22日 |
備考 | 駅員無配置駅 |
* 1916年に一ノ宮駅から改称。 |
概要編集
三河一宮駅は、豊橋駅(愛知県)と辰野駅(長野県)を結ぶJR飯田線の中間駅(途中駅)の一つである。豊川市一宮地区(旧・宝飯郡一宮町域)に位置し、三河国一宮である砥鹿神社の最寄駅でもあることから寺社風の駅舎を構えている。
1897年(明治30年)に、私鉄の豊川鉄道の手によって開業した。その後国有化を経て、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化によりJR東海の経営に移っている。開業時は一ノ宮駅(いちのみやえき)という駅名であった。
歴史編集
三河一宮駅を開設した豊川鉄道は、現在のJR飯田線南部にあたる豊橋・大海間を運営していた私鉄である。1897年(明治30年)7月に、同鉄道線が隣の豊川駅から延伸してきた際に、路線の終着駅として開設された。ただし終着駅であったのは一時的で、翌年に路線が新城駅まで延伸したため終着駅ではなくなっている。当初は一ノ宮という駅名であったが、1916年(大正5年)1月に現在の駅名に改称している。改称は駅名の重複を回避するためであり、同じ日にはそれまで当駅と同名を称していた3か所の「一ノ宮駅」もそろって駅名を変えている(それぞれ上総一ノ宮駅、尾張一ノ宮駅〈現・尾張一宮駅〉、長門一ノ宮駅〈現・新下関駅〉に改称)[1]。
1943年(昭和18年)8月、豊川鉄道線は買収・国有化され国有鉄道飯田線が成立する。これによって三河一宮駅も国有鉄道の駅となった。1971年(昭和46年)には開業時からの貨物営業が廃止されて旅客専用の駅となり、そのまま1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化を迎えてJR東海に継承されている。
年表編集
- 1897年(明治30年)7月22日:豊川鉄道の一ノ宮駅として開業[2]。
- 1898年(明治31年)4月25日:豊川鉄道線が新城駅まで延伸し、途中駅となる[3]。
- 1902年(明治35年)3月27日:駅から「簡易停車場」への種別変更が認可される[2](実施日不明)。
- 1904年(明治37年)2月17日:駅へ再度種別変更[2]。
- 1916年(大正5年)1月1日:三河一宮駅に改称[2]。
- 1943年(昭和18年)8月1日:国有化、国鉄飯田線の駅となる[2]。
- 1971年(昭和46年)12月1日:貨物・荷物の取り扱いを廃止[2]。
- 1984年(昭和59年)3月19日:跨線橋を新設[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、JR東海が継承[2]。
- 1988年(昭和63年)11月1日:夜間無人化。[要出典]
- 1990年(平成2年)12月19日:砥鹿神社をイメージした駅舎にリニューアル[5]。
- 1992年(平成4年)2月1日:駅業務委託開始。[要出典]
- 2012年(平成24年)4月1日:無人駅化[6]。
駅構造編集
相対式ホーム2面2線の地上駅である。ホームはタブレットの交換(現在は行われていない)を容易に行うために[7]、1番線ホームを飯田方に、2番線ホームを豊橋方にそれぞれずらして配置している[7][8]。単線上にある交換駅であり、列車交換(行き違い)が可能である。配線は一線スルーであるものの、信号設備の都合上、速度制限を受けないのは豊橋方面へ向かう列車のみとなっている。
構内東側・上り(1番線)ホームに直結して駅舎が設置されている[8]。この駅舎は、玄関の車寄せ部分に神社の造りを模した構造をもつ[7]。2つのホームは跨線橋で繋がる。
業務委託駅(夜間無人駅)[9]でJR全線きっぷうりばを設置していたが、2012年4月1日から完全無人駅となった。豊川駅が当駅を管理している[9]。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | CD 飯田線 | 下り | 中部天竜・飯田方面[10] |
2 | 上り | 豊橋方面[10] |
利用状況編集
2017年度の乗車人員は合計27万1893人で、1日あたりでは745人であった。近年では、1日あたりの乗車人員は以下の通りに推移している。
- 2002年度 - 942人
- 2003年度 - 907人
- 2004年度 - 839人
- 2005年度 - 844人
- 2006年度 - 820人
- 2007年度 - 827人
- 2008年度 - 798人
- 2009年度 - 781人
- 2010年度 - 809人
- 2011年度 - 821人
- 2012年度 - 730人
- 2013年度 - 739人
- 2014年度 - 717人
- 2015年度 - 758人
- 2016年度 - 760人
- 2017年度 - 745人
停車列車編集
三河一宮駅には、豊橋方面(上り)・飯田方面(下り)いずれも1時間あたり概ね1・2本(ラッシュ時は最大3本)の列車が停車する。停車する種別は普通列車と、上りのみに設定されている快速列車の2種類。特急「伊那路」は停車しない。
駅周辺編集
- 砥鹿神社
- オーエスジーアカデミー
- 豊川市立一宮西部小学校
- 愛知県立宝陵高等学校
- 大きな銀杏の木(喫茶店)
- 三河一宮郵便局(駅名の読みとは異なり「みかわいちみや」と読む)
- 国道151号
- 東名高速道路豊川IC
バス路線編集
- 三河一宮駅バス停
- 豊川市コミュニティバス 一宮地区地域路線「本宮線のんほい号」中回り・西回り
- 砥鹿神社前バス停(駅から約400メートル)
- 豊鉄バス新豊線
- 豊川市コミュニティバス一宮線
隣の駅編集
脚注編集
- ^ 今尾恵介 『日本全国駅名めぐり』日本加除出版、2018年、123頁。ISBN 978-4-8178-4482-8。
- ^ a b c d e f g 石野哲(編) 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年、98頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 曽根悟(監修)「飯田線・身延線・小海線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第3号、朝日新聞出版、2009年7月26日、 14頁。
- ^ 吉川利明 『飯田線 1897〜1997』東海日日新聞社、1997年、63頁。
- ^ 東海旅客鉄道飯田支店(監修) 『飯田線百年ものがたり』新葉社、2005年、125頁。
- ^ 「飯田線の3駅、4月から無人化へ 利用者大幅減に伴う措置」、東愛知新聞、2011年11月23日配信
- ^ a b c 笠原香・塚本雅啓 『タイムスリップ飯田線』大正出版、2007年、92頁。ISBN 978-4-8117-0657-3。
- ^ a b 川島令三 『中部ライン全線・全駅・全配線』 第4巻 塩尻駅-名古屋東部、講談社、2010年、34-35(配線図),77頁。ISBN 978-4-06-270064-1。方角は配線図と実際の地図との対照から補記。
- ^ a b 東海旅客鉄道(編) 『東海旅客鉄道20年史』東海旅客鉄道、2007年、732,733頁。
- ^ a b 駅構内の案内表記。これらはJR東海公式サイトの各駅の時刻表で参照可能(駅掲示用時刻表のPDFが使われているため。2015年1月現在)。