久保内駅

北海道有珠郡に存在した胆振線の廃駅

久保内駅(くぼないえき)は、北海道胆振支庁有珠郡壮瞥町字久保内にかつて設置されていた、日本国有鉄道(国鉄)胆振線廃駅)である。電報略号クホ事務管理コードは▲131903[3]

久保内駅
くぼない
Kubonai
壮瞥 (6.8 km)
(6.0 km) 蟠渓
所在地 北海道有珠郡壮瞥町字久保内
北緯42度34分45.6秒 東経140度57分22.6秒 / 北緯42.579333度 東経140.956278度 / 42.579333; 140.956278座標: 北緯42度34分45.6秒 東経140度57分22.6秒 / 北緯42.579333度 東経140.956278度 / 42.579333; 140.956278
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 胆振線
キロ程 17.1 km(伊達紋別起点)
電報略号 クホ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1940年昭和15年)12月15日[1]
廃止年月日 1986年昭和61年)11月1日[2]
備考 胆振線廃線に伴い廃駅
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1976年の久保内駅と周囲約500m範囲。左が伊達紋別方面。駅表構内右側端に1973年に閉山するまで使用されていた幌別鉱山の積込ホッパーが残されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

1980年(昭和55年)9月まで運行されていた、急行いぶり」の停車駅であった。

歴史 編集

  • 1940年(昭和15年)12月15日 - 胆振縦貫鉄道伊達紋別駅 - 徳舜瞥駅(→新大滝駅)間開通に伴い、開業。一般駅[1]
  • 1944年(昭和19年)7月1日 - 胆振縦貫鉄道が戦時買収により国有化[1]。路線名を胆振線に改称し、それに伴い同線の駅となる。
  • 1954年(昭和29年) - 幌別鉱山が索道とトラックを介する形で、硫黄搬出駅を室蘭本線幌別駅から当駅に切り替え(幌別鉱山軌道及び幌別駅扱いが終了)。
  • 1973年(昭和48年) - 幌別鉱山閉山。
  • 1980年(昭和55年)5月15日 - 貨物・荷物の取り扱いを廃止[1]。同時に出札・改札業務を停止し、旅客業務については無人[4]簡易委託)化。列車交換設備を有し、運転要員は最終営業日まで継続配置。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 - 胆振線の全線廃止に伴い、廃駅となる[2]

駅名の由来 編集

所在地名より。アイヌ語の「クオナイ(ku-o-nay)」(〔=アマッポ〕・のある・川)に由来する[5][6]

駅構造 編集

廃止時点で、単式ホーム2面2線を有する地上駅であった。ホームが千鳥式に配置された、列車交換可能な交換駅であった[7]。互いのホームは駅舎側ホーム東側と対向ホーム西側を結んだ構内踏切で連絡した[7]。駅舎側ホーム(南側)が上りの1番線、入口部分に短い上屋とベンチが設置された[8]対向ホーム(北側)が下りの2番線となっていた[7]。そのほか1番線の伊達紋別方から駅舎側に分岐する行き止まりの側線を1線有し[7]、保線用モーターカーの留置に使用されていた[8]

最終営業日まで、無人駅扱いの運転取扱い要員のみが配置されていた駅であった。駅舎は構内の南側に位置し、ホームとは通路及び構内踏切で連絡した[7]乗車券類は簡易委託化されていた。

かつては鉄鉱石の積み出し駅であった[7]。線路の有効長は貨物列車の行き違いに備えて長かった。

利用状況 編集

  • 1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は69人[7]

駅周辺 編集

山肌に接した高台に位置した[9]

駅跡 編集

1997年(平成9年)時点では住宅が建築されていた[9]。また草むらになっている。

隣の駅 編集

日本国有鉄道
胆振線
壮瞥駅 - 久保内駅 - 蟠渓駅

脚注 編集

  1. ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、858頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b “日本国有鉄道公示第109号”. 官報. (1986年10月14日) 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、226頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  4. ^ “札鉄 室蘭、千歳、胆振の3線区 営業近代化スタート”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1980年5月18日) 
  5. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日。ISBN 978-4-88323-114-0 
  6. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、78頁。ASIN B000J9RBUY 
  7. ^ a b c d e f g h i j 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)92ページより。
  8. ^ a b 書籍『追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集』(著:工藤裕之、北海道新聞社2011年12月発行)280ページより。
  9. ^ a b 書籍『鉄道廃線跡を歩くIII』(JTBパブリッシング1997年5月発行)41ページより。
  10. ^ a b c d 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)

関連項目 編集