国道371号

日本の大阪府から和歌山県に至る一般国道

国道371号(こくどう371ごう)は、大阪府河内長野市から和歌山県東牟婁郡串本町に至る一般国道である。

一般国道

国道371号標識

国道371号
高野街道、黒河道
総延長 244.7 km
実延長 235.7 km
現道 195.9 km
制定年 1975年
起点 大阪府河内長野市
本町(七つ辻)交差点(地図
主な
経由都市
和歌山県橋本市伊都郡高野町
田辺市
終点 和歌山県東牟婁郡串本町
高富交差点(地図
接続する
主な道路
記法
Japanese National Route Sign 0170.svg国道170号Japanese National Route Sign 0310.svg国道310号
京奈和自動車道京奈和自動車道
Japanese National Route Sign 0024.svg国道24号Japanese National Route Sign 0370.svg国道370号
Japanese National Route Sign 0480.svg国道480号
Japanese National Route Sign 0425.svg国道425号
Japanese National Route Sign 0311.svg国道311号
Japanese National Route Sign 0042.svg国道42号
テンプレート(ノート 使い方) ウィキプロジェクト 道路

目次

概要編集

国道168号国道169号とともに紀伊半島かつ和歌山県を縦断する国道の一つである。世界遺産に登録された霊場・高野山から紀伊山地を南北に縦貫する。かつては有料道路であった高野龍神スカイラインも国道371号の一部区間である[1]

起点の大阪府河内長野市から和歌山県橋本市までのニュータウンを並走する比較的高規格に整備されたバイパス区間がある一方、それ以南の橋本市 - 高野山間と、国道425号からの分岐する龍神以南 - 古座川までの区間は、1 - 1.2車線の狭隘路、2カ所の未開通区間などを有する酷道としても知られる[1][2]。狭隘路な区間のうち、和歌山県橋本市(国道370号・紀ノ川以南)や同県田辺市などでは、沿線や周辺に集落があるため、生活道路としても機能している。

河内長野市から橋本市にかけての区間(16.1 km)は南海高野線と併走しており、車窓から道路を望むことができる。またこの区間は高野街道と呼ばれ、平安時代から参詣道として利用されてきた。

路線データ編集

一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史編集

 
紀見峠(旧道)の大阪寄りにあった国道170号時代(1963年-1982年)の標識。

路線状況編集

かつては橋本市の国道24号以南はほぼ全線を通じて1.0車線程度の狭隘路であったほか、落石や路肩崩落なども多く全国でも知名度のある酷道であったが[2]、近年はバイパス道路有料道路の無料化による狭隘路部分の旧道化などにより道路事情が改善された。なお、橋本市向副から同市彦谷を経て高野山に至る区間など乗用車同士が対向できない区間があるほか[6]、和歌山県南部の区間ではガードレールが設置されていない所もある[2]

河内長野市から橋本市編集

 
新道の石仏バイパス(薬師トンネル)

起点の河内長野市本町(七つ辻)交差点から同市石仏までは現役旧道に設定されており、現在は同市上原町の大阪外環状線国道170号)との交点を起点に、都市計画道路「大阪河内長野線」で同区間がパイパスされている[7]。石仏北から石仏南交差点の約500 mは旧道と重複するが、以南は架橋とトンネルを連続する地域高規格道路大阪橋本道路(石仏バイパス、橋本バイパス)の工事が進められており、ニュータウン内の市道幹線をバイパスとして国道指定するなどして、一部区間が開通している。これによって起点(河内長野市上原町)から橋本市の国道24号に交差する市脇交差点までの区間(18.3 km)は、両側2 - 4車線に整備されており大阪と和歌山県とを往来する車で交通量が比較的多い[8]

沿線には、河内長野市のニュータウン南花台南海美加の台南海橋本林間田園都市京奈和自動車道橋本インターチェンジ、旧道を含めた紀見峠などがある。

また橋本バイパスと石仏バイパスで難航していた、紀見トンネルの代替部分である仮称「新紀見トンネル」が2015年度内に着工[9]、2021年 - 2024年までに供用を開始することが、2013年10月17日の9月定例府議会「都市住宅常任委員会」で決定した[10]。これの整備によって全区間のバイパスが開通することになるが、すでに河内長野市内の暫定2車線部分の交通量が増大しており、混雑度が2.12 - 1.84という慢性的な渋滞を引き起こしている[11][12]

橋本市から高野町編集

 
高野山内

市脇交差点を越え、橋本高野橋で紀ノ川を渡ってのち国道370号と交差したあと、南海高野線から南は、両側1 - 1.2車線の狭隘路(いわいる酷道)となる。この区間は異常気象時通行規制区間に指定されている。さらに伊都郡高野町の丹生川に架かる河合橋の北にあるトンネルはバスなどが通れないほど狭く、大型車の通行が終日禁止されている。沿線にはキャンプ場リゾート地玉川峡があるため、離合困難な狭隘路でありながら交通量は少なくない[13]。よって、橋本から高野山間の代替ルートとして、九度山町を通る国道370号国道480号高野山道路)を利用することが推奨されている[14]。なお、国道480号に接続するまでの高野山内(奥之院周辺)では2車線道となる。

高野町から串本町編集

 
高野龍神スカイライン

伊都郡高野町の中の橋交差点から有田郡有田川町を経由し田辺市龍神村龍神にかけては旧・高野龍神スカイラインにあたる区間で、2003年10月1日に無料開放された。春は新緑、秋には紅葉のスポットとしても有名で、沿線には護摩壇山に付帯する龍神ごまさんスカイタワー龍神温泉があり自然の富んだルートを通る。なお、これによりかつらぎ町花園中南から箕峠に至る区間の国道指定が外された。

なお、田辺市龍神村東から同市中辺路町小松原(笠塔峠)の区間と、田辺市木守から東牟婁郡古座川町平井(高尾峠)の区間は未供用となっている。また、田辺市以南は上記の未供用の区間を含んだ1 - 1.2車線の離合困難な狭隘路が60 km以上続き、紀伊半島を代表的する酷道として有名である[2]

バイパス編集

主なバイパスなど、道路改良がなされた主な供用・事業中・計画区間は以下のとおり。

河内長野市 - 橋本市編集

 
紀見トンネル(北口側)
  • 紀見トンネル
    • 大阪府河内長野市と和歌山県橋本市とを結ぶ全長1,453 mのトンネル。同トンネルの供用により、河内長野市天見から紀見峠を経て橋本市柱本に至る道路が旧道となった。
  • 大阪橋本道路(大阪河内長野線)
    • 国道371号バイパス
      • 河内長野市上原町-橋本市市脇の約15.4 kmの道路。河内長野市は暫定2車線、橋本市は4車線で一部供用されている。
    • 石仏バイパス
      • 河内長野市石仏-府県境の約6.1 kmの道路。一部が供用されている。
    • 紀見道路
      • 府県境 - 和歌山県橋本市側約1.0 kmまでのバイパス道路を指す。(新設トンネルの南部分0.7 kmを含む)
    • 橋本バイパス
      • 和歌山県橋本市に所在する全長6.9 kmの道路。

橋本市 - 伊都郡高野町 - 田辺市編集

  • 橋本高野拡幅
    • 和歌山県橋本市向副から伊都郡高野町高野山にかけて、1車線から2車線への拡幅が事業化されている[15]
      • 高野町工区
        • 橋本高野拡幅の延長部として供用されている道路改良区間。高野山への交通利便性を高める目的をなす。[要出典]
  • 高野龍神スカイライン

田辺市編集

  • 広井原バイパス
和歌山県田辺市龍神村廣井原にある全長2.3kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1988年7月に広井原トンネルが完成し、同年供用された[16]。なお、同区間は当国道および国道425号の重複区間となっている。また、旧道は狭隘路であった。[要出典]
  • 宮代バイパス
和歌山県田辺市龍神村宮代にある全長1.5kmの道路。幅員7.0m(両側2車線)。1987年6月に宮代トンネルが完成し、同年に広井原バイパスとともに供用された[16]。なお、同区間は当国道および国道425号の重複区間となっている。また、旧道は狭隘路であった。[要出典]
  • 龍神工区
旧事業名は「龍神四バイパス」。和歌山県田辺市龍神村殿原にある全長3.0kmの道路。2003年に1.2kmの区間が供用されたあと、事業見直しにともない翌年度より残区間の事業は中止になったが、7年後の2011年度より事業名を変更して再開することとなった[17][18]
  • 温川バイパス
和歌山県田辺市中辺路町温川と同町川合を結ぶ全長3.3kmの道路。1991年に事業が開始され、2006年2月28日に二川トンネルが供用、2009年4月30日に全線が供用された[19]。なお、旧道は中川に沿った蛇行した狭隘路であった。
  • 下川下拡幅
和歌山県田辺市平瀬から同市下川下を結ぶ全長2.0kmの道路(両側2車線)。バイパス建設および現道拡幅が行われ、2007年3月25日に全線が供用された[20]

東牟婁郡古座川町編集

  • 古座川町工区
古座川町平井から同町真砂までの道路改良区間[21]
  • 蔵土バイパス
和歌山県東牟婁郡古座川町(蔵土地区)にある全長2.4kmの道路。2003年の事業化ののち、2005年に終点側の0.2kmが供用[要出典]されるなど2009年度までに1.7kmの区間について供用されていたが、2010年10月17日に全線が供用された。なお、事業化以前の同区間は幅員が狭く大型車の離合が困難であった。[22]
  • 一枚岩バイパス
和歌山県東牟婁郡古座川町洞尾にある全長0.7kmの道路。1996年に供用された[23]
  • 相瀬立会バイパス
和歌山県東牟婁郡古座川町相瀬と同町立会を結ぶ全長1kmの道路。2003年2月28日に供用された[23]

未供用の区間編集

 
東牟婁郡古座川町平井の未開通区間の終端。奥のアスファルト舗装部分から手前が事業中、その先は200mほどで車両通行止めとなる。(2006年撮影)
 
不通区間を示す標識(本山谷平井林道との交差点)

未供用の区間(分断区間・点線国道)は以下のとおり。いずれも、自動車通行可能な林道による迂回が可能である[1]

  • 和歌山県田辺市龍神村東 - 田辺市龍神村殿原(笠塔峠)
山頂部には2車線が確保された笠塔トンネルがある[1]和歌山県道216号温川田辺線和歌山県道735号龍神十津川線・龍神村殿原の谷口集落に通じる連絡林道が迂回路となるが、整備が進んだ和歌山県道198号龍神中辺路線が事実上の迂回路となっている。なお、同区間を解消するため、龍神工区と称する事業が行われている[17][18]
  • 和歌山県田辺市木守 - 古座川町平井(高尾峠)
本山谷平井林道(玉の川林道)が迂回路となる。

道路施設編集

道の駅編集

地理編集

高野龍神スカイライン区間内は、奈良県と和歌山県の県境を成す尾根沿いの道筋で、奈良県野迫川村と和歌山県かつらぎ町・有田川町の県境の入り込む部分がある。このため国道371号のこの区間だけで、43回も県境を踏み越える[24]

通過する自治体編集

交差する道路編集

交差する道路 交差する場所 備考
国道170号
国道310号
大阪府 河内長野市 本町(七つ辻)
国道170号 (上原町) ※バイパス交差点
国道170号(大阪外環状線 上原町 ※バイパス交差点
京奈和自動車道橋本IC 和歌山県 橋本市 橋本IC南
国道24号 市脇
国道370号 清水 ※ここから橋本市向副まで国道370号と重複
国道370号 向副
和歌山県道53号高野天川線 伊都郡 高野町 (高野山)
国道480号 小田原
国道480号 かつらぎ町 (花園中南)
和歌山県道19号美里龍神線 田辺市 (龍神村龍神)
国道425号 (龍神村湯ノ又)
国道425号 (龍神村西)
田辺市龍神村東 - 龍神村殿原間未開通
国道311号 和歌山県 田辺市 (中辺路町川合) ※ここから田辺市中辺路町栗栖川まで
国道311号と重複
国道311号 (中辺路町栗栖川)
和歌山県道37号日置川大塔線 (合川)
田辺市木守 -東牟婁郡古座川町平井間未開通
和歌山県道38号すさみ古座線 和歌山県 東牟婁郡 古座川町 (添野川)
和歌山県道39号串本古座川線 (蔵土)
和歌山県道38号すさみ古座線 (鶴川)
国道42号 串本町 高富

※ 交差する場所の括弧書きは地名、それ以外は交差点名で表示

主な峠編集

  • 紀見峠(標高400m):大阪府河内長野市 - 和歌山県橋本市
  • 箕峠

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2005年4月1日に、西牟婁郡串本町・東牟婁郡古座町が合併して東牟婁郡串本町発足
  3. ^ 2005年10月1日にかつらぎ町に編入。
  4. ^ a b 2005年5月1日に、田辺市、龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町が合併し新・田辺市発足
  5. ^ a b c d e f g 2015年4月1日現在
  6. ^ 重複区間を除く

出典編集

  1. ^ a b c d 松波成行 2008, p. 81.
  2. ^ a b c d 松波成行、渡辺郁麻『酷道をゆく2』ムック、2008年7月15日刊
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2014年8月2日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 21. 2017年5月1日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2014年8月2日閲覧。
  6. ^ どーむびれっじキャンプ場 アクセス - 玉川峡
  7. ^ 中期的な道路計画の作成にあたっての重点化、必要性に対する意見(回答) (PDF) - 大阪狭山市、1997年5月8日
  8. ^ 一般国道371号バイパス - 大阪府
  9. ^ 府県間道路 国道371号(仮称)新紀見トンネルが事業化へ前進”. 和歌山県広報. 2013年11月13日閲覧。
  10. ^ より快適な河内長野へ - 西野修平
  11. ^ 一般交通量調査 箇所別基本表 (PDF) - 平成22年度道路交通センサス
  12. ^ 『河内長野市都市計画の基本的な方針 平成11年10月』 河内長野市市役所都市計画推進室
  13. ^ 一般交通量調査 箇所別基本表 (PDF) - 平成22年度道路交通センサス
  14. ^ 交通アクセス - 高野山観光協会・一般社団法人高野山宿坊協会
  15. ^ 観光交流空間づくりモデル事業計画書 (PDF) (4.公的関連ハード事業 p.26) - 国土交通省
  16. ^ a b 供用当初は国道371号のみ指定されていたが、1993年に国道425号の路線変更により重複区間となった。
  17. ^ a b 一般国道371号 龍神四バイパス 再評価結果 (PDF) - 国土交通省
  18. ^ a b 7年ぶり工事再開 国道371号龍神工区”. 紀伊民報. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月8日閲覧。
  19. ^ R371温川バイパス - 西牟婁振興局建設部 和歌山県
  20. ^ 和歌山県道路行政業績計画書 (PDF) - 近畿地区幹線道路協議会和歌山分科会
  21. ^ 公共事業事前評価結果整理表 (PDF) - 和歌山県道路政策課・道路建設課
  22. ^ 蔵土バイパス開通 古座川町 - 紀伊民報(2010年10月18日付、同月19日閲覧)
  23. ^ a b 第4次長期総合計画2 (PDF) - 古座川町
  24. ^ 佐藤健太郎 『ふしぎな国道』 講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日、153-154頁。ISBN 978-4-06-288282-8「最も多くの県・県境を通過する国道より」。

参考文献編集

関連項目編集