夙川駅
夙川駅(しゅくがわえき)は、兵庫県西宮市相生町にある、阪急電鉄の駅である[2]。駅番号はHK-09。
夙川駅 | |
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![]() 駅舎 | |
しゅくがわ Shukugawa | |
![]() | |
所在地 | 兵庫県西宮市相生町2番1号[1] |
駅番号 | HK09 |
所属事業者 | 阪急電鉄 |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム |
(■神戸本線)2面2線[2] (■甲陽線)1面1線[2] |
乗車人員 -統計年度- |
(全日)17,134人/日(降車客含まず) -2019- |
乗降人員 -統計年次- |
(通年平均)[阪急 1]24,206人/日 -2022年- |
開業年月日 | 1920年(大正9年)7月16日[2] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■神戸本線 |
キロ程 | 18.3 km(大阪梅田起点) |
◄HK-08 西宮北口 (2.7 km) (2.7 km) 芦屋川 HK-10► | |
所属路線 | ■甲陽線 |
キロ程 | 0.0 km(夙川起点) |
(0.9 km) 苦楽園口 HK-29► |
夙川駅配線図 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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神戸本線と甲陽線との乗換駅で、このうち甲陽線は当駅を始発駅とする[2]。2003年(平成15年)度の第4回近畿の駅百選に選出された。
歴史
年表
- 1920年(大正9年)7月16日:阪神急行電鉄により、阪急神戸本線の全線開通と同時に開業[3]。
- 1924年(大正13年)10月1日:阪急甲陽線が開業[3]。乗換駅となる。
- 1943年(昭和18年)10月1日:会社合併により京阪神急行電鉄の駅となる[3]。
- 1973年(昭和48年)4月1日:社名変更により、阪急電鉄の駅となる[3]。
- 1987年(昭和62年)12月14日:快速急行の停車駅となる。
- 1995年(平成7年)
- 2003年(平成15年)3月27日:エレベーター2基の新設と、トイレの改築工事が完成。同日から使用を開始。
- 2006年(平成18年)10月28日:特急・通勤特急が終日停車開始[4]。これにより、ホームが10両編成対応に延長される。
- 2007年(平成19年)
- 2013年(平成25年)12月21日:駅ナンバリング導入[5][6]。
- 2021年(令和3年)11月30日:この日をもって定期券売り場が営業を終了[7]。
ダイヤについて
前述したように、2006年10月28日のダイヤ改正において特急をはじめ全営業列車が停車するようになった。これに先立ち、2006年3月より10両編成が停車できるように神戸本線のホームを35メートル延長する工事が実施された(梅田方面のホームを東側30メートル・西側5メートル延長、神戸三宮方面のホームを東側35メートル延長)。
特急の停車については、半年後の2007年3月18日にJR神戸線さくら夙川駅の開業による、乗客流出を防ぐための対抗策とされている。
この他、1985年頃までは当駅始発の下り普通が早朝にわずかながら設定されていた。
駅構造
神戸本線用の相対式ホーム2面2線と、甲陽線用の単式ホーム1面1線を有する地上駅[2]。神戸本線の大阪方面行きホームの北側に、甲陽線ホームが垂直に延びる[2]。かつては甲陽線も2線あったが、西側の線路は撤去され、跡地はサービスセンターや成城石井の敷地となっている。
駅舎(改札口)は南北双方にあり、南改札口にのみ駅員が配置されている[2]。北改札口には券売機は設置されておらず、改札機のみ設置されている。各ホームは東寄りに設けられた地下道で連絡しており[2]、エレベーターも設置されている。なお神戸本線ホームは東側の一部で夙川を跨いでおり[2]、甲陽線ホームは夙川の西岸に位置する。
駅の北西側(北改札口前)には、神戸本線と甲陽線を結ぶ連絡線と、神戸寄りに延びる引き上げ線がある[2]。これらと神戸本線上の渡り線を利用して、甲陽線の列車は西宮車庫への出入庫を行う。
神戸本線では当駅を始発・終着とする列車は設定されていないが、ダイヤ乱れの際は神戸本線ホームの神戸寄りの本線上にある渡り線を利用して、大阪梅田方面への折り返し運転をすることがある。そのため、2019年の大阪梅田駅への駅名改称に伴う行先表示の更新の際に「夙川」行きの表示が追加された。
トイレは大阪方面行ホームの階段付近にあり、オストメイト対応の多目的トイレも併設されている。梅田行きホームには小さな池があり、ここで複数の鯉が泳ぐ。
のりば
ホーム | 号線 | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | 4号線 | ■神戸本線 | 下り | 神戸三宮・六甲・新開地・山陽電鉄線方面 |
2 | 5号線 | 上り | 大阪梅田・西宮北口・京都河原町・宝塚方面 | |
3 | 3号線 | ■甲陽線 | - | 苦楽園口・甲陽園方面 |
2018年12月までは駅構内にはのりば番号標が存在しなかった。神戸本線ホームの発車標が反転フラップ式からLED式のものに更新されて以降も、のりば番号の部分は空白とされており、スマートフォン向けアプリ「阪急沿線ナビ TOKKアプリ」の発車案内機能においても号線番号表記が空欄となっていた(どちらも阪急全線で唯一の例)。これは3号線が甲陽線ホーム、4・5号線が神戸本線用ホーム、6号線が甲陽線の引き上げ線となっており、1・2号線が欠番になっているためと考えられる[8]。2018年12月、神戸本線下りに1番、同線上りに2番、甲陽線に3番ののりば番号が付与された。しかし案内放送は依然としてのりば番号を案内していない。
-
神戸本線と甲陽線を結ぶ連絡線を走行する回送電車
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甲陽線ホーム
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神戸本線ホーム
ダイヤ
- 神戸線(神戸方面、大阪方面)
- 上下とも、特急・普通がそれぞれ毎時6本ずつ発車する。
- 甲陽線(甲陽園方面)
- 毎時6本が発車する。
利用状況
- 2022年の1日平均乗降人員は24,206人であり、阪急電鉄全線において第25位である[阪急 1]。
- 2019年の年間乗車人員総数は6,254,000人である[9]。したがって、1日平均乗車人員は17,134人となる。おおよその乗降人員は乗客数の2倍で計算すると34,268人である。
近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下記の通り。いずれも神戸線・甲陽線間の乗換人員は含まない。
年次 | 平日限定 乗降人員 |
通年平均 乗降人員 |
乗車人員 | ||
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平日+土休日 | 平日限定 | 通年平均 | |||
2004年(平成16年) | 16,115 | ||||
2005年(平成17年) | 16,548 | ||||
2006年(平成18年) | 16,408 | ||||
2007年(平成19年) | 29,354 | 16,558 | 14,924 | ||
2008年(平成20年) | 28,905 | 15,657 | 14,690 | ||
2009年(平成21年) | 29,170 | 15,750 | 14,840 | ||
2010年(平成22年) | 29,281 | 16,002 | 14,912 | ||
2011年(平成23年) | 29,620 | 15,901 | 15,077 | ||
2012年(平成24年) | 29,874 | 16,169 | 15,203 | ||
2013年(平成25年) | 29,748 | 16,558 | 15,162 | ||
2014年(平成26年) | [阪急 2]29,891 | 16,454 | 15,236 | ||
2015年(平成27年) | [阪急 3]29,836 | 16,477 | 15,174 | ||
2016年(平成28年) | - | [阪急 4]27,299 | 16,945 | - | 13,820 |
2017年(平成29年) | - | [阪急 5]27,485 | 17,203 | - | - |
2018年(平成30年) | - | [阪急 6]27,263 | 16,860 | - | - |
2019年(令和元年) | - | [阪急 7]27,345 | 17,134 | - | - |
2020年(令和 | 2年)[阪急 8]20,465 | ||||
2021年(令和 | 3年)[阪急 9]22,003 | ||||
2022年(令和 | 4年)[阪急 1]24,206 |
駅周辺
谷崎潤一郎が松子夫人と出会った根津家の邸宅があったことでも知られ、高級住宅街が連続する阪神間の中でも屈指のお屋敷町として有名である。特に駅の北西は豪邸が立ち並び環境が良い。駅から徒歩5分の丘の上には遠藤周作が洗礼を受けたことでも知られるカトリック大阪大司教区の旧カテドラル(司教座聖堂)、カトリック夙川教会聖テレジア大聖堂がある。この教会堂はコレギウム・ムジクム・テレマンの本拠地として、関西におけるバロック音楽、古楽のメッカとなっている。この辺りから芦屋にかけては、パン屋や洋菓子店が多い。
1970年代後半から1980年代前半にかけて駅前再開発が行われ、駅前ロータリーの整備や夙川グリーンタウンの建設(1977年10月開業)、駅の南北を結ぶアンダーパスの新設などが行われ、現在の姿になった。夙川グリーンタウン内にはダイエーグルメシティ夙川店があり、歩道橋と地下道で結ばれている[10]。
南改札口の東側には「夙川阪急ビル」という5階建ての建物があったが、阪神・淡路大震災で倒壊し、解体された。
- 夙川 - 駅のすぐ南に水位観測所がある。
- 夙川河川敷緑地(通称「夙川公園」「片鉾公園」)
- 夙川さくら道
- 夙川オアシスロード
- カトリック夙川教会[2]
- 夙川グリーンタウン
- 西宮市立夙川公民館(松下記念ホール) - 松下幸之助の寄贈による。駅の南側、片鉾池の上に建てられている。公民館前には片鉾橋が夙川にかけられている。
- 夙川延命地蔵 - 夙川公民館のすぐそばにある。
- 夙川水位観測所 - 兵庫県が設置した河川の水位観測所。片鉾橋にすぐそばにある。
- 西宮夙川郵便局 - 以前は駅前にあったが、駅前再開発を期に、駅から南へ約200mの現在地に移転した。
- 西宮御茶家所郵便局
- 辰馬考古資料館
- 大手前大学(さくら夙川キャンパス)
- 大手前アートセンター
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線(JR神戸線) さくら夙川駅
- 阪神本線 香櫨園駅
- 山手幹線
バス路線
- 阪急バス(「阪急夙川」停留所)
駅前再開発による駅前ロータリー完成までは、駅前にかかる山手幹線の羽衣橋の南東側、夙川さくら道上に阪急夙川バス停が存在した。現在でも道幅が広くなっているところにその名残がみられる。
- 1番のりば(西宮市内線・西宮市南北バス)
- 1系統:甲山墓園前 行(柏堂町・鷲林寺・西宮甲山高校前経由)
- 2系統:西宮甲山高校前 行(柏堂町・鷲林寺・甲山墓園前経由) ※甲山墓園前で6〜11分停車後、引き続き西宮甲山高校前経由阪急夙川・西宮北口行として運行(一部の便は、甲山墓園前止まり)
- さくらやまなみバス:名来 行(柏堂町・西宮甲山高校前・有馬温泉・すみれ台経由)
- さくらやまなみバス:山口営業所前 行(柏堂町・西宮甲山高校前・下山口・北六甲台・西宮北IC経由)
- 1・2系統:西宮北口 行(JRさくら夙川・西宮戎・JR西宮経由)
- 1系統:JR西宮 行(JRさくら夙川・西宮戎経由)
- 3系統:JRさくら夙川 行
- 6系統:JR西宮 行(阪神香櫨園・阪神西宮駅東経由) ※土曜・休日1便のみ運行
- 7系統:西宮北口 行(JRさくら夙川・西宮戎・江上町・JR西宮駅北経由) ※土曜・休日1便のみ運行
- さくらやまなみバス:西宮北口 行(JRさくら夙川・西宮戎・JR西宮経由)
- さくらやまなみバス:西宮戎 行(JRさくら夙川経由)
- 2番のりば(芦屋市内線)
- 阪神バス(「阪急夙川」停留所)
- 1番のりば(鷲林寺線)
- 7番:新甲陽 方面行(柏堂町・鷲林寺・西宮甲山高校前・甲山墓園前・甲山大師・県立甲山森林公園前経由) ※夜間2便のみ運行
- みなと観光バス(「夙川グリーンタウン」停留所)
- 125系統:翠ヶ丘・JR芦屋駅北側経由 JR甲南山手行
作品における描写
- 『ソクラテス最期の弁明』(小峰元の青春推理小説、講談社、1975年) - 主人公の高校生が当駅にある池で泳ぐ鯉に餌をやる描写がある。1975年以前から鯉が泳ぐ池が設置されていたことがうかがえる。
隣の駅
脚注
- ^ a b 『阪急ステーション』阪急電鉄株式会社コミュニケーション事業部〈阪急ワールド全集 4〉、2001年、58-59頁。ISBN 4-89485-051-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『兵庫の鉄道全駅 私鉄・公営鉄道』神戸新聞総合出版センター、2012年12月10日、77頁。ISBN 9784343006745。
- ^ a b c d e f g h 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 大手私鉄』 12号 阪神電気鉄道 阪急電鉄 2、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年10月、27-29頁。ISBN 978-4-02-340142-6。
- ^ 『神戸線におけるATS(自動列車停止装置)の改良と、神戸線・宝塚線のダイヤ改正について』(pdf)(プレスリリース)阪急電鉄、2006年6月22日 。2016年4月7日閲覧。
- ^ 『「西山天王山」駅開業にあわせて、「三宮」「服部」「中山」「松尾」4駅の駅名を変更し、全駅で駅ナンバリングを導入します』(PDFlink)(プレスリリース)阪急電鉄株式会社、2013年4月30日。 オリジナルの2013年12月15日時点におけるアーカイブ 。2016年4月8日閲覧。
- ^ “阪急電鉄:21日から駅名変更 宝塚線、中山駅→中山観音駅 神戸線、三宮駅→神戸三宮駅 京都線新駅開業に合わせ”. 毎日新聞(朝刊) (毎日新聞社): p. (地方版/兵庫)p.24. (2013年12月19日)
- ^ “定期券発売所の変更について”. 阪急電鉄 (2021年9月10日). 2021年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月22日閲覧。
- ^ 『鉄道ピクトリアル』第837号、電気車研究会、2010年8月特別増刊号 線路配線略図より。
- ^ a b 西宮市統計書
- ^ “ダイエーグルメシティ夙川店公式サイト”. 2022年10月14日閲覧。
- 阪急電鉄の1日平均利用客数
- ^ a b c 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2022年 通年平均)”. 2023年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員 2014年平均(平日)〔1月~12月〕”. 2016年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員 2015年平均(平日)〔1月~12月〕”. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員 2016年平均(通年平均)〔1月~12月〕”. 2018年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2017年 通年平均)”. 2019年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2018年 通年平均)”. 2020年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2019年 通年平均)”. 2021年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2020年 通年平均)”. 2022年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
- ^ 阪急電鉄. “駅別乗降人員(2021年 通年平均)”. 2022年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月11日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 夙川駅 - 阪急電鉄