尾島明
日本の裁判官
尾島 明(おじま あきら、1958年〈昭和33年〉9月1日[1] - )は、日本の裁判官。最高裁判所裁判官。
尾島 明 おじま あきら | |
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生年月日 | 1958年9月1日(66歳)[1] |
出生地 | 日本・神奈川県[2] |
国籍 | 日本 |
出身校 | 東京大学[1] |
任期 | 2022年7月5日[1] - 現職 |
前任者 | 菅野博之 |
大阪高等裁判所長官 | |
任期 | 2021年7月16日[3] - 2022年7月4日[4] |
前任者 | 安浪亮介 |
後任者 | 後藤博 |
来歴
編集神奈川県藤沢市出身[2][5]。栄光学園中学校・高等学校を経て1983年(昭和58年)、東京大学法学部を卒業し、司法修習生を経て、1985年(昭和60年)、判事補に任官[1]。東京地方裁判所、甲府家庭裁判所、甲府地方裁判所、最高裁判所事務総局総務局、通商産業省通商政策局、東京地方裁判所、横浜地方裁判所での勤務を経て、1995年(平成7年)、横浜地方裁判所判事に任官[1]。裁判官として民事畑を歩み、新人時代にはロス疑惑の刑事裁判を担当した[2][6]。
その後も最高裁判所調査官、東京高等裁判所判事、内閣法制局第二部参事官、東京地方裁判所部総括判事、最高裁判所上席調査官、静岡地方裁判所長、東京高等裁判所部総括判事、最高裁判所首席調査官を歴任[1]。最高裁判所の調査官として上告審の調査事務に携わった[2][5]。
2021年(令和3年)7月16日、大阪高等裁判所長官に就任[3]。
2022年(令和4年)7月5日、最高裁判所裁判官に就任[1]。
2024年(令和6年)10月27日の最高裁判所裁判官国民審査において、罷免を可とする票5,980,011票、有効票のうち罷免を可とする率11.00%で信任[7]。
年譜
編集- 1983年(昭和58年)
- 1995年(平成7年)- 横浜地方裁判所判事[1]
- 1998年(平成10年)- 最高裁判所調査官[1]
- 2003年(平成15年)
- 2008年(平成20年)- 東京高等裁判所判事[1]
- 2009年(平成21年)- 東京地方裁判所部総括判事[1]
- 2012年(平成24年)- 最高裁判所上席調査官[1]
- 2016年(平成28年)- 静岡地方裁判所長[1]
- 2017年(平成29年)- 東京高等裁判所部総括判事[1]
- 2018年(平成30年)- 最高裁判所首席調査官[1]
- 2021年(令和3年)- 大阪高等裁判所長官[1][3]
- 2022年(令和4年)- 最高裁判所裁判官[1]
主な判決
編集- 2023年1月25日、第49回衆議院議員総選挙(2021年)における小選挙区の区割りは日本国憲法第14条に違反しないとした[5][8][9]。
- 2023年10月18日、第26回参議院議員通常選挙(2022年)における選挙区選出議員の定数配分について、著しい不平等状態にあったとはいえないとする多数意見に対し、違憲状態であるとの意見を付した[5][10][11]。
→「一票の格差」も参照
- 2023年10月25日、大法廷決定において、性同一性障害の性別の取扱いの特例に関する法律第3条1項4号は、日本国憲法第13条に違反し無効であるとした[12][5][13]。
- 2023年11月17日、映画「宮本から君へ」に出演した俳優ピエール瀧が薬物犯罪により有罪判決を受けたことを理由に同映画に対する助成金を交付しないこととした独立行政法人日本芸術文化振興会理事長の処分は「違法である」とした[5][14][15]。
- 2023年12月15日、国民年金法等による老齢年金を減額する改正法は、「日本国憲法第25条、29条に違反しない」とし[5]、「年金制度を構築するには経済成長や少子高齢化、国民の生活状況などを総合的に考えなければならない。国民の意見もさまざまで、対立が生じることもありえる。これらを調整して仕組みをつくりあげる作業は政治が担うのが適切だ」との補足意見を出した[16][17]。
→「マクロ経済スライド」も参照
- 2024年6月21日、嫡出でない子は「生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法的性別にかかわらず、認知を求めることができる」とした[5][18][19]。
- 2024年7月3日、大法廷判決において、優生保護法中のいわゆる優生規定が日本国憲法第13条及び第14条1項に違反し、同規定に係る国会議員の立法行為が国家賠償法第1条1項の適用上違法の評価を受け、これにより発生した損害賠償請求権が除斥期間の経過により消滅したものとすることは信義則に反し許されないとした[5][20][21]。
→「旧優生保護法違憲国家賠償請求訴訟」も参照
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v “最高裁判所の裁判官(尾島明)”. 最高裁判所. 2022年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月5日閲覧。
- ^ a b c d “「国民から信頼される仕事を」尾島新最高裁判事が会見”. 産経ニュース (産業経済新聞社). (2022年7月5日) 2022年10月5日閲覧。
- ^ a b c “「裁判の本質変えない」 大阪高裁長官、コロナでも”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2021年8月23日) 2022年10月5日閲覧。
- ^ 『官報 令和4年本紙第772号9頁 人事異動 内閣』(プレスリリース)国立印刷局、2022年7月8日。
- ^ a b c d e f g h i 令和6年10月27日執行最高裁判所裁判官国民審査公報の記載による。
- ^ “最高裁 尾島明新判事が就任「最高裁の権限 非常に重く光栄」”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2022年7月5日). オリジナルの2022年7月8日時点におけるアーカイブ。 2022年10月5日閲覧。
- ^ 最高裁裁判官の国民審査、解職なし 長官ら4人が「×」10%超朝日新聞デジタル2024年10月28日付
- ^ 21年衆院選は「合憲」 1票の格差訴訟で最高裁大法廷日経電子版2023年1月25日付
- ^ 令和4年(行ツ)第103号、第98号、第104号、第116号、第122号、第128号、第132号 選挙無効請求事件 令和5年1月25日 大法廷判決裁判所
- ^ 22年参院選は「合憲」 最高裁大法廷、1票の格差3.03倍日経電子版2023年10月18日付
- ^ 令和5年(行ツ)第52号、第53号 選挙無効請求事件 令和5年10月18日 大法廷判決裁判所
- ^ 性別変更の手術要件めぐり 特例法の規定は憲法違反 最高裁NHK
- ^ 令和2年(ク)第993号 性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件 令和5年10月25日大法廷決定最高裁判所
- ^ 映画の助成金取り消しは不当 最高裁 製作会社の訴え認める判決NHK
- ^ 令和4年(行ヒ)第234号 助成金不交付決定処分取消請求事件 令和5年11月17日 第二小法廷判決裁判所
- ^ 年金引き下げ “憲法に違反せず”最高裁判断 各地裁判に影響かNHK
- ^ 令和4年(行ツ)第275号 年金減額改定決定取消、年金減額改定決定取消等請求事件 令和5年12月15日 第二小法廷判決裁判所
- ^ 性別変更後に凍結精子で生まれた子と親子関係認める 最高裁NHK
- ^ 令和5年(受)第287号 認知請求事件 令和6年6月21日 第二小法廷判決裁判所
- ^ 旧優生保護法は憲法違反 国に賠償命じる判決 最高裁NHK
- ^ 令和5年(受)第1319号 国家賠償請求事件 令和6年7月3日大法廷判決最高裁判所
外部リンク
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