川上猛
川上 猛(かわかみ たけし、1972年7月12日 - )は、将棋棋士。棋士番号は206。東京都足立区出身。平野広吉七段門下。
川上猛 七段 | |
---|---|
名前 | 川上猛 |
生年月日 | 1972年7月12日(50歳) |
プロ入り年月日 | 1993年4月1日(20歳) |
棋士番号 | 206 |
出身地 | 東京都足立区 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 平野広吉七段 |
段位 | 七段 |
棋士DB | 川上猛 |
2017年10月20日現在 |
棋歴編集
中学1年の頃、第10回中学生名人戦で準優勝(優勝者は屋敷伸之)。翌年の第11回では優勝。
中学3年の春(1987年)に、奨励会に入会。その2年後の1989年1月15日に、師匠の平野広吉が73歳で他界する。
初参加の三段リーグ(1992年度後期)において15勝3敗で1位の成績を収め、三段リーグを1期抜けしてプロ入りする。
その翌年(1994年度)、早くも銀河戦(第3期、非公式戦時代)で準優勝する活躍を見せる(優勝者は田中寅彦)が、第53期順位戦では2勝8敗と振るわず降級点を喫する。
1996年度、第9期竜王戦の竜王ランキング戦6組で優勝。挑戦権を争う本戦トーナメントでは初戦で敗退したが、5組に昇級した。
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
香 | 桂 | 桂 | 香 | 一 | |||||
金 | 王 | 二 | |||||||
角 | 歩 | 金 | 歩 | 三 | |||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 銀 | 四 | ||||
歩 | 飛 | 歩 | 五 | ||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 六 | |||||
歩 | 歩 | 銀 | 金 | 歩 | 桂 | 七 | |||
玉 | 金 | 角 | 八 | ||||||
香 | 桂 | 飛 | 香 | 九 |
1998年9月18日の全日プロでは森内俊之八段と対局。研究の妙手を見せた。図1は当時よく指されていた矢倉3七銀戦法から先手が飛車を中央に回し、後手が追随した結果、中央で銀交換が行われ、それを森内が同飛と銀を取り返した局面。第1図以下、▲同飛△同角と飛車交換も行われ、▲1五香△同銀▲2五桂△3七角成▲4一飛△2六馬に対して、▲1二歩△同香▲1三角成と妙手を放ったのが第2図。
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
香 | 桂 | 飛 | 桂 | 一 | |||||
金 | 王 | 香 | 二 | ||||||
歩 | 金 | 歩 | 馬 | 三 | |||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 四 | |||||
歩 | 桂 | 銀 | 五 | ||||||
歩 | 歩 | 歩 | 馬 | 六 | |||||
歩 | 歩 | 銀 | 金 | 歩 | 七 | ||||
玉 | 金 | 八 | |||||||
香 | 桂 | 九 |
第2図以下は△1三同香の一手に▲1一銀△同玉(△1二玉は▲4三飛成)▲1三桂成△1二銀▲4三飛成△8二飛(△4三同金は▲2二金)と森内が必死の抵抗を見せ、川上の失着もあって金星とはならなかったが、存在感を見せた。
2005年度、第18期竜王ランキング戦4組で優勝して、3組へ昇級。また、本戦トーナメントでは、初戦で3組2位の島朗を破り、準々決勝に進出した。
2006年度、第14期銀河戦で決勝トーナメント進出。高橋道雄に勝ち、ベスト8。
2012年度、第71期順位戦C級2組で3つ目の降級点を取り、フリークラス陥落が決定した。
2017年10月17日、第66期王座戦一次予選(対中座真七段)に勝ち、七段に昇段した[1]。
フリークラス在籍期限まで残り4年となった2019年度は、2020年3月10日時点で年度成績17勝11敗(勝率0.607、10棋戦参加)となり、3月末までに組まれた2局のうち1勝すれば「年度内に『参加棋戦数+8』勝以上、かつ勝率6割以上」の規定により順位戦C組2組への復帰できる状況であったが、残る2局の対中座真戦(3月25日・第70期王将戦 一次予選)、対窪田義行戦(3月30日・第33期竜王戦 5組昇決)を連敗し、2019年度を17勝13敗(勝率0.567、10棋戦参加)の成績で終えて順位戦への復帰を逃した。
2019年度成績での順位戦復帰は適わなかったが、この期間の好成績により2020年7月17日時点で直近31局の成績を20勝11敗(勝率0.645)とし、次の対局に勝利すれば「連続30局以上の勝率が6割5分以上」の規定により順位戦へ復帰できる状況となった。しかし、7月30日の第92期棋聖戦一次予選で北島忠雄に敗れ、順位戦への復帰を再び逃した。
2022年度、第35期竜王ランキング戦5組で決勝へ進出し4組昇級を決めたが、順位戦への復帰は叶わずフリークラスの在籍期限が満了となる。このため規定により2023年度以降は、竜王戦のみの出場(ランキング戦4組以上の在籍または5組最大2年間が条件)となる。
2022年度時点で「三段リーグを1期で通過しながら順位戦の昇級歴が無い(最高位C級2組)」唯一の棋士である。
2023年5月23日、第36期竜王戦4組残留決定戦で中村太地に勝ち、4組残留を決めた。フリークラス棋士引退規定による引退が決定しながら、竜王戦4組以上の在籍により現役続行となるのは史上初。
棋風編集
デビュー以来、相矢倉、および、居飛車対振り飛車の対抗形(どちらを持っても指す)を好み、飛車を振る場合は四間飛車にすることが多い。
2008年前後からは、後手番一手損角換わりも指している。
昇段履歴編集
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 1987年奨励会入会 : 6級 =
- 1990年 : 初段
- 1992年 6月 : 三段(第12回三段リーグ<1992年度後期>から三段リーグ)
- 1993年 4月 1日 : 四段(第12回三段リーグ成績1位、1期抜け) = プロ入り
- 1999年 6月 3日 : 五段(勝数規定)
- 2005年 9月20日 : 六段(勝数規定)
- 2017年10月17日 : 七段(勝数規定)
主な成績編集
在籍クラス編集
開始 年度 |
順位戦 | 竜王戦 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | F | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | |||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||
1993 | 52 | C253 | 7 | 6組 | ||||||||||||
1994 | 53 | C215 | 8 | 6組 | ||||||||||||
1995 | 54 | C242 | 9 | 6組 | ||||||||||||
1996 | 55 | C227 | 10 | 5組 | ||||||||||||
1997 | 56 | C208 | 11 | 5組 | ||||||||||||
1998 | 57 | C225 | 12 | 4組 | ||||||||||||
1999 | 58 | C216 | 13 | 4組 | ||||||||||||
2000 | 59 | C212 | 14 | 4組 | ||||||||||||
2001 | 60 | C211 | 15 | 4組 | ||||||||||||
2002 | 61 | C225 | 16 | 4組 | ||||||||||||
2003 | 62 | C203 | 17 | 4組 | ||||||||||||
2004 | 63 | C224 | 18 | 4組 | ||||||||||||
2005 | 64 | C219 | 19 | 3組 | ||||||||||||
2006 | 65 | C227 | 20 | 4組 | ||||||||||||
2007 | 66 | C209 | 21 | 4組 | ||||||||||||
2008 | 67 | C212 | 22 | 4組 | ||||||||||||
2009 | 68 | C229 | 23 | 4組 | ||||||||||||
2010 | 69 | C224 | 24 | 4組 | ||||||||||||
2011 | 70 | C233 | 25 | 5組 | ||||||||||||
2012 | 71 | C241 | 26 | 5組 | ||||||||||||
2013 | 72 | F編 | 27 | 5組 | ||||||||||||
2014 | 73 | F編 | 28 | 5組 | ||||||||||||
2015 | 74 | F編 | 29 | 5組 | ||||||||||||
2016 | 75 | F編 | 30 | 5組 | ||||||||||||
2017 | 76 | F編 | 31 | 5組 | ||||||||||||
2018 | 77 | F編 | 32 | 5組 | ||||||||||||
2019 | 78 | F編 | 33 | 5組 | ||||||||||||
2020 | 79 | F編 | 34 | 5組 | ||||||||||||
2021 | 80 | F編 | 35 | 5組 | ||||||||||||
2022 | 81 | F編 | 36 | 4組 | ||||||||||||
2023 | 82 | F編 | 37 | 4組 | ||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。順位戦の X(数字) はクラス内順位。 順位戦の「F」はフリークラス (F編:フリークラス編入 / F宣:宣言による転出) 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 ※2023年度以降は、竜王戦(4組以上)のみ参加する「引退予定者」 |
脚注編集
- ^ “川上猛六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年10月20日). 2017年10月20日閲覧。