広島親局送信所

広島デジタルテレビジョン放送局から転送)

この記事では、広島県広島市内にあるテレビジョン放送とFMラジオ放送の親局送信所について述べる。FM放送が比治山(ひじやま)と黄金山(おうごんさん)、テレビ放送が絵下山(えげさん)と、3か所に分かれている。

広島親局送信所
送信所名 比治山送信所(NHKFM放送広島放送局)
黄金山送信所(RCCラジオFM補完/広島FM)
絵下山送信所(UHFデジタルTV)
局名 広島放送局
送信波 地上デジタルテレビジョン放送
VHFラジオ放送(FM放送)
送信塔 7塔
空中線形式
凡例
ST8段(NHKFM放送広島放送局)
2L2段2面(広島FM)
送信放送局 NHK広島放送局(総合テレビ・Eテレ・FM放送)
広島テレビ
ホームテレビ
RCC(テレビ・ラジオFM補完)
テレビ新広島
広島FM
FMちゅーピー
空中線電力 デジタル:3kW
ラジオ:1kW、コミュニティ放送:20W
指向性 FM放送はなし
その他は全局に指向性あり
放送区域 広島県広島市中区南区)、府中町海田町熊野町及び坂町の全域並びに広島市(東区西区安佐南区安芸区佐伯区)、呉市大竹市東広島市廿日市市江田島市山口県岩国市及び和木町の各一部
受信世帯 532,086世帯
開局 1956年3月21日
設置場所 広島県広島市
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広島県を放送対象地域とする全てのテレビ・FM放送の親局が位置する。

目次

放送区域編集

広島県全世帯の46%、約50万世帯をカバーしている。基本的に広島市の中心部と広島湾沿岸地帯で受信可能だが、山口県の一部と愛媛県の一部でも受信可能。

全域
一部

歴史編集

  • 1956年3月21日 - 【比治山】NHK広島放送局総合テレビの標準テレビジョン放送開始。
  • 1959年4月1日 - 【黄金山】ラジオ中国(現RCC)、標準テレビジョン放送開始。
  • 1961年1月8日 - 【比治山】NHK広島放送局、Eテレの標準テレビジョン放送開始。
  • 1962年
  • 1963年12月16日 - 【比治山】NHKFM放送実験放送局が実用化試験局に移行、同時にステレオ放送実験局となる。
  • 1969年3月1日 - 【比治山】NHKFM放送実用化試験局・FMステレオ放送実験局が本放送開始。
  • 1970年12月1日 - 【絵下山】ホームテレビ、広島県初のUHF親局として開局。
  • 1975年10月1日 - 【絵下山(発喜山)】テレビ新広島開局。
  • 1982年12月5日 - 【黄金山】広島FM開局。
  • 2003年7月 - 【絵下山】NHK広島放送局、広島テレビ、ホームテレビ、RCCテレビ、テレビ新広島(以下「在広島のテレビ局」とする)共同によるデジタルテレビ送信所鉄塔着工。
  • 2006年
    • 4月3日 - 【絵下山】在広島のテレビ局がデジタル放送の試験電波送信開始。
    • 4月18日 - 【絵下山】10:00よりデジタルテレビ送信所の竣工式。
    • 6月23日 - 【絵下山】在広島のテレビ局がデジタル放送の試験放送開始。
    • 10月1日 - 【絵下山】在広島のテレビ局がデジタル放送の本放送開始。
  • 2011年
  • 2012年
    • 4月1日 - 【黄金山】ジャパン・モバイルキャスティングの送信施設が置かれた。
    • 4月17日 - 【黄金山】ジャパン・モバイルキャスティングに本免許交付。
    • 4月23日 - 【黄金山】ジャパン・モバイルキャスティングの本放送開始。
  • 2015年
  • 2018年
    • 7月6日 - 19:40頃、ホームテレビ主調整室において、絵下山の電源設備停電警報が発報。非常用電源に切り替わる。西日本豪雨により、絵下山で電柱が倒れて断線したため。
    • 7月7日 - 12:00頃、広島テレビの技術担当が現地入り。送信所に通じる1本道で大規模な土砂崩れなどを確認。鉄塔と局舎の無事を確認。夕刻、NHK広島放送局にて在広島のテレビ全社局が集合し、非常用電源用燃料と新たな発電機の空輸を決定。
    • 7月9日 - 中国電力が倒れずに残っていた電柱を使って電線をつなぎ、送電を復旧させる。
    • 7月11日 - 在広島のテレビ全社局が約35人態勢で、非常用電源用燃料と新たな発電機の空輸を行う。

 

地上デジタル放送編集

広島県に於いては、地上デジタルテレビジョン放送2006年10月1日に開始することが決定し、これに先立ち2005年11月15日、全国のデジタル放送未開始の放送事業者とともに在広島のテレビ局にも予備免許が交付された。

送信所については、デジタル放送がUHF帯を使用することと、UHFアンテナ1本で在広島のテレビ局を視聴できるようにするため、アナログUHF親局が位置する絵下山に共同設置することを各社局で決め、2003年7月から送信所の建設工事が始まった。また電波銀座といわれる瀬戸内海に位置するだけあって、この頃から広島県でも現行アナログチャンネルの移行「アナアナ変換」が行われ始めたが、全国の送信所と同様に親局のチャンネル変更は無かった。

そして本放送開始半年前の2006年4月3日になると在広島のテレビ局全社局が試験電波の送信を開始したが、この試験電波はPN信号を発射することによるもので、映像・音声は送信されず視聴は出来ないものであった。また出力は当初は30Wでの減力発射で、その後5月上旬から200W、6月上旬からフルパワー3kWへと段階的に出力を増力していった。

この頃になるとテレビ各社局や送信所のデジタル施設も続々と完成していき、同年4月18日10:00には絵下山のデジタル送信所で竣工式が行われた。その後各社局とも技術的な調整を行い、6月23日には全社局とも映像・音声を含めた試験放送を開始。これは放送局ID付与によるもので、一般のデジタルチューナーでも視聴可能な放送が始まった。またこの放送は原則終日フィラーの繰り返しであり、減力あるいは停波したりすることがあるものであったが、一部時間帯でアナログ放送とのサイマル放送を実施する社局もあった。

そして放送開始2か月前になると、各社局が以下のスケジュールで終日アナログ放送との完全サイマル放送を行う「サービス放送」を開始した。

RCCテレビが最後となったのは、7月下旬から番組単位で単発的にアナログ放送とのサイマル放送を行っていたためで、結果的にサービス放送の開始は他社局に遅れることになった。

サービス放送を開始した各社局は最終調整を行った上で、9月28日に総務省よりそれまでの予備免許から本免許に当たる無線局免許状が交付され、予定通り10月1日に本放送を開始した。

放送事故編集

当時西日本各地の国土交通省(気象台)より雷注意報が発表されていた2008年8月14日06:30頃、RCCテレビの黄金山送信所(アナログテレビジョン放送親局)で、「落雷によるものと考えられる事故」(RCC発表)が発生。黄金山送信所の商用受電設備が焼損、バックアップのための自家用発電設備までもが焼損して完全に停電。自家用発電設備の応急修理が完了し運転開始するまでの5時間弱、黄金山送信所及びこのTTL(放送波中継網)にある各中継局が停波、広島県西部および北部でのアナログテレビジョン放送が停波した。

また、黄金山送信所の完全停電が長時間に及んだため、黄金山送信所を経由する広島県東部向け回線も約3時間後にバックアップ蓄電池切れによりダウン。東部向け放送もできなくなり、以降、自家用発電設備が仮復旧するまで、広島県全域でのアナログテレビジョン放送が完全に停波した。

これにより黄金山送信所で設備を共用している広島FMの放送にも影響が及んだ。停波中、RCCラジオでは停波状況を随時放送、また放送再開直後のローカルニュースにおいて、黒焦げとなった黄金山送信所の電源設備の被害状況を放送、テロップ等による謝罪を繰り返し行った。

この事故は電源室火災となり、消防車まで出動する大きなものとなったが、幸い送信所全焼等の最悪の事態には至らず、人的被害もなかった。なおこの日、広島県では16万世帯以上が送電線などへの落雷が原因で停電、最大で14時間以上電力供給が停止、JR西日本各線でも落雷による信号機故障などで運休や遅れが相次いだ。

施設編集

アナログの在広島のテレビ局の親局は、UHFのホームテレビとテレビ新広島は安芸区発喜山に設置しているものの、VHFについては、NHK広島放送局は南区比治山、RCCテレビと広島テレビは同じ南区の黄金山と、それぞればらばらに送信所を置いていた。

このため場所によっては、アナログ放送用VHFアンテナを局ごとに設置する必要があり、VHFアンテナを2本設置しなければならなかった。そこで、各放送局はデジタルテレビの開始に際し、送信所を集約することを決め協議した結果、UHF親局2社のアナログ送信所に近い絵下山に全社共同のデジタル送信所を設置した。

比治山編集

 
NHK比治山放送所(アナログTV時代)
  • 所在地:広島市南区比治山公園5番3号(比治山)

比治山は広島市中心部に位置する標高70.9メートルの丘状の山で、山全体が比治山公園として整備されている。基地局がある地には元々比治山陸軍墓地が存在した。

ここにはNHK広島放送局がFM放送の送信所を置いている。送信所は海抜64.3mの山頂付近に位置しているが、標高が低く周りを市街地に囲まれているため、一部地域ではビル陰による難聴地帯がある。空中線地上高は61.4mである。 アンテナはスーパーターンスタイルアンテナ8段。完成から55年以上を経過し老朽化が進んでいるため、隣接地(解体を完了したアナログEテレ用の鉄塔・局舎の跡地)に新しいFM放送の送信局舎と鉄塔の建設が予定されている。

黄金山編集

黄金山は標高221.7m、上記比治山と同じ南区であるが、比治山の南東約2.4kmに位置している。

山頂には、かつて広島テレビとRCCテレビがアナログテレビジョン放送の送信所を設けていた。このうちRCCテレビの鉄塔には広島FMの送信所を設置し、RCCラジオもFM補完中継局との開始にあたり送信所を設置した。かつて広島テレビの鉄塔はジャパン・モバイルキャスティング(Jモバ・NOTTV)に転換されたが2016年に閉局し存在しない(2017年11月解体)。北と南の2か所にピークが存在し、三角点があって最高地点である北側のピークにかつての広島テレビ、南側のピークにRCCラジオ(FM補完)と広島FMが位置する。また北西へ約2.4kmの地点には比治山がある。

RCCアナログTV・広島FM・RCCラジオFM補完編集

   
広島FM黄金山送信所(左・局舎、右・アンテナ)単独設置の頃
  • 所在地:広島市南区黄金山町1256番地

両社が局舎・鉄塔を共同で使用していて、FM放送(2011年7月まではアナログテレビ放送も)を送信している。アンテナは各社単独で使用し、鉄塔上段がRCCラジオFM補完[2](スーパーターンスタイルアンテナ3段)、下段が広島FM(2L双ループアンテナ2段4面)である。アナログテレビ放送の終了後、同鉄塔に設置されてきたRCCアナログテレビのスーパーターンスタイルアンテナ(12段)が撤去され、その後RCCラジオFM補完中継局の開始に向けて新たにスーパーターンスタイルアンテナが取り付けられた。

広島テレビアナログTV→Jモバ・NOTTV編集

 
NOTTV送信所
  • 所在地:広島市南区黄金山町1256番地

北側のピークに位置し、広島市を見渡す展望台に隣接している。かつてアナログテレビ放送を送信していて、鉄塔・局舎・アンテナなどの施設は全て広島テレビ単独で使用していたが、デジタル放送移行後はJモバ・NOTTV送信所になったが、2016閉局、2017年解体。空中線形式はスーパーターンスタイルアンテナ12段。

絵下山編集

絵下山には在広島のテレビ局送信所が置かれている。絵下山の標高は593mで、最高地点の西側に在広島のテレビ局共同によるデジタルテレビ放送所(親局)が位置する。なお、ホームテレビ、テレビ新広島のアナログ施設は2011年11月に解体、撤去された。

ホームテレビアナログ編集

  • 所在地:広島市安芸区矢野町字発喜山913番地

最も北側、三角点を持つピークに位置していた。鉄塔・局舎・アンテナなどの施設は全てホームテレビ単独で使用していた。空中線形式は4L双ループアンテナ4段4面。テレビ新広島とともにERPは国内最高であった。

テレビ新広島アナログ編集

  • 所在地:広島市安芸区矢野町字発喜山912番5号

ホームテレビの南側、在広島のテレビ局送信所によるデジタル送信所の北側のピークに位置していた。鉄塔・局舎・アンテナなどの施設は全てテレビ新広島単独で使用していた。空中線形式は4L双ループアンテナ4段4面。

在広島のテレビ局送信所編集

 
送信所全景
  • 所在地:広島市安芸区矢野町字絵下山753番6号

在広島のテレビ局によるデジタルテレビ送信所が置かれている。正式名は「広島デジタルテレビ放送所」。

地上波デジタル化の際、テレビ新広島の南側のピークに新たに建設され、施設は鉄塔・局舎・アンテナとも全て共同で使用している。鉄塔は北側に位置していた既存局より高く117mである。

チャンネル・出力概要編集

デジタルテレビ放送編集

リモコンキーID 放送局 コールサイン 物理チャンネル 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数
1 NHK広島総合 JOFK-DTV 14ch 3kW 30kW 広島県 532,086世帯
2 NHK広島Eテレ JOFB-DTV 15ch 32kW 全国放送
3 RCC中国放送 JOER-DTV 18ch 30kW 広島県 520,007世帯
4 HTV広島テレビ放送 JONX-DTV 19ch 32kW
5 HOME広島ホームテレビ JOGM-DTV 22ch 30kW
8 tssテレビ新広島 JORM-DTV 23ch 32kW
  • 全局局名は広島本局
  • 全局設置場所は絵下山
  • 全局に指向性あり
  • JNN系列局のRCCのリモコンキーIDが大半のJNN系列局(一部のANN系列局も)が使う「6」でも自社のアナログ親局チャンネルである「4」でもなく「3」なのは、当初は北海道放送(HBC)等と同じリモコンキーID「1」を選択したが、アナログ親局が1chでない場合はNHK総合が「1」のため民放最小番号となる「3」を選択した。これによりRCCだけが唯一全国標準のリモコンキーIDにしなかった。
  • 隣接県で「6」を使うJNN系列の山陰放送(BSS)・山陽放送(RSK)・あいテレビ(ITV)は広島県で受信する場合もそのまま「6」となる。
  • 山形県山梨県高知県大分県と同様にリモコンキーIDの配列が開局順となったほか、「8」を使うFNN系列のtssだけが“飛び地”となって仲間外れ状態になった(これは宮城長崎熊本鹿児島の各県と同じ傾向)。

アナログテレビ放送編集

全局2011年(平成23年)7月24日正午を以って廃局
ch 放送局名 コールサイン 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数 設置場所
3- NHK広島総合 JOFK-TV 10kW/2.5kW 83kW/21kW 広島県 約423,000世帯 比治山
4 RCC中国放送 JOER-TV 100kW/25kW - 黄金山
7+ NHK広島Eテレ JOFB-TV 79kW/20kW 全国放送 約441,000世帯 比治山
12 HTV広島テレビ放送 JONX-TV 100kW/25kW 広島県 - 黄金山
31 tssテレビ新広島 JORM-TV 30kW/7.5kW 410kW/100kW - 絵下山
35 HOME広島ホームテレビ JOGM-TV 400kW/100kW
  • 全局局名は広島本局
  • VHF局は無指向性、UHF局は指向性あり
  • NHK総合はオフセット-10kHz、Eテレはオフセット+10kHz
  • tssのERPは、国内のアナログ局では最大である

FMラジオ放送編集

周波数 放送局名 コールサイン 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数 設置場所
76.6MHz FMちゅーピー JOZZ8AG-FM 20W 31W 広島市廿日市市 - 黄金山
78.2MHz HFM広島エフエム放送 JOGU-FM 1kW 2.3kW 広島県 -
88.3MHz NHK広島FM JOFK-FM 7.1kW - 比治山
94.6MHz[4] FMRCC広島局[2] - 2.2kW[4] - 黄金山[2]

マルチメディア放送編集

2016年(平成28年)6月30日正午を以って放送終了[5]
周波数 放送局名 空中線電力 ERP 放送区域 放送区域内世帯数 運用開始日
214.714286MHz Jモバ広島MMH 12.5kW 125kW 広島県南部の一部 107万1845世帯 2012年4月23日
Jモバ広島DTV 広島県・山口県の一部 約-世帯 2015年4月1日

備考編集

  • 県内は、山がちな地形が多いため、山間部はもちろん広島市内などでも中継局が多数設置されている。

脚注編集

  1. ^ 中国地域初のマルチメディア放送に予備免許-携帯端末と連携した新しい放送メディアの誕生- - 総務省中国総合通信局(2011年12月9日プレスリリース)
  2. ^ a b c d AMラジオ放送を補完するFM局の免許申請 株式会社中国放送 2014年12月22日(2015年7月8日一部改稿)。2015年9月8日閲覧
  3. ^ 2015年12月1日(火)からRCCではFM補完放送(ワイドFM)を開始しています。 株式会社中国放送 2015年12月17日閲覧
  4. ^ a b 広島県内のAMラジオ難聴対策でFM補完中継局に予備免許(報道資料2015年6月22日)(総務省中国総合通信局)
  5. ^ ホームページ閉鎖のお知らせ Archived 2016年6月29日, at the Wayback Machine.

関連項目編集