悠木 圭子(ゆうき けいこ、1936年3月21日 - )は、日本の作詞家、元女優。女優名は藤田佳子。親類に女優の葉山葉子がいる。山口県防府市生まれ。八代亜紀の大ヒット曲『なみだ恋』、『おんなの夢』、香西かおりの大ヒット曲『浮雲』の作詞や田川寿美を見出し大歌手にまで育成したことで知られる。

『君待船』(1954年)に出演中の悠木圭子。当時の芸名は藤田佳子だった。

最初の夫は俳優の山田真二だったが、のち離婚[1]。現在の夫は作曲家の鈴木淳

人物 編集

 
山田真二との婚約を報じる『週刊明星』の新聞広告(1964年)

芸能界入りしたのは16歳だが、藤田佳子の芸名で女優として「十代の秘密」でデビュー。1954年に大映入り。出演作には「婦系図 湯島の白梅」、「霧の音」、「夜の蝶」、「細雪」、「大奥」などがある。京マチ子若尾文子山本富士子市田ひろみ(悠木と同じく、のちに女優から服飾評論家へ転身)らと共演している。1960年代は東映で活躍。他にNHKTBSなどの作品に数多く出演。

1969年東映鶴田浩二主演の「戦後最大の賭場」に出演後、小川知子の『さよならがこわいの』で作詞家デビュー。1973年、八代亜紀の『なみだ恋』の大ヒットをきっかけに女優から作詞家に転向した。転身の動機としては女優として多くの役柄を演じる中、今度は自分でドラマを作ってみたくなったことを挙げている。

1989年には当時13歳であった田川寿美を発掘し、1992年春に『女…ひとり旅』でデビューさせている。田川はその後、「NHK紅白歌合戦」出場、1995年みれん海峡』の大ヒット(作詞は悠木)、2001年には『海鳴り』で日本作詩大賞優秀作品賞を受賞[2]するなど華々しい活躍をとげ、演歌歌手として大成。人材発掘・育成の才能をも示した。

女優時代の主な出演 編集

映画 編集

  • 君待船(1954年、大映
  • 勝敗(1954年、大映)
  • 新しき天(1954年、大映)
  • 真白き富士の嶺(1954年、大映)
  • 泣き笑い地獄極楽(1955年、大映)
  • 火の驀走(1955年、大映)
  • 母笛子笛(1955年、大映)
  • 浅草の鬼(1955年、大映)
  • 婦系図 湯島の白梅(1955年、大映) - VHS
  • 珠はくだけず(1955年、大映)
  • 七人の兄いもうと(1955年、大映)
  • 薔薇の講道館(1956年、大映)
  • 豹の眼(1956年、大映)
  • 豹の眼 青龍の洞窟(1956年、大映)
  • 人情馬鹿(1956年、大映)
  • 屋根裏の女たち(1956年、大映)
  • あさ潮ゆう潮(1956年、大映)
  • スタジオは大騒ぎ(1956年、大映)
  • 愛の海峡(1956年、大映)
  • 午後8時13分(1956年、大映)
  • 霧の音(1956年、大映)
  • スタジオはてんやわんや(1957年、大映) - VHS化
  • 踊子(1957年、大映)
  • 忘れじの午後8時13分(1957年、大映)
  • 名犬物語 吠えろシェーン(1957年、大映)
  • 哀愁列車(1957年、大映)
  • ふるさとの灯台(1957年、大映)
  • 愛すべき罪(1957年、大映)
  • 夜の蝶(1957年、大映) - DVD発売
  • 青空娘(1957年、大映) - DVD発売
  • 赤胴鈴之助 一本足の魔人(1957年、大映) - DVD発売
  • 新婚七つの楽しみ(1958年、大映)
  • 母(1958年、大映)
  • 忠臣蔵 (1958年、大映) - DVD発売
  • 赤線の灯は消えず(1958年、大映) - VHS化
  • 消された刑事(1958年、大映)
  • 夜の闘魚(1959年、大映)
  • 細雪(1959年、大映) - VHS化
  • 恋は神代の昔から(1963年、東映
  • 呼んでるぜあの風が(1965年、松竹

テレビドラマ 編集

バラエティー番組 編集

代表的な曲 編集

関連書籍 編集

脚注 編集

  1. ^ 渡部保子『「映画ファン」スタアの時代』P.261-262
  2. ^ 第34回 日本作詩大賞

関連項目 編集