東大泉

東京都練馬区の町名
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東大泉(ひがしおおいずみ)は、東京都練馬区町丁住居表示実施済み。現行行政地名は東大泉一丁目から東大泉七丁目。面積は2.429km2[2]

東大泉
町丁
ゆめりあホール
大泉学園駅南口側から撮影、2009年4月)
地図北緯35度44分58秒 東経139度35分12秒 / 北緯35.749478度 東経139.586772度 / 35.749478; 139.586772
日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京
特別区 練馬区
人口情報2025年(令和7年)4月1日現在[1]
 人口 35,741 人
 世帯数 18,902 世帯
面積[2]
  2.429 km²
人口密度 14714.29 人/km²
郵便番号 178-0063[3]
市外局番 03(東京MA[4]
ナンバープレート 練馬
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地理

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練馬区の西部に位置する。北部を大泉町大泉学園町西大泉、南部を石神井台、東部を三原台石神井町、西部を南大泉と接する。

西武池袋線大泉学園駅の付近を中心に工業が盛んである。かつて箱根土地が大泉に教育施設を誘致し「学園都市大泉学園」の形成を試みたが叶わず、その名残として地名や駅名に「学園」の名が付いている。

地価

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住宅地の地価は、2025年令和7年)1月1日公示地価によれば、東大泉3-21-11の地点で52万6000円/m2、東大泉4-20-18の地点で41万2000円/m2となっている[5]

歴史

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旧:武蔵国豊島郡土支田村上組。土支田村は大きな村だったため上組(南)と下組(北)に分けられていた。現在の東大泉の他に、三原台二・三丁目の一部、大泉町二丁目の一部は土支田村上組に属していた。

1873年明治6年)、大区小区制によって上組と下組は分離され、上組は上土支田村と呼ばれるようになった。1889年(明治22年)、上土支田村は町村制によって南の石神井村と合併し、石神井村大字上土支田となる。さらに1891年(明治24年)、隣村の埼玉県新座郡にあった榑橋村東京府に編入され、大字上土支田と合併して、北豊島郡大泉村が誕生した。

当時、小学校は村ごとに運営されており、一つの村に必ず一校ずつ小学校を設置する必要があった。上土支田の豊西小学校(妙延寺内、現:東大泉3-16)と榑橋村の榑橋小学校(本照寺内、現:西大泉3-11)は、間隔が1km以内と近距離にあった。そこで合併すれば小学校を統合でき、大幅な経費削減が期待できることから、両村は合併した。合併後、豊西小学校と榑橋小学校は統合され、村の中央部に新たに泉小学校が設置された。後に泉小学校は現在の大泉小学校となる。

1932年昭和7年)、東京市編入とともに板橋区(現在の練馬区と板橋区を包含)が誕生し、大泉村は解体。大字上土支田の区域をもって板橋区東大泉町が誕生した。

また東大泉三丁目地区は、1941年(昭和16年)に陸軍予科士官学校東京都市ヶ谷市ヶ谷台、現在の防衛省市ヶ谷地区(市ヶ谷駐屯地))から朝霞に移転した際に、職員らの住宅をこの地区に建設したことから碁盤の目状に整備され、当地区は「将校住宅」と呼ばれた。当時この地には水道設備がなかったため、独自組織により「将校住宅」へ水道供給を開始した。これは戦後の1973年(昭和48年)の東京都水道局による当地区への水道供給に30年以上も先んじるものであった。この組織は「大泉名水会」として現存する[6]

1947年(昭和22年)の練馬区独立後も、戦前からの板橋区東大泉町の町域は踏襲された。1980年(昭和55年)8月1日、第18回住居表示により東大泉町の一部を土支田に編入、残りの部分に北大泉町のごく一部と旧・上石神井二丁目のごく一部を編入して境界整理し、現行の東大泉一丁目から七丁目までとなった。

2006年平成18年)9月1日、二丁目34番(東映東京撮影所)の街区が広大であることから、街区を分割して二丁目42番が新設され、2015年(平成27年)には当地に野村不動産タワーマンションプラウドシティ大泉学園」が建設された。

世帯数と人口

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2025年(令和7年)4月1日現在(練馬区発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
東大泉一丁目 2,593世帯 4,870人
東大泉二丁目 3,100世帯 6,349人
東大泉三丁目 2,761世帯 4,958人
東大泉四丁目 1,782世帯 2,972人
東大泉五丁目 2,236世帯 4,174人
東大泉六丁目 3,497世帯 6,476人
東大泉七丁目 2,933世帯 5,942人
18,902世帯 35,741人

人口の変遷

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国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[7]
29,941
2000年(平成12年)[8]
30,847
2005年(平成17年)[9]
32,301
2010年(平成22年)[10]
34,862
2015年(平成27年)[11]
34,252
2020年(令和2年)[12]
35,704

世帯数の変遷

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国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[7]
12,803
2000年(平成12年)[8]
13,629
2005年(平成17年)[9]
14,942
2010年(平成22年)[10]
16,564
2015年(平成27年)[11]
16,371
2020年(令和2年)[12]
17,840

学区

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区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2022年7月現在)[13]

丁目 番地 小学校 中学校
東大泉一丁目 28~33番
35~37番
練馬区立大泉小学校 練馬区立大泉中学校
1〜27番
34番
練馬区立大泉東小学校
東大泉二丁目 1~12番
16~18番
33~41番
13~15番
19~27番
練馬区立泉新小学校 練馬区立三原台中学校
28〜32番
42番
練馬区立大泉北小学校 練馬区立大泉北中学校
東大泉三丁目 1~16番
24~27番
36番
練馬区立大泉東小学校 練馬区立大泉中学校
17〜23番
28〜35番
37〜66番
練馬区立大泉小学校
東大泉四丁目 全域
東大泉五丁目 1~13番
23~26番
31~39番
練馬区立大泉東小学校 練馬区立大泉第二中学校
14〜22番
27〜30番
40〜43番
練馬区立大泉南小学校
東大泉六丁目 全域
東大泉七丁目 全域

交通

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鉄道

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バス

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大泉学園駅を拠点に、西武バス関東バスが発着する。また、石神井公園駅から成増駅方面への国際興業バスも域内を運行している。2013年9月末までは都営バスの路線もあった。

大泉学園駅からは、吉祥寺駅西荻窪駅荻窪駅阿佐ケ谷駅(以上中央線快速同各停。荻窪駅は丸ノ内線も)、成増駅和光市駅朝霞駅(以上東武東上線、成増・和光市は有楽町線副都心線も)、新座駅武蔵野線)、上石神井駅西武新宿線)、練馬駅(西武池袋線、一部都営地下鉄大江戸線新江古田駅)への路線が出ており、利便性が高い。また、中央線各駅への路線は西武新宿線の駅(上石神井駅のほか武蔵関駅上井草駅)も経由する。

かつては羽田成田両空港へのリムジンバスの発着もあったが、駅前再開発事業に伴い中止された。

道路

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産業

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事業所

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2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[14]

丁目 事業所数 従業員数
東大泉一丁目 397事業所 4,211人
東大泉二丁目 204事業所 2,578人
東大泉三丁目 209事業所 1,167人
東大泉四丁目 157事業所 1,391人
東大泉五丁目 205事業所 2,087人
東大泉六丁目 155事業所 1,586人
東大泉七丁目 106事業所 903人
1,433事業所 13,923人

事業者数の変遷

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経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[15]
1,489
2021年(令和3年)[14]
1,433

従業員数の変遷

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経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[15]
12,797
2021年(令和3年)[14]
13,923

農業

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  • 販売農家数 - 21戸
  • 農業就業人口 - 58人
  • 経営耕地面積 - 1426a
    • - 1372a
    • 樹園地 - 54a
  • 主要農作物作付面積
    2000年(平成12年)2月1日現在「練馬区統計書平成17年版 農業センサス」より(なお、ここに掲載したのは農業集落名が「東大泉町」となっている農家である。この農業集落は三原台三丁目にもまたがっているため、実際には若干これより少ない)。

経営耕地面積が1426aとなっているように、区内では比較的広大な農地を抱えている(32集落中第8位、区内全体の約5%)が、大泉地区では最下位である。畑の約72%がキャベツの栽培に当てられている。

工業

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  • 工場数 - 27
  • 従業者数 - 577人
    • 常用労働者 - 565人
    • 事業主・家族従業者 - 12人
  • 製造品出荷額等 - 1,768,996(万円)
  • 付加価値額 - 1,049,085(万円)
    2003年(平成15年)12月現在「練馬区統計書平成17年版 工業統計調査」より。

東大泉には工場数はあまり多くないが、従業者数が50人を超える工場が3か所もあり、事業主・家族従業者の割合は約2%(練馬区全体7.5%)と低いなど、比較的規模の大きな工場が多い。製造品出荷額等は区内の約17%(第1位。2位は北町)、付加価値額は約19.5%(第1位)を叩き出すなど、練馬区で北町、大泉町地区などと並んで工業が盛んである。特に西武池袋線大泉学園駅のすぐ北側にある一丁目と関越自動車道大泉インターチェンジのある二丁目では町内の工場の約66%、労働者の約65%が集中し、製造品出荷額は約98%を占めている。

2000年(平成12年)と比べると、工場数は6減 (−18.1%)、事業主・家族従業者が6減 (−33.3%) と従業者数が1 - 3人の零細工場が縮小している。しかし常用労働者数は全く変わっておらず、製造品出荷額は65億4,905万円増 (+58.7%) 、現金給与総額は11億2,233万円増 (+37.3%)、と増加している。なお、常用労働者の給与一年間の総額(現金給与総額)は41億2,424万円(一人当たりにすると約729万9540円)と区内ではトップクラスである。たとえば区内で同じく工業が盛んな貫井では24億366万円(常用労働者数は627人)、北町では27億7,700万円(638人)となっている。

商業

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  • 卸売業(2002年(平成14年)6月1日現在、「練馬区統計書平成17年版 商業統計調査」より)
    • 商店数 - 24
    • 従業者数 - 188人
    • 年間販売額 - 5488(百万円)
  • 小売
    • 商店数 - 344
    • 従業者数 - 2546人
    • 年間販売額 - 35914(百万円)

小売店は練馬区内で最も数が多く(区内の約7%)、西武池袋線大泉学園駅より北側の一丁目 - 四丁目に多く分布している。特に一丁目には大型商業施設も見られ、町内の小売店の約24%が集中している。

施設

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大泉学園駅周辺再開発事業

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大泉学園駅は駅乗降客が多くバス路線も多数乗り入れているが、かつては駅前の道路が狭隘でバス運行の妨げとなり、歩行者にとっても危険な状態であった。また駅前広場やバスロータリーもなく、駅の南北でバスタクシーの乗降場所が分散して利便性も低かった。そのため、西武池袋線練馬高野台駅 - 大泉学園駅)の連続立体交差事業[16][注釈 1]と一体的に駅前地区市街地再開発事業を行い、駅前広場などの整備を進めてきた。

2001年(平成13年)から2002年(平成14年)にかけて、再開発ビル「大泉学園ゆめりあ」を整備、2001年11月に再開発ビル「大泉学園ゆめりあ1」が開業[18]、2002年2月1日には「大泉学園ゆめりあ1」内に大泉学園ゆめりあホールがオープンした。さらに2002年11月には「大泉学園ゆめりあ2」と、低層棟のショッピングセンター「ゆめリアフェンテ[19]」が開業した[20]

連続立体交差事業は2015年(平成27年)1月25日をもって完了[17]。これに合わせて、同年3月には駅北口に複合商業施設リズモ大泉学園」が開業、駅と同施設を結ぶペデストリアンデッキ「大泉アニメゲート」が整備されて既存デッキと接続された。

ゆめーてる商店街

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また、駅北口から東映東京撮影所方面へは、再開発前からの既存商店街「ゆめーてる商店街」が広がり、約160店が軒を連ねる。商店街には松本零士が原稿用紙を買っていた文房具店もあることが縁となり、松本零士の全面協力を得て『銀河鉄道999』のヒロイン・メーテルから名を採り、「夢」と「メーテル」を合わせて「ゆめーてる商店街」と命名された。商店街のマスコットとして、松本零士デザインの「ゆめーてるちゃん」があり、「かぐや姫の子孫で、メーテルやエメラルダス千年女王の先祖にあたり、現代に生きている小学3年生」という設定[21]

一丁目

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二丁目

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三丁目

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四丁目

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五丁目

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六丁目

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七丁目

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その他

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日本郵便

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参考文献

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  • 桑島新一「練馬の地名今むかし」『ねりま区報』練馬区、1984年(昭和59年)6月~1985年(昭和60年)8月
  • 桑島新一「練馬の地名今むかし(旧地名の部)」『ねりま区報』練馬区、1985年(昭和60年)11月~1986年(昭和61年)4月
  • 練馬区『練馬区統計書 平成17年版(2005年版)』練馬区、2006年

脚注

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注釈

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  1. ^ 西武池袋線連続立体交差事業は、1971年1月に桜台駅 - 石神井公園駅間の都市計画決定[16]2005年6月に都市計画変更、高架化区間が石神井公園駅 - 大泉学園間に延長[16]2015年1月に桜台駅 - 大泉学園駅間の連続立体交差事業を完了[17]

出典

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  1. ^ a b 世帯と人口(町丁目別)” (CSV). 練馬区 (2025年4月17日). 2025年4月26日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ a b 土地面積(町丁目別)”. 練馬区 (2014年10月1日). 2025年4月26日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ a b 東大泉の郵便番号”. 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 国土交通省 不動産情報ライブラリ”. 国土交通省. 2025年3月19日閲覧。
  6. ^ 名水会について”. 一般社団法人 大泉名水会. 2023年8月6日閲覧。
  7. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  8. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  9. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  13. ^ 区立小中学校 学区域一覧 - 住所地から検索”. 練馬区 (2022年7月20日). 2025年4月26日閲覧。
  14. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  15. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  16. ^ a b c 池袋線連続立体交差事業・複々線化事業 西武鉄道株式会社
  17. ^ a b 西武池袋線の高架化、ついに全区間完成 日経クロステック日経BP、2015年1月28日
  18. ^ 大泉学園ゆめりあ1 株式会社新都市ライフホールディングス
  19. ^ a b ゆめリアフェンテ
  20. ^ 大泉学園ゆめりあ1 株式会社新都市ライフホールディングス
  21. ^ 銀河鉄道999の街 東大泉商栄会 ゆめーてる商店街
  22. ^ 大泉支店 株式会社三井住友銀行
  23. ^ 大泉支店 SMBC日興証券株式会社
  24. ^ 店舗リスト 明治安田生命保険相互会社
  25. ^ 大泉支店 株式会社みずほ銀行
  26. ^ 事業拠点一覧 株式会社タムラ製作所
  27. ^ [https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/shakujii/koban/11.html 石神井警察署 東大泉駐在所 警視庁
  28. ^ 東大泉中央地域集会所 練馬区
  29. ^ 東大泉支店 株式会社東和銀行
  30. ^ 大泉名水会とは”. 一般社団法人 大泉名水会. 2023年8月6日閲覧。
  31. ^ 大泉支店 株式会社三菱UFJ銀行
  32. ^ 店舗移転・統合等のお知らせ 三菱UFJ信託銀行株式会社
  33. ^ 石神井警察署 大泉学園駅前交番 警視庁
  34. ^ ライフ大泉学園駅前店 株式会社ライフコーポレーション
  35. ^ 東大泉児童館 練馬区
  36. ^ 東京国税局 練馬西税務署 国税庁
  37. ^ 郵便番号簿 2024年度版” (PDF). 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。

外部リンク

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