河村勇輝

日本のバスケットボール選手 (2001-)

河村 勇輝(かわむら ゆうき、2001年平成13年〉5月2日 - )は、日本バスケットボール選手。山口県柳井市出身。ポジションはポイントガード。18歳でBリーグ三遠ネオフェニックスと特別指定選手として契約し、当時最年少記録だった[2]

河村勇輝
Yuki Kawamura
横浜ビー・コルセアーズ  No.5
ポジション PG
所属リーグ B.LEAGUE
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (2001-05-02) 2001年5月2日(22歳)
出身地 山口県柳井市
身長 172cm (5 ft 8 in)[1]
体重 72kg (159 lb)[1]
キャリア情報
高校 福岡第一高等学校
大学 東海大学
プロ選手期間 2019–現在
経歴
2019-2020三遠ネオフェニックス
2020-2022横浜ビー・コルセアーズ
2022-横浜ビー・コルセアーズ
特別指定選手での在籍
受賞歴
  • BリーグシーズンMVP (2023)
  • 2× Bリーグ月間MVP (2021-22 1月,2022-23 12月)
  • 2× Bリーグオールスター (2023, 2024)
  • BリーグMIP (2023)
  • Bリーグアシスト王 (2023)
  • Bリーグベストファイブ (2023)
  • Bリーグ新人賞 (2023)
  • Bリーグ新人賞ベストファイブ (2020)
  • インターカレッジ優勝 (2020)
  • インターカレッジスリーポイント王 (2020)
  • インターカレッジアシスト王 (2021)
  • 関東大学リーグアシスト王 (2021)
  • 関東大学リーグ戦優秀選手賞 (2021)
  • 2× ウィンターカップ優勝 (2018, 2019)
  • 2× ウィンターカップベストファイブ (2018, 2019)
  • インターハイ優勝 (2019)
  • ココロ、たぎる。賞 (2023)
選手情報 ウィキデータを編集 B.LEAGUE.jp

来歴 編集

山口県柳井市出身。柳井中学校卒業。柳井中学校では全中ベスト16を経験。福岡第一高等学校では全国大会でタイトルを4回獲得し、ウィンターカップでは2連覇を達成しベストファイブにも選ばれた[1]第95回天皇杯では千葉ジェッツふなばしと対戦し、同じポジションで日本代表の富樫勇樹とも多く対峙した[3]

2020年1月20日、三遠ネオフェニックス特別指定選手として加入[1]。1月25日の千葉ジェッツ戦でデビューを果たし、18歳8ヶ月23日で、B1史上最年少出場及び史上最年少得点の記録を更新した[4]。2019-20シーズンは11試合に出場(7先発)、平均22.2分出場、12.6得点、2.0リバウンド、3.1アシストを記録した[5]

2020年4月、東海大学に進学した[6]。11月27日、楽天とマネジメント契約締結[7]。2020年11月、フォーブスジャパンによる「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2020」に選出された[8]

大学1年では関東大学リーグ戦は中止、インカレでは東海大学のメンバーとして優勝。また3ポイント王を受賞した[9]

2020年12月19日、横浜ビー・コルセアーズ に特別指定選手としての入団が発表された[10]。2021年2月28日の川崎戦で横浜での特別指定選手としての活動を終了した[11]。2020-21シーズンは16試合に出場(1先発)、 平均21.2分出場、6.0得点、2.3リバウンド、3.4アシストを記録し、2020-21シーズン新人賞ベストファイブに選出された[12]

大学2年の関東大学リーグ戦では優秀選手賞とアシスト王を受賞[13]。インカレでは東海大学のメンバーとして準優勝。またアシスト王を受賞した[14]

2021年12月20日、前年に続き横浜ビー・コルセアーズに特別指定選手としての入団が発表された[15]。2022年2月7日に第19回アジア競技大会の男子日本代表候補選手に招集された[16]。2022年3月3日には、東海大学の中退、横浜ビー・コルセアーズと特別指定選手契約の2021-22シーズン終了までの延長と2022-23シーズンのプロ契約締結を発表した[17]

2021-22シーズンは32試合に出場(6先発)、平均23.6分出場、10.0得点、2.9リバウンド、7.5アシストを記録した[18]

2022-23シーズンはBリーグMVP、ベストファイブ、新人賞などを受賞した[19]

人物 編集

  • 6歳でバスケを始め、小学2年生で地元のミニバスケットボールチームに加入。4年生から先発出場するが、敗北をきっかけに「毎日600本イン」が日課となった。6年生の頃、一点差で全国優勝を果たした。
  • 田臥勇太のファンである父の影響から、小学校6年間、田臥勇太をはじめとするNBA選手のプレーのビデオを観て育つ。
  • NBAで1番尊敬する選手はマイケル・ジョーダンで、好きなガードとしてはジョン・ストックトンジェイソン・キッドなどのアシストが上手な選手で、同世代ではトレイ・ヤングを挙げている[20][21]。中学生の時の文集には将来「プロの選手になって富樫勇樹選手のようになりたい」と記していた。
  • もともと両親と同じ教師になるのが夢だったが、今は日本代表のポイントガードとして日本を背負うことが目標となっている。
  • 姉が二人いる。好きな食べ物は肉全般、エビフライ、アボカド。嫌いな食べ物はマシュマロ、トマト、うどん。
  • 使っているバスケットボールシューズはAsics(アシックス)

日本代表歴 編集

ユース時代に年代別日本代表に選出され、2017年のFIBA U16アジア選手権と、2018年のFIBA U18アジア選手権に出場した。

2022年7月、ワールドカップアジア予選、Window3の台湾戦でA代表デビューを果たした[22]。同月、2022年FIBA男子アジアカップ日本代表に選出。初戦のカザフスタン戦はベンチスタートから13分間の出場で、8アシスト、2スティールを記録し、前半ビハインドの流れを変えるプレーを見せたことについて、渡邊雄太から「MVPは彼だった」と賞賛された[23]。大会を通しては全5試合出場で、1試合平均出場時間11.7分、4.4得点、4.4アシスト、2.2スティールを記録した[24]

個人成績 編集

略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック   TO  平均ターンオーバー  PPG  平均得点
 太字  キャリアハイ  *  リーグリーダー  †  優勝シーズン
シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2019-20 三遠 11 7 22.2 .389 .373 .767 2.0 3.1 1.5 .0 2.9 12.6
2020-21 横浜 16 1 21.3 .277 .205 .714 2.3 3.4 1.6 .0 1.7 6.0
2021-22 横浜 32 6 23.6 .418 .318 .736 2.9 7.5 1.3 .0 2.1 10.0
通算:3年 27 8 21.7 .330 .280 .750 2.2 3.3 1.6 .0 2.2 8.7

ギャラリー 編集

出演 編集

CM 編集

その他 編集

2022年12月に国際バスケットボール連盟(FIBA)が映画『THE FIRST SLAM DUNK』の公開に合わせて、そのメインキャラクター5人を実在するアジアのバスケットボール選手と比較する記事を公開した際、河村は宮城リョータと比較され、文中では「これ以上ぴったりなものがあろうだろうか」と評された[27][28]

2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップのグループリーグにおける河村の活躍に対して、『SLAM DUNK』のファンが多くいる中国では、「河村は『リアル宮城リョータ』だ」といった報道をするメディアもあった[29]

河村自身は2021年の『Hanako』のインタビューで「(引用者注:『SLAM DUNK』の)登場人物の中では宮城リョータが好きで。ポイントガードというポジションも一緒だし、小柄でスピードが武器というのもちょっと似ていて。宮城リョータの存在が自分のモチベーションにもなっていました」とコメントしている[30]

脚注 編集

  1. ^ a b c d 特別指定選手契約合意 および 入団会見実施のお知らせ』(プレスリリース)株式会社フェニックス、2020年1月20日https://www.neophoenix.jp/news/detail/id=158572020年2月2日閲覧 
  2. ^ 福岡第一高校3年の河村勇輝が18歳8カ月23日でB1最年少デビュー、千葉ジェッツを相手に鮮烈パフォーマンス”. BASKET COUNT (2020年1月25日). 2022年12月22日閲覧。
  3. ^ 富樫勇樹と河村勇輝…和歌山の地で実現した夢のような司令塔対決”. バスケットボールキング (2019年11月30日). 2021年3月12日閲覧。
  4. ^ “河村勇輝がB1デビュー戦で存在感を発揮。富樫勇樹はチーム掌握力に舌を巻いた”. バスケットボールキング. (2020年1月26日). https://basketballking.jp/news/japan/b1/20200126/213042.html 2020年2月2日閲覧。 
  5. ^ 河村勇輝”. 三遠ネオフェニックス. 2023年2月7日閲覧。
  6. ^ “プロの中でも際立つ才能、河村勇輝の“スケール感”は国内の大学で収まるのか?”. AERA dot.. (2020年2月11日). https://dot.asahi.com/articles/-/103134?page=1 2020年2月28日閲覧。 
  7. ^ “東海大の河村勇輝が楽天とマネジメント契約を締結「社会を元気づけられるよう全力で頑張ります」”. バスケット・カウント. (2020年11月27日). https://basket-count.com/article/detail/59844 2020年11月29日閲覧。 
  8. ^ 日本代表としてオリンピックの舞台に。19歳、河村勇輝の夢 #30UNDER30”. フォーブス (2020年11月18日). 2021年3月12日閲覧。
  9. ^ 第72回全日本大学バスケットボール選手権大会 試合結果”. 一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟オフィシャルサイト (2020年12月13日). 2023年2月7日閲覧。
  10. ^ 河村勇輝選手 2020-21シーズン 特別指定選手登録 および 入団会見実施のお知らせ” (2020年12月25日). 2020年12月21日閲覧。
  11. ^ 河村勇輝選手 特別指定選手としての活動期間についてのお知らせ”. 横浜ビー・コルセアーズ (2021年2月18日). 2021年2月20日閲覧。
  12. ^ スーパー高校生としてBリーグを席巻した河村勇輝が『新人賞ベスト5』を受賞「チームの勝利が一番大事」”. 横浜ビー・コルセアーズ. 2022年1月2日閲覧。
  13. ^ “東海大が日本大との優勝決定戦を制す! 3年ぶり6回目となる関東リーグ制覇”. バスケットボールキング. (2021年11月9日). https://basketballking.jp/news/japan/univ/20211109/345083.html?cx_cat=page3 2023年2月7日閲覧。 
  14. ^ “東海大を破り初の日本一に辿り着いた白鷗大…インカレで見せた不屈のチーム力は後輩たちへ”. バスケットボールキング. (2021年12月13日). https://basketballking.jp/news/japan/univ/20211213/349868.html?page=3 2023年2月7日閲覧。 
  15. ^ 河村勇輝選手 B.LEAGUE 2021-22シーズン 特別指定選手登録 および 入団会見実施のお知らせ” (2021年12月20日). 2021年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月20日閲覧。
  16. ^ 河村勇輝選手「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」男子日本代表候補選手 強化合宿参加メンバー選出のお知らせ” (2022年2月8日). 2022年2月8日閲覧。
  17. ^ 河村勇輝選手 B.LEAGUE 2022-23シーズン 選手契約締結(新規)のお知らせ』(プレスリリース)横浜ビー・コルセアーズ、2022年3月3日https://b-corsairs.com/news/team_20220303_02/ 
  18. ^ 河村勇輝”. B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト. 2023年2月7日閲覧。
  19. ^ 「[https://www.bleague.jp/news_detail/id=326679 「B.LEAGUE AWARD SHOW 2022-23」の表彰結果 ~横浜ビー・コルセアーズ 河村勇輝選手がB.LEAGUE史上初・MVPと新人賞をダブル受賞!~]」『B.LEAGUE公式サイト』2023年6月2日https://www.bleague.jp/news_detail/id=3266792023年6月2日閲覧 
  20. ^ 「90年代NBAにすごい刺激を受けていた」18歳の神童・河村勇輝インタビュー(前編)”. NBA Rakuten (2020年3月31日). 2021年3月12日閲覧。
  21. ^ 「馬場さんの道をすごく意識している」18歳の神童・河村勇輝インタビュー(後編)”. NBA Rakuten (2020年3月31日). 2021年3月12日閲覧。
  22. ^ 【バスケ】河村勇輝が代表デビュー「やるべきことにフォーカス」14分間で8アシスト5スチール日刊スポーツ2022年7月3日
  23. ^ 富樫勇樹28歳167cmと河村勇輝21歳172cm。バスケ日本代表「ふたりのユーキ」の正ポイントガード争いスポルティーバ2022年7月26日
  24. ^ アジアカップで輝いた河村勇輝&富永啓生…特別な才能を証明した“21歳コンビ”バスケットボールキング2022年7月22日
  25. ^ 日本を代表するアスリートとアシックスから応援メッセージ スポーツを通じて成長する部活生の心を映したノンフィクションムービーWEB-CM「三年間じゃない、一生だ。」 公開』(プレスリリース)アシックスジャパン、2023年11月7日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000185.000020802.html2023年11月8日閲覧 
  26. ^ 全国地上波でのCM出演は初!河村勇輝選手のアジリティを活かした華麗なドリブルに注目 「ザバス」新TV-CM『Be A Challenger』篇』(プレスリリース)株式会社明治、2024年3月25日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000038615.html2024年3月25日閲覧 
  27. ^ “FIBAがアジア選手で『SLAM DUNK』の先発を再現…渡邊雄太が桜木花道、河村勇輝が宮城リョータと比較”. BASKETBALLKING. (2022年12月18日). https://basketballking.jp/news/world/wc/20221218/407367.html 2023年2月26日閲覧。 
  28. ^ The First Slam Dunk (played by Asia basketball's current stars) - FIBA(2022年12月14日、英語)2023年2月26日閲覧。
  29. ^ “スラムダンク人気爆発の中国紙、W杯劇勝の日本バスケを絶賛 河村は「リアル宮城リョータだ」”. THE ANSWER. (2023年8月29日). https://the-ans.jp/news/350552/ 2023年9月2日閲覧。 
  30. ^ 向原康太 (2022年11月11日). “『SLAM DUNK』宮城リョータは、映画版でどんな夢を見せてくれるか 日本人選手たちの活躍に寄せて”. Real Sound ブック. 2023年8月23日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集