法恩寺山

概要編集

法恩寺山は白山信仰開祖泰澄が白山開山の際、深山に読経の声を聞き、その山頂直下西に法音教寺を建立し、山名はこれに由来する。[6][7]。以来平泉寺白山神社からの越前禅定道として修験の場所として重要な山であり、山頂は伏拝として白山を崇拝した場所でもある。

勝山市街地からは、なだらかな山容を持つこの山の全貌を望むことができる。

白山火山帯に属し[2]経ヶ岳とは尾根続きであり100万年程前に噴出した第四紀火山[6]ではあるが、岩石の生成時期は差がある。なだらかな山体は、黒色石英岩質と溶岩が風化した赤土で覆われている[8]。西に広く長く溶岩流が流れ、吉野ヶ原には泥流原が形成されている[2]。西面は緩斜面で、東面は急斜面である[9]

西北西山腹では国の総合保養地域整備法(リゾート法)の承認を得て、東急リゾートサービスによりスキージャム勝山が開発され、1993年12月にスキー場を開業した[8]。この下部の西山麓には、雁が原スキー場がある。

自然編集

東山腹を除く山域は、白山国立公園の特別地域の指定を受けている[3]。法恩寺林道が山麓を周回しており、道路沿いに多くの花や木が植栽されている。

第二次世界大戦後の食糧事情のため、山麓の溶岩台地吉野ヶ原で開拓が行われていた[8]。現在は、東急ハーヴェストクラブのホテルに利用されている。 山頂部にはブナミズナラダケカンバ林などがある[8]。林間にはシャクナゲが群生している。特にサワグルミ林は福井県内で唯一のものである。山頂直下の法音教寺跡では、秋にはリンドウなどの花が見られる[6]。林道法恩寺線沿いには樹齢500年以上の「法恩寺のねまり」があり、1975年(昭和50年)10月15日に勝山市の天然記念物の指定を受けた[9]

登山編集

登山敵期は5-11月[7]。山頂からは経ヶ岳や白山などの山並みを望むことができる[7]。積雪期には、スキージャム勝山のリフトが利用できる[7]

越前禅定道編集

 
白山禅定道

白山を開山した泰澄により、832年に越前、加賀美濃の三方向からの登拝道である禅定道が開かれた[10]。福井県側からの越前禅定道は、起点である越前馬場は平泉寺白山神社で、法恩寺山などを経て白山に至る登拝道である。法恩寺山は修行僧により重要な位置付けとされ、この北側のピークが伏拝(ふしおがみ、標高点1,360 m)として白山を遥拝所とされていた[7]

越前禅定道の詳細な経路は、起点:平泉寺白山神社の三宮社 - 金剣宮 - 三頭山(標高778 m) - 稚児堂跡 - 法音教寺跡 - 法恩寺山(1,357 m) - 伏拝 - 和佐盛平 - 小原峠 - 川上御前社 - 市ノ瀬(旧白山温泉) - 六万山 - 指尾 - 剃刀窟 - 五輪坂 - 慶松平 - 別当坂 - 仙人窟鬼ヶ咽 - 真砂坂・馬の立髪 - 蛇塚 - 黒ボコ岩 - 八幡社跡 - 室堂 - 青岩 - 高天原終 - 点:白山(御前峰)[6][11]

登山道編集

平泉寺白山神社からのルート
白山禅定の表登山道であった越前禅定道が、現在も法恩寺山へのメインの登山道として利用されている[6]。越前禅定道を含む白山禅定道は、歴史の道百選の一つに選定されている。平泉寺白山神社のむした参道などは、日本の道100選かおり風景100選美しい日本の歴史的風土100選の一つに選定されている。経路は、 平泉寺白山神社 - 三頭山 - 法恩寺林道出合(車でここまで上がることもできる[8]。)- 稚児堂 - 法恩寺山[6]。法恩寺林道出合付近には、中ノ平避難小屋(収容人数20名、無人)と[6][7][8]稚児堂(近くの弁ヶ滝に身を投げたと伝えられている僧「和光」と身ごもった「弁の君」の子の霊を慰める供養塔)がある[9]。山頂直下の法音教寺跡には小さなが祀られている[7]
林道小原線からのルート
越前禅定道の林道小原線側からルートもある。経路は、林道小原線 - 伏拝 - 法恩寺山。
経ヶ岳方面からのルート
経ヶ岳の北岳からのルートもある[12]。経路は、北岳 - 伏拝 - 法恩寺山。北岳までの経路は経ヶ岳の登山コースを参照。

地理編集

 
法恩寺山から望む両白山地の山並み、左から烏岳と大長山、最奥に白山別山三ノ峰

勝山市中心市街地の真東に位置し、両白山地の経ヶ岳から北西に派生する尾根上にある。山頂の西南西3.8 kmには、三頭山(標高778 m)がある。

周辺の山編集

山容 山名 標高
(m)[1][13]
三角点等級
基準点名[1]
法恩寺山からの
方角と距離(km)
備考
  白山 2,702.14 一等
「白山」
 東北東 18.7 日本百名山
  大日山 1,368  北西 14.4
  赤兎山 1,628.63 三等
「赤兎山」
 東 5.8 赤兎避難小屋
  大長山 1,671.40 二等
「大長山」
 東北東 5.7
  取立山 1,307.22 三等
「取立」
 北北東 4.9 取立平
水芭蕉群生地
  法恩寺山 1,356.62 三等
「法恩寺山」
  0 越前禅定道
  保月山 1,272.71 三等
「笹谷」
 南 2.8 保月尾根
  経ヶ岳 1,625.16 二等
「経ケ岳」
 南東 2.9 南峰(双耳峰)
日本三百名山

源流の河川編集

 
山頂の西5 kmにある浄土寺川ダム

九頭竜川の以下の支流河川源流となる山で、日本海へと流れる。

  • 滝波川の支流
  • 暮見川 - 上流部に火山砂防堰堤が設置されている[14]
  • 浄土寺川 - 山頂の西5 kmには、浄土寺川ダムがある。
  • 女神川 - その上流部に弁ヶ滝(べんがたき、落差約40 m、山頂の西南西1.8 km)があり、古くは修行所とされていた[14]。滝面は溶岩で形成され、滝の上部では柱状節理、下部では板状節理の地質が見られる[15]

交通・アクセス編集

 
法恩寺山の上部西斜面にあるスキージャム勝山のゲレンデ

西および北西山麓には国道157号が通る。西北西山腹にあるスキー場のスキージャム勝山へアクセルするための法恩寺山有料道路が、西山麓の国道157号から吉野ヶ原まで通る。法恩寺山有料道路などを利用して、「法恩寺山ヒルクライム」が開催されている[16]。勝山市村岡町暮見と大野市六呂師を結ぶ森林開発のための林道法恩寺線が西山腹を通る[14]。この林道は冬期閉鎖される[14]


法恩寺山の風景と展望編集

法恩寺山の風景編集

法恩寺山からの展望編集

脚注編集

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  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年8月27日閲覧。
  2. ^ a b c d コンサイス日本山名辞典 (1992)、464頁
  3. ^ a b 白山国立公園の区域図 (PDF)”. 環境省. 2014年8月27日閲覧。
  4. ^ 恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークについて”. 勝山市. 2014年8月28日閲覧。
  5. ^ 奥越高原県立自然公園”. 福井県. 2014年8月28日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 林 (2000)、180-183頁
  7. ^ a b c d e f g 宮本 (2010)、94-95頁
  8. ^ a b c d e f 松村 (2005)、1180頁
  9. ^ a b c 林道法恩寺線 (PDF)”. 福井県. 2014年8月28日閲覧。
  10. ^ 白山総合学術書編集委員会 (1992)、368頁
  11. ^ 林 (2000)、26-27頁
  12. ^ 林 (2000)、189-190頁
  13. ^ 日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2014年8月27日閲覧。
  14. ^ a b c d 林道法恩寺線ルートマップ (PDF)”. 勝山市. 2014年8月27日閲覧。
  15. ^ 火山と火山活動”. 勝山市. 2014年8月28日閲覧。
  16. ^ 大会概要”. バイクナビグランプリ実行委員会. 2014年8月28日閲覧。

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集