相見駅

愛知県額田郡幸田町にある東海旅客鉄道の駅

相見駅(あいみえき)は、愛知県額田郡幸田町大字相見字相見にある、東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線である。駅番号CA51

相見駅
東口(2012年3月)
あいみ
Aimi
CA50 幸田 (3.1[1] km)
(4.3[1] km) 岡崎 CA52
地図
愛知県額田郡幸田町大字相見字相見1番[2]
北緯34度53分15.665秒 東経137度9分37.281秒 / 北緯34.88768472度 東経137.16035583度 / 34.88768472; 137.16035583座標: 北緯34度53分15.665秒 東経137度9分37.281秒 / 北緯34.88768472度 東経137.16035583度 / 34.88768472; 137.16035583
駅番号 CA  51 
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 CA 東海道本線名古屋地区
キロ程 321.6 km(東京起点)
電報略号 イミ
駅構造 地上駅橋上駅[3]
ホーム 2面3線[3]
乗車人員
-統計年度-
[* 1]1,313人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 2012年平成24年)3月17日 [4][5]
備考
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西口(2021年9月)

JR東海と幸田町並びに幸田相見特定土地区画整理組合が新駅等設置に関する基本協定を締結したことによる自治体請願駅である。運行形態の詳細は「東海道線 (名古屋地区)」を参照。

歴史

 
建設中の駅(写真奥)とその周辺(2010年11月)

1900年額田郡相見村の志賀藤助村長が同志らと村内に駅設置を企画し、相見村停車場設置期成同盟会を組織した。同盟会は村内各地区ごとに募金を募り、隣村にも協力を依頼した[7]。相見村の動きを受けて、深溝村でも期成同盟会が発足している[8]1902年蒲郡駅 - 岡崎駅間が複線化したことで、相見村の山本鍬之助村長と、地元選出の県会議員・足立信次郎の要請により新駅設置は実現段階に入った。しかし、1906年に相見村・坂崎村・深溝村の3村が合併して広田村(後の幸田町)が発足。これを機に、駅設置場所は深溝村と相見村の中間に位置する芦谷信号所北350mに移された。広田の駅名は既に使用例があったため1908年9月の村議会で幸田村へ村名を変更することが決定され、同月に駅も幸田駅として開業した[9][10]

1989年に幸田町相見地区の住民により、再び期成同盟会が結成された[11]。幸田町も「幸田相見特定土地区画整理組合」を発足させ、1998年度より駅予定地周辺の土地区画整理事業を開始した[12]2007年3月1日には、幸田町、土地区画整理組合、東海旅客鉄道(JR東海)の間で「新駅等設置の計画協議推進に関する覚書」が調印され、JR東海による調査設計が始まった[13]。一方で、2008年5月に開かれた町民と町の「学区懇談会」では、出席者から新駅に慎重な意見も出された[14]2008年10月17日の幸田町議会第2回臨時会で、新駅設置の負担金45億8000万円を限度額とする債務負担行為(2009年度 - 2012年度)の補正予算が可決[15]。同日に幸田町、土地区画整理組合、JR東海の3者間で基本協定が締結された[16]2009年12月14日に新駅の建設が着工[17]2010年6月5日に起工式が執り行われた[18]

2011年7月14日には駅名が相見村に由来する「相見」に正式決定し、2012年3月17日のダイヤ改正に伴い駅が開業した[5]。幸田町内の駅としては幸田駅、三ケ根駅に次いで3番目の開業となった[19]

年表

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅[3]。島式の1番線が下り待機線、島式の2番線が下り本線、単式の3番線が上り本線となっている[3]。1番線を発着する定期旅客列車は、平日7:52発の岐阜行き普通1本のみである(2021年3月改正時点)。駅舎は橋上駅舎となっており、自由通路が設けられている[3]

岡崎駅が管理する無人駅である。自動券売機・簡易型自動改札機が設置されている。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1 CA 東海道本線 下り 岡崎名古屋方面[3][注釈 1] 待機線
2 本線
3 上り 豊橋浜松方面[3][注釈 1] 本線

利用状況

「こうたの統計」によると、駅開業後の1日平均乗車人員は以下の通りである[22]

年度 年間
乗車人員
定期外
乗車人員
定期
乗車人員
1日平均
乗車人員
2012年(平成24年) 283,065[* 2] 90,783[* 2] 192,282[* 2] 776[* 2]
2013年(平成25年) 396,967[* 2] 108,522[* 2] 288,445[* 2] 1,088[* 2]
2014年(平成26年) 459,239[* 3] 118,191[* 3] 341,048[* 3] 1,258[* 3]
2015年(平成27年) 513,280[* 3] 132,639[* 3] 380,641[* 3] 1,402[* 3]
2016年(平成28年) 548,186[* 4] 131,289[* 4] 416,897[* 4] 1,502[* 4]
2017年(平成29年) 566,484[* 4] 140,415[* 4] 426,069[* 4] 1,552[* 4]
2018年(平成30年) 588,423[* 5] 150,584[* 5] 437,839[* 5] 1,612[* 5]
2019年(令和元年) 596,715[* 5] 154,114[* 5] 442,601[* 5] 1,630[* 5]
2020年(令和02年) 386,974[* 1] 94,426[* 1] 386,974[* 1] 1,319[* 1]
2021年(令和03年) 479,370[* 1] 103,835[* 1] 375,535[* 1] 1,313[* 1]

駅周辺

幸田町の北西に位置し、岡崎市西尾市との市町境も近い。北には愛知県道78号安城幸田線が通っている。当駅の開業に合わせて急速に開発が進んでおり、駅前には家電量販店、ホームセンター、スーパー等が入った複合施設、高層マンションの建設が相次いでいる。また駅前にはライトアップされる噴水広場が整備されており、近辺の駅に比べ近代的な景観になっている。

周辺は広田川や相見川が通っており、平成20年8月末豪雨(2008年)では一部の地域で浸水するなどの被害を出した[23]

駅周辺部では「幸田相見特定土地区画整理組合」が1998年2015年度の8年間をかけて土地区画整理事業を実施[24]。3,480人の人口を見込み、54.2haを対象に75億3000万円を投じて宅地を造成した[24]。商業施設の建設も進められ、2003年ダイワロイヤルをデベロッパとする近隣型ショッピングセンター「カメリアガーデン幸田」が開業した[25]。食品スーパーマックスバリュやホームセンターケーヨーデイツーなどを核テナントに、飲食店などが構える。また、駅東口ではヤマダデンキが開業。高層マンションが建設されるなど開発が進む。

駅前では、アクセス道路、交通広場、パークアンドライド用の駐車場駐輪場が整備されている[26]

周辺施設

バス路線

幸田町コミュニティバス「えこたんバス」が乗り入れている[27]

2012年の開業当初は東岡崎駅岡崎駅幸田駅を結ぶ名鉄バス「岡崎幸田線」が乗り入れていたが、2014年のダイヤ改正で廃止された[28]

  • えこたんバス
    • 北ルート
    • 中ルート

隣の駅

東海旅客鉄道(JR東海)
CA 東海道本線
特別快速・新快速・快速
通過
区間快速・普通
幸田駅 (CA50) - 相見駅 (CA51) - 岡崎駅 (CA52)

脚注

注釈

  1. ^ a b 駅構内の案内表記。これらはJR東海公式サイトの各駅の時刻表で参照可能(駅掲示用時刻表のPDFが使われているため。2015年1月現在)。

出典

  1. ^ a b c 東海道本線 幸田〜岡崎間新駅の名称等について』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2011年7月14日。 オリジナルの2020年11月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201108050757/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000012091.pdf2020年11月8日閲覧 
  2. ^ 相見駅”. 東海旅客鉄道. 2019年4月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 相見駅 駅構内図”. 東海旅客鉄道. 2015年9月11日閲覧。
  4. ^ a b 平成24年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2011年12月16日。 オリジナルの2016年4月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160405090957/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000013606.pdf2020年11月8日閲覧 
  5. ^ a b c “JR相見駅が開業”. 中日新聞 (中日新聞社). (2012年3月17日)
  6. ^ a b c d “JR東海 進化する在来線旅客サービス”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 20. (2017年11月27日) 
  7. ^ 『幸田町史』 465頁
  8. ^ 『地域史 深溝』 386頁
  9. ^ 『幸田町史』 466頁
  10. ^ 『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、P1977、1989年3月。
  11. ^ a b c d “JR新駅予算案を可決 幸田町議会 調査設計負担金5250万円 明治からの誘致実る”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 20. (2007年3月28日) 
  12. ^ “先行開発しJR相見駅誘致へ”. 東海愛知新聞 (東海愛知新聞社). (2014年6月21日). オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171209143237/http://www.fmokazaki.jp/tokai/140621.html 2017年12月9日閲覧。 
  13. ^ a b “駅を中心としたまちづくり” (pdf). 広報こうた (幸田町): pp. 2-5. (2007年6月1日). オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171209144415/http://www.town.kota.lg.jp/index.cfm/1,1190,c,html/1190/koho_200706.pdf 2017年12月9日閲覧。 
  14. ^ 学区懇談会の結果をお知らせします - 幸田町ホームページ
  15. ^ 幸田町議会『こうた議会だより 2009年2月号』 2009年、2頁
  16. ^ a b “JR東海道線:幸田町に新駅、100年の悲願かなう 町北部発展に期待”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 22. (2008年10月18日) 
  17. ^ a b “JR東海道線:幸田の新駅着工 11年度末開業へ”. 毎日新聞 (毎日新聞社): p. 20. (2009年12月25日) 
  18. ^ a b c d “幸田の夢を乗せて JR相見駅開業(上)”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 18. (2012年3月15日) 
  19. ^ 広報こうた平成24年3月号” (PDF). 幸田町公式ホームページ (kota.lg.jp). 幸田町. p. 3 (2012年3月1日). 2023年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月7日閲覧。
  20. ^ 東海道本線幸田・岡崎間新駅等の設置について』(プレスリリース)東海旅客鉄道、2008年10月17日。 オリジナルの2008年10月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20081020081655/http://jr-central.co.jp/news/release/nws000198.html2020年12月19日閲覧 
  21. ^ a b 東海道本線 集中旅客サービスシステムの使用開始について』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2017年9月5日。 オリジナルの2020年11月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201108050539/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000035009.pdf2020年11月8日閲覧 
  22. ^ 『こうたの統計』幸田町
  23. ^ 浸水実績図(平成20年8月末豪雨) - 幸田町ホームページ
  24. ^ a b 幸田町の都市計画”. 幸田町建設部都市計画課. 2018年5月1日閲覧。
  25. ^ “幸田町「カメリアガーデン」第2期オープン-核テナントに「マックスバリュ」”. 岡崎経済新聞. (2010年7月29日). http://okazaki.keizai.biz/headline/115/ 2015年9月17日閲覧。 
  26. ^ (仮称)相見駅周辺地区先導的都市環境形成計画 (相見エコまちづくり計画) (PDF) 、幸田町、2010年3月31日策定、Page13
  27. ^ えこたんバス”. 幸田町. 2015年9月17日閲覧。
  28. ^ 民間の公共交通機関”. 2015年9月12日閲覧。
こうたの統計
  1. ^ a b c d e f g h i こうたの統計 2022年度 07_運輸・通信” (pdf). 幸田町. 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 『平成26年版 こうたの統計』 幸田町、2015年3月。 - 7-1 JR駅の利用状況 (ウェブ版[1])
  3. ^ a b c d e f g h 『平成28年版 こうたの統計』 幸田町、2017年1月。 - 7-1 JR駅の利用状況 (ウェブ版[2])
  4. ^ a b c d e f g h 『平成30年版 こうたの統計』 幸田町、2019年1月。 - 7-1 JR駅の利用状況 (ウェブ版[3])
  5. ^ a b c d e f g h 『令和2年版 こうたの統計』 幸田町、2020年12月。 - 7-1 JR駅の利用状況 (ウェブ版[4])

参考文献

  • 幸田町史編纂委員会編『幸田町史』 臨川書店、1974年。
  • 地域史深溝編さん委員会編『地域史 深溝』 1999年。

関連項目

外部リンク