鼓部こぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では207番目に置かれる(13画の3番目、亥集の21番目)。

康熙字典 214 部首
鼎部 鼓部 鼠部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

概要 編集

 

鼓部には「鼓」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。

単独の「鼓」字は、皮革で外郭を覆った打楽器の一種を意味する。また動詞として鼓を打つこと、ひいては広く打楽器を打つことを意味する。古代中国の都市では鐘と鼓によって人々に時刻を知らせており、明清時代、「晨鐘暮鼓」といい、城池の東に鐘楼、西に鼓楼を設け、毎日、寅時と戌時に鐘を鳴らし、戌時から2時間ごとに鼓を打った。このため「一鼓・二鼓…」というように「鼓」時で夜の時間を表した。その他、振動させること、奮い立たせること、突出するさまなどを意味する。

字源としては、「鼓」字は太鼓を叩くさまを象った文字で、左部は鼓の形を象り(上部の飾り、下部の鼓本体とそれを支えるスタンドから成る)、右部はを持った手を象る。[1][2][3]

「鼓」は意符としては鼓に関する文字に含まれる。

字体のデザイン差 編集

香港の常用字字形表においては他地域で「士」となっている部分を「土」とする。

部首の通称 編集

  • 日本:つづみ
  • 韓国:북고부(buk go bu、太鼓の鼓部)
  • 英米:Radical drum

部首字 編集

例字 編集

脚注 編集

  1. ^ 張世超; 孫凌安; 金国泰; 馬如森 (1996), 金文形義通解, 京都: 中文出版社, pp. 1164–7 
  2. ^ 季旭昇 (2014), 説文新証, 台北: 芸文印書館, pp. 402–3, ISBN 978-957-520-168-5 
  3. ^ 林志強等 (2017), 《文源》評注, 北京: 中国社会科学出版社, p. 277, ISBN 978-7-5203-0419-1