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狂骨の夢』(きょうこつのゆめ)は、京極夏彦の長編推理小説・妖怪小説。百鬼夜行シリーズ第3作である。

狂骨の夢
ジャンル ミステリー伝奇
小説
著者 京極夏彦
出版社 講談社
レーベル 講談社ノベルス
発売日 1995年5月8日
漫画
原作・原案など 京極夏彦
作画 志水アキ
出版社 角川書店
掲載誌 コミック怪
発表期間 2010年7月 - 2012年10月
巻数 全5巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 文学漫画

目次

書誌情報編集

あらすじ編集

関口巽はある日、前回の事件の渦中で死亡した久保竣公の葬式の席で大物小説家、宇多川崇からとある相談を受ける。それは、記憶喪失の妻の、海鳴りと甦ってくる記憶と殺した夫への恐怖に関するものだった。一方その妻、宇多川朱美は自分が記憶を失う以前に、前の夫を、首を切って殺してしまったのではないかという疑団にさいなまれていた。

一方、宇多川夫妻が住む逗子で、関口たちの古くからの友人、伊佐間一成は、海岸で朱美と名乗る女性と出会う。折からの冷え込みで体調を崩していた伊佐間は、朱美にいざなわれるまま彼女の家へとあがりこむ。酒に酔うまま、朱美は過去に同じ店で奉公していた女性を殺してしまったと告白する。

同じく、逗子にあるキリスト教会の居候、降旗弘と牧師の白丘亮一は、ある日訪れた宇多川朱美という女性から懺悔を聞く。彼女は、以前首を切って殺した夫が首をつなげて甦り、自分に会いにくるという。そしてその度に、絞め殺し、首を切っていると言うのである。

「死体が生き返る」…そんなことがありえるのか。そんな中、今度は宇多川崇が何者かによって殺害された。謎が謎を呼ぶ連続殺人事件に京極堂が挑む。そこには朱美を取り巻く壮絶な過去の秘密があった。

登場人物編集

中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじあきひこ)
安倍晴明の流れを汲む陰陽師にして拝み屋であり、古本屋を営む。屋号である「京極堂(きょうごくどう)」があだ名となっている。非常に博学な人物である。
関口 巽(せきぐち たつみ)
久保竣公の葬式の後、同席していた小泉から宇多川崇を紹介されて、彼の妻の事で相談された。
榎木津 礼二郎(えのきづ れいじろう)
「薔薇十字探偵社」の破天荒な私立探偵。中禅寺と関口の旧制高等学校の一期先輩。特殊な能力を持っている。
中禅寺 敦子(ちゅうぜんじ あつこ)
中禅寺秋彦の妹で、新聞社の社員。
木場 修太郎(きば しゅうたろう)
刑事。戦時中の関口の部下であり、榎木津の幼馴染。屈強な風貌から「旦那」と呼ばれている。
伊佐間 一成(いさま かずなり)
逗子の海岸で海に花を手向ける朱美と出会う。

朱美と関わる人々編集

宇多川 朱美(うだがわ あけみ)
崇の妻。利根川で行き倒れていたところを助けられ、そのまま済し崩し的に同棲するようになる。婚姻届を提出していないので、戸籍上は夫婦ではない。不可解な夢や記憶に悩まされている。
一柳 史郎(いちやなぎ しろう)
宇多川の隣人。妻と二人暮らし。かつては憲兵だった。朱美は夫人に良く世話になっている。
宇多川 崇(うだがわ たかし)
小説家。幻想小説家の大家。妻の様子がおかしいことを関口に相談する。
佐田 申義(さだ のぶよし)
朱美の前夫。危篤の父をひたすら看病していた。赤紙が来た時一度逃げたが、その後一度帰って来るという不可解な行動をする。そのため朱美と彼の父親は村八分の扱いを受けた。その後、首なし死体となって発見される。
鴨田 周三(かもた しゅうぞう)
朱美のかつての奉公先である鴨田酒造主人。兵役忌避者の妻として朱美が村八分にされていることに責任を感じ、彼女を村から逃がした。旧姓、鷺宮。
鷺宮 邦貴(さぎのみや くにたか)
周三の甥。出征して帰還したが、その後の消息は不明。
宗像 民江(むなかた たみえ)
鴨田酒造で働いていた奉公人。朱美とは仲が良かった。申義と駆け落ちしたと思われていたが、その後の消息は不明。
宗像 新造(むなかた しんぞう)
民江の父。
宗像 賢造(むなかた けんぞう)
民江の兄。復員後、行方不明となる。

二子山集団自殺事件の関係者編集

文覚(もんがく)
聖宝院の僧。
山田 春雄(やまだ はるお)
どこかの寺に出家していた。法名、春真。二子山で自殺した。
山田 冨吉(やまだ とみきち)
春雄の父。
高野 八重(たかの やえ)
自殺者の一人。終戦の翌年から行方不明だった。
高野 唯継(たかの ただつぐ)
八重の父。元中学教師で、現在は退職し、趣味で水質調査をしている。
高野 なか子(たかの なかこ)
唯継の妻。

飯島基督教会編集

降旗 弘(ふるはた ひろむ)
飯島基督教会の居候。元精神科医。実家は小石川歯科医であり、木場とは幼馴染みで榎木津とも面識があった。幼児体験のトラウマを解消するべく精神神経医学を学んだが、そのせいで逆に激しい自己嫌悪に陥り、フロイトを逆恨みしている。関口曰く、自分と同じタイプの人間。
白丘 亮一(しらおか りょういち)
飯島基督教会の牧師。温厚な性格だが、はっきりとした信仰を持つことができずに苦悶している。また、少年期のとある体験がトラウマになっており、髑髏と神主に対して極端な恐怖心を抱いている。

警察編集

長門 五十次(ながと いそじ)
警視庁捜査一課の刑事。木場の新しい相棒(実際は暴走気味の木場の監視役も兼ねている)で課一番の年長者。刑事とは思えないほど穏和な性格。
石井 寛爾(いしいかんじ)
神奈川県警警部。前作の『魍魎の匣』で初登場。魍魎の匣で、木場の暴走の迸りを受けて降格させられたが、本作では再び警部に昇格している。事件の捜査で関口家を訪れた際に木場と再会し、和解した。その後、木場らの捜査に協力するようになる。
田淵(たぶち)
神奈川県警葉山署の刑事。石井と共に捜査をするが高圧的な性格で、石井とは反りが合わない。
舟橋(ふなはし)
神奈川県警葉山署の刑事。田淵の同僚。

その他編集

矢沢 駿六(やざわ しゅんろく)
逗子湾で発見された生首遺体の被害者。

用語編集

逗子湾金色髑髏事件(ずしわんこんじきどくろじけん)
逗子湾にて、金色の頭蓋骨が打ち上がったと噂された事件。実際に人間の頭蓋骨が発見され、事件となった。
二子山集団自殺事件(ふたごやましゅうだんじさつじけん)
10名の男女が二子山で自殺していた事件。女性達は阿片を飲まされた上に、無理心中された。

漫画編集

志水アキにより漫画化され、前作『魍魎の匣』に引き続き「コミック怪」で連載された。

書誌情報編集

角川書店、怪COMICより発売。

  1. 2011年1月24日発行 ISBN 978-4-04-854582-2
  2. 2011年7月23日発行 ISBN 978-4-04-854658-4
  3. 2012年1月24日発行 ISBN 978-4-04-120080-3
  4. 2012年7月24日発行 ISBN 978-4-04-120312-5
  5. 2013年1月24日発行 ISBN 978-4-04-120550-1

関連作品編集

関連項目編集