横浜トリエンナーレ
横浜市で3年おきに開催される<br />現代美術の国際展覧会
(第8回横浜トリエンナーレから転送)
横浜トリエンナーレ(よこはまトリエンナーレ、英語: Yokohama Triennale)は、横浜市で3年おきに開催される現代アートの国際展覧会。
1999年に横浜トリエンナーレ組織委員会(国際交流基金、横浜市、日本放送協会 (NHK) 、朝日新聞社)が設立、2001年に第1回目の展覧会が開催された。
トリエンナーレとは3年に1度開催される美術展であるが、第2回展は資金や会場などの都合で2004年に開催できず、翌2005年に開催した。その後、第3回展(2008年)以降は最新の第7回展(2020年)まで3年おきに開催されている。
2011年の第4回展より2020年の第7回展まで「ヨコハマトリエンナーレ」と横浜の部分も片仮名表記されていたが、2023年12月の当初開幕予定から延期された2024年の第8回展では「第8回横浜トリエンナーレ」というように西暦表記がなくなり、横浜の部分も漢字表記に戻った[注 1]。
開催概要
編集※人物の所属・肩書は開催当時のものを表記している。
横浜トリエンナーレ2001
編集- 全体テーマ: 「メガ・ウェイブ - 新たな総合に向けて」
- 会期: 2001年9月2日 - 11月11日(うち休場日4日)
- 主要会場:
- パシフィコ横浜展示ホールC・D
- 横浜赤レンガ倉庫1号館
- 横浜開港資料館旧館
- クイーンズスクエア横浜
- アーティスティック・ディレクター:
- 会場空間構成: 岡部憲明(岡部憲明アーキテクチャーネットワーク 代表)
- 参加アーティスト: 約100人
- 入場者数: 35万人
- 主催: 国際交流基金、横浜市、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、文化庁、神奈川新聞社
横浜トリエンナーレ2005
編集- 全体テーマ: 「アートサーカス(日常からの跳躍)」
- 会期: 2005年9月28日 - 12月18日
- 主要会場: 山下ふ頭横浜市営3号・4号上屋
- 総合ディレクター: 川俣正(美術家)
- キュレーター:
- 天野太郎(横浜美術館 学芸課長補佐)
- 芹沢高志(P3 art and environment ディレクター)
- 山野真悟(ミュージアム・シティ・プロジェクト 運営委員長)
- 参加アーティスト: 71プロジェクト
- 入場者数: 18万9,568人(当初目標20万人、最終目標15万人)
- 主催: 国際交流基金、横浜市、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、文化庁、神奈川新聞社
横浜トリエンナーレ2008
編集- 全体テーマ: 「TIME CREVASSE(タイムクレヴァス)」
- 会期: 2008年9月13日 - 11月30日
- 主要会場:
- 新港ピア
- 横浜赤レンガ倉庫1号館
- 日本郵船海岸通倉庫(BankART studio NYK)
- 総合ディレクター: 水沢勉(神奈川県立近代美術館 企画課長)
- キュレーター:
- ダニエル・バーンバウム(シュテーデル造形美術大学 学長)
- フー・ファン(ビタミン・クリエイティヴ・スペース アーティスティック・ディレクター)
- 三宅暁子(現代美術センター・CCA北九州 プログラム・ディレクター)
- ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(サーペンタイン・ギャラリー ディレクター)
- ベアトリクス・ルフ(クンストハレ・チューリッヒ ディレクター)
- 参加アーティスト: 65プロジェクト
- 入場者: 30万6,633人
- 主催: 国際交流基金、横浜市、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、文化庁、神奈川県、神奈川新聞社
ヨコハマトリエンナーレ2011
編集- 全体テーマ: 「OUR MAGIC HOUR -世界はどこまで知ることができるか?-」
- 会期: 2011年8月6日 - 11月6日
- 主要会場:
- 横浜美術館
- 日本郵船海岸通倉庫(BankART studio NYK)
- 総合ディレクター: 逢坂恵理子(横浜美術館館長)
- アーティスティック・ディレクター: 三木あき子
- 参加アーティスト: 77組(79作家)/1コレクション
- 入場者: 33万人
- 主催: 横浜市、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、神奈川県、神奈川新聞社、テレビ神奈川
- 共催: 横浜市芸術文化振興財団
- 支援: 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業)
- 特別協力: 国際交流基金
- 特別連携プログラム: BankART Life Ⅲ(新港ピア)、黄金町バザール2011(黄金町エリア)
ヨコハマトリエンナーレ2014
編集- 全体テーマ: 「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」
- 会期: 2014年8月1日 - 11月3日(うち休場日は第1・3木曜日の計6日間)
- 主要会場:
- 横浜美術館
- 新港ピア
- アーティスティック・ディレクター: 森村泰昌(美術家)
- 参加アーティスト: 79名[1]
- 主催: 横浜市、横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、神奈川県、神奈川新聞社、テレビ神奈川、スペイン大使館、駐日韓国大使館 韓国文化院、中華人民共和国駐日本国大使館、Goethe-Institut Tokyo、東京ドイツ文化センター、ベルギー王国大使館
- 支援: 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業)
- 特別協力: 国際交流基金
ヨコハマトリエンナーレ2017
編集- 全体テーマ: 「島と星座とガラパゴス」
- 会期: 2017年8月4日 - 11月5日(うち休場日は第2・4木曜日の計6日間)
- 主要会場:
- 横浜美術館
- 横浜赤レンガ倉庫1号館
- 横浜市開港記念会館地下
- ディレクターズ:
- 逢坂恵理子(横浜美術館館長)
- 三木あき子(キュレーター、ベネッセアートサイト直島インターナショナルアーティスティックディレクター)
- 柏木智雄(横浜美術館副館長、主席学芸員)
- 参加アーティスト: 約40組
- 主催: 横浜市、横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 外務省、神奈川県、神奈川新聞社、テレビ神奈川
- 支援: 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業)
- 特別協力: 国際交流基金、神奈川芸術文化財団
- 特別協賛: 寺田倉庫
ヨコハマトリエンナーレ2020
編集コロナ禍での開催となり、対策として事前予約制による入場制限などが行われた[2]。
- 全体テーマ: 「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」
- 会期: 2020年7月17日 - 10月11日(うち休場日は7月23日・8月13日・10月8日を除く毎週木曜日、開場日数は計78日)[3][注 2]
- 主要会場:
- ディレクターズ:
- アーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ」(ジーベシュ・バグチ、モニカ・ナルラ、シュッダブラタ・セーングプタ)[8]
- 参加アーティスト: 67組[9][10]
- 主催: 横浜市、横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
- 後援: 神奈川県、神奈川新聞社、テレビ神奈川
- 支援: 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業)
- 特別協力: 国際交流基金、都市再生機構[注 4]
第8回横浜トリエンナーレ
編集2023年12月9日より初めて冬季に開催予定であった[11][12][13][注 1]が、メイン会場となる横浜美術館[注 5]の改修工事の遅れから2024年3月15日開幕に延期された。
- 全体テーマ: 「野草:いま、ここで⽣きてる」[注 6]
- 会期: 2024年3月15日 - 6月9日(うち休場日は4⽉4⽇・5⽉2⽇・6⽉6⽇を除くを除く毎週木曜日、開場日数は計78日)[15]
- 主要会場:
- 横浜美術館
- 旧第一銀行横浜支店[注 7]
- BankART KAIKO[注 8]
- アーティスティック・ディレクター:
- リウ・ディン(刘鼎)、キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)[15]
- 参加アーティスト: 94組[16]
- 主催: 横浜市、横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会[15]
- 後援: 外務省、神奈川県、神奈川新聞社、テレビ神奈川[15]
- 支援: 文化庁(国際的なイベントにおけるアートの国際発信事業)[15]
脚注
編集注釈
編集- ^ a b 当初の2023年12月開幕予定の時点では「ヨコハマトリエンナーレ2023」という名称で告知されていた[13]。
- ^ 当初は7月3日に開幕し開場日数は計90日となる予定であった[4]が、新型コロナウイルス感染症の流行に対して安全対策が必要になったため、開幕を2週間延期し会期が短縮された[3]。
- ^ 近隣の61街区に移転するため、2019年5月に閉館した横浜アンパンマンこどもミュージアム&モールの跡地。なお、同施設のミュージアムエリアにも利用されていた街区内の建物「ブルーマリーナMM21」(1996年6月竣工、建築設計:中川巌・建築綜合研究所/構造設計:梅沢建築構造研究所)[5][6]は、もともと都市再生機構(UR都市機構、旧:住宅・都市整備公団→都市基盤整備公団)が横浜中央都市整備事務所として使用していた[7]。
- ^ プロット48の土地・建物を所有。
- ^ 大規模改修工事により2021年3月より長期休館に入り、開幕に合わせてリニューアルオープン(再開館)を迎えた。
- ^ 魯迅の詩集『野草』(1927年刊⾏)より[14]。
- ^ 1929年(昭和4年)築の旧第一銀行横浜支店の一部が保存改修されたもので、横浜アイランドタワーの低層部に当たる。
- ^ KITANAKA BRICK&WHITEの1階に入るBankART1929の文化芸術拠点。
出典
編集- ^ “現代美術展「トリエンナーレ」開幕 横浜美術館”. 朝日新聞. (2014年8月1日) 2014年8月1日閲覧。
- ^ ヨコハマトリエンナーレ2020は7月17日に開幕。チケットは日時指定の事前予約制(美術手帖 2020年6月3日)
- ^ a b ヨコハマトリエンナーレ2020 7月17日(金)に開幕!(ヨコハマトリエンナーレ2020:News 2020年6月3日)
- ^ a b c ヨコハマトリエンナーレ2020 会期・会場が決定 2020年7月3日から、横浜美術館とプロット48(横浜トリエンナーレ:お知らせ 2019年7月2日)
- ^ ブルーマリーナMM21(USE : 梅沢建築構造研究所/Wayback Machine (2019年3月29日時点のアーカイブ))
- ^ ブルーマリーナMM21(東京建物図鑑/Wayback Machine (2004年6月4日時点のアーカイブ))
- ^ みなとみらいに「横浜アンパンマンこどもミュージアム」が開業(ヨコハマ経済新聞 2007年1月8日)
- ^ ヨコハマトリエンナーレ2020 アーティスティック・ディレクター ラクス・メディア・コレクティヴに決定(横浜トリエンナーレ:お知らせ 2018年11月29日)
- ^ コロナ禍でも生身の芸術体験を:ヨコハマトリエンナーレは7月17日に開幕(Tokyo Art Beat, 2020年6月22日)
- ^ 「ヨコハマトリエンナーレ2020」いよいよ開幕 67組集まる現代アートの国際展 (KAI-YOU.net 2020年7月16日)
- ^ 横浜美術館の大規模改修工事に伴う長期休館について(横浜市文化観光局 2021年2月18日、2022年6月30日更新、2022年8月13日閲覧)
- ^ ヨコハマトリエンナーレ、初の冬季開催 横浜美術館もリニューアル(朝日新聞デジタル 2022年6月30日)
- ^ a b 「ヨコハマトリエンナーレ2023」開催決定! アーティスティック・ディレクター、会期、会場の情報を公開しました(横浜トリエンナーレ:お知らせ 2022年6月30日)
- ^ 第8回 横浜トリエンナーレ:アーティスティック・ディレクター(コンセプト)(公式サイト内)
- ^ a b c d e 第8回 横浜トリエンナーレ:開催概要(公式サイト内)
- ^ 「横浜トリエンナーレ」の全アーティスト94組が発表へ。田中敦子、坂本龍一ら8組が新たに加わる(Tokyo Art Beat, 2024年2月15日)
関連項目
編集外部リンク
編集- 横浜トリエンナーレ(公式サイト)
- 横浜トリエンナーレ (@yokotori_) - X(旧Twitter)
- 横浜トリエンナーレサポーター (@yokotorisup) - X(旧Twitter)