糸魚沢駅

日本の北海道厚岸郡厚岸町にあった北海道旅客鉄道の駅

糸魚沢駅(いといざわえき)は、かつて北海道厚岸郡厚岸町糸魚沢に所在した北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線(花咲線)の廃駅)である。電報略号イト事務管理コードは▲110444[2]

糸魚沢駅
駅舎(2018年9月)
いといざわ
Itoizawa
厚岸 (10.6 km)
(9.6 km) 茶内
地図
所在地 北海道厚岸郡厚岸町糸魚沢
北緯43度6分12.63秒 東経144度55分31.9秒 / 北緯43.1035083度 東経144.925528度 / 43.1035083; 144.925528座標: 北緯43度6分12.63秒 東経144度55分31.9秒 / 北緯43.1035083度 東経144.925528度 / 43.1035083; 144.925528
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 根室本線(花咲線)
キロ程 365.6 km(滝川起点)
電報略号 イト
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗車人員
-統計年度-
2人/日(降車客含まず)
-2014年-
開業年月日 1919年大正8年)11月25日
廃止年月日 2022年令和4年)3月12日[1]
備考 無人駅
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歴史 編集

 
1978年の糸魚沢駅と周囲約500m範囲。右が根室方面。駅裏は厚岸湖へ注ぐチライカリベツ川流域の広い湿地帯。単式ホーム1面1線と駅裏側に副本線、駅舎横の根室側に貨物ホームと引込み線を有する。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

年表 編集

駅名の由来 編集

所在地名より。駅の南を流れる別寒辺牛川支流のチライカリベツ川のアイヌ語名の意訳に由来している。この際、すでに糸魚川駅が存在していたため、区別のために「糸魚沢」とした。由来となった語については「チライカリペッ(ciray-kari-pet)」(イトウ・通う・川)、あるいは「チライカペッ(ciray-kar-pet)」(イトウ・捕る・川)の2説が考えられている[9][10][4]

駅構造 編集

 
ホーム(2018年9月)

単式1面1線ホーム地上駅厚岸駅管理の無人駅である。かつては相対式2面2線の交換可能駅であったが撤去された。

1950年(昭和25年)に建てられた駅舎は木造平屋建てで、切り妻の屋根に段差を付けた構造になっており、段差の部分に2か所の採光窓が設けられていた。ホーム側の屋根はそのままホームに伸びるひさしとなる構造であった。糸魚沢駅はこの構造で残る最後の駅舎であった[11]

この駅舎の隣に新駅舎の建設工事が行われ、2015年(平成27年)1月29日から供用開始されることになった。建設工事は、新駅舎に抵触する旧駅舎の一部を取り壊して行われ、同年2月2日から旧駅舎は取り壊された[7]

利用状況 編集

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1992年(平成04年) (7.0) [12] 1日平均乗降客数14人
2015年(平成27年) 「10名以下」 [JR北 1]
2016年(平成28年) 1.2 [JR北 2]
2017年(平成29年) 1.2 [JR北 3]
2018年(平成30年) 1.6 [JR北 4]
2019年(令和元年) 1.0 [JR北 5]
2020年(令和02年) 1.4 [JR北 6]
2021年(令和03年) 2.4 [JR北 7]

駅周辺 編集

駅周辺は糸魚沢の集落のほか湿原地帯が広がる。

隣の駅 編集

北海道旅客鉄道(JR北海道)
根室本線(花咲線)(廃止当時)
快速「はなさき」・快速「ノサップ」
通過
普通
厚岸駅 - 糸魚沢駅 - 茶内駅

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ a b 2022年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2021年12月17日。 オリジナルの2021年12月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20211217052031/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20211217_KO_kaisei.pdf2021年12月17日閲覧 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、233頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ 内閣印刷局, ed (1917-11-27). “鉄道院告示 第114号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (2189). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954302/2. 
  4. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ a b c d e f JR釧路支社「鉄道百年の歩み」北海道旅客鉄道株式会社釧路支社 平成13年12月発行。
  6. ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、883頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  7. ^ a b 根室本線糸魚沢駅が新駅舎に”. railf.jp (2015年1月27日). 2015年1月27日閲覧。
  8. ^ “JR函館線 廃止協議は流山温泉など5駅”. 北海道新聞. (2021年9月18日). オリジナルの2021年9月18日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/v3TVf 2021年9月18日閲覧。 
  9. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、256頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  10. ^ アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  11. ^ 糸魚沢駅|NHK映像マップみちしる~新日本風土記アーカイブス~”. 日本放送協会. 2015年1月27日閲覧。
  12. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、120頁。ISBN 4-09-395401-1 

JR北海道 編集

  1. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  2. ^ 根室線(釧路・根室間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。 オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102705/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/05.pdf2017年12月10日閲覧 
  3. ^ 根室線(釧路・根室間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818152757/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/05.pdf2018年8月19日閲覧 
  4. ^ 根室線(釧路・根室間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  5. ^ 根室線(釧路・根室間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集