赤岩駅 (福島県)

かつて福島県福島市大笹生にあった東日本旅客鉄道の駅

赤岩駅(あかいわえき)は、かつて福島県福島市大笹生赤岩にあった、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線廃駅)である。「山形線」の愛称区間に含まれていた。

赤岩駅
ホーム(2006年8月)
あかいわ
Akaiwa
庭坂 (7.7 km)
(6.6 km) 板谷
地図
所在地 福島県福島市大笹生赤岩32
北緯37度48分20.67秒 東経140度20分6.94秒 / 北緯37.8057417度 東経140.3352611度 / 37.8057417; 140.3352611座標: 北緯37度48分20.67秒 東経140度20分6.94秒 / 北緯37.8057417度 東経140.3352611度 / 37.8057417; 140.3352611
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 奥羽本線山形線
キロ程 14.6 km(福島起点)
電報略号 アイ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
0人/日(降車客含まず)
-2004年-
開業年月日 1910年明治43年)10月13日[1]
廃止年月日 2021年令和3年)3月12日[2][3]
無人駅
2017年3月4日より全列車が通過(通年)。
2012 - 2016年は冬期間(12月1日 - 翌年3月25日まで)通過。
利用者数減少並びに変電システムと通信システムの変更に伴う廃駅
テンプレートを表示

歴史 編集

2016年(平成28年)12月1日以降全列車が通過しており[4]2021年(令和3年)3月12日限りで廃止された[2][3]

駅構造 編集

 
スイッチバックの遺構

地上駅山形新幹線開通に伴う改軌以前は、当駅の他板谷大沢の4駅連続のスイッチバック駅の一つであったが、改軌後は、他駅同様スイッチバックが撤去され、本線上に、島式ホーム1面2線の構造で移設され、ホームへは庭坂寄りの構内踏切を利用していた。無人駅

なお他の3駅と異なり、当駅には分岐器部分のスノーシェルターはスイッチバックの現役当時から設置されなかった。

のりば 編集

※営業当時のもの。案内上の番線番号は最後まで割り当てられなかった。

ホーム 路線 方向 行先
入口側 山形線 上り 福島方面
反対側 下り 米沢方面

(出典:JR東日本:駅構内図 - 2021年3月12日のアーカイブ)

利用状況 編集

2004年度の1日平均乗車人員は0人であった[11]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
2000 3
2001 3
2002 0
2003 0
2004 0

駅周辺 編集

以前は駅の直下を流れる松川に沿って赤岩、人道橋を渡った対岸にイラ窪(伊良窪)の集落が存在していた。しかしあまりにも山深い地であり、1980年代の半ばには相次いで無人となった。有人駅だった当時には、プラットホーム北側にある植林地に、鉄道関係者用の住宅も見られた。しかしこれも無人駅化時に廃止され、解体された。

また以前には、隣接してスイッチバック時代の遺構が良く残っていた。しかし当駅周辺が板谷峠越えの急勾配地である事から、その対策として一部を壊し、電圧安定のための変電所が設置された。

駅の利用者以外の姿はこの地で殆ど見られず、鉄道関係の施設以外には、古い集落の跡だけが周辺唯一の人工物となっている。駅から徒歩30分ほどの所に大平集落があるが、数世帯しか住んでおらず限界集落と化している[10]

その他の特徴 編集

奥羽本線福島 - 米沢間に存在する各駅は、峠駅を除いて米沢街道宿場町に接する形で作られた。当駅も、以前街道に存在していた李平(すももだいら)宿との連絡が可能な場所に設置されている。トンネル崩落と言う事故対応に伴い駅となった。修復後に再び信号所へと降格されなかった理由の一つとして、当時は周辺にこの集落が存在していたと言うことが挙げられる。しかし、米沢街道は難路としても知られていたため、奥羽本線の開通を含む交通体系の変化の影響を受け、早くから衰退を強めることとなった。「散歩コース、駅構内から松川を越えて旧米沢街道まで一時間」[12]と記述された資料も存在するが、李平宿は大正時代には廃村となっており、駅と宿場町との連絡道も自然に還りつつある。松川を渡る橋も現存しない。

この様に近在する宿場町を失い、駅名の元となった赤岩集落や隣接するイラ窪集落等が全て無住となった後、大平地区のみ当駅の利用者を擁する唯一の集落となっていた。しかし大平地区もまた他集落との交通手段に乏しく激しい過疎状態にあるため、年々利用者減少が続いていた。駅と大平地区との連絡も林道に限られており、徒歩で辿り着くのは片道で30分程を要し、容易では無い。乗用車等での通行も可能ではあるが、急カーブ、幅員狭小、路面荒れの酷さ等のため、通行にはかなりの困難が伴う。

その他にもいくつか、かつての集落間を連絡する道跡が存在する。また冬季には積雪に伴い林道通行が事実上不可能となり、外界との連絡手段は殆ど無くなる。

隣の駅 編集

東日本旅客鉄道(JR東日本)
山形線(奥羽本線)
庭坂駅 - 赤岩駅 - 板谷駅

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、527頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b c d 奥羽本線 赤岩駅廃止について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2021年1月20日。 オリジナルの2021年1月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210120091147/https://www.jreast.co.jp/press/2021/sendai/20210120_s01.pdf2021年1月20日閲覧 
  3. ^ a b c d “JR奥羽線「赤岩駅」3月12日廃止 秘境駅...鉄道ファンに人気”. 福島民友 (福島民友新聞社). (2021年1月21日). オリジナルの2021年1月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210121022753/https://www.minyu-net.com/news/news/FM20210121-578197.php 2021年1月21日閲覧。 
  4. ^ a b 2017年3月ダイヤ改正および新駅開業等について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2016年12月16日、5頁。 オリジナルの2019年5月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190519195628/http://jr-sendai.com/upload-images/2016/12/20161216.pdf2021年1月20日閲覧 
  5. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『奥羽・羽越480駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年9月20日、34頁。ISBN 4-09-395403-8 
  6. ^ 『仙台鉄道管理局40年史』仙台鉄道管理局、1960年、216頁
  7. ^ a b 秘境駅111年、歴史に幕 福島・赤岩駅 降りたら遭難の恐れ…全列車が通過 朝日新聞デジタル、2021年3月13日
  8. ^ “「通報」●根室本線幾寅駅ほか30駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月29日) 
  9. ^ a b 奥羽本線 赤岩駅冬期間の普通列車通過についてのお知らせ』(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2012年11月15日。 オリジナルの2020年10月22日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200620070416/http://jr-sendai.com/upload-images/2012/11/press_20121115-akaiwaeki.pdf2020年10月22日閲覧 
  10. ^ a b “「秘境駅」鉄道ファンら惜しむ声 奥羽線・赤岩駅3月12日廃止”. 福島民友 (福島民友新聞社). (2021年3月11日). オリジナルの2021年3月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210311064822/https://www.minyu-net.com/news/news/FM20210311-593219.php 2021年3月11日閲覧。 
  11. ^ 第120回福島県統計年鑑
  12. ^ 青木雄千代 『ふくしま各駅停車』(1977)

関連項目 編集

外部リンク 編集