工廠(こうしょう)とは、軍隊直属の軍需工場のことで、武器弾薬をはじめとする軍需品開発製造修理貯蔵支給するための施設。造兵廠とも呼ばれる。

英語ではArsenalというが、これは兵器庫のことも指す。

日本の組織・施設 編集

大日本帝国陸海軍はそれぞれ直轄の軍需工場を持っていた。立地条件としては、他国からの攻撃をできるだけ避けられる安全な場所で、かつ輸送の便のよいところが望ましい。

第二次世界大戦末期、工廠はアメリカ軍日本本土空襲の目標の一つとして攻撃を受けた。当時、成人男性の多くは戦地に送られ、工廠には学生たちが学徒動員され働いており、彼らも空襲の犠牲者となった。

自衛隊は工廠と呼べるものを持たず、兵器の開発・製造を民間企業に委託している。

陸軍の工廠 編集

再編統合を繰り返したため、それらの名称はさまざまに変わったが、主なものをここに挙げる。

戦前
戦中

など

海軍の工廠 編集

戦前
戦中

内陸に位置する工廠へは鉄道専用線が引かれた。今も各地の道路トンネルにその跡が残る。


アメリカ合衆国の施設 編集

イギリスの施設 編集

イングランドアーセナルFCなど、工廠の労働者で結成されたチームを起源とするサッカークラブの多くが「工廠」を意味する"Arsenal"をチーム名としている。

フランスの施設 編集

トルコの施設 編集

関連図書 編集

  • 『陸軍工廠の研究』佐藤 昌一郎 八朔社 ISBN 4938571765(1999/07)
  • 『横須賀海軍工廠史 (1)』 明治百年史叢書 (329) 横須賀海軍工廠 原書房  ISBN 4562013788 (1983/01)