1963年ベルギーグランプリ

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1963年ベルギーグランプリ (1963 Belgian Grand Prix) は、1963年のF1世界選手権第2戦として、1963年6月9日スパ・フランコルシャンで開催された。

ベルギー 1963年ベルギーグランプリ
レース詳細
1963年F1世界選手権全10戦の第2戦
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
スパ・フランコルシャン(1947-1978)
日程 1963年6月9日
正式名称 XXIII Grote Prijs van Belgie
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギーの旗 ベルギー スパ
コース 恒久的レース施設
コース長 14.100 km (8.761 mi)
レース距離 32周 451.200 km (280.363 mi)
決勝日天候 雨 (ウエット)
ポールポジション
ドライバー BRM
タイム 3:54.1
ファステストラップ
ドライバー イギリスの旗 ジム・クラーク ロータス-クライマックス
タイム 3:58.1 (16周目)
決勝順位
優勝 ロータス-クライマックス
2位 クーパー-クライマックス
3位 ブラバム-クライマックス

レース概要 編集

ジム・クラークが大雨の中で優勝した。クラークは3列目の8番グリッド[1]からスタートした後、首位のグラハム・ヒルを含め、前にいた全てのマシンを1周目を終える前にパスして早くも先頭に立ち、レース中盤からの豪雨でコースが洪水と化し、しかも雷鳴まで響く中独走優勝した[2]。クラークはブルース・マクラーレン以外を周回遅れにして、マクラーレンのクーパーにも5分近い差を付けた[3]。この年クラークとチーム・ロータスが挙げた7勝のうち、これが最初の勝利となった。ダン・ガーニーがクラークとマクラーレンに次ぐ3位となり、ブラバムに初めての表彰台をもたらした。

クリス・エイモンは19歳324日でF1デビューを果たし、1961年イタリアGPリカルド・ロドリゲス(19歳208日)に次ぐ、この時点で2番目の年少記録となった[4]。また、ATS(1961年末にフェラーリから造反独立したカルロ・キティらにより設立[5])、BRP(マシンはモノコックシャシーMk1だが、実質ロータス・25のコピー[5])、シロッコ(前年にヒュー・パウエルがエメリソンを買い取り、マシンも大幅に改造されて「シロッコ」として参戦[5])がF1デビューを果たした。

エントリーリスト 編集

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン
  チーム・ロータス 1   ジム・クラーク ロータス 25 クライマックス FWMV 1.5L V8
2   トレバー・テイラー
3   ピーター・アランデル 1
  ブリティッシュ・レーシング・パートナーシップ 4   イネス・アイルランド BRP Mk1 BRM P56 1.5L V8
5   ジム・ホール ロータス 24
  オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 7   グラハム・ヒル BRM P57 BRM P56 1.5L V8
8   リッチー・ギンサー
  スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 9   ジョン・サーティース フェラーリ 156/63 フェラーリ Tipo178 1.5L V6
10   ウィリー・メレス
11   ルドビコ・スカルフィオッティ 1
  R.R.C. ウォーカー・レーシングチーム 12   ヨアキム・ボニエ クーパー T60 クライマックス FWMV 1.5L V8
  クーパー・カー・カンパニー 14   ブルース・マクラーレン クーパー T66 クライマックス FWMV 1.5L V8
15   トニー・マグス
  ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 17   ジャック・ブラバム ブラバム BT3 クライマックス FWMV 1.5L V8
18   ダン・ガーニー BT7
  スクーデリア・セントロ・スッド 19   ロレンツォ・バンディーニ 1 BRM P57 BRM P56 1.5L V8
  レグ・パーネル・レーシング 21   クリス・エイモン ローラ Mk4A クライマックス FWMV 1.5L V8
22   ルシアン・ビアンキ Mk4
  シロッコ・レーシング・カーズ 24   トニー・セッテンバー シロッコ SP BRM P56 1.5L V8
25   イアン・バージェス 1
  オートモビリ・ツーリズモ・エ・スポート 26   フィル・ヒル ATS 100 ATS 100 1.5L V8
27   ジャンカルロ・バゲッティ
  シフェール・レーシングチーム 28   ジョー・シフェール ロータス 24 BRM P56 1.5L V8
  エキュリー・マールスベルゲン 29   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
ソース:[6]
追記
  • タイヤは全車ダンロップ
  • ^1 - マシンが準備できず

結果 編集

予選 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 7   グラハム・ヒル BRM 3:54.1 1
2 18   ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 3:55.0 +0.9 2
3 10   ウィリー・メレス フェラーリ 3:55.3 +1.2 3
4 15   トニー・マグス クーパー-クライマックス 3:56.0 +1.9 4
5 14   ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 3:56.2 +2.1 5
6 17   ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 3:56.6 +2.5 6
7 4   イネス・アイルランド BRP-BRM 3:56.9 +2.8 7
8 1   ジム・クラーク ロータス-クライマックス 3:57.1 +3.0 8
9 8   リッチー・ギンサー BRM 3:57.6 +3.5 9
10 9   ジョン・サーティース フェラーリ 3:57.9 +3.8 10
11 2   トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 3:58.1 +4.0 11
12 5   ジム・ホール ロータス-BRM 4:00.1 +6.0 12
13 12   ヨアキム・ボニエ クーパー-クライマックス 4:00.1 +6.0 13
14 28   ジョー・シフェール ロータス-BRM 4:02.3 +8.2 14
15 21   クリス・エイモン ローラ-クライマックス 4:04.9 +10.8 15
16 22   ルシアン・ビアンキ ローラ-クライマックス 4:06.5 +12.4 16
17 26   フィル・ヒル ATS 4:06.7 +12.6 17
18 29   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 4:14.6 +20.5 18
19 24   トニー・セッテンバー シロッコ-BRM 4:25.2 +31.1 19
20 27   ジャンカルロ・バゲッティ ATS 4:33.6 +39.5 20
ソース:[7]

決勝 編集

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 1   ジム・クラーク ロータス-クライマックス 32 2:27:47.6 8 9
2 14   ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 32 +4:54.0 5 6
3 18   ダン・ガーニー ブラバム-クライマックス 31 +1 Lap 2 4
4 8   リッチー・ギンサー BRM 31 +1 Lap 9 3
5 12   ヨアキム・ボニエ クーパー-クライマックス 30 +2 Laps 13 2
6 29   カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 30 +2 Laps 18 1
7 15   トニー・マグス クーパー-クライマックス 27 アクシデント 4
8 24   トニー・セッテンバー シロッコ-BRM 25 アクシデント 19
Ret 9   ジョン・サーティース フェラーリ 19 インジェクション 10
Ret 7   グラハム・ヒル BRM 17 ギアボックス 1
Ret 22   ルシアン・ビアンキ ローラ-クライマックス 17 アクシデント 16
Ret 5   ジム・ホール ロータス-BRM 16 アクシデント 12
Ret 28   ジョー・シフェール ロータス-BRM 16 アクシデント 14
Ret 26   フィル・ヒル ATS 13 ギアボックス 17
Ret 17   ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 12 インジェクション 6
Ret 21   クリス・エイモン ローラ-クライマックス 10 オイル漏れ 15
Ret 4   イネス・アイルランド BRP-BRM 9 ギアボックス 7
Ret 10   ウィリー・メレス フェラーリ 7 インジェクション 3
Ret 27   ジャンカルロ・バゲッティ ATS 7 ギアボックス 20
Ret 2   トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 5 油圧低下 11
ソース:[8]
ラップリーダー[9]

第2戦終了時点のランキング 編集

  • : トップ5のみ表示。ベスト6戦のみがカウントされる。

脚注 編集

  1. ^ 本レースのスターティンググリッドは3-2-3。 Belgium 1963 - Starting grid”. statsf1.com. 2018年9月9日閲覧。
  2. ^ (林信次 1997, p. 54-55,58)
  3. ^ (林信次 1997, p. 58)
  4. ^ (林信次 1997, p. 63)
  5. ^ a b c (林信次 1997, p. 68)
  6. ^ Belgium 1963 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年9月8日閲覧。
  7. ^ Belgium 1963 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年9月8日閲覧。
  8. ^ 1963 Belgian Grand Prix”. formula1.com. 2013年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月20日閲覧。
  9. ^ Belgium 1963 - Laps led”. statsf1.com. 2018年9月8日閲覧。

参照文献 編集

  • en:1963 Belgian Grand Prix(2018年7月13日 23:25:59(UTC))より翻訳
  • 林信次『F1全史 1961-1965』ニューズ出版、1997年。ISBN 4-938495-09-0 

外部リンク 編集

前戦
1963年モナコグランプリ
FIA F1世界選手権
1963年シーズン
次戦
1963年オランダグランプリ
前回開催
1962年ベルギーグランプリ
  ベルギーグランプリ 次回開催
1964年ベルギーグランプリ