ウィリアムズ・FW13
ウィリアムズ・FW13 (Williams FW13) はウィリアムズが1989年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。設計者はパトリック・ヘッド。第13戦ポルトガルGPから最終戦オーストラリアGPまで使用された。1990年は開幕戦から最終戦までFW13Bが使用された。
2016年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて | |||||||||||
カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ウィリアムズ | ||||||||||
デザイナー |
パトリック・ヘッド(テクニカルディレクター) エンリケ・スカラブローニ(チーフデザイナー) | ||||||||||
先代 | ウィリアムズ・FW12C | ||||||||||
後継 | ウィリアムズ・FW14 | ||||||||||
主要諸元[1] | |||||||||||
シャシー | カーボンファイバー ケブラー コンポジット | ||||||||||
サスペンション(前) | ウィリアムズ製 ダブルウィッシュボーン | ||||||||||
サスペンション(後) | ウィリアムズ製 ダブルウィッシュボーン | ||||||||||
エンジン |
1989年: ミッドエンジン, 縦置き, 3493cc, ルノー RS1, 67度 V10, NA 1990年:ミッドエンジン, 縦置き, 3493cc, ルノー RS2, 67度 V10, NA | ||||||||||
トランスミッション | ウィリアムズ / ヒューランド製 横置き 6速 MT | ||||||||||
燃料 | エルフ | ||||||||||
タイヤ | グッドイヤー | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | キヤノン ウィリアムズ・チーム | ||||||||||
ドライバー |
5. ティエリー・ブーツェン 6. リカルド・パトレーゼ | ||||||||||
コンストラクターズタイトル | 0 | ||||||||||
ドライバーズタイトル | 0 | ||||||||||
初戦 | 1989年ポルトガルグランプリ | ||||||||||
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FW13
編集1989年、ウィリアムズはルノー製のV型10気筒3500cc自然吸気エンジンを使用した。FW12Cを使用して開幕を迎え、シーズン途中でFW13を投入するスケジュールだったが、実際にFW13がレースに持ち込まれたのは、シーズン終盤の第13戦ポルトガルGPのことだった。
フロントサスペンションはFW12Cのプルロッドからプッシュロッドへと変更された。FW12Cはモノコック内部にスプリング・ダンパーユニットを収めていたが、FW13ではサスペンション上側のリンクはモノコックの外側に移され、ここからノーズ先端までは別体のカバーが取り付けられた。そのノーズ上面の「こぶ」がFW13の特徴となった。
サイドポンツーン側面のエアダクトは廃され、燃料タンクはドライバー側面まで延び、ロールバーはループ状のものではなく、車体中央に棒状のものが取り付けられた。また、1990年の規定にも容易に変更できるようになっていた。インダクションポッドは独特のデザインで、横幅のある楕円形の形状だった。
デビューレースとなったポルトガルGPでは、リアエンドはFW12Cのものを流用したものだったが[2]、スペインGPで本来のFW13用のものが取り付けられた。
成績
編集FW13が使用されたのは終盤4戦のみ。第15戦日本GPではアイルトン・セナの失格により2、3位を獲得。豪雨の中行われた最終戦オーストラリアGPでは、ティエリー・ブーツェンのドライブで優勝を飾った。FW12Cでの成績を含め、コンストラクターズランキングは2位。
スペック
編集シャーシ
編集- シャーシ名 FW13
- ホイールベース 2,921 mm
- 前トレッド 1,803 mm
- 後トレッド 1,674 mm
- クラッチ AP
- ブレーキキャリパー AP
- ブレーキディスク・パッド カーボンインダストリー
- ダンパー コニ・ペンスキー
- ホイール フォンドメタル
- タイヤ グッドイヤー
エンジン
編集記録
編集年 | マシン | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ポイント | ランキング |
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1989 | FW13 | 77 | 2位 | ||||||||||||||||||
5 | ティエリー・ブーツェン | Ret | Ret | 3 | 1 | ||||||||||||||||
6 | リカルド・パトレーゼ | Ret | 2 | 3 |
- 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ
- 第14戦はリカルド・パトレーゼのみFW12Cをドライブ。
FW13B
編集FW13に新型ルノーエンジンRS2を搭載した。ドライバーは1989年からの継続。
成績
編集第3戦サンマリノGPではリカルド・パトレーゼが7年ぶりの優勝を達成。第10戦ハンガリーGPではスターティンググリッドでフロントローを独占し、ブーツェンが全周回トップでポール・トゥ・ウィンを果たした。
フェラーリ、マクラーレンの2強には及ばず、ベネトンと3番手のポジションを争ったが、最終的にコンストラクターズランキング4位に後退した。
スペック
編集シャーシ
編集- シャーシ名 FW13B
- ホイールベース 2,921 mm
- 前トレッド 1,803 mm
- 後トレッド 1,674 mm
- クラッチ AP
- ブレーキキャリパー AP
- ブレーキディスク・パッド カーボンインダストリー
- ダンパー ウィリアムズF1・ペンスキー
- ホイール フォンドメタル
- タイヤ グッドイヤー
エンジン
編集記録
編集年 | マシン | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ポイント | ランキング |
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1990 | FW13B | 57 | 4位 | ||||||||||||||||||
5 | ティエリー・ブーツェン | 3 | 5 | Ret | 4 | Ret | 5 | Ret | 2 | 6 | 1 | Ret | Ret | Ret | 4 | 5 | 5 | ||||
6 | リカルド・パトレーゼ | 9 | 13 | 1 | Ret | Ret | 9 | 6 | Ret | 5 | 4 | Ret | 5 | 7 | 5 | 4 | 6 |
関連商品
編集タミヤからFW13BのサンマリノGP仕様が1/20のプラモデルで発売されている。ブーツェンとパトレーゼの2種類のスライドマークとドライバーフィギュアが付属。タバコ広告問題の絡みで、バークレイのロゴはドライバーの名前に置き換えられている。
現在も継続生産されている。
脚注
編集- ^ “STATS F1 - Williams FW13”. Statsf1.com. 2010年8月23日閲覧。
- ^ アラン・ヘンリー 編『F1グランプリ年鑑 1989-1990』バベル・インターナショナル・訳、CBSソニー出版、1990年、pp.164頁。ISBN 4-7897-0502-1。