クロジ(黒鵐、学名:Emberiza variabilis Temminck, 1835 )は、スズメ目ホオジロ科ホオジロ属分類される鳥類の一[4][5]和名の由来は、雄の体色が黒っぽいことによる。

クロジ
クロジ ♂
クロジEmberiza variabilis variabilis
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: ホオジロ科 Emberizidae
: ホオジロ属 Emberiza
: クロジ E. variabilis
学名
Emberiza variabilis
Temminck, 1835[2]
和名
クロジ
英名
Grey Bunting
亜種

分布

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カムチャツカ半島南部から千島列島サハリンで繁殖し[6]、冬季は中国東部へ渡る。

日本では、本州中部以北に留鳥として生息し繁殖する。冬季は南方や平地に移動する個体も多い(漂鳥)。北海道には夏鳥として渡来し、本州中部以西には、冬鳥として渡来する。日本においては比較的普通種であったが、日本以外の地域での生息は長く確認されていなかったため、一時期日本固有種とされていたこともある。

形態

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全長は16-17.5 cm翼開長は約26 cm[7]。体重20-30 g。雄は全体に灰黒色。雌は灰褐色。冬羽は全体に淡くなる[7]。一般にホオジロ科の鳥の尾羽の一番外側は白いが、本種では白くない。は肉色で上面が黒っぽい[6]

生態

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繁殖期は落葉広葉樹林や亜高山帯の針葉樹林に生息する。非繁殖期は、平地から山地の森林の林床部に単独で生活していることが多い。繁殖期には樹上で昆虫類クモ類を捕食し、それ以外の時期は地上で植物の種子を食べる[7]。草薮の中に枯れ枝などを用いて椀状の巣を作り、1腹4-5個の卵を産む。抱卵期間は約11日で、雌雄協同で抱卵する。雛は孵化後約11日で巣立ちする。警戒心が強く人などが近付くとすぐにやぶの中に逃げるため、観察しにくい鳥である[6][7]

亜種

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本種は以下の2亜種に分類されている[4]

  • E. variabilis variabilis Temminck, 1836 - サハリン、千島列島、日本の北部と中部に分布する。 
  • E. variabilis musica Kittlitz, 1858 - カムチャッカ半島中央部分布する。 

種の保全状況評価

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国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

日本の以下の都道府県レッドリストの指定を受けている[8]

脚注

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  1. ^ a b IUCN IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.2. Emberiza variabilis (Grey Bunting)” (英語). IUCN. 2014年1月4日閲覧。
  2. ^ Emberiza variabilis Temminck, 1836” (英語). ITIS. 2012年4月26日閲覧。
  3. ^ Emberiza variabilis” (英語). バードライフ・インターナショナル. 2012年12月4日閲覧。
  4. ^ a b IOC World Bird List 3.5 (Buntings to Bush Tanagers)” (英語). 国際鳥類学会議(IOC). 2014年1月4日閲覧。
  5. ^ 日本鳥類目録 改訂第7版”. 日本鳥学会 (2012年9月15日). 2014年1月4日閲覧。
  6. ^ a b c 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、546頁
  7. ^ a b c d ひと目でわかる野鳥 (2010)、212頁
  8. ^ 日本のレッドデータ検索システム「クロジ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年12月4日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  9. ^ 京都府レッドデータブック-・クロジ”. 京都府 (2002年). 2012年12月4日閲覧。
  10. ^ 大阪府レッドデータブック-・クロジ”. 大阪府 (2000年). 2012年12月4日閲覧。
  11. ^ レッドデータブックとっとり (動物)” (PDF). 鳥取県. pp. 75 (2002年). 2012年12月4日閲覧。
  12. ^ レッドデータブックやまぐち・クロジ”. 山口県 (2002年). 2012年12月4日閲覧。
  13. ^ 青森県レッドデータブック(2010年改訂版)” (PDF). 青森県. pp. 210 (2010年). 2012年12月4日閲覧。
  14. ^ 千葉県レッドデータブック動物編(2011年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 123 (2011年). 2012年12月4日閲覧。
  15. ^ 岐阜県レッドデータブック(初版)・クロジ”. 岐阜県 (2002年). 2012年12月4日閲覧。

参考文献

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  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社1986年、160頁。
  • 叶内拓哉、安部直哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。ISBN 4635070077 
  • 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版2004年、293頁。
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325 

関連項目

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外部リンク

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