デヴォン

イングランドの州
デボンシャーから転送)

デヴォンDevon)は、イングランド南西部の地域であり、デヴォン州(county of Devon, Devon county)とも呼ばれる。

デヴォン
St Petroc's flag of Devon
カウンティカウンシルモットー
Auxilio divino (ラテン語: By divine aid)
地理
様態 典礼および非都市カウンティ
リージョン イングランド南西部
面積
総面積
行政区画
行政面積
4 位
6,707 km2 (2,590 sq mi)
3 位
6,564 km2 (2,534 sq mi)
カウンシル所在地エクセター
ISO 3166-2GB-DEV
ONSコード 18
NUTS 3 UKK43
人口統計
人口
総人口 (2018年中期推計値)
人口密度
行政区分
登録人口
11位
1,194,166人
178/km2 (460/sq mi)
12位
795,286
民族構成 98.7% 白色人種
政治
デヴォン州議会の紋章
デヴォン州議会
www.devon.gov.uk/
国会議員
ディストリクト
  1. エクセター
  2. イースト・デヴォン
  3. ミッド・デヴォン
  4. ノース・デヴォン
  5. トリッジ
  6. ウェスト・デヴォン
  7. サウス・ハムズ
  8. ティンブリッジ
  9. プリマス(単一自治体)
  10. トーベイ(単一自治体)

英語の発音は /devn/ で、デヴォンではない。 ローマ字に引きずられた間違ったカナ。

コーンウォール半島の中部に位置し、西にコーンウォール、東にドーセットサマセットにそれぞれ接している。かつてはデヴォンシャー (Devonshire) と呼ばれていたが、現在ではいくつかの名称とデヴォンシャー公爵の称号に残っているのみである。地名の "Devon" は、西暦50年ごろに南ブリテンに侵入したローマ人によって、その地に住んでいたケルト人を指してつけられた。Dumnoniiという名前がつけられ、意味は「深い谷に住むもの」という意味である。

4億0800万年前から3億6300万年前を指す地質時代デボン紀は、地層が良く分布し、世界で初めてこの時代の地層が研究されたこの地域名にちなむ。

歴史

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デヴォンには、氷期の終わりごろ、紀元前6000年ごろには定住者がいたらしい。紀元前3500年ごろからの農業の跡が見つかっている。1世紀ごろにローマ人が南部のエクセターに集落を作り、それ以後3世紀にわたり、定住し続けた。5世紀ごろからゲルマン人がイングランドに移り住みはじめたが、7世紀の初めになるまで積極的な進出を行わなかった。その後、1世紀以上にわたり隣接するウェセックスと小規模な衝突を繰り返した後、合併している。

地理・地質

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イングランドで唯一二つの海岸線を有する州である。州内にはダートムーア国立公園があり、サマセットとの間にはエクスムーア英語版国立公園が横たわる。これ以外の地域は起伏に富む田園が広がり、多くの観光客が集まる。

南部海岸にはトーキーなどのリゾートがあり、エクスマスは世界遺産「ジュラ紀海岸」の西端になる。海岸に沿って鉄道が走る。一方、北部ビデフォード湾英語版沿岸のトー川英語版トーリッジ川英語版の河口部一帯にはブラウントン・バローズ英語版という砂丘システムが広がり、塩性湿地泥炭地ヒース牧草地オーク森林など多様な生態系がある[1]

デヴォンの気候は北大西洋海流の影響で温暖で雪は少ない。最高気温は8度C~19度C、最低気温は4度C~13度Cである。年間降水量はダートムーア周辺で2千mm、南部で750mmである。

デヴォンを広く覆うのはデボン紀の石灰岩である。北部からコーンウォールにかけてクルムと呼ばれる石炭紀の炭層が分布する。内陸中央には花崗岩が見られる。また、ブラウントン・バローズを中心とした北部海岸と付近の海域にはアカシカタイセイヨウサケユーラシアカワウソウバザメ、小型の鯨類などの多くの動物が生息しており、エクスムーア国立公園とダートムーア国立公園の各一部も含む北部地域は1976年にユネスコ生物圏保護区に指定された[1]

 
トーキーの海岸

デヴォン州は、デヴォン州とその周辺の聖人である聖ペトロックに捧げられた独自の旗を持っている。この旗は、2003年にBBCデヴォンで実施されたオンライン投票で選ばれた。緑の地に黒で縁取られた白の十字のデザインである。

経済

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20世紀を通じて、デヴォンの経済は漁業、鉱業、農業といった伝統的産業から、接客業やサービス業へと移行してきた。イギリスの欧州連合離脱前は、州内のほとんどの地域が欧州連合 (EU) からオブジェクティブ2レベルの要支援地域に指定されていた。2001年口蹄疫問題により地元の酪農家は大打撃を受け、その影響は州全体に広がっている。デヴォン州の温暖な気候は、金融業のように地理や大都市や主要な交通網からの距離にあまり影響を受けない産業の誘致に役立っている。例えばダートムーアでは、金融業の雇用者数が大幅に増加している。

食文化

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紅茶スコーンジャムクロテッドクリーム(デヴォンの名産)を添えたクリームティーはセットで「デヴォンシャークリームティー」と呼ばれている[2]

市町村

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主要な市町村を次に挙げる。

著名人

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フランシス・ドレークハンフリー・ギルバート英語版リチャード・グレンビル英語版ウォルター・ローリーフランシス・チチェスター英語版などの船乗りで知られている。17世紀後半の最も悪名高い海賊と言われるヘンリー・エイヴリーは、ニュートン・フェラーズ英語版の村で生まれたとされる[3]ジョン・オクセンハム(1536–1580)はドレイクの中尉だったが、スペイン人からは海賊と見なされていた。他の有名な船乗りに、南極点到達を果たすも遭難死してしまった、テラノバ遠征隊のリーダーであるロバート・スコットがいる[4]

文学者では、詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジや推理作家のアガサ・クリスティが生まれた。桂冠詩人であったテッド・ヒューズや、アイルランドの作家ウィリアム・トレヴァーはデヴォン州に移り住んでいた。

画家では、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツを創設したジョシュア・レノルズがいる。

風刺作家、作家、コメディアンのピーター・クック英語版は、トーキーで生まれた。

プリマスで生まれ、ディスカウントチェーン「ザ・レンジ」英語版を創設した実業家クリス・ドーソン英語版は、同地に本社を置いている。

俳優のマシュー・グードはデボンで育ち、同じく俳優のブラッドリー・ジェームズの出身地である。

歌手のジョス・ストーンが幼少期を過ごし、コールドプレイのフロントマンであるクリス・マーティンが知られている。マシュー・ベラミードミニク・ハワードクリス・ウォルステンホルムからなるミューズは、全員デヴォン出身である。ロックバンド・スレイドデイブ・ヒル英語版は、サウスハムズ地区にあるフレテハウスで生まれた。シンガーソングライターのベン・ハワード英語版は小さな町トットネスで育った。

映画監督にはロジャー・ディーキンスがいる。

犬のブリーダーであるジョン・ "ジャック"・ラッセル英語版もデボン出身である。

ノッティンガム・フォレストFCバーミンガム・シティFCなどに在籍した元プロサッカー選手であり、100万ポンドプレーヤーとなった最初のイングランドのサッカー選手であるトレヴァー・フランシスは、プリマスで生まれ育った[5]

水泳選手のシャロン・デイビーズ英語版[6]と飛び込み選手のトム・デイリーはプリマスで生まれた。

オリンピックランナーのジョー・ペイビー英語版はホニトン出身。

レスター・タイガースブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのラグビー選手ジュリアン・ホワイト英語版はデボンで生まれ育ち、現在は南デボン牛という血統を飼育している。

オーストラリアのクリケット選手グレン・マクグラスと結婚したジェーン・マグラス英語版はペイントンで生まれ、乳がんとの長い戦いとその後の乳がんによる死は、オーストラリアを代表する慈善団体の1つMcGrath Foundation英語版の設立に影響を与えた。

また、ナンシー・アスター英語版グウィネス・ダンウッディ英語版マイケル・フットデイヴィッド・オーウェンなどの著名な議員が庶民院の代表となっている。

脚注

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  1. ^ a b North Devon Biosphere Reserve, United Kingdom” (英語). UNESCO (2019年3月25日). 2023年2月12日閲覧。
  2. ^ 美味しいヨーロッパ アウトバウンド促進協議会、2021年12月10日閲覧。
  3. ^ Marley, David, 1950- (2010). Pirates of the Americas. Santa Barbara, Calif.: ABC-CLIO. ISBN 1-59884-202-1. OCLC 681548480. https://www.worldcat.org/oclc/681548480 
  4. ^ “Scott, Robert Falcon (1868–1912)”. Oxford Dictionary of National Biography (Oxford University Press). (2018-02-06). https://doi.org/10.1093/odnb/9780192683120.013.35994. 
  5. ^ The day Trevor Francis broke football's £1m mark” (英語). The Telegraph. 2021年1月29日閲覧。
  6. ^ Plymouth City Council - News”. web.archive.org (2007年3月30日). 2021年1月29日閲覧。

外部リンク

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