トヨタ・マークXジオ

トヨタ自動車のステーションワゴン型乗用車
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マークXジオ(マークエックス ジオ、MARK X ZiO)は、トヨタ自動車がかつて販売・製造していたステーションワゴン型の乗用車である。

トヨタ・マークXジオ
ANA1#/GGA10型
前期型
後期型 フロント(エアリアル)
後期型 リア(エアリアル)
概要
製造国 日本の旗 日本愛知県大府市
販売期間 2007年9月 - 2013年12月[1]
設計統括 杵築邦昌
ボディ
乗車定員 5 / 6 / 7人
ボディタイプ

5ドア ステーションワゴン (5人乗り)

5ドア ミニバン (6人乗り/7人乗り)
駆動方式 FF
4WD(2.4Lのみ)
プラットフォーム トヨタ・新MCプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 2AZ-FE型 2.4L 直4 DOHC
2GR-FE型 3.5L V6 DOHC
変速機 2.4L:CVT
3.5L:6速AT
前:ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
前:ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,780mm
全長 4,695 - 4,705mm
全幅 1,785mm
全高 1,550mm
車両重量 1,570 - 1,660kg
その他
横滑り防止機構 全車標準装備
販売期間中の新車登録台数の累計 5万2190台[2]
系譜
先代 トヨタ・マークIIブリット
後継 トヨタ・プリウスα
トヨタ・エスクァイア
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概要 編集

2005年東京モーターショーにて発表されたコンセプトカーFSC(フレキシブル・サルーン・コンセプト)」を市販化したもので、2007年9月26日に発売された。マークIIブリットの後継車種にあたる。月間販売目標台数は4,000台。生産は豊田自動織機長草工場が担当する。

ミニバンステーションワゴンの中間に位置するが、当初、トヨタ公式サイトのカーラインナップでは「新コンセプト」として取り扱われていた。後にワゴン扱いとなったが、あくまでもミニバンとはされていなかった。

マークX」を名乗るモデルではあるが、Nプラットフォームを採用したFRのマークXセダンとは異なり、マークXジオは新MCプラットフォームを採用[3]したFFであり[4]、車名を除いてマークXとの共通点は皆無である。2WD車は全高が1,550mmのため、タワーパーキングへの入庫が可能である。

登場時、トヨペット店の取扱車種には、同クラスのイプサムがあったが、特に車種整理を行うこともなくマークXジオの登場後も2009年末まで販売が継続された。

「4+Free」というコンセプトのもと、独立4座+セダンモード・ワゴンモード・ミニバンモードの3種類のシートアレンジが可能。文字通り独立4座(2列目が3人がけのグレードもあった)が基本のため、サードシートはあるものの、あくまでオケージョナル(エマージェンシー)シート的な存在である。なお、3列目は使用しないときはトノカバーで覆い隠すことも可能である。

駆動方式にはFFと4WDがあるが、ブレイドと同様、3.5L車には4WDの設定がない。

市場投入後最初の1ヶ月間で月販目標台数の4,000台を超える約5,117台を売り上げ、2か月目も4,198台を売り上げたため、自販連のランキングでは同一車名と見なされるマークXが一時的にランキング上位に急浮上したが、3か月目は1,649台と急落した。以降、好みがハッキリ分かれるスタイリングや窮屈な3列目シートなど、見方によっては中途半端なコンセプトが仇となり、またライバルのホンダ・オデッセイですらも販売不振となるほど、このクラスの市場は縮小傾向となっており、販売的には苦戦を強いられた。

型式 A1#型(2007年-2013年) 編集

2008年8月18日、「240F」並びに「240G」をベースにフロントグリル、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプリアコンビネーションランプ、フロント&リアエンブレム等にブラックパール調加飾を施したほか、ドアミラー一体型サイドターンランプやステアリングオーディオスイッチを装備し、使用性・安全性を向上、また、ボディカラーは特別色の「ライトブルーマイカメタリック」を含む4色を設定した特別仕様車「ブラックパールリミテッド」を発売。同時に「240G」は従前の6人乗りに加え、7人乗りも選択出来るようになった。

2009年2月16日、専用エアロパーツとブラックの専用シート表皮を採用し、スポーティ感を強調した新グレード「AERIAL(エアリアル)」を追加[5](6人乗りと7人乗りが選択可能)。また、既存グレードを一部改良。「ブラックパールリミテッド」で装備されていたドアミラー一体型サイドターンランプとステアリングオーディオスイッチが新たに標準装備され、ボディカラーの新色として「ブラックパールリミテッド」で先行設定された特別色「ライトブルーマイカメタリック」が追加された。

2009年12月16日、一部改良。2.4L・4WD車のエンジン、トランスミッションオルタネーターの制御改良により、燃費を向上。これにより、「平成22年度燃費基準+15%」を達成し、既に適合されている2.4L・2WD車と共に「環境対応車普及促進税制」に適合した。また、同時に特別仕様車「240"E-Selection"」並びに「エアリアル"V-Selection"」を発売。前者は標準グレードの「240」をベースに、16インチアルミホイール、本革巻き4本スポークステアリングホイール等に加え、ブラックの専用シート表皮を特別装備し、よりスタイリッシュで上質な外内装とした。後者は「エアリアル」をベースに、本革巻き&専用シルバー加飾オーナメント付シフトレバー&ノブ、専用加飾のインストルメントパネル・ドアスイッチベースを採用しながらも、タイヤ・ホイールのサイズを18インチから16インチに変更(2WD車のみ)するなど装備を一部厳選したことで、ベース車よりも価格を抑えた。

2010年7月28日、一部改良。5人乗り仕様の新グレード「240"Five Style"」を追加。サードシート部をラゲージスペースに変更すると共に、床下のデッキボックス収納を設定し、ワゴンとしての使い勝手を向上。本グレードは既存の「240」に比べて9万円安い価格設定となっており、新廉価グレードに位置づけられている。また、2.4L・2WD車はエンジン・トランスミッション・オルタネーター等の制御改良により燃費が向上され、「平成22年度燃費基準+25%」を達成。これにより、既に適合されている「環境対応車普及促進税制」における自動車取得税自動車重量税の減税額がこれまでの50%から75%に引き上げられた。

2011年2月14日、マイナーチェンジ。アルミホイールやフロントグリルなどのデザイン変更、めっき加飾を施したリアモール、リヤコンビネーションレンズ下部ガーニッシュの採用など[6]でシャープで洗練された外観となり、「エアリアル」ではフロントグリルの横桟を細くした上で3本から4本に変更することによりスポーティーさを増した外観となった。内装では、シート表皮を変更するとともに、「350G」は本革巻き+木目調4本巻ステアリングホイールを、全グレードのシフトレバーパネルとパワーウィンドウスイッチベースに木目調加飾を施し、より上質な室内空間に仕上げた。また、「エアリアル」から装備を見直したことで[7]価格を抑えた「エアリアル"Fパッケージ"」を新設するとともに、5人乗り仕様の「240"Five Style"」と「240G」も装備内容の見直し[8]により価格を引き下げ[9]、従来設定されていた「240F」を廃止。また、ウェルキャブの「助手席リフトアップシート車"Aタイプ"・"Bタイプ"」には助手席SRSエアバッグとアクティブヘッドレストを新たに標準装備した。

2013年12月、生産・販売終了。同時に公式サイトも閉鎖。

名前の由来 編集

  • 英語で、一台で様々な空間を持つという意味の「Zone in One」からの造語。

販売店 編集

脚注 編集

  1. ^ トヨタ自動車公式サイト内「現在販売していないクルマ マークXジオ」のページより
  2. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第68号7ページより。
  3. ^ 厳密にいえば、前部がブレイド用の流用で、後部は新造。
  4. ^ 先々代にあたるマークIIクオリスも、FRのマークIIセダンとは異なりFFであった。
  5. ^ かつて発売されていたカルディナの大型ガラスサンルーフ仕様と同一名称。
  6. ^ エアリアル系以外はフロントバンパーのデザインも刷新。ボディカラーは「ダークブルーマイカ」「フロスティーグリーンマイカ」「ライトブルーマイカメタリック」がラインナップから落ち、「ダークスチールマイカ」が加わった計6色に減った。
  7. ^ 2WDのアルミホイールを18インチから16インチに、ステアリングとシフトノブを本皮革からウレタンに、ディスチャージヘッドランプからハロゲンヘッドランプに変更、など。
  8. ^ 240Gは天井大型イルミネーションからドームランプ+フロントパーソナルランプに、2WDのアルミホイールを18インチから16インチに変更。240"Five Style"はスマートエントリーからワイヤレスリモコンドアロックに変更。
  9. ^ 「240"Five Style"」は2WD車で2万円、4WD車で4万円値下げ、「240G」は2WD車で11万円、4WD車で5万円値下げ。

関連項目 編集