ブラジャー

女性用下着

ブラジャー: brassiere[† 1]ケベック・フランス語brassière[† 2])は、主に女性が衣服の下に着ける下着。略してブラ: bra[† 3])とも呼ばれる。

ブラジャーを着用した女性

概要編集

ファウンデーションの一種で、女性が胸部に着用する下着である

補正下着として使用され、乳房を保護し、バストの形状を整えると共に、形が崩れることを防ぐ目的がある。

身体にフィットしたブラジャーを装着することで姿勢がよくなり、身が引き締まって心身の健康によいという効果もある[1]

比喩的な表現として、グラビアなどの写真媒体において胸部(乳首・乳輪)を隠すものやその行為を指して「○○ブラ」と呼ぶことがある。両手で胸を覆い隠す「手ブラ」、髪を胸の前に垂らす「髪ブラ」、貝殼で胸を覆い隠す「貝ブラ」などがある。

歴史編集

古代ギリシアにおいて、歩くときに乳房が動かないように、アポデズムという布製の小さな帯をアンダーバストに巻きつけた。やがて、アナマスカリステルマストデトンと呼ばれる細いリボンを胸からウエストまでを巻きつけるようになった[2]

共同通信社(2006年4月17日)によると、中国内モンゴル自治区赤峰市2004年より発掘調査されていた代の墳墓から、精巧な刺繍が施され、現代のブラジャーと酷似した形態でベルトに相当する部分とストラップに相当する部分のある、女性が胸部に着用した絹製の下着が発見された[3]

しかし現在のブラジャーの原型は、フランスで1889年エルミニー・カドル英語版が発明した「コルスレ・ゴルジェ」である。さらに現在の形に近いものが1913年2月12日アメリカ合衆国メアリー・フェルプス・ジェイコブ英語版によって発明され、1914年に特許を取得した。[4]

2008年には、インスブルック大学の考古学者により、オーストリアレンベルグ城で600年前に作られて実際に使われていたブラジャーが発見された。

1970年代初頭のウーマンリブ運動において、一部の活動家はブラジャーを「女性を拘束する象徴」として敵視してブラジャーを焼き、日常生活においてブラジャーを着用しない(いわゆるノーブラ)といった活動もみられたが、一過性のもので沈静化している。

日本編集

 
1956年の装苑誌上で通信販売されていたブラジャーキット

大正末期から昭和初期にかけて洋装下着は徐々に取り入れられていった。ブラジャーも「乳房ホルダー」「乳房バンド」の名称で、婦人雑誌の広告にも登場しているが、衛生用品として薬局で売られることも多かった[5]

1948年(昭和23年)頃、アルミ線を螺旋状にしたスプリングに綿をかぶせて布にくるんだブラパッドの作り方が『美しい暮しの手帖』(のちの「暮しの手帖」)創刊号(※出版社は、1948年時点で衣装研究所、現在の暮しの手帖社)で紹介されている。これは洋服の裏に縫い付けて使用するものであった。同年、和江商事(現・ワコール)はブラパッドの独占販売権を取得し、大ヒットとなる。その後、パッドを入れる内袋のついたブラジャーを販売し、1952年(昭和27年)よりワコール商標でナイロンブラジャーを発売する。[6]

形状編集

ブラジャーには、乳房をどの程度覆うか、どのように支えるか、どのように固定するか、という形状について様々なヴァリエーションがある。

基本構成編集

 
前面から見たブラジャー
 
背面から見たブラジャー

ブラジャーは、以下の構成要素より成る。

  1. カップ : バストを包み込む、お椀の形の部分。乳房に合わせて左右に1つずつで、2つのカップがある。
  2. ベルト : 基本的に、アンダーバスト部分で胸部を一周する形で囲む細い帯で、2つのカップを結び、更に背中まで回りカップが外れないように固定する役割を持つ。ヌーブラのようにベルトが無いタイプもある。
  3. ストラップ : 肩紐とも呼ばれる。ブラジャーはストラップにより肩から吊るす構造になっており、通常はカップ部分の左右端から斜めに伸び、肩を廻り背中でベルトに繋がる。ナイロンやウレタン製で長さの調整できる場合が多い。ストラップがない「ストラップレス」タイプのものがある他、ヌーブラにはアンダーベルトやストラップ自体がない。
  4. ホック : ベルトを止めるための部品。ベルトは装着しやすいように多くは背中の部分で繋がっておらず、ホックを止めることで繋ぎ合わせる。ホックは背中側にあることが多いが、左右のカップの間にホックがあるフロントホックの製品もある。また、ハーフトップ等と同様に頭からかぶるタイプなどホックを持たない製品もある。

カップ編集

 
ハード・ワイヤーの3/4カップブラ

カップは構成要素として、もっとも複雑な部分で、それだけにヴァリエーションが多数ある。

カップのカバー面積による分類
ブラジャーを構成するバスト部分の布地が、どの程度バストを覆っているかで3つのタイプに区分される。
  • フルカップブラ : カップがバスト全体をすっぽり覆うデザインで、安定感があり円錐形のバストを作るのに有効で、Cカップ以上のバストが大きな人向きとされている。
  • 3/4カップブラ : フルカップブラのカップの上1/4をサイドからセンターに向かって斜めにカットしたデザインで、脇の肉を寄せ集めてバストにしてしまう効果があり、バストが薄い人向きとされている。
  • 1/2カップブラ(ハーフカップブラ、デミカップブラ) : フルカップブラのカップの上半分を水平にカットしたデザインで、下がったバストを引き上げる効果があり、バストのふくらみがみえるため小さめの胸もふっくら演出することができる。
その他に、フルカップブラのカップの上3/4をカットしたデザインの1/4カップブラ(トップレスブラ)、オープンブラなどもあるが、これらはバストの大部分が露出するため、本来のバストを支え形状補正するというより装飾的な要素が大きい。
ワイヤーの有無による分類
ブラジャーのカップにワイヤーを使用したものがある。ワイヤーは乳房を支え、理想的な形状に整えることが目的とされ、素材は金属か樹脂で、形状記憶合金もワイヤーの素材として使用される。
カップのお椀形の底面部分、つまりはおおよそ胸と乳房の境界を示すバージェス・ラインに沿って、ベルト芯のようにカップ素材の布の中に縫い込まれている。サイズが大きくなるほど、バージェスラインも緩やかに(半球の直径が大きく)なる傾向がある。アンダーワイヤーブラにはワイヤーの硬いものと軟らかいものがあり、ワイヤーなしを含めてワイヤーの種類は大きく分けて3つある。
  • ノンワイヤー:ワイヤーをまったく使っていないもの。
  • ソフト・ワイヤー:ワイヤーが芯に入ってはいるが、かなり柔らかいもの。
  • ハード・ワイヤー:ワイヤーが芯として入っており、柔らかさがないもの。
ハード・ワイヤーのブラジャーは、バストの大きさや形状に合ったワイヤー形状である場合着用しても快適であり、乳房が安定しまた補正効果も良い。しかし形状が合わないと痛みを訴える場合がある。着用して跡がはっきり残ったり痛みがあったりする場合、ハード・ワイヤーは避け、ソフト・ワイヤード・ブラジャーかノンワイヤーのブラジャーを選ぶことが望ましい。また、カップを1つ上げて(例:B→C)パッドで調整すると食い込まなくなる場合がある。
その他
 
材質等が違う各種のカップ
これら以外に、カップを構成する布地が一重のものと、中にパッドを入れることができるように、内側にポケットが作られたもの、ポリウレタンなどを使って、カップ自体に幾らかの厚みを持たせ、弾力性を与えているものや、1cmか2cm程度の厚さのポリウレタンなどの層、いわゆる作り付けのパッドが付いているものなどがある。またカップの表は、レースまたはレース状の飾り布で覆われているが、これらの布が直接肌に触れないよう、なめらかな裏布を当てて、縫い合わせているのが普通である。
  • 生地が一重であるシンプルなもの
  • 表のレース飾りと、裏の当て布を縫い合わせて二重になっているもの
  • 内側にパッド用の袋が準備され、二重になっているもの
  • カップ自体にパッドが縫い込まれているもの

ベルト編集

ベルトはアンダーバストの位置でホックによって留められ、ブラジャー全体を固定する役割を持つ。

ベルトの太さ
ベルトは太い方が、ブラジャーがずれにくいが、一方で胴が曲げにくくなるために窮屈な感じを受けやすくなる。この窮屈感を「アンダー圧」と言い、ボーン(bone:骨。下記)の有無・ベルトの太さや伸縮性などによって左右される。リラックスしたい時には、このアンダー圧が低いタイプが適している。
  • ホック1つで留まる太さ:国産Cカップ以下が主で、補正力の強くないタイプ。
  • ホック2つで留まる太さ:国産Dカップ以下が主の通常タイプ。またはストラップ無しで使用できるタイプ。
  • ホック3つで留まる太さ:国産EないしはF以上が主で、グラマー用。またはストラップ無しで使用できるタイプ。
  • ホック4つで留まる太さ:ロングブラジャー。総ホック数は10個を超えることもある。
一般的なブラジャーは1cm~2cm位の太さでホックも1つないしは2つ(ベルトの長さを調節するため、2~3段階横に並ぶ)だが、国産ではDカップ以上でベルトが太くなり、ホックも縦に3つ並ぶことがある。これはカップが大きくなるとブラジャーにかかる重量も増し、アンダー圧を多少上げてでもブラジャーをしっかり固定する方を重視するからである。同様の理由で、補正力の強い物やストラップを外した状態で使用できる物は、ベルトが太くなる傾向がある。特にベルトの太いタイプを「ロングブラジャー」と言い、補正力が高いためにドレスを着用するのに適しているとされる。ロングブラでホックの位置がベルトの下部のみのタイプは、背中の開きが大きなドレスでもベルトが出にくい。お被りブラを卒業したばかりのジュニア世代では、細めのタイプが好まれている。
ベルトの形状
  • ベルトの幅にあまり変化が無い一文字タイプ : 補正力の強くないタイプに多い。バックシルエットに癖がなく、一般によく見られるタイプ。
  • ストラップからU字型(アーチ型)を描いているタイプ : 補正力が強いタイプに多い。女性は機能面から選ぶことが多い。
ボーンの有無
肉質が柔らかい、あるいは乳房が大きい場合、乳房が脇の方に流れやすく、着用感が悪くなったり形崩れを起こしたりする原因となる。そこでカップから3cm位の位置に、ボーンと呼ばれる芯が入ることがある。
補正力が強いタイプに入っていることが多いが、ベルトが縦に曲がりにくくなるため、人によっては窮屈な感じを受ける場合がある。ロングブラジャーなどの補正力を特に重視するタイプでは、ボーンの数も増し、窮屈感も増す。

ストラップ編集

ストラップは幅1cmほどの布紐が基本で、バストの位置と形状の個人差を調整するため、アジャスターが付いたものが多い。乳房の位置が高い人は、ストラップの長さを短くすることで、カップの位置を実際のバストの位置に合わせることができ、反対に低い位置にバストがある人は、ストラップの長さを長く調節することで、カップとバストの位置を合わせることが可能になる。
ストラップの前面結合位置
ストラップとカップの結合位置にはヴァリエーションがある。
  • ストラップとカップの連結位置が、乳房中心上部であるもの
基本的で古典的なものは、乳房のほぼ中心を上に延ばした位置にストラップを結合するものである。バストの重みを支えるために最適のバランスを求めた結果だと思われる。
  • ストラップとカップの連結位置が、左右の脇寄りとなっているもの
乳房の形や位置を補正する目的で、脇の下部分辺りより皮下脂肪を集め、乳房全体を胸部のより前へ、またより高く持ち上げるように、カップやベルトの形状が構成されているものがある。この場合、ストラップは、バストの中心の上ではなく両脇にかなり寄った位置に結合される。両脇から上に持ち上げることで、乳房全体をより大きく、より胸部前方へと押し出す役割を持つのである。このようにして、自然な状態では明瞭でない「乳房のあいだの谷間」を構成することができる。
背面でのストラップ
ストラップは背中でベルトと結合するが、これにも色々なヴァリエーションが存在する。
  • 通常の背中でストラップがベルトと結ばれるもの
  • ベルトと結ばれる位置で、ストラップの幅が広がったり、ベルトの幅が上向きに広がり一体化するもの
安定性を高めるために背面の幅を広くし、ベルトと一体化しているものがある。
  • 背中のベルトで、ストラップを結合する位置が選択できるもの
背中のベルトと恒久的に固定されているものと、留め具で結合位置を変えることができるものがある。女性でなで肩の人は、ストラップが肩から滑って外れることがあり、とりわけ、ストラップが胸部前面で左右脇に寄っていると、滑る可能性が極めて高くなる。これを防ぐため、ストラップのベルトとの結合位置を、より背中の中心に近い位置に調整できるようになっているものがある。
  • ストラップがバッククロスとなっているもの
クロスブラ、またはバッククロスと呼ばれるストラップは、ストラップが背中でクロス形で交差している。この場合、なで肩の人でもストラップの滑り外れは起こらない。スポーツ用の活動的なブラジャーに多く、クロスした状態で販売されているものもあるが、通常のブラジャーのストラップを外し、自分で付け替えることでバッククロススタイルに変更できる。以前はこうしてで使用されていることもあったが、近頃は少なく、男性からも好奇な目で見られることが多い。
  • ストラップがネックを回り、一本となっているもの
ファッション性を重視して、ネックで回してストラップを一本にし、背中のベルトと結ばないスタイルのものもある。
ストラップの取り外し
ブラジャーを構成する生地素材の発展とファッション性を求めて、ストラップを外すことが可能なようになっているブラジャーがある。ベルトやカップの素材や設計により、ストラップがなくともブラジャーがずれないような場合は、ストラップはなくてもよいということにもなる。
また、バストを支える目的だけでないものや、ファッションとしての見栄えを考えたストラップもある。色々な素材のストラップが考えられ、肩を露出させても目立たないシリコン製の半透明のもの(夏などの暑い季節に便利)、敢えてストラップを見せるおしゃれとして使用できるアクセサリーチェーンなども販売され始めている。これらのファッション・ストラップは単独で販売されており、手持ちのブラジャーのストラップと交換して楽しむことができる。
ストラップレス
 
ストラップレスブラ
生地素材や設計により、ストラップなしでもブラジャーの機能が果たせる場合、ストラップは必要ではない。ストラップのないブラジャーは「ストラップレスブラ」と呼ばれる。ストラップレスブラは、最初からストラップがないことを前提に設計されており、これはストラップの取り外し可能ブラとは、また種類が異なっている。トポロジー的に円筒となるため、チューブとも呼ばれる。
ストラップレスブラに、ファッション性のため飾り目的でストラップが取り付け可能になっている場合があるが、この場合のストラップ取り外し可能ブラとの相違点は、取り外し可能ブラは、ストラップを前提に設計されているという点である。取り外し可能ブラの場合は、個人によっては、ストラップを外すとブラが安定しないなどの問題が起こり得る。
アジャスターの位置
  • ストラップ・アジャスターが胸部前面にあるもの
通常ストラップには左右一つずつアジャスターが付けられている。装着した後でもストラップの長さを調節し易い。
  • ストラップ・アジャスターが背面にあるもの
アジャスターが背面に付いている製品もある。その理由としては、ストラップ前面に(リボンなどの)装飾があり前面にアジャスターを付けられない場合や、正面から見たときの美観のためなどが挙げられる。
 
ストラップ・アジャスターの例
上は胸部前面にあるもの
下は背面にあるもの

ホック編集

ホックの位置
以下の二つのタイプがある。
  • ホックが背中のほぼ中央に来るタイプ(通常)
  • ホックがカップの間に来るタイプ(フロントホック)
市販のブラジャーの約9割はホックがそれぞれのカップから伸びたベルトの一番端につき、身体に装着して留めると、背中のほぼ中央、つまり背骨の位置に来る。しかし、フロントホックと呼ばれるタイプは二つのカップの間にホックがある。
フロントホックは、体が堅い人やブラジャーを着けるのに慣れていない人に向いている他、リハビリ中の人や授乳中の人にも使いやすい。また一般的なブラジャーに比べて背中や脇から脂肪を集めやすいので、乳房の間に谷間を作りやすいという利点がある。反面、身体にフィットしていない場合は通常のタイプより違和感を覚えることもある。
ホックの数

ホックの間隔は1cm程度で、普通3列または2列に並んでいる。ロングブラジャーのように総数10個を超えるものもある。

サイズ編集

 
上のメジャーがトップバスト、下がアンダーバスト

ブラジャーのサイズはトップバストとアンダーバスト、及びカップサイズによって表される。トップバストは直立で立った状態で、乳房のもっとも膨らんでいる乳首の上を水平に通る周囲長、アンダーバストは乳房のふくらみの下側を水平に通る周囲長である。

カップサイズは、トップバストとアンダーバストの差で、アルファベットで表示される。あくまで差分であり、「カップサイズが大きいほど胸囲の絶対値が大きい」訳ではない。[† 4]

カップの容量は、「カップ数を1つ上げ(下げ)、アンダーバストを1つ下げる(上げる)と、ほぼ同じになる」という関係にある[† 5]が、「カップ形状」は、メーカーごとあるいは同じメーカーでも製品シリーズで異なる。形状の異なる製品を比べて自らに適するものを選択すれば、自身のカップサイズを探し当てることはそれほど困難なことではない。

日本製編集

日本人の女性の平均カップサイズはトリンプ調査によると以下のように推移している[7][8][9]

 
年代別 バストサイズの変化
調査年AカップBカップCカップDカップEカップFカップGカップ
1980年(昭和55年)58.6%25.2%11.7%4.5%---
1990年(平成2年)32.3%30.5%21.4%10.0%5.6%0.2%-
1992年(平成4年)25.9%28.3%24.1%12.8%7.8%1.1%-
1996年(平成8年)23.8%34.2%23.9%11.7%4.4%1.8%0.2%
2004年(平成16年)10.2%27.8%27.8%21.5%10.0%2.1%0.6%
2011年(平成23年)8.0%23.8%26.7%22.0%12.8%4.8%1.9%
2014年(平成26年)5.3%20.5%26.3%24.1%16.2%6.0%1.6%
2016年(平成28年)4.1%19.0%25.6%25.0%17.2%6.6%2.5%

日本製のサイズはJIS L4006[10]に規定されており、アンダーバストと、カップサイズにより表現される。

アンダーバストのサイズは市販品では、65cm、70cm、75cm、80cm のように5cm刻みである。アンダーバストは、ベルトに付けられるホックによって±2cm程度の調整が可能である。

カップサイズは、トップバストとアンダーバストの差が10cmであるAを基準とし、2.5cm刻みで大きくなるほど、B、C、D、E……とアルファベットを割り当てる。Aよりも小さなカップサイズは、-2.5cm刻みで、AA、AAAと表す。

JIS L4006-1998に規定されたカップサイズ一覧[10]
カップサイズ 意味
AAAAAカップ トップバストとアンダーバストの差が約0.0cm
AAAAカップ トップバストとアンダーバストの差が約2.5cm
AAAカップ トップバストとアンダーバストの差が約5.0cm
AAカップ トップバストとアンダーバストの差が約7.5cm
Aカップ トップバストとアンダーバストの差が約10.0cm
Bカップ トップバストとアンダーバストの差が約12.5cm
Cカップ トップバストとアンダーバストの差が約15.0cm
Dカップ トップバストとアンダーバストの差が約17.5cm
Eカップ トップバストとアンダーバストの差が約20.0cm
Fカップ トップバストとアンダーバストの差が約22.5cm
Gカップ トップバストとアンダーバストの差が約25.0cm
Hカップ トップバストとアンダーバストの差が約27.5cm
Iカップ トップバストとアンダーバストの差が約30.0cm
Jカップ トップバストとアンダーバストの差が約32.5cm
Kカップ トップバストとアンダーバストの差が約35.0cm
Lカップ トップバストとアンダーバストの差が約37.5cm
Mカップ トップバストとアンダーバストの差が約40.0cm
Nカップ トップバストとアンダーバストの差が約42.5cm
Oカップ トップバストとアンダーバストの差が約45.0cm
Pカップ トップバストとアンダーバストの差が約47.5cm

日本のブラジャーは、欧米や韓国のものに比べるとカップ表記の基準が小さめである。例えば韓国のサイズでのBカップは日本式サイズではC~Dカップに相当する。

元来、日本の女性は欧米人と比べ、体格に相応してバストサイズも小柄で、Aカップが多数を占め、Cカップあれば巨乳の部類と見なされていたが、トップバストとアンダーバストの差の正確な計測や1990年代半ば以降はサイズ規格の変更によりAカップを少なくして、B~Dカップの割合が主流となるようになっている[要出典]。そのため、それ以前とのブラジャーサイズのカップの比較は不可能となっている。

店舗にはEカップ以上のコーナーを設けているのが普通になったが、Gカップ以上の商品数や種類はCカップ以下のものに比べると乏しく、価格も通常カップ(B~Dカップ)より割高になっている。

アメリカ・イギリス製編集

なお、アメリカ製およびイギリス製の下着の場合、日本メーカーのブラジャーとはカップサイズが異なり、インチフィート法を基準とする。サイズの選び方は以下の手順を踏む。

  1. アンダーバストを計測して、偶数ならば4インチ足し奇数なら5インチを足した数がブラジャーバンドのサイズになる。
  2. 計測したトップバストのサイズから上述ブラジャーバンドのサイズを引く。引いた数が1ならばAカップ、2ならばBカップ、0ならばAAカップ、-1ならばAAAカップという具合にカップのサイズを割り出す。

例えば計測したサイズがアンダーバスト32インチ(約81cm)・トップバスト39インチ(約99cm)である場合に、計算から求めたサイズは36Cとなる。

トラブル編集

ブラジャーが身体(体型・サイズ・バストの形・バストの柔らかさなど)に合っていなかったり、誤った装着方法を行うとトラブルが生じる。以下で1つでも当てはまれば、トラブルが生じていることになる。[11]

  1. カップの上辺が浮く
  2. カップの上辺が食い込む
  3. カップが余る
  4. 前中心が浮く
  5. 前中心や圧力が掛かる
  6. アンダーバストが食い込む
  7. アンダーバストの前中心が浮く
  8. アンダーバストが苦しい
  9. アンダー全体が上がる
  10. ブラジャーの最下点に隙間が出来る
  11. ストラップが食い込む
  12. ストラップがずり落ちる
  13. ワイヤーがバストに食い込む
  14. バストラインが下を向く
  15. 脇に浮きや弛みがある
  16. バック部分が上がる

装着の手順編集

装着の手順は4段階に分かれる。

  1. ブラジャーのストラップを腕に通し両肩にかけて、カップ下を両手で持ち、ワイヤー部分がバージス(バストのふくらみのすぐ下)に当たるようにきちんと合わせる。
  2. 上半身を軽く前にたおし、カップのワイヤーを胸の下にあて、バストを下からすくいあげるようにしっかりとカップに収め、ぐっと持ち上げる。片手でブラジャーのアンダー部分を支え、もう一方の手でバストを脇からカップの中に寄せ集め、そのままの姿勢でブラジャーのホックを止める。
  3. 身体を起こし、少し引き上げるような感じでストラップを肩になじませながら、長さを調整する。ストラップを調節し、余分な肉が脇に流れていないか確かめ、余っていたらカップに収める。その際、前と後ろのアンダーラインが水平になっているか確認する。
  4. 上体を動かしてみてブラジャーが身体にフィットしているかを確かめる。動いてもずれなければ着用が完了する。

なお、装着手順は人それぞれであり、先にアンダーのホック列の位置を決めて止めてから後ろに回して、その後でバストを整える方がやりやすい場合もある。

選び方編集

 
ブラジャーとパンティーのコーディネイト。色とデザインを統一するのが基本
  • 下着自体をファッションととらえる風潮が一般的となっている。特に近年ブラジャーは多岐にわたる色やデザインのものが存在し、好みの色や、レースデザインなどに加え、よりシンプルな無地タイプがある。好みや、着けたときの肌触り、TPOに合わせて、複数そろえる人が多い。
  • コーディネートとして、白のブラジャーなら白のパンティー、黒のブラなら黒のパンティーと、ブラとパンティーは色とデザインを統一するのが基本である。下着売り場ではコーディネートできるよう、ブラとそろいの色、デザインのパンティーが上下に並べられている。
  • 必要に応じて後述する様々なブラジャーを選ぶ必要がある。

様々なブラジャー編集

バストアップブラ編集

バストを大きく見せることを目的とされたブラ。実際にバストが大きくなるのではなく、カップに厚みをもたせたり、パッドを挿入したりすることで大きく見せるブラジャーがたくさん販売されている。プッシュアップブラとも呼ばれている

ソフトブラ編集

着心地を重視し、ワイヤー、パッド、ホックなどを省略した締め付けないタイプのブラジャー。

Tシャツブラ編集

Tシャツに代表される体にぴったりとフィットするアウターを着用する際、ブラの形状が外側から目立たないようにデザインされたブラ。多くはシームレスブラ(モールドカップブラ)である。

ジュニアブラ編集

胸が成長中の女子向けのブラジャーを下着メーカーではジュニアブラ、ジュニア向けブラという名称で販売している[12][13][14]。ホックや長さ調節できるストラップつきのブラジャーの他、ホックのないブラジャーもある[15]。ワコールではバストトップの膨らみ始めから3段階、アツギは4段階に分け、成長段階に応じて着用していくことをすすめている[16][14][17]。バストの成長を妨げないため、睡眠時の着用は必要ないとしている[18]

マタニティブラ編集

  • 妊娠中は乳腺が発達し、短期間でカップやアンダーサイズが大きくなり乳房の形状も変化する[19]。この時通常のブラジャーを使用していると、乳腺を圧迫し、母乳の出が悪くなってしまうことがある。このため、サイズアップ・形状の変化に堪えられるワイヤーや伸縮性を持つ素材、また発達した乳房を支えられる強度のあるストラップが採用されている。
  • 授乳の際にブラジャーを外す手間がかからないよう、カップの部分が取り外せるなどの工夫がなされている。マタニティブラだけでなく、産前産後に適した機能を持つ下着を総称して、マタニティインナーとも呼ぶ。

和装用編集

現代の和服の着付けではできるだけ体のラインを出さずに直線的であることが良いとされるため、一般的なブラジャーとは逆に、胸のふくらみを目立たなくする機能を持つ。

結婚式用編集

  • 上にドレスを着用するため、補正力が高く、ストラップの取り外しが可能なタイプが一般的。背中の開きが大きなドレスに対応した、バックレスと呼ばれるタイプもある。
  • 一般的に色は純白だが、一部に青が入っていることがある。これは、「Something Four」と呼ばれる、花嫁が式の際に身に付けておくと幸せになれるという4つのアイテムの言い伝えの中に、「Something Blue(何か青い物)」があるため。ブラジャーだけでなく、結婚式の際に花嫁が着用するのに適した機能を持つ下着を総称して、「ブライダルインナー」とも呼ぶ。

乳癌経験者用編集

乳癌などで乳房の一部または全部を切除した人、または治療で乳房の片方だけサイズが大幅に減少した人を対象にしたブラジャー。大きなパッドでも入れやすいパッド受けがつき、手術痕にブラジャーが触れないようにデザインしてあるなどの工夫がなされている。

装飾用編集

  • カップレスブラ またはトップレスブラといわれ、乳房の上半分や乳首が露出したものをいう。スリットブラは中心部に切れ目があり、乳首が視覚的に閲覧できる状態となっている。
  • カップを省略した、ノーカップ(カップレス)ブラという新たなるブラジャーも出回っている(この場合、乳房の大部分が露出となる)。

夜用ブラ(ナイトブラ)編集

  • 夜用ブラ(よるようブラ)は、睡眠中でも大人のバストをしっかりと支えて無理な体勢でも正確な位置に維持することにより、クーパー靭帯を守るブラジャーのことである。ナイトブラとも呼ばれている。
  • 一般的にノンワイヤーのものが多く、寝心地を重視して作られている。ナイトブラとも称される[20]
  • 昼用のブラはバストが下垂することを防ぐのが一番重要な役割になっているのに対し、ナイトブラは、下垂防止というよりも横流れ防止がメインです。[21]

その他編集

など

ブラジャーと一体化した衣装編集

など

日本国内シェア編集

  1. ワコール (23.1%)
  2. トリンプ (10.6%)
  3. シャルレ (5.9%)
  4. セシール (5.1%)
  5. グンゼ (2.4%)

日経「2002年主要商品・サービス100品目シェア調査」より。

その他の会社に、ルシアンピーチ・ジョン千趣会などがある。

ブラジャーにまつわる出来事と記録編集

 
2006年3月末ごろのカードローナのブラ・フェンス

カードローナのブラ・フェンス編集

1998年から1999年にかけて、ニュージーランドの中央オタワ地方のカードローナ地区にある公道のフェンスに4枚のブラジャーがぶら下げられたことをきっかけに、真似をする人が続出、その後数千枚にまで膨らみ、観光名所となっている。

ブラジャーのチェーン編集

ギネス・ワールド・レコードによれば、ブラジャーを繋げて作られたブラジャーのチェーンでもっとも長いのは、2009年8月にオーストラリアで作られた記録で、166,625 枚分、距離にして163.77キロメートルのチェーンである。[22]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ イギリス英語発音:[ˈbræziə(r)] ブラーズィア、アメリカ英語発音:[brəˈzɪr] ブラズィー
  2. ^ フランス語発音: [brasjɛːr] ブラッスィエール。※注:カナダではアメリカ文化の影響で brassière はいわゆる「ブラジャー」を意味するが、フランスで brassière と言えば「(長袖で丈が短い)ベビー用シャツ」「救命胴衣」「負い紐」の意味になる。
  3. ^ 英語発音: [brɑː] ブラー
  4. ^ 「Bカップの女性の胸囲がCカップの女性よりも大きい」という場合もある。
  5. ^ 例えば、A80、B75、C70、D65は、いずれも概ね同等のカップ容量である。Library Body Navigation(ワコール)

出典編集

  1. ^ 立花 2010, p. 5.
  2. ^ サン=ローラン 1981, pp. 22-23.
  3. ^ “1千年前の女性下着発掘 中国、ブラジャーそっくり”. 新華社. 共同通信. (2006年4月17日). http://www.47news.jp/CN/200604/CN2006041801000291.html 2011年9月17日閲覧。 
  4. ^ 立花 2010, pp. 19-20.
  5. ^ 立花 2010, pp. 54-55, 57.
  6. ^ 立花 2010, pp. 62, 67, 70-71.
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  20. ^ 「ナイトブラでバストが大きくなる」は迷信!? ナイトブラにまつわるウソとホント キレイの知恵袋
  21. ^ ナイトブラは普通のブラとどう違う?スポブラ、育乳ブラ、補正ブラと比較してみた
  22. ^ Longest bra chain, Guinness World Records

参考文献編集

  • セシル・サン=ローラン『女の下着の歴史』、1981年5月(原著1966年)。NCID BN02931500
  • 原著:Saint-Laurent, Cécil (1966). Solar. ed (フランス語). L′histoire imprévue des dessous féminins. Paris: Des Livres et la Plume 

関連項目編集

外部リンク編集