ヨーロッパオオカミ(学名 : Canis lupus lupus[2])とはユーラシア大陸に広く分布するオオカミである。

ヨーロッパオオカミ
オオカミ(ドイツヘッセン州ラインハルトの森にあるザーバブルク動物園にて)
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: ネコ目(食肉目) Carnivora
亜目 : イヌ亜目 Caniformia
: イヌ科 Canidae
亜科 : イヌ亜科 Caninae
: イヌ属 Canis
: タイリクオオカミ C. lupus
亜種 : ヨーロッパオオカミ C.l.lupus
学名
Canis lupus lupus
Linnaeus1758
和名
ヨーロッパオオカミ[1]
英名
Eurasian wolf
生息域

分布 編集

シベリア中央アジアヨーロッパモンゴル中国北部、北東部、北西部、南西部に分布する。 中国、黒龍江省内モンゴルチベット新疆西ヨーロッパにも分布している。

体格 編集

体長76cm以上、地域によって異なるが体重約69~80kg

メスはオスより2割程度体格が小さい。 体毛は、白色浅黄色柿色灰色黒色で混合した色でにあたりまでその色をしている。

食性 編集

山岳地帯に棲息するオオカミは、ヘラジカアカシカノロジカシャモアイノシシウマシカトナカイアルガリムフロンヨーロッパバイソンサイガアイベックス、野生のヤギダマジカジャコウジカを食べる。また、家畜や小動物も食べる。 東ヨーロッパでは、家畜やゴミを漁って食べている集団のオオカミもいる。

歴史 編集

北ヨーロッパでは、中世から1800年代後半までオオカミの駆除がされた。 イギリスでは法律によって強制的に迫害され最後のオオカミは、ヘンリー7世が統治中であった16世紀初頭に殺害された。 スコットランドでは、オオカミは広大な焼失した森林で長く生存でき、1684年までサザランドブレーマーで生き残った。 アイルランドでは1786年に最後のオオカミが殺された。

スウェーデンでは1647年に家畜の餌にするためにヘラジカトナカイの絶滅後に、導入された。

ハイイロオオカミは、1772年にデンマークで絶滅した。ノルウェーの最後のオオカミの種は、20世紀フィンランドで間引きされた1973年に殺害された

1950年代に、オオカミを迫害することをやめたことからヨーロッパオオカミの個体数の回復が始まった。

2005年、スウェーデンとノルウェーでのオオカミの総数は11の繁殖ペアがあり、少なくとも100頭以上は棲息していると推定されている。

人間との関係 編集

現状 編集

数十年前に濫獲されたために、アジアヨーロッパでは棲息数が大幅に減少している。

場所 棲息数 増減
黒竜江省 500 不明
内モンゴル自治区 2000 不明 
新疆 10000 不明
フランス 80から100 増加
ドイツ 35 増加
ノルウェー 15から20 増加
スウェーデン 70から80 不明
フィンランド 100 増加
ポーランド 700から800 増加
エストニア 200 不明
リトアニア 600 増加
ラトビア 900 安定
ベラルーシ 2000 - 2500 増加
ウクライナ 2000 安定
チェコ 20 安定
スロバキア 350から400 不明
スロベニア 70から100 増加
クロアチア 100から150 増加
ボスニア・ヘルツェゴビナ 400 減少
セルビア・モンテネグロ 500 不明
ハンガリー 100 不明
ルーマニア 2500 増加
ブルガリア 800 - 1000 減少
ギリシャ 200から300 不明
マケドニア 1000 増加
アルバニア 250 増加
ロシア 3万 増加
モンゴル 1~2万 不明
カザフスタン 3万 減少
ウズベキスタン 2000 不明
トルクメニスタン 1000 不明
キルギスタン 4000 不明
タジキスタン 3000 不明


脚注 編集

  1. ^ D.W. マクドナルド編 『動物大百科1 食肉類』p68 平凡社 1986 ISBN 4-582-54501-7
  2. ^ ITIS Taxonomic Hierarchy”. 2014年10月2日閲覧。