ルルデス・グリエル・ジュニア

キューバ出身のプロ野球選手

ルルデス・ユニエルキ・グリエル・カスティーヨLourdes yunielki Gurriel Castillo, 英語発音: /ˈlɔrdəs ˌguriˈɛl ˈʤunjər/[1]; 1993年10月10日[2] - )は、キューバサンクティ・スピリトゥス州サンクティ・スピリトゥス出身のプロ野球選手外野手内野手)。右投右打。MLBのアリゾナ・ダイヤモンドバックス所属。

ルルデス・グリエル・ジュニア
Lourdes Gurriel Jr.
アリゾナ・ダイヤモンドバックス #12
トロント・ブルージェイズ時代
(2020年7月27日)
基本情報
国籍ハイチの旗 ハイチに亡命)
出身地  キューバ
サンクティ・スピリトゥス州サンクティ・スピリトゥス
生年月日 (1993-10-10) 1993年10月10日(31歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 左翼手遊撃手二塁手一塁手
プロ入り 2016年 アマチュアFA
初出場 2018年4月20日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
プレミア12 2015年

ファーストネームは、キューバやアメリカのメディアではユニエルキスよりも、「ルルデス・ジュニア(Lourdes Jr.)」または父と同じ名前の「ルルデス・グリエル(Lourdes Gurriel、もしくは括弧つきでLourdes Gourriel(junior))」と表記されることが多い。NPB時代の登録名は、グリエルJr.

経歴

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キューバ時代

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2010年、17歳でガジョス・デ・サンクティ・スピリトゥスの選手として、キューバの国内リーグ「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」にデビュー。

2014-2015シーズンは、課題であった打撃が大幅に向上した。また、国際大会である中央アメリカ・カリブ海競技大会にキューバ代表として選出され、キューバ代表の優勝に貢献した。

キューバ国外移籍解禁後

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2015年2月2日、前年から所属していた次兄のユリの契約更新と共に、年俸3,500万円の2年契約で横浜DeNAベイスターズへの入団が決まった[3]。背番号は91。登録名は「グリエルJr.」。しかし、左手首痛の治療をキューバ国内で行うため、左大腿部痛を訴えていたユリとともに兄弟揃って来日が延期になった。4月2日に、球団側は来日と診断書の提出を求めたものの返答がなく、契約違反であるとして[4]制限選手として手続きが取られたことが発表された[5][注釈 1]。7月には第15回ワールドポート・トーナメント キューバ代表に選出され、MVPを受賞した[7]。11月にはWBSCプレミア12キューバ代表として出場。12月2日にはDeNAから自由契約となったことが公示された[8]

2016年2月にはシエゴ・デ・アビラの補強選手としてカリビアンシリーズに出場。準決勝で敗退後に、次兄のユリと共に開催国のドミニカ共和国内からハイチへ亡命した[9]。長兄のユニエスキはカリビアンシリーズに出場していないためキューバ国内に留まっており、「カリビアンシリーズでの最後の試合の後に2人と連絡が取れなくなった。それまでは毎晩連絡を取りあっていたのに。私達もみんなと同じニュースで亡命を知り、2人のことは何もわからない」と語っている[10]

ブルージェイズ時代

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2016年11月12日、7年2,200万ドルでトロント・ブルージェイズと契約を結んだ[11]

2018年4月20日にメジャー初昇格を果たした。メジャーデビューとなった同日のニューヨーク・ヤンキース戦では「9番・二塁手」で先発出場すると、5打数2安打、3打点の活躍でチームを勝利に導いた[12]。7月11日のアトランタ・ブレーブス戦から7月29日のシカゴ・ホワイトソックス戦まで11試合連続でマルチヒットを記録し、球団新記録を樹立した[13]1923年ロジャース・ホーンスビーが記録した13試合連続のメジャー記録更新にも期待がかかったが7月31日に故障者リストに入り、更新とはならなかった。それでも、この活躍により7月のアメリカンリーグ月間最優秀新人に選ばれた。9月25日に左ハムストリングの痛みのため、残りのシーズンを全休することが分かった[14]

2019年4月9日のボストン・レッドソックス戦でクリス・セールから単独ホームスチールを成功させた[注釈 2]。この年は84試合に出場し、打率.277、20本塁打、50打点などを記録した。守備では左翼手として9補殺を記録した。

ダイヤモンドバックス時代

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2022年12月23日にドールトン・バーショとのトレードで、ガブリエル・モレノと共にアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[16]

2023年7月2日に選手間投票で初となるオールスターゲームに選出された[17]。オフの11月3日にFAとなった[18]

家族

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親兄弟、親戚が野球一家に生まれており、実父のルルデスは、いすゞ自動車硬式野球部などの社会人野球でのプレー経験がある。3人兄弟の長兄・ユニエスキ、次兄・ユリも野球選手である。また叔父のルイス・エンリケ・グリエル[19]、大叔父のホセ・デルガド、いとこのヨアンニ・デルガドも野球選手である。

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2010-2011 SSP 16 16 15 2 3 0 0 1 6 1 0 1 0 0 1 0 0 4 2 .200 .250 .400 .650
2011-2012 55 151 132 24 30 6 0 3 45 16 2 2 3 1 13 0 2 23 1 .227 .304 .341 .645
2012-2013 67 244 217 25 55 12 3 4 85 32 1 0 5 1 18 0 3 35 8 .253 .318 .392 .710
2013-2014 IND 45 184 142 26 31 6 1 1 42 17 5 5 2 2 36 0 2 23 2 .218 .379 .296 .675
2014-2015 62 254 217 35 67 10 0 8 101 42 7 4 0 5 27 2 4 28 7 .309 .387 .465 .853
2018 TOR 65 263 249 30 70 8 0 11 111 35 1 2 1 2 9 1 2 59 2 .281 .309 .446 .755
2019 84 343 314 52 87 19 2 20 170 50 6 4 1 3 20 0 5 86 4 .277 .327 .541 .869
2020 57 224 208 28 64 14 0 11 111 33 3 1 0 3 14 0 0 48 7 .308 .348 .534 .882
2021 141 541 500 62 138 28 2 21 233 84 1 3 1 6 32 1 2 102 8 .276 .319 .466 .784
2022 121 493 453 52 132 32 1 5 181 52 3 4 0 2 31 1 6 83 11 .291 .343 .400 .743
2023 ARI 145 592 551 65 144 35 2 24 255 82 5 0 0 2 33 1 6 103 20 .261 .309 .463 .772
CNS:5年 245 809 723 112 186 34 4 17 279 108 15 12 10 9 94 2 11 113 20 .257 .348 .386 .734
MLB:6年 613 2456 2275 289 635 136 7 92 1061 336 19 14 3 17 139 4 21 481 52 .279 .324 .466 .791
  • 2023年度シーズン終了時
  • キューバで通常用いられる個人通算成績はプレーオフや選抜リーグなども合算するため、この表の合計とは一致しない

年度別守備成績

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一塁(1B) 二塁(2B) 遊撃(SS) 左翼(LF)
















































2018 TOR - 24 43 65 2 15 .982 46 43 105 7 20 .955 -
2019 3 5 1 0 0 1.000 9 11 11 2 3 .917 - 63 97 9 0 1 1.000
2020 1 3 0 0 0 1.000 - - 53 100 3 1 0 .990
2021 11 64 4 0 5 1.000 - - 119 169 12 4 2 .978
2022 8 31 1 0 1 1.000 - - 105 185 7 3 2 .985
2023 ARI 1 1 1 0 0 1.000 - - 95 152 8 0 0 1.000
MLB 24 104 7 0 6 1.000 33 54 76 4 18 .970 46 43 105 7 20 .955 435 703 39 8 5 .989
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

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NPB記録

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  • 一軍公式戦出場なし

背番号

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  • 19(2014年 - 2016年)
  • 91(2015年)
  • 13(2018年 - 2022年)

代表歴

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脚注

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注釈

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  1. ^ 制限選手となるのは、2011年に東日本大震災福島第一原子力発電所事故で来日を延期したブレント・リーチブライアン・バニスターに次いで史上3人目である[6]
  2. ^ 投球開始と同時に走り、捕手が投球を捕球できなかった[15]

出典

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  1. ^ Lourdesの発音揺れ: /ˈlʊrdəs/, /ˈlɔrdəz/など
  2. ^ Lourdes Gurriel Jr. Stats, Fantasy & News”. MLB.com. 2021年8月9日閲覧。
  3. ^ グリエル兄弟DeNAに4月中旬合流”. 日刊スポーツ (2015年2月3日). 2021年8月9日閲覧。
  4. ^ DeNA グリエル兄との契約解除を発表、弟は制限選手に”. スポニチアネックス (2015年4月2日). 2015年4月2日閲覧。
  5. ^ 2015年度選手契約について(L.グリエル Jr.選手)”. 横浜DeNAベイスターズ公式サイト (2015年4月2日). 2015年4月3日閲覧。
  6. ^ グリエル弟は制限選手に DeNA意向次第で他球団でのプレー不可”. スポニチアネックス (2015年4月3日). 2015年4月3日閲覧。
  7. ^ World Port Tournament 2015 Daily Report Final” (PDF). World Port Tournament. 2021年8月9日閲覧。
  8. ^ 2015年度 自由契約選手”. 日本野球機構オフィシャルサイト. 2016年11月14日閲覧。
  9. ^ Yulieski Gourriel está con residencia de Panamá en Haití junto a su hermano Lourdes” (スペイン語). el Nuevo Herald. 2016年11月14日閲覧。
  10. ^ Fin de los rumores: Los Gourriel abandonan equipo Cuba de béisbol” (スペイン語). Escambray. 2016年11月14日閲覧。
  11. ^ Jesse Sanchez (2016年11月12日). “Cuba's Gurriel Jr. signs 7-year deal with Blue Jays” (英語). MLB.com. 2016年11月14日閲覧。
  12. ^ Gregor Chisholm (2018年4月21日). “'Happy to get the call,' Gurriel has 3 RBIs in debut” (英語). MLB.com. 2018年4月23日閲覧。
  13. ^ Baer, Bill (July 29, 2018). “Lourdes Gurriel, Jr. extends multi-hit game streak to 11, exits with injury”. mlb.nbcsports.com. July 29, 2018閲覧。
  14. ^ Colley, Mark (September 25, 2018). “Gurriel Jr., out for season with hamstring strain Lourdes Gurriel Jr., out for season with hamstring strain”. Bluebirdbanter.com. September 25, 2018閲覧。
  15. ^ 元DeNAグリエル弟がMLB屈指左腕セールから豪快に本盗! 敵地はざわめく”. Full-Count (2019年4月10日). 2020年4月18日閲覧。
  16. ^ BLUE JAYS ACQUIRE VARSHO” (英語). MLB.com. 2022年12月24日閲覧。
  17. ^ Thomas Harrigan (July 2, 2023). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. July 3, 2023閲覧。
  18. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 4, 2023閲覧。
  19. ^ Luis Enrique Gourriel Díaz” (スペイン語). EcuRed. 2016年11月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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