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人間椅子 (江戸川乱歩)

短編小説

登場人物編集

佳子(よしこ)
女性作家。ある日、「私」から手紙が届く。
「私」
容貌の醜い椅子職人。佳子に罪悪を手紙で告白する。

あらすじ編集

外交官を夫に持つ閨秀作家(女性作家のこと)の佳子は、毎朝夫の登庁を見送った後、書斎に籠もり、ファンレターに目を通してから創作にとりかかることが日課だった。ある日、「私」から1通の手紙が届く。それは「私」の犯した罪悪の告白だった。

椅子専門の家具職人である「私」は、容貌が醜いため周囲の人間から蔑まされ、貧しいためにその悔しさを紛らわす術も持たなかった。しかし、私は職人としての腕はそれなりに評価されており、度々凝った椅子の注文が舞い込んだ。

ある日、外国人専門のホテルに納品される椅子を製作していた私は出来心から、椅子の中に人間が一人入り込める空洞を作り、水と食料と共にその中に入り込んだ。自分が椅子の中に入り込んだ時に、その椅子はホテルに納品されてしまう。それ以来、私は昼は椅子の中にこもり、夜になると椅子から這い出て、盗みを働くようになった。盗みで一財産出来たころ、私は外国人の少女が自分の上に座る感触を革ごしに感じることに喜びを感じた。それ以来、私は女性の感触を革ごしに感じることに夢中になった。やがて、私は言葉がわからない外国人ではなく日本人の女性の感触を感じたいと願うようになった。

私がそんな願いを持つようになったころ、ホテルの持ち主が変わり、私が潜んでいた椅子は古道具屋に売られてしまう。古道具屋で私の椅子を買い求めたのは日本人の官吏だった。だが書斎に置かれた私の椅子にもっぱら座るのは、著作にふける若く美しい夫人であった。私は念願の日本人女性の感触に胸を躍らせ、一方的な恋情を募らせていった。次第に自分の存在を夫人に伝えたいと思うようになった私は、とうとう椅子から出て夫人に手紙を書くことにした。その夫人とは佳子のことであった。

恐怖に襲われ書斎を離れた佳子のもとに、手紙と同じ筆跡のもうひとつの封書が届く。そこには先に送った創作を批評してもらいたいと書かれていた。

収録編集

映画編集

1997年版編集

人間椅子
監督 水谷俊之
脚本 水谷俊之
製作 須崎一夫
下田淳行
出演者 清水美砂
國村隼
山路和弘
光浦靖子
温水洋一
大鷹明良
音楽 澄淳子
撮影 長田勇市
編集 菊池純一
製作会社 ケイエスエス
配給 ケイエスエス
公開   1997年4月19日
上映時間 86分
製作国   日本
言語 日本語
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1997年4月19日に公開。製作・配給はケイエスエス

スタッフ編集

キャスト編集


2007年版編集

人間椅子
監督 佐藤圭作
脚本 佐藤圭作
武井彩
製作 松下順一
武内健
出演者 宮地真緒
小沢真珠
石川謙
板尾創路
音楽 柳田しゆ
撮影 大河勇
編集 清水正彦
配給 アートポート
公開   2007年6月30日
上映時間 76分
製作国   日本
言語 日本語
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2007年6月30日に公開。PG-12指定。

スタッフ編集

  • 監督:佐藤圭作
  • 製作:松下順一
  • プロデューサー:武内健
  • 脚本:佐藤圭作、武井彩

キャスト編集


テレビドラマ編集

舞台編集

MAG.netが企画する朗読演劇シリーズ「極上文學」の第11弾にて舞台化。上演の際は、江戸川乱歩の「魔術師」と合わせての上演となる。
2016年 11月30日~12月4日 東京:全労済ホール/スペース・ゼロ
2016年 12月23日~12月25日 大阪:近鉄アート館

スタッフ編集

キャスト編集

足立英昭石井マーク伊勢大貴小西成弥長江崚行松田洋治松本寛也水澤賢人村田充ROLLY

漫画編集

音楽編集

人間椅子(バンド)の『人間椅子』。作品の設定における直接性はないが、バンド名およびアルバムは同作に由来している。

外部リンク編集