八木山ベニーランド

日本の宮城県仙台市太白区にある遊園地

八木山ベニーランド(やぎやまベニーランド)は、宮城県仙台市太白区にある遊園地。市民からは「ベニーランド」と呼ばれる。

八木山ベニーランド
Benyland
八木山ベニーランド概観
八木山ベニーランドの位置(仙台市中心部内)
八木山ベニーランド
所在地宮城県仙台市
座標北緯38度14分48秒 東経140度50分55秒 / 北緯38.24667度 東経140.84861度 / 38.24667; 140.84861
住所太白区長町字越路19番地1
公式サイトbenyland.com
所有者株式会社エイトリー
総支配人八木充幸
開業1968年昭和43年)4月14日
旧称八木山遊園地
開園期間3月初旬〜翌年の成人の日
面積7.9ha
アトラクション25(2010年現在)
ジェットコースター4(2022年現在)

概要 編集

仙台市都心部の西に隣接する青葉山丘陵八木山に位置する。道路を挟んで向かい側に仙台市八木山動物公園があり、仙台城がある青葉山とは竜の口渓谷広瀬川支流)を挟んで向かい合っている。

開園期間は例年3月初旬から翌年の成人の日までで、11月下旬から12月中旬及び1月初旬は土日祝日のみの開園となる。1月中旬から3月初旬及び12月下旬は土日祝日も休園となる。

八木山動物公園の入園券の半券を提示することでベニーランドの入園料が割り引かれるサービスが行われている。また、山形県上山市にあるリナワールドと共に「南東北遊園地協議会」を結成[1] し、共通イベントや割引などを行っている。

ベニーランドの名称は現運営エイトリーの親会社にあたる八木山一帯を管理する不動産会社「紅久」に由来する[2][3]。シンボルマークは「ベニーマーク」と呼ばれベニーランドの「ベ」を円で囲んで図案化し濁点を眼、「へ」を口に見立て子供の笑顔をイメージしており、同マークをモチーフとしたマスコットキャラクターとして男の子の「ベニーニョ」と女の子の「ベニーニャ」が制定されている[2]

沿革 編集

1968年昭和43年)4月14日に東北地方で初めての総合遊園地として開園した[2]。八木山動物公園の開園から3年後のことである。開園当時のアトラクションの数は15で、ジェットコースターゴーカートティーカップ、回転ブランコ、宇宙ロケットなどがあった。ジェットコースターやゴーカート、ティーカップは移転やリニューアルを経て今でも現役であるが、回転ブランコや宇宙ロケットなど後年に廃止されたアトラクションもいくつかあった。開園後、観覧車の新設などアトラクションの充実が図られ、1980年1月27日には2回転宙返りのコークスクリューが設置された。これは、アトラクションマシンの大型化、外国製マシンの導入という点で画期的だったという。アトラクションの拡充はその後も続けられ、現在は30近いアトラクションが利用者を楽しませている。

年表 編集

テーマソング 編集

1968年昭和43年)4月14日の開園を記念してベニーランドのテーマソングが作られた。真崎冬彦が作詞、越部信義が作曲、天地総子が歌を担当した。その後、東北地方各県でベニーランドのコマーシャルが流され、宮城県のみならず、東北各県でなじみの歌となった。そのメロディ替え歌にされて地元の高校野球の応援に用いられてきたが、近年はプロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスチャンステーマとしても使用されている。2002年4月に第一興商の「メロDAM」にて、携帯電話着信メロディ配信サービスが行われた際には、ダウンロード数は2万件を越えた(現在は終了)。

作曲者、作詞者、歌手は長い間不明とされてきたが、2006年7月にテーマソングが初めてCD化され園内で発売された際に、作詞者と歌手が判明した。さらに2007年4月25日に発売された『宮城なつかCM大全集[7]』では企画段階からラインナップの目玉とされ、担当者が奔走して作曲者を越部信義と突き止めた。

この他、2007年9月22日に発売されたCD『天地総子大全〜フーコのコマソン・パラダイス』や、同年11月23日に発売された『懐かしのせんだいCM大百科』にテーマソングが収められた。同年には天地本人が初めてベニーランドに来園している。[8]

歌詞は5番まで存在するが、録音されたメロディーは3番までしかなったが、懐かしのせんだいCM大百科の続編として制作された「決定版 懐かしのせんだいCM大百科」で全編が天地による歌唱で採録された。[9]

楽天のチャンステーマで他地域にも知られるようになったが、他地域ではガリガリ君のCMソングと間違える人もいる[10]

仙台出身の落語家春風亭与いち出囃子にしている。

園内施設 編集

 
エントランス付近
アトラクション
  • 八木山サイクロン
    • 1988年導入[11]。アロー製、全長600m、最高部25m、最大斜度55度、6人乗り5両編成、最高時速70km、最大過重力3.7G[12]
  • 観覧車(2代)
  • コークスクリュー
    • 1980年導入[2]。アロー製、全長430m、最高部22m、最大斜度42.5度、4人乗り6両編成。
    • 2021年3月には車両をとしまえんから譲渡された編成に変更[5]。旧編成は再塗装の上で2023年よりルスツリゾートにて使用[18]
  • キッズトレイン東西線[19]
    • 2018年導入、4人乗り車両×4台、路線長166m。仙台市交通局監修のもと地下鉄東西線2000系電車を模した車両を走行させるミニ列車。
  • メガダンス
  • エアロ5
    • 2015年導入[11]。ザンペーラ製、2人乗り5両編成、全長109m[22]、最高時速14.8km[2]
    • 2020年11月12日に放送されたバラエティ番組「最高の最下位」の検証によれば、日本一遅いジェットコースターとされる[23]
  • ミニサイクロン
    • 2023年3月導入[24]。ミゼッティ工業製、4人乗り4両編成、全長270m[25]。2022年廃止のジェットコースターの後継として整備され[2][26]、としまえんから車両を譲受[27]
  • パイラット
    • 1982年導入[11]。西ドイツ製、最大傾斜75度、54席。
  • スカイジェット
  • ゴーカート(1968年導入、2006年コース移設[11]
  • テレコンバット(1985年導入[11]
  • バルーンレース(1990年導入[11]
  • パラトルーパー(1987年導入[11]
  • メリーゴーラウンド
  • 弁慶号(1989年導入[11]
  • コーヒーカップ(1981年導入[11]
  • ダックス(1969年「クレージーカー」として導入[28]、2005年リニューアル[11]
  • ロッキンタグ(2008年導入[11]
  • フアフア
  • トランポリン
  • トリッピングカー(1996年導入[11]
  • マイカート
  • アクアブラスター
  • キッズ乗り物
  • アーケードゲーム
  • ちびっこパワーショベル
  • 洋弓(1968年導入[11]
  • ミステリーハウス(1971年導入[11]
サービス施設
  • サービスセンター
  • フードショップ
    • 噴水前食堂
    • ファストフードショップ(コーヒーカップ前店・キッズトレイン前店・メガダンス前店)
  • 野外ステージ
  • ふれあいホール
  • レストハウス
  • 芋煮会施設
  • 越路神社(ベニー神社) - 八木山の開発を行った5代目八木久兵衛が1926年に開設した「越路山神社」の神体を1996年に遷座し開設[29]
過去の施設
  • ベニータワー
    • 高さ30mの回転式展望塔。1968年導入、1978年の宮城県沖地震により塔体にずれが生じ廃止、敷地はコークスクリューに転用[30]
  • 宇宙ロケット(1968年導入[11]
  • チェーンタワー(1968年導入[11]
  • おとぎの馬車(1968年導入[11]
  • 子供の国(1968年導入[11]
  • 回転ブランコ(1968年導入[11]
  • ささやきの小径(1968年導入[11]
  • 荒野の野砲(1968年[11]-2011年[31]
    • 圧縮空気式の砲台で軟式野球ボールを撃ち出し、谷の向こうの怪獣などを描いたテント生地製の的に当てる射撃アトラクション。東日本大震災によるネット付近の崩落などにより廃止。
  • 初代観覧車(1971年導入)[5]
  • アストロライナー[32]
  • トップスピン2(1995年-2017年)[11]
  • 幽霊屋敷(1997年-2017年)[11]
  • 3D立体時空館(1997年-2013年)[33]
  • ジェットコースター(1968年-2022年)
    • 全長300m(チャンネル型レール)、最高部8m、最大斜度35度、4両編成定員14名(先頭車2人+4人乗り×3両)、最高時速50km[34]
    • 初代・2代目は特急列車をイメージした車両を使用[34][35]、2代目は3両編成の車両に更新の後[35]、1982年に導入した「銀河鉄道999」をイメージし蒸気機関車を模した3代目車両を40年間使用[34]。保護者同伴であれば3歳からでも乗車可能である[36]。東北最古のジェットコースターとして多くの人に親しまれたが[36]、安全性に問題はないものの老朽化は避けられないとし[35]、今後の維持は困難として2022年11月14日をもって引退[36]。走行開始以降延べ800万人が乗車し[35]、無事故を貫いていた[36]

所在地・アクセス 編集

所在地

周囲の住所は八木山本町だが、ベニーランドや動物公園後背地があるこの地区は住居表示が実施されていないため、飛地状態で「長町」の地名となっている(動物公園自体は、八木山本町一丁目43番1号となっており、住居表示実施済)。

アクセス

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ かつては同じ仙台市にある仙台ハイランド(2015年8月に閉園)も参加していた。
  2. ^ a b c d e f g h 仙台読本 「♪ヤンヤンヤヤー八木山の~」ベニーランド、55年目の春 「としまえん」とも深い縁 - 河北新報2022年4月20日
  3. ^ 映像記録「紅久物語」 - べに~らんどの園長ブログ(gooブログ)
  4. ^ “仙台の遊園地「八木山ベニーランド」でコスプレイベント”. 仙台経済新聞. (2007年6月6日). http://sendai.keizai.biz/headline/91/index.html 
  5. ^ a b c d “<ベニーランド>観覧車命名権 あおがく取得”. 河北新報. (2017年2月21日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201702/20170221_12003.html 
  6. ^ 43日ぶり再開 仙台の遊園地ベニーランド”. FNN (2020年5月23日). 2020年5月24日閲覧。
  7. ^ 宮城なつかCM大全集studioM77
  8. ^ https://bunshun.jp/articles/-/65815
  9. ^ https://sendai-tushin.jp/2022/12/22/post-271800/
  10. ^ ベニーランドのテーマソング、かけちゃうぞ! - 一美のはだかのオレ様(文化放送)
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w よくある質問 - 八木山ベニーランド
  12. ^ 八木山ベニーランドに「八木山サイクロン」登場 - アミューズメント産業1988年5月号
  13. ^ a b 観覧車対決ふたたび?(八木山ベニーランド「べにーらんどのブログ」 2009年5月23日)
  14. ^ 「ニッポンの観覧車」にベニーが掲載(八木山ベニーランド「べにーらんどのブログ」 2009年8月9日)
  15. ^ 福井優子「ニッポンの観覧車 いちアトラクションから、街のランドマークへ」(イカロス出版 2009年)26-27頁
  16. ^ 風致地区(仙台市「百年の杜」)
  17. ^ 風致地区(宮城県)
  18. ^ yagiyambenylandのツイート(1654051146288484352)
  19. ^ 仙台の八木山ベニーランド、電車アトラクション「キッズトレイン東西線」が登場 - レイルラボ
  20. ^ メガダンス、GWにぎりぎりセーフ! - べに~らんどの園長ブログ
  21. ^ 無重力から最大5Gまでイッキに体感!日本ではベニーランドにしかないドイツ製マシン メガダンス - 八木山ベニーランド
  22. ^ ~イタリア製エアロ5 日本初登場~ エアロ5 - 八木山ベニーランド
  23. ^ “日本一遅いコースター”にベニーランド、宮城県民歓喜”. ナリナリドットコム (2020年11月13日). 2021年5月18日閲覧。
  24. ^ 17日の「ミニサイクロン」お試し運行 - べに~らんどの園長ブログ
  25. ^ 仙台・八木山ベニーランドに新しいジェットコースターお目見え 東京・としまえんの車両を引き継ぐ - 東日本放送
  26. ^ “銀河鉄道モチーフ 東北最古のコースター引退へ”. 東京新聞. 河北新報 (中日新聞東京本社): p. 21. (2022年10月31日) 
  27. ^ 「ミニサイクロン」車両 - べに~らんどの園長ブログ
  28. ^ ハートマークの「ダックス」 - べに~らんどの園長ブログ
  29. ^ 八木山の開発初めは「神社」から 越路山神社 と 越路神社 - 八木山放送局Net(東北記録映画社 SeeSaaブログ)
  30. ^ 在りし日のベニータワー - べに~らんどの園長ブログ
  31. ^ スカイジェットの復活に向けて - べに~らんどの園長ブログ
  32. ^ 「アストロライナー」のイス - べに~らんどの園長ブログ
  33. ^ 「3D立体時空館」引退です - べに~らんどの園長ブログ
  34. ^ a b c 開園以来の『ジェットコースター』、今年11月に引退へ - 八木山ベニーランド
  35. ^ a b c d ジェットコースター引退 八木山ベニーランド 来月14日ラストラン 東北最古愛されて54年 - 読売新聞2022年10月25日
  36. ^ a b c d 「ゆっくり 愛された 最高時速50キロ 「東北最古のコースター」14日引退」 福岡龍一郎 朝日新聞 2022年11月7日夕刊 第4版 第1面

関連項目 編集

外部リンク 編集