TikTok(ティックトック、中国語: 抖音短視頻抖音) は中華人民共和国ByteDance社が開発運営しているモバイル向けショートビデオプラットフォームである。

TikTok
Tik Tok wordmark.png
開発元 ByteDance
初版 2016年9月
対応OS iOSAndroid
ライセンス フリーウェア
公式サイト www.tiktok.com
www.douyin.com(中国版)
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TikTok
各種表記
繁体字 抖音短視頻
簡体字 抖音短视频
拼音 Dǒuyīnduǎnshìpín
ラテン字 Douyin
発音: ドウインドゥアンシューピン
日本語読み: ティックトック
英文 TikTok
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音符(♪)状のロゴは、「抖音」の拼音表記「Dǒuyīn」の頭文字「D」に由来する。また、中国語名の「抖音短視頻」のうち「抖音」はビブラート、「短視頻」はショートビデオという意味である。

特徴

使用方法

アプリでは音楽クリップの視聴のみならず、短い動画クリップの撮影および編集、さらに動画クリップへの特殊効果の追加が可能となっている。

BGMをリストから選択し(BGMリストにはヒップホップテクノなど多種多様なジャンルの楽曲が収録)、撮影した動画にBGMを組み合わせて編集することで、オリジナルの動画が作成できる(撮影時間は最大60秒)。

作成した動画はTikTok上に公開することができ、また動画を端末内に保存することも可能である(簡単な動画編集アプリとしても使える仕様になっている)。

また、アプリがインストールされていない環境や、アプリがリリースされていないWindows・Macなどのパソコン環境でも、各動画に付与されるURLにアクセスすることでブラウザから投稿された動画を視聴・ダウンロードする事が可能な仕様となっているが、2019年1月現在、ブラウザからは投稿された動画の視聴・ダウンロードなどの一部の機能のみ利用可能であり、投稿機能などはない。

安全性

ユーザーはアカウントを個人アカウントに設定すると、ユーザーが許可した相手にしかその内容を閲覧できないようになる。不適切な内容の動画を投稿した場合、運営によって動画が削除される。また、その他にも規約違反を行った場合はアカウントが凍結される[1]

青少年保護措置

不適切な内容の通報、承認したユーザーのみが閲覧または特定のユーザーをブロック、アカウントの非公開設定ができる。

危険性がある動画や、適切でない可能性がある動画を機械的検出ならびに人的確認の上、危険性があると判断された場合に「動画を視聴する上での注意喚起文」が表示される。

技術

人工知能を使用してユーザーの興味や好みを分析し、各ユーザーにパーソナライズされたコンテンツフィードを表示している。

歴史

musical.lyと合併

2017年11月9日、TikTokの親会社であるByteDanceは、米国の10代をターゲットにした人気のソーシャルメディアプラットフォームを所有するmusical.lyを買収。買収額は最大で10億ドルを費やした。 だが、その際に米国政府の承認を得ていなかったと、2019年11月2日に報道された。

2018年8月2日、TikTokがmusical.lyと正式に合併。既存のアカウントとデータを1つのアプリに統合し、大規模なビデオコミュニティとなった。 統合に伴い、アプリ名も「TikTok」で統一された。また、musical.ly、TikTokでそれぞれ人気の高かった機能が盛り込まれ、新機能も追加された[2]。musical.lyの共同創業者で現在はTikTokのシニアバイスプレジデントであるAlex Zhuは「musical.ly とTikTokは、誰もがクリエイターになれるようにする共通のビジョンを持っており、統合されることは自然な流れです」とコメントしている[2]

提携・協力

TikTokと華納音楽グループ、環球音楽グループ、日本の音楽版権管理団体JASRACと提携関係を結んだ。[3]

2018年10月19日Avexは、TikTokの親会社Bytedanceと提携すると発表した。[4]

他市場への拡大

2018年現在、150か国以上・75の言語で利用が可能。

日本では2018年、10, 20代の若年層を中心に大きな流行を見せ[5]、2018年の新語・流行語大賞で「TikTok」がノミネートされたり[6]、JC・JK流行語大賞2018で「TikTok」がアプリ部門1位、配信者を指す「TikToker」がコトバ部門4位に選ばれたりした[7]。 また、日本のApp Storeで配信されている無料アプリの2018年のダウンロード数ランキングでLINEGoogle マップなどの代表的なアプリを抑え、TikTokが1位となった[8]

若年層以外への訴求のため、2018年夏以降CMも積極的に展開している[9]。 有名人を起用し、露出を増加させることに成功させた[9]。 ドラマ『獣になれない私たち』ではスポンサーに付き、劇中の登場人物がTikTokを利用するテレビCMを放送した[10]。 『第69回NHK紅白歌合戦』ではいきものがかりが「じょいふる」を歌唱するステージで、コラボキャンペーンに参加した一般ユーザーが投稿した動画の一部をステージ演出に取り入れる試みが行われた[11]。 2019年夏にはダンス動画に限らず様々な動画が投稿されていることをアピールするためのCMを打ち出し、ユーザー層を広げた[9]

ユーザーデータ

2018年6月、TikTokは世界中で5億人のアクティブユーザに到達。

2018年には、ダウンロード数が推定1億400万ダウンロードを記録し、世界的に人気が高いPUBG MobileYouTube、WhatsApp、Instagramの同時ダウンロード数を上回った。

年表

  • 2016年9月 - サービス開始。
  • 2017年1月 - Toutiaoグループから数百万元の投資を受ける。
  • 2017年8月 - 日本市場でのサービス提供を開始[12]
  • 2017年9月 - インドネシア市場に参入。
  • 2017年11月 - Bytedanceが、同じく中国製の短編動画共有コミュニティサイトのMusical.lyを買収する。
  • 2018年1月23日 - タイのApp Storeで無料のモバイルアプリのうちNo.1ダウンロードを獲得する。
  • 2018年2月 - 音楽を収益化するためにModern Skyと提携する。
  • 2018年8月2日 - musical.lyと統合される。名称は「TikTok」で統一され、両方のアプリユーザーは1つのプラットフォームで動画投稿を続けることができるようになっている。
  • 2018年10月1日 - ソフトバンク、米投資ファンドKKR、同じく米国のジェネラル・アトランティックなどの企業が、Bytedanceへの出資を表明[13]

検閲

2019年9月、チベット独立天安門事件法輪功に関する投稿についてはアプリのモデレータが常に検閲していることを、ガーディアンが報じた[14]

2019年11月、アフガニスタンアメリカ人の少女がまつげをカーリングする動画の途中に、中国共産党によるウイグル人弾圧を批判したため、アカウントが削除された。その後米国TikTokの安全問題責任者は「人為的ミスだった」と釈明・謝罪し、アカウントも復活した[15]

社会問題

注目を集めるために公共の場で動画を撮影する、撮影目的で大音量の音楽を鳴らす、店の許可なしに勝手に動画を撮影して迷惑をかけるなどのケースが存在する。

また、個人情報となる素顔や自宅付近の映像などから住所や個人が特定されてストーカーに発展したり、自身の顔が映った動画がYouTubeなどの動画配信サイトに無断転載されるなど、様々な社会問題の発生が危惧されている。実際に、海外ではTikTokの使用に起因するトラブルが多発している。

中華人民共和国の事例

2018年5月6日、中国の重慶市で、列車の屋根に乗り動画を撮影していた男性が、高圧線に触れ感電死する事故が発生した。

男性が電車の屋根に乗っていた理由について、「TikTokに投稿する動画を撮るため」と報道され物議を醸したが、その後男性の恋人がTikTokへの投稿目的での動画撮影を否定した。

しかし、中国のネット上では女性の供述を疑問視する声や、アクセス数目的の過激な行為への批判的な意見が相次いでいる[16]

インドネシアの事例

2018年7月3日から、インドネシア政府は一般市民へのポルノや冒涜などの違法コンテンツの蔓延を懸念し、一時的にアプリをブロックした。

その後、Bytedanceが不適切なコンテンツの削除、政府の連絡窓口の開設、年齢制限とセキュリティーメカニズムの導入などの対策を実施したため、1週間後にはブロックが解除された[17]

日本の事例

日本では、一部ユーザーの迷惑行為が問題視されるようになっている。

公共の場であるにもかかわらず、大音量で音楽を流したり大騒ぎする様子を撮影しているユーザーに対して苦言を呈する意見が出ているほか、人気アーティストのコンサートにおいて、ステージの様子を撮影し投稿する盗撮行為について問題視する意見が挙がっている[18]。また、いじめ、スーパーやコンビニなどで購入する前の飲料水を飲む[19]、公共の場の物を破壊する、線路の上や道路の中心などに降りてダンスをするなどの犯罪に当たる行為が撮影された動画が投稿され、問題視されており、アプリのサービスを中止すべきという意見が広がっている。職務質問の際にダンス等で警察官を挑発する動画が投稿されており、公務執行妨害威力業務妨害に当たるのではないか、という意見が上がっている[20]。2019年7月17日、TikTokに投稿されていた児童ポルノを拡散した高校生と大学生9人が書類送検された[21][22]

インドの事例

2019年4月6日、インド南部タミル・ナードゥ州都チェンナイの高等裁判所は、インド中央政府に対しTikTokのダウンロードを禁止するよう命じた。裁判所は、アプリがポルノを助長し、青少年の精神の健全性を損なうと裁定した。

裁判所の暫定命令は、チェンナイを拠点とする弁護士Muthu Kumarの申し立てによるもので、他にも同命令では、TikTok経由で共有されたビデオを放送しないよう現地メディアに要請している。

2月にもタミル・ナードゥ州政府の情報技術代表が、中央政府宛ての書簡にて、TikTokが「文化的な劣化」を促し、ネット上のいじめ、児童ポルノの温床となっていると主張し、アプリの禁止を求めていた。

報道を受けて、Bytedanceは「裁判所からの正式な命令を待って、内部調査の後に対応する」とのコメントを発表した。また、アプリの運用方針について「現地の法的規則を順守する」と述べている[23]

アメリカ合衆国の事例

13歳未満のユーザーの割合が高いことを把握しながらも、ユーザーの個人情報を収集するだけでなく、プロフィールを公開状態にしており、さらに2016年10月までユーザーの居所までわかる状態となっていた。この状況をFTC(連邦取引委員会)が問題視し、COPPA(Children's Online Privacy Protection Act:児童オンラインプライバシー保護法)に違反すると指摘した。FTCによれば数千件の苦情が寄せられていたにもかかわらず、Bytedanceは必要な対応を講じていなかったとされる。

その後、ユーザーの年齢制限が導入され、13歳未満の子供は他のユーザーのフォローのみを可能とし、自分から動画の投稿やシェアを行うことは不可能となった。また、ユーザーに安全な使用方法を指導する動画も公開した。

2019年2月、FTCとBytedanceとの間で和解が成立し、和解条件として同社に罰金570万ドル(約6億3000万円)の支払いが命じられた[24]

脚注

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  1. ^ An anxious parent's guide to the weird, dark teenage world of TikTok”. Telegraph.co.uk. 2019年2月11日閲覧。
  2. ^ a b 「TikTok」と「musical.ly」が統合、世界No.1のショートビデオプラットフォームを目指す”. 2018年8月5日閲覧。
  3. ^ Douyin joins Apple Music partnership program”. Shanghai Daily. 2018年8月31日閲覧。
  4. ^ エイベックスがTikTokと国内レーベルでは初の包括契約 その狙いとは?”. BuzzFeed. 2018年10月19日閲覧。
  5. ^ 佐野正弘 (2019年7月29日). “「TikTok」は若者向けのイメージから脱却できるか?”. 日経 xTECH. 日経BP. 2019年12月18日閲覧。
  6. ^ 流行語大賞候補に「eスポーツ」「仮想通貨」「TikTok」”. ITmedia. アイティメディア (2018年11月7日). 2019年12月18日閲覧。
  7. ^ JC・JK流行語大賞2018&2019トレンド予測を発表「タピる」「TikToker」「ASMR」がランクイン!”. AMF (2018年11月30日). 2019年12月18日閲覧。
  8. ^ 田沢梓門 (2018年12月6日). “Appleが選ぶ今年のアプリや曲「Best of 2018」発表。年間ランキングはTikTokが首位に”. Engadget 日本版. Oath Japan. 2019年12月18日閲覧。
  9. ^ a b c 若者の“TikTok離れ”加速? 変革期を迎えた『TikTok』、全世代を取り込むことができるのか”. ORICON NEWS. oricon ME (2019年9月6日). 2019年12月18日閲覧。
  10. ^ “TikTok俳優”犬飼貴丈が登場! 伊藤沙莉も出演する『けもなれ』×TikTokコラボCMが話題に”. リアルサウンド テック. blueprint (2018年10月24日). 2019年12月18日閲覧。
  11. ^ 倉又俊夫「2018年のテレビとインターネットの動き」『インターネット白書2019』インターネット白書編集委員会、インプレスR&D、2019年。ISBN 978-4-8443-9686-4
  12. ^ ソフトバンクファンド、動画アプリTikTokに出資”. Nikkei. 2018年11月6日閲覧。
  13. ^ ソフトバンクが中国Tik Tokに出資、企業価値は「ウーバー以上」か”. Forbes JAPAN (2018年10月1日). 2018年12月14日閲覧。
  14. ^ editor, Alex Hern Technology (2019年9月25日). “Revealed: how TikTok censors videos that do not please Beijing” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/technology/2019/sep/25/revealed-how-tiktok-censors-videos-that-do-not-please-beijing 2019年12月4日閲覧。 
  15. ^ TikTok美容動画に忍ばせた中国批判、運営元があっさり謝罪した理由” (日本語). Newsweek日本版 (2019年12月2日). 2019年12月4日閲覧。
  16. ^ “【動画】男性が列車で感電死、「TikTokを撮るため」と物議に”. Record China. (2018年5月10日). https://www.recordchina.co.jp/b599425-s0-c30-d0035.html 2018年10月2日閲覧。 
  17. ^ Indonesia overturns ban on Tik Tok after video streaming service agrees to increase security controls”. South China Morning Post (2018年7月11日). 2018年7月11日閲覧。
  18. ^ 人気のTik Tok「大騒ぎして撮影」「ライブを盗撮」の迷惑行為に苦言多数” (日本語). Standby (2018年8月1日). 2018年10月2日閲覧。
  19. ^ 万引きを疑わせる動画、高校生がTikTokに投稿 高知” (日本語). 毎日新聞 (2018年12月6日). 2019年8月24日閲覧。
  20. ^ 警官をおチョくる「挑発動画」 日本の警官は黙っているが、米国で同じことをした若者は...” (日本語). J-CASTニュース (2019年7月2日). 2019年8月24日閲覧。
  21. ^ TikTokのわいせつ動画を投稿容疑 9人を書類送検:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2019年7月23日閲覧。
  22. ^ 児童ポルノ拡散で9人書類送検=少女が「TikTok」投稿-愛知県警:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2019年7月23日閲覧。
  23. ^ “「TikTokはポルノを助長する」インド裁判所、ダウンロード禁止を政府に暫定命令”. 大紀元日本版. (2019年4月6日). https://www.epochtimes.jp/2019/04/41789.html 2019年4月7日閲覧。 
  24. ^ “TikTokに罰金約6億3000万円。13歳未満の子供のプライバシー侵害、米連邦取引委員会と和解”. Engadget 日本版. (2019年2月28日). https://japanese.engadget.com/2019/02/28/tiktok-6-3000-13/ 2019年3月30日閲覧。 

関連項目

外部リンク