札幌大橋
札幌大橋(さっぽろおおはし)は、札幌市北区 - 石狩郡当別町間にある石狩川に架かる国道337号道央圏連絡道路当別バイパスの橋梁約980 m(メートル)の桁橋。
札幌大橋 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 札幌市北区篠路町拓北 - 石狩郡当別町ビトエ |
交差物件 | 石狩川 |
用途 | 道路橋 |
路線名 | 国道337号道央圏連絡道路当別バイパス |
管理者 | 国土交通省北海道開発局札幌開発建設部 |
施工者 |
IHI・横河・三重・宮地JV、釧路・櫻田・函館JV、東骨・駒井・楢崎JV、日橋・三井JV(1期橋) 日立、IIS・川田JV(2期橋) |
開通 |
1988年(昭和63年)8月10日(1期橋) 2016年(平成28年)1月15日(2期橋) |
座標 | 北緯43度10分23.5秒 東経141度25分14.2秒 / 北緯43.173194度 東経141.420611度 |
構造諸元 | |
形式 | 桁橋 |
材料 | 鋼 |
全長 |
985.300 m(1期橋) 982.500 m(2期橋) |
幅 |
13.000 m(1期橋) 10.450 m(2期橋) |
最大支間長 | 150.000 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
概要
編集石狩川河口から2番目の橋であり、下流には石狩河口橋が、上流には札沼線の石狩川橋梁、新石狩大橋が架かっている。
当別側にある石の親柱は、かつて石狩川で用いられていた丸木舟を長さ9.85 mで模したものである。
もとは2車線の橋が1本であったものを[3]、2011年度(平成23年度)より下流に新橋を建設、現橋に並列して4車線化することとなり[4]、2016年(平成28年)1月15日に4車線での供用を開始した[5]。
1988年(昭和63年)完成の1期橋では当時の最先端技術を採用し、主橋梁部は支間長150 mを箱桁を採用している。これは当時の桁橋として日本最大支間であった。また、側橋梁には鋼床版2主鈑桁が採用された。これは鋼床版箱桁より経済的でRC床版鈑桁より長支間に適用可能な当時の新工法であり軽量化による基礎工の合理化にも寄与していた。一方で鋼床版2主鈑桁は軽量化による剛性低下のため舗装のクラックが頻発する問題があった[6]。
2期橋ではこれらの反省を踏まえた形式選定がなされた。河川内橋梁のため支間割は1期橋に揃えたが耐震性向上のためなるべく連続化を図ることとして4+5+3径間連続桁とすることになった。このうち中央部5径間連続桁では最大支間が150 mあるため、(P6 - P9)の3径間では箱桁を採用し短支間の側径間(P4 - P6)には鈑桁を採用してそれぞれ異種構造の連続化を図った。床版形式は合成床版の採用が進んでおり、2003年(平成15年)の石間釣浜橋で最大支間147 mの実績があることから検討を行い経済性に優れることから全面的に採用された。鈑桁部に3主桁として剛性 ・維持管理性が向上された[6]。
諸元
編集1期橋
編集- 橋格 - 1等橋 (TL-20)
- 種別 - 鋼道路橋
- 形式 - 鋼3径間連続2主鈑桁橋 + 鋼3径間連続箱桁橋 + 鋼3径間連続2主鈑桁橋2連
- 橋長 - 985.300 m
- 支間割 - ( 3×72.300 m ) + ( 90.000 m + 150.000 m + 90.000 m ) + 2× ( 3×72.300 m )
- 幅員
- 総幅員 - 13.000 m
- 有効幅員 - 11.750 m
- 車道 - 9.250 m
- 歩道 - 片側2.500 m
- 総鋼重 - 4 877.400 t
- 床版 - 鋼床版
- 施工 - 石川島播磨重工業[注釈 1]・横河橋梁製作所[注釈 2]・三菱重工業[注釈 3]・宮地鐵工所[注釈 4]JV、釧路製作所・櫻田機械工業[注釈 5]・函館どつくJV、東京鐡骨橋梁製作所[注釈 6]・駒井鉄工[注釈 7]・楢崎製作所JV、日本橋梁・三井造船[注釈 8]JV
- 架設工法 - トラッククレーンベント工法・フローティングクレーン工法
2期橋
編集- 活荷重 - B活荷重
- 種別 - 鋼道路橋
- 形式 - 鋼4径間連続3主鈑桁橋(RA橋)+ 鋼5径間連続3主鈑桁1主箱桁橋(RB橋)+ 鋼3径間連続3主鈑桁(RC橋)
- 橋長 - 982.500 m
- 支間割 - ( 72.700 m + 72.500 m + 68.500 m + 72.000 m ) + ( 71.000 m + 73.000 m + 90.500 m + 150.000 m + 89.600 m ) + ( 72.000 m + 72.500 m + 72.800 m )
- 幅員
- 総幅員 - 10.450 m
- 有効幅員 - 9.250 m
- 車道 - 9.250 m
- 歩道 - なし
- 床版 - 合成床版
- 施工 - 日立造船(RA橋)、IHIインフラシステム・川田工業JV(RB橋・RC橋)
- 架設工法 - トラッククレーンベント工法(RA橋)、トラベラクレーンベント工法(RB橋)、クローラークレーンベント工法(RC橋)
歴史
編集接続する道路
編集- 北海道道112号札幌当別線
- 橋の上では国道337号との重複区間となっており、橋の両端で国道337号と分かれる。
脚注
編集注釈
編集- ^ 現・IHI。橋梁部門はIHIインフラシステム。
- ^ 現・横河ブリッジ
- ^ 橋梁部門は現・エム・エムブリッジ
- ^ 現・宮地エンジニアリング
- ^ 後のサクラダ
- ^ 現・日本ファブテック
- ^ 現・駒井ハルテック
- ^ 現・三井E&Sホールディングス。橋梁部門は現・三井住友建設鉄構エンジニアリング。
出典
編集- ^ “一般国道337号 当別バイパス 再評価原案準備書説明資料 平成24年度” (PDF). 北海道開発局. 2014年10月30日閲覧。
- ^ “道央圏連絡道路(一般国道337号)” (PDF). 札幌開発建設部. 2014年10月30日閲覧。
- ^ “近接施工による影響を考慮した鋼管矢板基礎の設計施工 〜一般国道337号 札幌大橋(R橋)〜” (PDF). 月刊建設. 一般社団法人 全日本建設技術協会 (2013年10月). 2014年10月30日閲覧。
- ^ “札幌開建が337号道央圏連絡道路に2割増の51億円投入へ”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2012年4月26日). オリジナルの2016年3月5日時点におけるアーカイブ。 2014年10月30日閲覧。
- ^ a b “国道337号当別バイパス全線15.4kmが4車線化になります ~ 交通渋滞の緩和や物流流通利便性の向上が期待されます~”. 北海道開発局 (2016年1月8日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ a b c d 秋山隆、住岡栄悦、濱下和久. “長大橋における異種構造の連続化と経済的な支間割による合理化橋梁 一般国道337号当別町札幌大橋” (PDF). 寒地土木研究所. 札幌開発建設部. 2022年1月14日閲覧。
- ^ “橋梁年鑑 平成元年版” (PDF). 日本橋梁建設協会. pp. 8, 9, 180, 181. 2021年1月13日閲覧。
- ^ 愛敬浩明、芦田直樹、佐々木秀智「札幌大橋の製作・架設〜トラベラークレーンを用いた張出し架設について〜」(PDF)『川田技報』第35巻、川田工業、2016年、ISSN 21850291、NCID AN00359897、2022年1月14日閲覧。
- ^ “橋梁年鑑 平成27年版” (PDF). 日本橋梁建設協会. p. 140. 2022年1月14日閲覧。
- ^ “橋梁年鑑 平成28年版” (PDF). 日本橋梁建設協会. pp. 100, 104. 2022年1月14日閲覧。
- ^ “札幌大橋 待望の開通 関係市町村の100人お祝い”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1988年8月11日)
関連項目
編集外部リンク
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