松阪熊野線(まつさかくまのせん)は、三重県中勢地域と東紀州地域とを結ぶ三重交通の一般バス路線である。愛称は熊野古道ライン(くまのこどうライン)。運行距離はおよそ134.8kmで、本州では奈良交通八木新宮線に次ぐ2番目に長い路線バスである[1]

前身の南紀特急バス(なんきとっきゅうバス)[1]は、JR紀勢本線の補完的役割や近鉄特急の培養的役割を担い、三交グループ三重急行自動車共同運行を行っていた。

沿革編集

  • 1970年(昭和45年)10月1日:営業開始 (近鉄松阪駅前 - 国鉄勝浦駅前[1]
  • 1996年(平成8年)4月:三重急行と共同運行開始
  • 2006年(平成18年)7月20日:松阪-熊野ルートの一部路線を津-熊野ルート(高速経由)に変更
  • 2007年(平成19年)2月10日:松阪-尾鷲ルートを熊野古道センターへ延長[2]
  • 2015年(平成27年)11月2日:松阪-熊野ルートを短縮して松阪-尾鷲ルートに統合。尾鷲-熊野間は快速バスとして代替。詳細は当該項を参照。
  • 2017年(平成29年)3月31日:津-熊野ルートの運行終了
  • 2018年(平成30年)9月30日:松阪-尾鷲ルート・尾鷲-熊野間の快速バスの運行終了。翌日より三重交通単独運行で松阪熊野線(松阪中央病院‐松阪駅前‐三交南紀)を新設。系統番号は56[3]

運行区間・本数編集

停留所は全部で119か所あり、県内7市町を通過する[1][4]。おおむね国道42号に沿っているが、大台厚生病院では構内に進入するなど一部外れる区間がある[1]。以下の停車停留所は一部のみ表記している[5]。☆の停留所で休憩が行われる[6]

松阪中央病院 - 松阪駅前 - 多気町(役場前) - 栃原 - 大台町 - 滝原宮前 - 大内山 - 紀北町役場前 - 海山バスセンター(国道相賀) - 尾鷲市病院前 - 尾鷲市役所前 - 瀬木山 - 熊野古道センター - 熊野市駅前 - 三交南紀

平日・休日とも1日4往復運行[6]。松阪発は始発・終発が松阪駅前起点、熊野発は3便目と終発が松阪駅終点となる[6]

営業キロは134.8kmで、本州2位、日本国内5位の長さである[1]。全線乗ると約4時間かかる[1]。なお三重交通の熊野新宮線に乗り継げば、日本一長い奈良交通の八木新宮線と接続することができるが、時刻表の都合上、1日で乗り継ぐことはできない[1]

車両編集

運行車両は、この路線のために導入したいすゞ・エルガ ハイブリッドで3台保有する[1]ハイバックシートで、カップホルダーや網ポケットを備え、一部の座席にはUSBポートもある[1]。車内ではWi-Fiが利用できる[1][4]

南紀特急バス編集

松阪-尾鷲ルート(2018年9月30日で運行終了)編集

松阪中央病院 - 松阪駅前 - 多気町(役場前) - 栃原 - 大台町 - 滝原宮前 - 大紀町(役場前) - 柏崎 - 大内山 - 梅ヶ谷 - 紀伊長島 - 海山バスセンター - 尾鷲市病院前 - 尾鷲駅口 - 尾鷲せぎやまホール前 - 熊野古道センター

  • 運行本数は熊野古道センター発着が1日4往復、せぎやまホール発着が1日2往復であった[1]
  • 地域間幹線系統として、国・三重県・自治体の補助を受けて運行していた[7]
  • 開業当初は松阪-尾鷲ルートは松阪-熊野市ルートとして瀬木山からさらに大又大久保を経由して三交南紀まで運行されていたが、同区間は2015年11月2日のダイヤ改正で廃止された。なお、瀬木山-三交南紀間は運行終了まで1日2往復快速として運行し、特急バスの車両がそのまま直通していた。
  • 三重交通運行便は海山バスセンター(三交海山)で乗務員を交替していた。

津-熊野ルート(2017年3月31日で運行終了)編集

三重大学病院 - 津駅前 - 県庁前(国道23号線沿) - 三重会館 - (津IC) - (伊勢自動車道) - (勢和多気JCT) - (紀勢自動車道) - (大宮大台IC) - 滝原宮前 - 大紀町(役場前) - 柏崎 - 大内山 - 梅ヶ谷 - 紀伊長島 - 紀北町海山 - 海山バスセンター - 尾鷲市病院前 - (熊野尾鷲道路) - 鬼ヶ城東口 - 熊野市駅前 - 三交南紀

  • 三重大学病院 - 三重会館のみの利用はできなかった。

運行本数・運行会社編集

  • 松阪-尾鷲ルート:1日6往復(三重交通4往復、三重急行2往復)
  • 津-熊野ルート:1日1往復(三重交通/2017年3月31日で運行終了)

利用について編集

  • 予約は不要であるが、満席の場合は利用できなかった。
  • 津・松阪-南紀主要停留所間の往復割引乗車券があった。事前購入が必要で有効期間は10日間。

特急バスの車両編集

原則として名古屋・栄-桑名高速線から転用された化粧室なし高速バス車両(4列シート55人乗り又は60人乗り)が充当されていた。

1980年代後半は、A特急車と同じ外観で前後10列とシートピッチを広く取り、TVモニター・フットレストを装備した乗客定員50名乗りのハイデッカー車13台が導入され、その後1990年代には新型車両が導入されたJR東海の特急『南紀』に対抗すべく、夜行高速バス並みの装備を施し、定員34名とさらにシートピッチを広くとった化粧室・飲み物サービスつきの専用車両15台で運行されていた。

新造車投入に伴い捻出された旧専用車は、経年が浅いため桑名四日市上野の各営業所へ転属して他のA特急車と共通使用されたが、後に座席増設改造・TVモニターとフットレスト撤去が全車に施工された。また桑名に転属した車両の一部は、車輌更新に合せて塗色も一新した上志摩へ転属して、志摩スペイン村開業に合わせた関連路線に投入された。

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 須田浩司 (2019年2月6日). “運行距離が本州第2位の路線バス「松阪熊野線(熊野古道ライン)」乗車記! 松阪から世界遺産の地・熊野へ”. バスとりっぷ by バス比較なび. 株式会社LCL. 2021年2月6日閲覧。
  2. ^ 「松阪市内から路線バス直行 毎日6往復」朝日新聞2007年2月11日付朝刊、三重版21ページ
  3. ^ 56松阪熊野線”. 乗換案内NEXT. ジョルダン. 2021年2月6日閲覧。
  4. ^ a b 山本萌"「松阪熊野線」の運行開始 路線バス「南紀特急線」南に延伸 観光客利用促進へ"毎日新聞2018年10月11日付朝刊、三重版18ページ
  5. ^ 運行ルート・停留所”. 三重交通. 2021年2月6日閲覧。
  6. ^ a b c 松阪熊野(熊野古道ライン)”. 三重交通 (2019年10月). 2021年2月6日閲覧。
  7. ^ 「平成27年度地域間幹線系統確保維持補助金の交付路線」 (PDF)

外部リンク編集