福井県立恐竜博物館

福井県立恐竜博物館 (ふくいけんりつきょうりゅうはくぶつかん、: Fukui Prefectural Dinosaur Museum、略: FPDM) は、福井県勝山市村岡町の長尾山総合公園(かつやま恐竜の森)内にある、恐竜を主たるテーマとした自然史博物館である。カナダロイヤル・ティレル古生物学博物館中国自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館と称され[3]日本における恐竜博物館の代表格である。

Japanese Map symbol (Museum) w.svg 福井県立恐竜博物館
Fukui Prefectural Dinosaur Museum (FPDM)
福井県立恐竜博物館
博物館の外観(2006年11月25日撮影)
福井県立恐竜博物館の位置(福井県内)
福井県立恐竜博物館
福井県内の位置
施設情報
正式名称 福井県立恐竜博物館
前身 福井県立博物館
専門分野 恐竜自然史
収蔵作品数 約4万1千点
来館者数 931,422人(2015年度、野外恐竜博物館を含む)[1]
館長 竹内利寿
研究職員 26名(2016年4月1日現在)[2]
事業主体 福井県
建物設計 黒川紀章建築都市設計事務所
延床面積 15,000m2(2015年現在)[2]
開館 2000年(平成12年)7月14日
所在地 911-8601
日本の旗 日本
福井県勝山市村岡町寺尾51-11
位置 北緯36度4分59秒 東経136度30分24秒 / 北緯36.08306度 東経136.50667度 / 36.08306; 136.50667座標: 北緯36度4分59秒 東経136度30分24秒 / 北緯36.08306度 東経136.50667度 / 36.08306; 136.50667
公式サイト http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
プロジェクト:GLAM

博物館に程近い勝山市北谷町の手取層群北谷層英語版(下部白亜系)からは、恐竜のほか、ワニカメ魚類、淡水生貝類、陸生植物などの化石が産出している[4]。この化石発掘現場は、2014年7月から野外恐竜博物館の一部として、見学することができる。2009年10月に、勝山市全域が恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークとして日本ジオパークに認定された[5]。2017年2月には、勝山で発見された5種の新種の恐竜の化石標本とその発掘現場が「学術上重要な標本とその産地として貴重である」と認められ、「勝山恐竜化石群及び産地」として国の天然記念物地質・鉱物)に指定された[6]

目次

概要編集

館内の展示部門は、大きく3つのゾーンに分かれている。長径84メートル、短径55メートル、広さ4500平方メートル、天井の高さ約37メートルのドーム型の巨大な無柱空間である常設展示室(恐竜ホール)には、「恐竜の世界」ゾーンと題して、40体以上の恐竜の全身骨格が展示されている。この中には、福井県で発掘されたフクイサウルスフクイラプトルの2体の恐竜復元骨格もある[7]。このほか、「地球の科学」ゾーンでは、地球科学の歴史や、陸域と海の堆積物とそれらに埋積された化石地球を構成する岩石鉱物などを展示している。「生命の歴史」ゾーンには、46億年の長い地球の歴史の中で、生命に現れ、その後脊椎動物が誕生し、陸上に進出した脊椎動物と植物が関わりを持った歴史などが、ジオラマを通して、時間の流れに沿って展示されている。毎年のように化石の発掘作業とクリーニング作業が継続して行われており、その様子は野外恐竜博物館と化石クリーニング室で、一部見学することができる。2013年7月に設立されたアジア恐竜協会の事務局が博物館内に置かれている[8]

また、地域の学校向けに、恐竜授業をはじめとする学校教育支援プログラムも提供しており[9]、教育に対しても熱心な博物館といえる。2013年4月には福井県立大学の附属機関として恐竜学研究所が永平寺町に開設され[10]、福井県立恐竜博物館の研究員らが中心となって、博物館と連携しながら、国際的な学術研究・教育活動や人材交流を推進している。

沿革編集

1982年(昭和57年)に勝山市北谷の杉山川流域で、中生代白亜紀前期のワニ類の全身骨格化石が発見された事が発端となり、1988年(昭和63年)に同地で福井県立博物館職員による予備調査が実施され、小型肉食恐竜の歯化石が発見された[11]。博物館施設としては、当館の前身である福井県立博物館が、自然、歴史、民俗、産業に関する展示などを行う総合博物館として、1984年(昭和59年)に福井市に開館した。その後、2000年に自然科学分野に関する展示が勝山市に新規開館した福井県立恐竜博物館へと移管された。

年表編集

  • 1984年(昭和59年)4月 - 福井県福井市に、当館の前身である福井県立博物館(現在の福井県立歴史博物館)が開館。
  • 1989年(平成元年)4月 - 1993年(平成5年)までの5カ年計画で、第一次福井県恐竜化石発掘調査を実施[12]
  • 1995年(平成7年)4月 - 1999年(平成11年)までの5カ年計画で、第二次福井県恐竜化石発掘調査を実施[12]
  • 1996年(平成8年)4月 - 福井県教育委員会文化課に恐竜博物館建設準備グループが設置される[11]
  • 1996年(平成8年)12月 - 恐竜博物館(仮称)建設準備委員会が設置される[11]
  • 1998年(平成10年)7月 - 恐竜博物館(仮称)起工式を挙行[11]
  • 2000年(平成12年)6月 - 恐竜博物館(仮称)が竣工[11]
  • 2000年(平成12年)7月14日 - 福井県勝山市に福井県立恐竜博物館が開館[11]
  • 2007年(平成19年)7月 - 2010年(平成22年)までの4カ年計画で、第三次福井県恐竜化石発掘調査を実施[12]
  • 2013年(平成25年)7月 - 館内にアジア恐竜協会の事務局を設置[8]
  • 2013年(平成25年)7月 - 2017年(平成29年)までの5カ年計画で、第四次福井県恐竜化石発掘調査を実施[12]
  • 2014年(平成26年)7月19日 - 勝山市北谷の恐竜化石発掘現場近くに野外恐竜博物館がオープン[11]

建築概要編集

 
館内のエスカレーターと階段

データは福井県立恐竜博物館による[13]

  • 所在地:福井県勝山市村岡町寺尾51-11
  • 設計:黒川紀章
  • 起工:1998年(平成10年)7月
  • 竣工:2000年(平成12年)6月
  • 敷地面積:約30,000m2
  • 延床面積:約15,000m2
  • 構造・規格:鉄筋コンクリート造 地上3階・地下1階、常設展示室(恐竜ホール)の寸法は、高さ約37m、長径84m、短径55m、エスカレーターの長さは約33m
  • 総事業費:建築工事費が91億5000万円、展示工事費が31億円、その他の費用を合わせて総額約140億円

姉妹提携編集

学術研究や教育普及活動、資料収集、さらには展示・収蔵品の貸借等の相互交流を目的として、以下に示した複数の研究機関と姉妹提携を結んでいる[14]。(カッコ内は締結年月日)

特別展編集

括弧内は開催期間、開催日数、入場者数[15]

2000年代編集

2001年
  • 開館1周年記念特別展「ロイヤル・ティレル古生物学博物館の恐竜たち」(2001年7月7日 - 2001年10月31日、101日間、約105,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2002年
  • 「眠りからさめた福井の恐竜たち 福井県恐竜化石調査成果と収蔵庫の化石」(2002年7月20日 - 2002年9月1日、44日間、約77,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2003年
  • 「オーロラをみた恐竜たち ―北極・南極圏の恐竜とアジアの仲間たち―」(2003年7月19日 - 2003年9月15日、53日間、約76,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2004年
  • 「中国大陸の6億年 ~恐竜の里、浙江省の化石たち~」(2004年7月10日 - 2004年9月26日、76日間、約80,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2005年
  • 「福井の恐竜と化石の世界 ~若狭に恐竜たちがやってきた!!~」(2005年4月29日 - 2005年5月15日、17日間)
福井県立若狭歴史民俗資料館で開催。
  • 開館5周年記念「大空に羽ばたいた恐竜たち展」(2005年7月15日 - 2005年11月3日、108日間、約76,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2006年
  • 「恐竜以前 ―エディアカラの不思議な生き物たち―」(2006年7月14日 - 2006年10月9日、86日間、約86,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2007年
  • 「クジラが陸を歩いていた頃 ―恐竜絶滅後の王者」(2007年7月13日 - 2007年10月8日、88日間、約127,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2008年
  • 「K/T ―絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち―」(2008年7月11日 - 2008年10月13日、92日間、約125,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2009年
  • 「発掘した福井の恐竜」(2009年3月20日 - 2009年3月29日、10日間)
福井県立若狭歴史民俗資料館で開催。
  • 「恐竜のくらした森 ―恐竜は花を見たか?」(2009年7月10日 - 2009年10月12日、93日間、約124,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。

2010年代編集

2010年
  • 開館10周年記念特別展「アジア恐竜時代の幕開け ―巨大恐竜の進化―」(2010年7月9日 - 2010年11月7日、122日間、約188,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2011年
  • 「新説・恐竜の成長 ~The Growth and Behavior of Dinosaurs~」(2011年7月8日 - 2011年10月10日、92日間、179,542人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
  • 新春企画展「恐竜年の幕開け ―三畳紀の恐竜と恐竜絵画・彫刻コレクション―」(2011年12月23日 - 2012年1月31日)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2012年
  • 「発掘した福井の恐竜」(2012年3月16日 - 2012年3月27日、12日間)
福井県立若狭歴史民俗資料館で開催。
  • 「翼竜の謎 ―恐竜が見あげた『竜』」(2012年7月6日 - 2012年10月8日、92日間、約141,000人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2013年
  • 春の企画展「2013春 迫力の肉食恐竜たち」(2013年3月23日 - 2013年5月7日)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
  • 「発掘!発見!1億年の時を越えて ~福井県恐竜化石発掘25年記念~」(2013年7月12日 - 2013年10月14日、95日間、約180,000人)
2014年
  • 2014春の特別企画「恐竜時代の巨大隕石衝突」「スピノサウルス科」(2014年3月21日 - 2014年5月13日)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
  • 「スペイン 奇跡の恐竜たち」(2014年7月11日 - 2014年10月13日、92日間、176,405人)
2015年
  • 開館15周年記念「南アジアの恐竜時代」(2015年7月10日 - 2015年10月12日、95日間、224,470人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
  • 新着標本展「Newcomer Collections ~ はじめまして!ぼくたち新参者です!~」(2015年11月14日 - 2016年5月8日)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2016年
  • 「恐竜の大移動~ティラノサウルス類と角竜の起源と進化~」(2016年7月8日 - 2016年10月10日、92日間、237,603人)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。
2017年
  • 「恐竜の卵~恐竜誕生に秘められた謎~」(2017年7月14日 - 2017年10月15日、91日間)
福井県立恐竜博物館特別展示室で開催。

関連ニュース編集

日本初の恐竜の皮膚痕化石の発見編集

2007年(平成19年)4月26日、福井県勝山市長尾山総合公園内の「どきどき恐竜発掘ランド」で約1億2千万年前(白亜紀)の手取層群と呼ばれる地層から採取されたもので、幅約23センチメートル、長さ約24センチメートル、厚さ約7センチメートルの細粒が発見された[16]

その他編集

2013年(平成25年)8月10日秋篠宮文仁紀子夫妻と長女眞子、長男悠仁が夏休みを利用した私的旅行で当館を訪れた[17]

福井県の恐竜化石発掘調査で発見され、学名が付いた恐竜編集

福井県立恐竜博物館が登場する作品編集

映画編集

テレビドラマ編集

漫画編集

  • あんどーなつ(2005年 - 2013年) - 叔母が主人公を連れて行く。
  • ミカるんX(2007年 - 2011年) - 主人公たちの旅行先として登場。

福井県立恐竜博物館が監修したゲーム編集

交通アクセス編集

公共交通機関で

JR福井駅えちぜん鉄道勝山永平寺線に乗り換え、終点勝山駅で下車。勝山駅から博物館までは、勝山市市内観光バス「恐竜バス"ダイナゴン"」または勝山市コミュニティバス「ぐるりん」が接続している。福井からの所要時間は約70分。えちぜん鉄道の有人駅(一部を除く)と全国のコンビニでは、電車とバスの乗車券および博物館入場券が一体となった割引切符が発売されている[18]

車で

最寄りのインターチェンジは中部縦貫自動車道永平寺大野道路勝山IC

脚注編集

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  1. ^ 年間の入館者数が過去最高の93万1422人を記録!!”. 福井県立恐竜博物館 (2016年4月4日). 2016年7月18日閲覧。
  2. ^ a b 福井県立恐竜博物館の概要”. 福井県立恐竜博物館. 2015年7月26日閲覧。
  3. ^ 福井県立恐竜博物館”. 福井県観光営業部ブランド営業課. 2012年2月26日閲覧。
  4. ^ 後藤道治「福井県勝山市の手取層群北谷層(下部白亜系)から産出したヒラマキガイ科の腹足類化石 (PDF) 」 、『福井県立恐竜博物館紀要』第9号、福井県立恐竜博物館、2010年、 41-45頁、 NAID 400176551662017年9月2日閲覧。
  5. ^ 恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク
  6. ^ 本県が発掘を進めてきた恐竜化石と発掘現場が国の天然記念物に指定されました!”. 福井県立恐竜博物館 (2017年2月9日). 2017年2月10日閲覧。
  7. ^ 竹内誠 『知識ゼロからの博物館入門』 幻冬舎、2010年、146-147頁。ISBN 978-4-344-90184-1
  8. ^ a b アジア恐竜協会について”. アジア恐竜協会事務局. 2017年9月2日閲覧。
  9. ^ 学校教育支援プログラムでのご利用について”. 福井県立恐竜博物館. 2016年7月10日閲覧。
  10. ^ 福井県立大学広報 No.81 (PDF)”. 福井県立大学 (2013年6月30日). 2017年9月2日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g 沿革とあゆみ”. 福井県立恐竜博物館. 2015年7月26日閲覧。
  12. ^ a b c d 福井県の恐竜発掘”. 福井県立恐竜博物館. 2017年9月2日閲覧。
  13. ^ 福井県立恐竜博物館の建物”. 福井県立恐竜博物館. 2015年7月26日閲覧。
  14. ^ FPDM:恐竜博物館との提携機関”. 福井県立恐竜博物館. 2017年9月2日閲覧。
  15. ^ イベントのご案内(特別展ページ)”. 福井県立恐竜博物館. 2017年9月2日閲覧。
  16. ^ FPDM:恐竜博物館ニュース - 日本初 恐竜の皮膚痕化石を発見”. 福井県立恐竜博物館. 2012年2月26日閲覧。
  17. ^ 秋篠宮ご一家ご来館”. 福井県立恐竜博物館 (2013年8月10日). 2016年7月10日閲覧。
  18. ^ 恐竜博物館へ行こう - えちぜん鉄道”. えちぜん鉄道. 2016年9月24日閲覧。

参考文献編集

著名な関係者編集

関連項目編集

外部リンク編集