福島県道・宮城県道38号相馬亘理線

日本の福島県と宮城県の道路

福島県道・宮城県道38号相馬亘理線(ふくしまけんどう・みやぎけんどう38ごう そうまわたりせん)は、福島県相馬市から宮城県亘理郡亘理町に至る県道主要地方道)である。

主要地方道
福島県道38号標識
宮城県道38号標識
福島県道38号 相馬亘理線
宮城県道38号 相馬亘理線
主要地方道 相馬亘理線
実延長 31.3 km
起点 福島県相馬市塚ノ町2丁目【北緯37度48分05.3秒 東経140度55分43.1秒 / 北緯37.801472度 東経140.928639度 / 37.801472; 140.928639 (県道38号起点)
主な
経由都市
福島県相馬郡新地町
宮城県亘理郡山元町
終点 宮城県亘理郡亘理町逢隈高屋【北緯37度58分18.2秒 東経139度21分47.2秒 / 北緯37.971722度 東経139.363111度 / 37.971722; 139.363111 (県道38号終点)
接続する
主な道路
記法
国道115号
国道6号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

概要 編集

相馬市の塚の町交差点(福島県道394号国道6号旧道)、国道115号(非バイパス区間末端)交点)から松川浦へ東進、松川浦漁港相馬工業港、釣師浜漁港、磯浜漁港と太平洋沿いに北上する。東日本大震災前は1車線区間が多く地域の生活道路としての側面が大きかった。終点付近の亘理郡亘理町では在来の集落を迂回するバイパスがある。東日本大震災発生以前は福島・宮城県境付近から亘理町内まではJR常磐線と並行していた。並行する国道6号よりも信号が少なく、かつ交通量が少ないため仙台市や仙台空港-福島県相双地区を結ぶ抜け道、さらには高校駅伝などの公道レースの会場として活用されていた。

東日本大震災による津波ではほぼ全線に亘って被災したため、内陸移設された常磐線新地駅 - 山下駅間の旧線路盤を活用し、高さ5 - 7mに盛り土した2車線道路へ転用する工事が行われ、完成後はこちらに県道が指定変更された。

路線データ 編集

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
  • 起点:相馬市塚ノ町2丁目(塚ノ町交差点)
  • 終点:亘理郡亘理町逢隈高屋
  • 実延長:31,253 m
    • 福島県側:14,164 m[1]
    • 宮城県側:17,089.4 m[2]

バイパス・新道 編集

上述のとおり、JR常磐線が内陸に移設されたことから、震災前の線路跡地を活用し、盛り土した2車線道路を整備している。盛り土された道路は、海岸沿いの防潮堤と合わせ津波に対する第二線堤防としての役割も兼ねており、復興交付金を活用して整備された。[3]

新地工区 編集

  • 起点 - 相馬郡新地町大戸浜
  • 終点 - 相馬郡新地町埒木崎(宮城県境)
  • 延長 - 3.5 km 2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた新地町内の災害復旧事業である。ふくしま道づくりプラン(復興計画対応版)における『津波被災地域における復興まちづくりを支援する道路』として、2012年度から事業化された。2017年8月4日JR新地駅東側の谷地小屋字南浜田から埒木崎字作田までの0.6 kmが供用され[4][5]2018年3月26日に小川字浜田から谷地小屋字南浜田にかけての0.5 kmが起点で接続する福島県道171号新地停車場釣師線釣師工区ともに供用された[6][7]2019年3月29日には大戸浜字前田西から小川字浜田までの区間が開通し、全線が供用開始された[8][9]

坂元・山寺工区 編集

  • 起点 - 亘理郡山元町坂元(福島県境)
  • 終点 - 亘理郡山元町山寺
  • 延長 - 11.2 km(坂元工区:3.8 km、山寺工区:7.4 km)[10] 東日本大震災で被災した山元町の区間で2012年度から事業化された。高盛土構造により津波被害への防御・減災機能を併せ持つ、多重防御施設としての位置づけを持っている。 完成した区間から随時供用を開始し、2021年3月26日に全線開通した。[11]
道路施設
小泉橋
  • 全長:31.3m
  • 幅員:8.3m
  • 竣工:1968年[12]
相馬市沖ノ内3丁目から小泉字山田に至り、二級水系小泉川を渡る。橋上は上下対向2車線で供用され歩道はなく、下り線側に人道橋が後に架設された。上流側には水管橋が並行してかかっている。
浜畑橋
  • 全長:85.7m
    • 主径間:28.5m
  • 幅員:7.5(10.0)m
  • 形式:3径間単純PCポストテンションT桁橋
  • 竣工:1983年
二級河川地蔵川の河口に架かり、南詰は新地町今泉字須賀畑、北詰は同町今泉字浜畑に位置し、北詰の字名から橋名がとられている。橋上は上下対向2車線で供用されており、上り線側(河口側)に歩道が設置されている。1978年度より行われた地蔵川の河川改修事業に伴い、それまで用いられていた木橋からの架け替えのために建設された[13]2011年3月11日に発生した東日本大震災による大津波で被災し、落橋・流出は免れたが、支承の浮き上がりが確認された[14]。2018年度より新たな河川改修事業が開始されたのに伴い、川田工業の施工により架け替え工事が行われている[15]
曙橋
  • 全長:35.6m
  • 幅員:7.5(10.0)m
  • 形式:PCポステンT桁橋
  • 竣工:1986年
新地町谷地小屋地内にて、二級水系砂子田川の河口部を渡る。地方道特殊改良1種事業により1984年度に着工された。総工費は1億4000万円[16]

歴史 編集

  • 1958年昭和33年)3月31日 - 宮城県が亘理松川浦線として県道に認定され、供用される。
  • 1982年4月1日 - 建設省告示第935号が公布され、宮城県道・福島県道亘理松川浦公園線、福島県道松川浦公園線が主要地方道相馬亘理線として指定される。
  • 1983年(昭和58年)1月11日 - 宮城県が亘理松川浦線を廃し、現行の相馬亘理線となる。また、福島県によって県道路線に認定される[17]
  • 1993年平成5年)5月11日 - 建設省から、県道相馬亘理線が相馬亘理線として主要地方道に指定される[18]
  • 2021年令和3年)3月26日 - 「坂元・山寺復興道路」が全線開通[19]

地理 編集

通過する自治体 編集

交差する道路 編集

 
相馬市細田付近
 
山元町高瀬字笠野付近
 
亘理町吉田付近。後方には建設中の常磐自動車道が見える(2008年10月)
相馬市内
新地町内
山元町内
亘理町内

沿線 編集

脚注 編集

  1. ^ 道路現況(主要地方道) - 福島県ホームページ”. www.pref.fukushima.lg.jp. 2023年11月3日閲覧。
  2. ^ 令和4年度宮城県管理道路現況調書(みやぎの道路)”. 宮城県. 2023年11月3日閲覧。
  3. ^ 東日本大震災10年目の記録~みやぎの住宅・社会資本 再生・復興の歩み~”. pp. 244-245. 2023年11月3日閲覧。
  4. ^ 福島県報定例2922号 福島県告示第547号
  5. ^ 主要地方道 相馬亘理線(新地工区)の 道路が一部供用開始しました - 福島県相双建設事務所
  6. ^ 福島県報定例2985号 福島県告示第209号
  7. ^ 主要地方道 相馬亘理線(新地工区)・一般県道 新地停車場釣師線(釣師工区)の道路を一部供用開始します。 - 福島県相双建設事務所
  8. ^ 平成31年3月29日付け 定例第3092号 - 福島県告示第283号
  9. ^ 主要地方道 相馬亘理線の新地工区が全線開通します - 福島県ホームページ”. www.pref.fukushima.lg.jp. 2023年11月3日閲覧。
  10. ^ 主要地方道相馬亘理線「坂元・山寺復興道路」全線供用開始”. 日刊建設新聞. 2023年11月3日閲覧。
  11. ^ 宮城県. “主要地方道相馬亘理線「坂元・山寺復興道路」の全線供用開始について”. 宮城県. 2023年11月3日閲覧。
  12. ^ 令和4年度橋梁点検結果(地方公共団体) - 国土交通省
  13. ^ 福島県の橋梁 昭和58年度版 - 福島県土木部
  14. ^ 東日本大震災 被害調査報告 - 株式会社エイト日本技術開発
  15. ^ 浜畑橋 - 川田工業
  16. ^ 福島県の橋梁 昭和61年度版 - 福島県土木部
  17. ^ 福島県路線図 - 福島県土木部
  18. ^ s:道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 - 平成五年五月十1日建設省告示第千二百七十号、建設省
  19. ^ 主要地方道相馬亘理線「坂元・山寺復興道路」の全線供用開始について”. 宮城県 (2021年2月18日). 2021年3月26日閲覧。

関連項目 編集