花 (瀧廉太郎)

瀧廉太郎の作曲した歌

」(はな)は、日本明治時代に作成された楽曲。もともとは1900年(明治33年)11月1日付に共益商社出版から刊行された瀧廉太郎歌曲集(組歌)『四季』の第1曲であった[1]

(墨田区民愛唱歌)
関連画像

区民歌の対象
Flag of Sumida, Tokyo.svg 墨田区

作詞 武島羽衣1900年
作曲 瀧廉太郎(1900年)
採用時期 1990年
言語 日本語
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東京都墨田区では、本曲を「区民の愛唱歌」に指定している[2]隅田公園台東区側には本曲の歌碑がある。

概要編集

みんなのうた
歌手 ザ・ピーナッツ
作詞者 武島羽衣
作曲者 瀧廉太郎
編曲者 宮川泰
映像 影絵
映像制作者 木馬座
初放送月 1962年4月
再放送月 2021年3月(ラジオのみ)
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本来のタイトルは「花盛り」であったが、第3曲「月」、第4曲「雪」と合わせるために「花」にした(雪月花)という。「荒城の月」、「箱根八里」と並び、瀧廉太郎の歌曲の中でも広く親しまれている曲のひとつである。歌詞は武島羽衣によって作詞された。速いテンポの二部形式で書かれ、当時隅田川で盛んであった漕艇(ボートレース、レガッタ)の様子など、春の隅田川の情景が歌われている。

ピアノ伴奏付きの女声二部合唱、もしくは女声二重唱また、混声二部合唱、混声二重唱で歌われる。3番まで歌詞がある有節歌曲形式に基づくが、単純な繰返しではなくところどころで旋律を変えている[3]イ長調[注釈 1]・4分の2拍子で書かれており速度記号はAllegro moderatoとなっている。

歌曲集『四季』編集

歌曲集『四季』の他の曲は、第2曲が「納涼」(作詞:東くめ、単声とピアノ用)、第3曲が「月」(作詞:瀧廉太郎自身による、無伴奏の四部合唱)、第4曲が「雪」(作詞:中村秋香、四部合唱、ピアノとオルガン用)と題されている。しかしもっぱら第1曲「花」のみが有名になり、他の3曲はほとんど知られておらず、歌われることも滅多にない。ただし後年に三善晃が編曲した「日本の四季」には4曲とも含まれている。

初版の序文で瀧廉太郎は、「(当時作られていた)日本の歌曲は、教育用の学校唱歌ばかりで質の高いものが少ないため、微力ながら日本語の歌詞に作曲した曲を世に出すことによって、日本歌曲の発展に寄与したい」という趣旨の発言を残している[4]

歌詞編集

2017年平成29年)12月31日著作権の保護期間を満了。

  1. 春のうららの 隅田川すみだがわ
    のぼりくだりの 船人ふなびと
    かひのしずくも 花と散る
    ながめを何に たとうべき
  2. 見ずやあけぼの つゆあびて
    われにもの言う 桜木さくらぎ
    見ずやゆうぐれ 手をのべて
    われさしまねく青柳あおやぎ
  3. にしきおりなす 長堤ちょうてい
    るればのぼる おぼろづき
    げに一刻いっこくも 千金せんきん
    ながめを何に たとうべき

1番の歌詞は源氏物語胡蝶」の巻で詠まれた和歌「春の日のうららにさして行く船は棹のしづくも花ぞちりける」によったものであり[5]、3番は蘇軾の詩「春夜」の一節「春宵一刻値千金」(春の夜のすばらしさは、ひとときが千金にもあたいするほど貴重なものだ)からの着想である。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 文部科学省が制定している「中学校学習指導要領・音楽編」では1♯(ト長調・ホ短調)、1♭(ヘ長調・ニ短調)まで程度の調号の楽譜が読譜指導の範囲とされていることもあり、義務教育用教科書には長二度低くト長調移調された楽譜が掲載されている。

出典編集

  1. ^ JR九州豊肥本線豊後竹田駅に展示されている『四季』の初版本(表紙・緒言・「花」の譜面のみ展示)及び解説文による。なお、瀧による緒言は同年8月付となっている。
  2. ^ 区のシンボル”. 墨田区. 2017年1月23日閲覧。
  3. ^ 松本正「教材としての瀧廉太郎に関する研究-『四季』の教材化-」『大分大学教育福祉科学部研究紀要』第29巻第2号、大分大学教育福祉科学部、2007年、 169-182頁、 hdl:10559/13137
  4. ^ http://a-babe.plala.jp/~jun-t/Taki-Four_Seasons.htm
  5. ^ 玉上琢弥源氏物語評釈』第五巻 角川書店、1965年。p.224

関連項目編集

外部リンク編集