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東北新幹線

日本の東京都千代田区から青森県青森市を結ぶ東日本旅客鉄道の高速鉄道路線

東北新幹線(とうほくしんかんせん)は、東京駅から新青森駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の高速鉄道路線(新幹線)およびその列車である。

JR logo (east).svg 東北新幹線
■
那須塩原駅付近を時速320kmで走行する 「はやぶさ・こまち」(E5系電車+E6系電車)
那須塩原駅付近を時速320kmで走行する
はやぶさこまち」(E5系電車+E6系電車
基本情報
日本の旗 日本
所在地 東京都埼玉県茨城県[注 1]栃木県福島県宮城県岩手県青森県
種類 高速鉄道新幹線
起点 東京駅
終点 新青森駅
駅数 23駅
開業 1982年6月23日(大宮 - 盛岡間)
全通 2010年12月4日
所有者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
(東京 - 盛岡間)
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
(盛岡 - 新青森間)
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
使用車両 E5系・H5系E2系[注 2]E3系(東京 - 盛岡間)・E6系(東京 - 盛岡間)・E7系・W7系(東京 - 大宮間)・E4系(東京 - 大宮間)
路線諸元
路線距離 674.9 km
営業キロ 713.7 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線
電化方式 交流25,000 V・50 Hz
架空電車線方式
閉塞方式 車内信号式
保安装置 DS-ATC
最高速度 110 km/h(東京 - 大宮間)
275 km/h(大宮 - 宇都宮間)
320 km/h(宇都宮 - 盛岡間)
260 km/h(盛岡 - 新青森間)
路線図

※白丸をクリックすると駅記事へ移動します。

東京駅上野駅大宮駅小山駅宇都宮駅那須塩原駅新白河駅郡山駅福島駅白石蔵王駅仙台駅古川駅くりこま高原駅一ノ関駅水沢江刺駅北上駅新花巻駅盛岡駅いわて沼宮内駅二戸駅八戸駅七戸十和田駅新青森駅地図 鉄道 詳細 JR東北新幹線.svg
画像の詳細
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目次

概要編集

東北新幹線のうち東京都 - 盛岡市の区間は1971年(昭和46年)1月に全国新幹線鉄道整備法第4条第1項の規定による『建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画』により公示された3路線のうちの一つである。同年4月に整備計画が決定され着工された。日本国有鉄道(国鉄)によって建設され、1982年(昭和57年)に大宮駅 - 盛岡駅間が開業し[1]1985年(昭和60年)3月には上野駅 - 大宮駅間が開業した[1]国鉄分割民営化後、東北新幹線は東日本旅客鉄道(JR東日本)の路線となり1991年(平成3年)6月に東京駅 - 上野駅間が開業した[2]

一方、盛岡市 - 青森市の区間は1972年(昭和47年)に、全国新幹線鉄道整備法第4条第1項の規定による『建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画』により公示され、1973年(昭和48年)11月に整備計画が決定された5路線(いわゆる整備新幹線)の路線の一つである[3]。国鉄の財政悪化により建設が一時凍結されたが、1991年(平成3年)に沼宮内 - 八戸間が標準軌新線(フル規格)、盛岡 - 沼宮内間および八戸 - 青森間が新幹線鉄道直通線(ミニ新幹線)として、国や自治体の公共事業として着工された。その後、全区間がフル規格で建設され、2002年(平成14年)12月に盛岡駅 - 八戸駅間が開業し[4]2010年(平成22年)12月に八戸駅 - 新青森駅間が開業した[5]。これにより東北新幹線は整備計画の決定から39年を経て全線開業となった。2016年3月以降は、北海道新幹線との直通運転も実施されている[注 3]

全区間が東日本旅客鉄道(JR東日本)により運営されているが、整備新幹線として建設された区間は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が鉄道施設を建設・保有している。

日本最長の鉄道路線(営業キロ713.7km、実キロ674.9km)であり、線内の白石蔵王駅 - 仙台駅間にある 25.7km の直線区間は、日本最長の線路の直線区間である[注 4]

ラインカラー[注 5]

路線データ編集

全区間が新幹線統括本部の管轄である。かつてJR東日本の新幹線では、全体の運行管理業務を本社内の新幹線運行本部が統括する一方、保線管理や駅営業業務等の現業機関については地方支社が新幹線と在来線の双方を一体管理する組織体系を採っていたが[注 6]、新幹線統括本部の発足により、各支社は新幹線において駅の施設管理・営業業務、ならびに工務関係の支援のみを担うようになった。

東北新幹線における支社毎の駅の管轄割り当ては以下の通り。

駅一覧編集

  • 乗車人員は東日本旅客鉄道の駅の内、新幹線のみの数値[8]   は前年度に比較した増( )減( )増減なし( )を表す。
駅名 営業
キロ

キロ
[9][10]
停車 2018年度
乗車人員
(1日平均)
接続路線 所在地
東京駅 0.0 0.0 79,991  東海旅客鉄道  東海道新幹線
東日本旅客鉄道  山手線 (JY 01)・  京浜東北線 (JK 26)・  中央線 (JC 01)
  東海道本線 (JT 01)・  東北本線宇都宮線)・高崎線 (JU 01)・  常磐線快速
  横須賀線・総武快速線 (JO 19)・  京葉線 (JE 01)
東京地下鉄  丸ノ内線 (M-17)
東京都 千代田区
上野駅 3.6 3.6   12,337  東日本旅客鉄道:  山手線 (JY 05)・  京浜東北線 (JK 30)
  東北本線(宇都宮線)・高崎線 (JU 02)・  常磐線快速)(JJ 01)
東京地下鉄:  銀座線 (G-16)・  日比谷線 (H-17)
京成電鉄  本線京成上野駅: KS01)
台東区
大宮駅 30.3 31.3 30,535  東日本旅客鉄道:  上越新幹線北陸新幹線
  京浜東北線 (JK 47)・  東北本線(宇都宮線)・高崎線 (JU 07)・  埼京線 (JA 26)・川越線
東武鉄道  野田線 (TD-01)
埼玉新都市交通  伊奈線(ニューシャトル)(NS01)
埼玉県 さいたま市
大宮区
鷲宮信号場 - 50.9   東北新幹線唯一の信号場 久喜市
小山駅 80.6 80.3   5,097  東日本旅客鉄道:東北本線(宇都宮線)・水戸線両毛線 栃木県 小山市
宇都宮駅 109.5 109.0   13,623  東日本旅客鉄道:東北本線(宇都宮線)・日光線烏山線 宇都宮市
那須塩原駅 157.8 152.4   3,445  東日本旅客鉄道:東北本線(宇都宮線) 那須塩原市
新白河駅 185.4 178.4   2,154  東日本旅客鉄道:東北本線 福島県 西白河郡
西郷村
郡山駅 226.7 213.9   9,302  東日本旅客鉄道:東北本線・水郡線磐越東線磐越西線 郡山市
福島駅 272.8 255.1   7,712  東日本旅客鉄道:東北本線・山形新幹線奥羽本線山形線
阿武隈急行阿武隈急行線
福島交通飯坂線
福島市
白石蔵王駅 306.8 286.2   874    宮城県 白石市
仙台駅 351.8 325.4 27,771  東日本旅客鉄道:東北本線・仙石線仙山線常磐線
仙石東北ライン仙台空港アクセス線
仙台市地下鉄南北線 (N10)・東西線 (T07)
仙台市
青葉区
古川駅 395.0 363.8   2,846  東日本旅客鉄道:陸羽東線 大崎市
くりこま高原駅 416.2 385.7   1,048    栗原市
一ノ関駅 445.1 406.3   2,243  東日本旅客鉄道:東北本線・大船渡線 岩手県 一関市
水沢江刺駅 470.1 431.3   1,003    奥州市
北上駅 487.5 448.6   1,429  東日本旅客鉄道:東北本線・北上線 北上市
新花巻駅 500.0 463.1   950  東日本旅客鉄道:釜石線 花巻市
盛岡駅 535.3 496.5 7,784  東日本旅客鉄道:東北本線・秋田新幹線山田線花輪線田沢湖線
IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線
盛岡市
いわて沼宮内駅 566.4 527.6   83  IGRいわて銀河鉄道:いわて銀河鉄道線 岩手郡
岩手町
二戸駅 601.0 562.2   788  IGRいわて銀河鉄道:いわて銀河鉄道線 二戸市
八戸駅 631.9 593.1   3,481  東日本旅客鉄道:八戸線
青い森鉄道青い森鉄道線
青森県 八戸市
七戸十和田駅 668.0 629.2   775  上北郡
七戸町
新青森駅 713.7 674.9 4,219  北海道旅客鉄道:  北海道新幹線
東日本旅客鉄道:奥羽本線
青森市
  • 停車…全:全ての列車が停車する駅(2016年3月ダイヤ改正時)
  • 長距離乗車券の特定都区市内

各駅の構造編集

各駅の構内配線とホームの形式
配線分類 2面4線 2面2線+通過線 2面3線+通過線 2面2線
構内図        
該当駅 上野駅仙台駅
八戸駅新青森駅
宇都宮駅新白河駅
古川駅一ノ関駅
小山駅那須塩原駅
郡山駅白石蔵王駅
北上駅
くりこま高原駅水沢江刺駅
新花巻駅いわて沼宮内駅
二戸駅七戸十和田駅
その他の特殊な構内配線とホームの形式
配線分類 3面6線 2面4線+通過線 2面4線 2面4線(終着駅)
構内図        
該当駅 大宮駅 福島駅 盛岡駅 東京駅

途中駅のうち大宮駅・仙台駅・盛岡駅には全列車が停車する[注 7]。東京駅 - 盛岡駅間における各駅のプラットホームはフル規格16両編成対応(約400m)だが、いわて沼宮内駅 - 八戸駅間はフル規格12両編成(約300m)、七戸十和田駅以北はフル規格10両編成(約250m)までしか対応していないため、盛岡駅が16両編成列車が入線可能な駅の北限である。このため秋田新幹線の盛岡駅 - 秋田駅間が悪天候等で区間運休となった場合、盛岡駅で足止めされた(本来は秋田駅へ向かう予定の)「こまち」車両は盛岡新幹線車両センターへ臨時回送される。また同様の理由で、ミニ新幹線規格車両の停止位置に、旅客転落防止目的で設置されるローピング設備は、いわて沼宮内駅以北では省略されている。

福島駅の山形新幹線発着ホームは(東京方面から新青森方面に向かって一番左側にある)14番線1本のみとなっているため「つばさ」の上下同時発着はできず、かつ分割・併合相手となる「やまびこ」は上り(東京行き)の場合、当駅前後で下り本線と2度平面交差することとなり、ダイヤ作成上のネックとなっている。

盛岡駅の秋田新幹線ホームは外側の11番線(上り)および14番線(下り)を用いる(外側線と内側線とでは信号保安装置が異なるため「こまち」と「はやぶさ」の分割・併合は外側線のみで可能)。このため上り「こまち」は当駅構内北側で東北新幹線下り本線と平面交差する。

盛岡駅以北は沿線人口および利用客が少ないため、建設費削減の観点からホームを17両対応にする必要は無しと判断された。現在当該区間を運行する「はやぶさ」・「はやて」は10両編成のみであるが、2002年開業の盛岡駅 - 八戸駅間については臨時列車の入線も考慮して12両編成対応とされた。2010年開業の七戸十和田・新青森両駅についてはさらに短い10両編成対応に簡素化されたほか、新青森駅北側にある盛岡新幹線車両センター青森派出への回送線は単線で建設されたため、下り回送列車は北海道新幹線上り本線と平面交差することとなる。

八戸駅を除く盛岡駅以北の途中駅および、同駅以南において開業後に増設された駅(くりこま高原駅・水沢江刺駅・新花巻駅)は待避線の無い「棒線駅」となっており、ホームには可動式安全柵(ホームドア)が設置されている。

駅名標編集

東北新幹線では、上越新幹線と同様に、開業時には在来線とほぼ同様の様式の駅名標が設置されていた[11]が、JR東日本発足後に順次同社標準の駅名標に交換されている。

なお、東海道新幹線山陽新幹線ではそれぞれに独自仕様の駅名標が設置されていたが(前者は1970年代中頃に、後者は国鉄末期より順次交換されたため、現存していない)、東北新幹線および上越新幹線では独自仕様の駅名標を採用しなかった。

運行形態編集

東京から仙台・盛岡・新青森および北海道新幹線の新函館北斗方面にはおおむね1時間に1本の割合で運転されており、さらに那須塩原・郡山・仙台方面への区間列車が運転されている。停車駅に関してもおおむね固定されているが、時間帯によっては停車駅が増えたり減ったりする列車もある。全列車が東京駅を4の倍数の「分」に発車し、到着列車も1本をのぞいて4の倍数の「分」に到着する。

ダイヤパターンと停車駅編集

現行編集

2016年3月26日現在

下り
種別 東京駅
発車時刻
東京 上野 大宮 小山 宇都宮 那須塩原 新白河 郡山 福島 白石蔵王 仙台 古川 くりこま高原 一ノ関 水沢江刺 北上 新花巻 盛岡 いわて沼宮内 二戸 八戸 七戸十和田 新青森 奥津軽いまべつ 木古内 新函館北斗 終着
やまびこ・(つばさ) 00分   仙台
やまびこ◇ 12分   仙台
なすの◇ 12分   那須塩原/郡山
はやぶさ・(こまち) 20分 新青森/新函館北斗
やまびこ 36分   盛岡
はやぶさ・(こまち)◆ 44分   新青森
やまびこ・(つばさ)◆ 48分   仙台
上り
種別 始発 新函館北斗 木古内 奥津軽いまべつ 新青森 七戸十和田 八戸 二戸 いわて沼宮内 盛岡 新花巻 北上 水沢江刺 一ノ関 くりこま高原 古川 仙台 白石蔵王 福島 郡山 新白河 那須塩原 宇都宮 小山 大宮 上野 東京 東京駅
到着時刻
はやぶさ・(こまち) 新函館北斗/新青森 04分
やまびこ◇ 仙台   16分
なすの◇ 郡山/那須塩原   16分
やまびこ 盛岡   24分
はやぶさ・(こまち)◆ 新青森   32分
やまびこ・(つばさ)◆ 仙台   36分
やまびこ・(つばさ) 仙台   48分
●:停車   △:一部列車通過   →:通過
◆:臨時列車   ◇:時間帯によってどちらかが運行
※ダイヤパターン化されていない定期列車と臨時列車は掲載していない。
※東京駅の発車、到着時刻に関しては多少の前後あり。

号数の振り方編集

2019年3月16日現在

  • はやぶさ
    • 東京駅 - 新青森駅・新函館北斗間:定期列車は1・3 - 5・7 - 12・14 - 25・27・28・30 - 40・42号
    • 東京駅 - 仙台駅間:定期列車は2・13・26・29・41・46・55・60号
    • 仙台駅 - 新函館北斗駅間:95・96号
    • 東京駅 - 盛岡間:定期列車は6・101 - 112号
  • はやて
    • 盛岡駅 - 新函館北斗駅間:93・98号
    • (新青森駅 - 新函館北斗駅間:91・100号)
  • やまびこ
    • 東京駅 - 盛岡駅間:定期列車は40 - 60号
    • 東京駅 - 仙台駅間:定期列車は122 - 159号(一部を除き東京駅 - 福島駅間「つばさ」併結)、201 - 223号(途中駅通過駅タイプと各駅停車タイプの混在)、臨時列車は170号台 - 190号台(「つばさ」併結)
    • 仙台駅 - 盛岡駅間:94・97号・99号(土休日運休)
    • 那須塩原駅・郡山駅 - 仙台駅間:290・291・293号(土休日運休)
  • なすの
    • 東京駅 - 小山駅・那須塩原駅・郡山駅間:251 - 282・284号
  • 列車番号は、定期列車は基本的に号数+B(「こまち」と併結する「はやぶさ」は3000+号数+B、東京駅 - 盛岡駅間の「はやて」と「はやぶさ」102 - 112号は4000+号数+B、東京駅 - 仙台駅間の「はやぶさ」と「やまびこ」125・126・130・134・147・151・152・155号は1000+号数+B)、臨時列車は2000、4000、5000、6000、8000、9000+号数+Bである。
  • また、上表にあるパターンにおいて、臨時列車として延長運行する場合は5000+号数+Bとなる。

列車の概要編集

開業当初は東海道山陽新幹線にならって、「ひかり」に相当する速達タイプを「やまびこ」、「こだま」に相当する各駅停車タイプを「あおば」としていた。

しかし、東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編が行われ、まず1995年12月1日のダイヤ改正からは「あおば」のうち東京駅 - 那須塩原駅間の近距離列車を「なすの」として分離。また1997年3月22日の秋田新幹線開業時のダイヤ改正からは仙台駅 - 盛岡駅間の「あおば」は秋田新幹線「こまち」と併結されることになり、東北新幹線内は従来通り各駅停車で運転されるものの「やまびこ」に統合。そして秋田新幹線開業半年後の10月1日のダイヤ改正からは東京駅 - 仙台駅間の「あおば」が「やまびこ」に統合され、「あおば」の愛称は消滅した。

その後2002年12月1日の盛岡駅 - 八戸駅間延長開業時のダイヤ改正からは主に東京駅 - 八戸駅間を運行する最速達列車として「はやて」が新設され、八戸駅 - 新青森駅間延伸開業後の2011年3月5日からは「はやて」に代わる東京駅 - 新青森駅間の最速達列車として「はやぶさ」が新設された。現在はE5系の増備により「はやて」のほとんどが「はやぶさ」に置き換えられたが、盛岡駅以北のみを運行する区間列車についてはE5系であっても「はやて」の名称を用いている(「はやぶさ」は最高速度300 km/h以上で運行される列車にのみ用いるとされているが、盛岡駅以北は全て最高速度が260km/hの整備新幹線区間に当たるため)。

このように現在はおおむね行き先別に列車愛称が付されているが、東京駅 - 仙台駅の区間では最速達が「はやぶさ」、速達が「はやて」、準速達が「やまびこ」、各駅停車が「なすの」というように速度別の要素も含まれている。

列車愛称編集

運行中編集

「はやぶさ」編集

はやぶさ」は、主に東京駅 - 新青森駅・新函館北斗駅間で運行される東北新幹線最速達列車。使用車両はE5系・H5系全車指定席

2011年3月5日に運行開始。大宮駅 - 宇都宮駅間の最高速度は従前の240km/hから275km/hに、宇都宮駅 - 盛岡駅間ではE2系はやて」・「やまびこ」の275km/hから300km/hへ引き上げられ、東京駅 - 新青森駅間を最短3時間10分で結んだ。

その後、2013年3月16日のダイヤ改正からは宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度をさらに320km/hまで引き上げ、東京駅 - 新青森駅間の所要時間は最短2時間59分となり、初めて3時間を切った[報道 1]。速度向上の詳細は沿革を参照。

特急料金は「はやて」・「やまびこ」よりも最大で510円(東京駅・上野駅・大宮駅 - 盛岡駅 - 新青森駅間各駅の場合)上乗せされる設定であり[12]、理由としてJR東日本では増額分を「高速性や快適な居住性の付加価値分」と説明している[13]

北海道新幹線開業前は、仙台駅 - 新青森駅間運行の1往復のみ普通車自由席が設定されていたが、2016年3月26日の北海道新幹線開業後は、これを延長した仙台駅 - 新函館北斗駅間運行の1往復も含め全列車が全車指定席となった[報道 2]

現在は、最高速度300 km/h以上で運行する区間を含み、かつ大宮駅 - 仙台駅間ノンストップの列車(仙台駅以北のみ運行する列車の場合は盛岡駅以北に乗り入れる列車)に「はやぶさ」の愛称が用いられている。

「はやて」編集

はやて」は、主に東京駅 - 盛岡駅間と、盛岡駅・新青森駅 - 新函館北斗駅間で運行される速達列車。全車指定席。使用車両はE2系・E5系。

2002年12月1日の盛岡駅 - 八戸駅間延伸開業と同時に運行開始。大宮駅・仙台駅・盛岡駅・八戸駅には全列車が停車する。仙台駅 - 盛岡駅 - 新青森駅間では時間帯などに応じて列車ごとに停車駅が追加設定される。2009年3月13日までは、大宮駅も通過する仙台駅 - 東京駅間ノンストップ運転の列車が上り1本のみ運転されていた。2014年3月14日までは東京駅 - 仙台駅・盛岡駅間で秋田新幹線こまち」(E3系およびE6系。東京駅 - 秋田駅間)を併結した16 - 17両編成で運転されていた(一部の盛岡駅発着列車は「はやて」単独の10両編成で運転)。

北海道新幹線開業前は、盛岡駅 - 新青森駅間の各駅に停車する区間列車も存在し、こちらには普通車自由席が設定されていた。「はやぶさ」運転開始後、盛岡行「やまびこ」の本数が減少したことを受け、仙台駅 - 盛岡駅間では、この区間の途中駅に停車する列車でかつこの区間内を利用する場合に限り、自由席特急券で普通車を利用できるようになった(これは「はやぶさ」にも共通の措置)。2016年3月26日の北海道新幹線開業後は、盛岡駅・新青森駅 - 新函館北斗駅間の列車には、自由席は設定されなくなり、全列車が全車指定席となった[報道 2]

現在は、最高速度300 km/h以上で運行する区間が存在せず、かつ大宮駅 - 仙台駅間ノンストップの列車(仙台駅以北のみ運行する列車の場合は盛岡駅以北に乗り入れる列車)に「はやて」の愛称が用いられている。

2019年3月16日のダイヤ改正で東京駅 - 盛岡駅間の定期列車の設定が無くなった[報道 3]

「やまびこ」編集

やまびこ」は、東京駅 - 仙台駅・盛岡駅間で運行され、主に上野駅・大宮駅・宇都宮駅・郡山駅・福島駅と仙台駅 - 盛岡駅の各駅に停車する準速達列車。使用車両はE2系(東京駅 - 仙台駅間)・E5系・H5系。また、一部列車には増結車としてE3系・E6系が併結される。

東京駅 - 仙台駅間の「やまびこ」は、東京駅 - 福島駅間で山形新幹線つばさ」(東京駅 - 山形駅新庄駅間)を併結し、日中を中心に白石蔵王駅にも停車する列車と、各駅停車(朝夕)または白石蔵王駅のみ通過する列車(主に日中)などがある。早朝および深夜には、那須塩原駅・郡山駅 - 仙台駅間および仙台駅 - 盛岡駅間の各駅停車区間列車も運行されている。

現在は、原則として郡山駅以北に乗り入れ、大宮駅 - 仙台駅間を走行する列車の場合は同区間がノンストップではない列車に「やまびこ」の愛称が用いられている。ただし、臨時列車で毎週金曜日(休日と重なる場合はその休前日)のみ運行される「やまびこ249号」は大宮駅 - 仙台駅間をノンストップ運転する。

「なすの」編集

なすの」は、東京駅 - 那須塩原駅・郡山駅間で運行される各駅停車列車。朝の上り252号のみ小山駅→東京駅間で運行される[14]。使用車両はE2系・E5系。また、一部列車には増結車としてE3系・E6系が併結される。

主に朝夕の栃木県 - 東京都心間の旅客需要に対応する列車で、日中は「やまびこ」とともに東京駅 - 宇都宮駅間利用客の着席機会を増すことを副次的な目的とする。運転開始当初は那須塩原以南のみでの運行であったが、秋田新幹線開業に伴う速達タイプの増加による新白河駅・郡山駅停車列車の減少を補う形で、運行区間が郡山駅まで延長された。これにより「やまびこ」との乗り継ぎが若干改善された。朝夕は土曜日・休日運休となる列車がある。

現在は、郡山駅以南のみの各駅停車の列車に「なすの」の愛称が用いられている。

山形新幹線・秋田新幹線直通列車編集
「つばさ」編集
 
福島駅で接続する山形新幹線に直通するE3系「つばさ」

つばさ」は、山形新幹線直通(東京駅 - 福島駅間は「やまびこ」に併結。定期列車の121・160号と、臨時列車の一部は全区間単独運転)。使用車両はE3系(1000・2000番台)、東北新幹線内の最高速度は275km/h。

「こまち」編集
 
盛岡駅で接続する秋田新幹線に直通するE6系「こまち」

こまち」は、秋田新幹線直通(東京駅 - 盛岡駅間は「はやぶさ」に併結)。全車指定席。使用車両はE6系、東北新幹線内の最高速度は320km/h。

E6系を使う列車は営業運転開始当初「スーパーこまち」を名乗っていた。これは、秋田新幹線車両のE3系からE6系への置き換えが完了するまでの約1年間、両者の区別をするための過渡的なものであり、最高速度は300km/hとなっていた。2014年3月15日のダイヤ改正でE6系への置き換えが完了した後は「こまち」へ統一され、最高速度も320km/hに引き上げられた。

廃止された愛称編集

「あおば」・「Maxあおば」編集

あおば」は、1982年6月の大宮暫定開業時に、速達タイプの盛岡発着「やまびこ」に対して各駅停車タイプの仙台駅発着列車として登場した。大宮駅 - 盛岡駅間暫定開業時は1日6往復だったが[15]、上越新幹線が開業した同年11月には1日12往復に増発され、大宮駅 - 那須塩原駅間や那須塩原駅 - 仙台駅・盛岡駅間、仙台駅 - 盛岡駅間などの区間列車も登場した[16]。その後増発され、1985年の上野駅 - 大宮駅間延伸開業時に上野駅発着、1991年の東京駅 - 上野駅間延伸開業時に東京駅発着となり、1992年の山形新幹線開業時点では定期列車下り1本と臨時列車が上野駅発着となっている[17]。1994年に2階建車両E1系の導入により、「Maxあおば」が登場した。しかし、1995年に東京駅 - 那須塩原駅間の列車が「なすの」・「Maxなすの」が変更され、「あおば」「Maxあおば」は削減。1997年10月、仙台駅発着の列車は速達タイプ・各駅タイプ問わずに「やまびこ」となり、「あおば」が消滅して全て「やまびこ」・「なすの」に置き換えられた。

「Maxやまびこ」・「Maxなすの」編集

2階建車両E1系E4系を使用する列車に使われていた愛称。2012年9月29日ダイヤ改正で廃止され、E2系などを使用する「やまびこ」・「なすの」のみとなった。

車両編集

現用車両編集

営業車両編集

  • E2系 - J編成、10両編成。「はやて」(臨時列車)・「やまびこ」(東京駅 - 仙台駅間)・「なすの」で使用。
  • E3系
    • 0番台 - R編成、6両編成。新在直通対応。「やまびこ」・「なすの」(増結用)で使用。以前は秋田新幹線「こまち」と「はやて」(増結用)にも使用されていた。
    • 1000番台・2000番台 - L編成、7両編成。新在直通対応。山形新幹線「つばさ」と「なすの」(増結用)で使用。
  • E5系 - U編成、10両編成[18]。全ての「はやぶさ」および、一部の「はやて」・「やまびこ」・「なすの」で使用。
  • E6系 - Z編成、7両編成[19]。新在直通対応。秋田新幹線「こまち」と「はやぶさ」・「やまびこ」・「なすの」(増結用)で使用。
  • H5系 - H編成、10両編成(JR北海道保有)。北海道新幹線用の車両としてE5系をベースに製造され、東北新幹線にも直通する。一部の「はやぶさ」・「やまびこ」(東京駅 → 仙台駅間)で使用。[20]

上記のほかに、北陸新幹線用のE7系が試運転や臨時列車で運転されることがあるが[21][22]、定期列車では運用されない。


事業用車両編集

 
東京駅に停車中の「East i」

編成記号の「S」は、系列に関係なく非営業用車両全般に用いられている。400系などの量産先行車も営業運転開始まで「S」を付けていた。 E926形(East i)- 新在直通対応

過去の車両編集

営業車両編集

  • 200系 - E・F・G・H・K編成。E5系の増備により、2011年11月18日をもって全編成の定期運用終了。上越新幹線の定期運用も2013年3月15日で終了。
  • 400系 - L編成、7両編成。新在直通用。山形新幹線「つばさ」と「なすの」(増結用)で使用された。E3系2000番台への置き換えにより、2010年4月18日の臨時「つばさ18号」をもって運用終了。
  • E1系 - M編成、12両編成。2階建て車両"Max"。「Maxやまびこ」と「Maxあおば」(後に「Maxなすの」)で使用された。1999年12月3日をもって定期運用終了。上越新幹線の定期運用も2012年9月28日で終了。
  • E4系 - P編成、8両編成。2階建て車両"Max"。「Maxやまびこ」と「Maxなすの」(一部列車は「なすの」)で使用された。E5系の増備により、2012年9月28日をもって定期運用終了。現在は、上越新幹線系統のみで運用。2017年6月24日に仙台発上野行きの臨時列車「東北新幹線開業35周年記念号」として運用された。

事業用車両編集

  • 925形(ドクターイエロー) - S1・S2編成

試験用車両編集


事業の効果と影響編集

公共交通機関の変化編集

首都圏 - 青森編集

首都圏 - 青森県間の公共交通機関分担率の変化は、盛岡以北開業前の2000年度は、航空が54%と最も多く、JR(定期外)39%、乗合バス7%であったが、盛岡 - 八戸間開業後の2003年度は、JR(定期外)63%、航空31%、乗合バス5%と鉄道と航空の分担率が逆転し、全線開業後の2012年度は、JR(定期外)78%、航空21%、乗合バス2%と鉄道がさらに増加した[23]

首都圏 - 青森県間の運行本数の変化は、盛岡以北開業前の2000年は、航空(羽田 - 青森)8本、航空(羽田 - 三沢)4本、鉄道[注 8]13本、高速バス1本であったが、2003年には鉄道が15本に増加、航空は青森便8本、三沢便3本に減少し、高速バス1本と横ばいで、翌2004年に青森便は6本に減少している。2012年は鉄道が17本に増加し、航空は青森便6本、三沢便3本を維持しており、高速バスは7本に増加した。航空座席数は2000年では青森便が150万席、三沢便が76万席であったが、東北新幹線320 km/h運転開始後の2014年には青森便で72万席、三沢便で28万席と大きく減少している[23]

宮城 - 青森編集

宮城県 - 青森県間の公共交通機関分担率の変化は、盛岡以北開業前の2000年度は、JR(定期外)79%、乗合バス21%であったが、盛岡 - 八戸間開業後の2003年度は、JR(定期外)78%、乗合バス22%と横ばいで、全線開業後の2012年度は、JR(定期外)90%、乗合バス10%と鉄道が増加した[24]

岩手 - 青森編集

岩手県 - 青森県間の公共交通機関分担率の変化は、盛岡以北開業前の2000年度は、JR(定期外)60%、乗合バス40%であったが、盛岡 - 八戸間開業後の2003年度は、JR(定期外)65%、乗合バス35%と鉄道が微増し、全線開業後の2012年度は、JR(定期外)85%、乗合バス15%と鉄道がさらに増加した[24]

並行在来線編集

整備新幹線として建設された区間では、新幹線開業後に並行在来線のJRからの経営分離が行われた。2002年の盛岡駅 - 八戸駅間開業時に、東北本線 盛岡駅 - 八戸駅間が、2010年の八戸駅 - 新青森駅間開業時に東北本線 八戸駅 - 青森駅間が県域ごとに設立された第三セクター鉄道会社に経営移管された。岩手県内の盛岡駅 - 目時駅間はIGRいわて銀河鉄道がいわて銀河鉄道線として運行している。青森県内の目時駅 - 青森駅間は青森県が第三種鉄道事業者として鉄道施設を保有し、青い森鉄道が第二種鉄道事業者として青い森鉄道線として運行している。

利用状況編集

区間ごとの平均通過人員は以下の通りである。

年度 平均通過人員(人/キロ/日)
全区間 東京 - 大宮 大宮 - 宇都宮 宇都宮 - 福島 福島 - 仙台 仙台 - 一ノ関 一ノ関 - 盛岡 盛岡 - 八戸 八戸 - 新青森
1987年度[25] 45,855 100,045 72,427 58,854 45,012 30,363 23,338 未開業 未開業
1992年度[25] 60,581 133,612 95,313 69,512 52,405 33,341 24,722 未開業 未開業
1997年度[25] 62,840 149,762 100,393 70,032 52,353 34,749 25,728 未開業 未開業
2002年度[25] 61,826 160,401 103,296 71,456 53,067 35,059 27,364 13,546 未開業
2007年度[25] 61,749 167,538 111,790 78,548 58,824 38,053 30,858 13,263 未開業
2012年度[25] 56,628 159,601 110,916 81,027 62,186 38,858 31,333 14,758 9,453
2017年度[25] 61,474 177,377 118,934 86,641 67,675 41,761 34,351 17,013 11,579

運賃と特急料金編集

運賃営業キロに基づいて算出する。東京 - 盛岡間の営業キロは対応する在来線である東北本線のものと同一になっている(同区間の営業キロは535.3キロメートル、実キロは496.5キロメートル)。盛岡以北の営業キロは、並行在来線が第三セクター鉄道へ移管されたため、対応するJR路線がないことから実キロ(新幹線での実際の距離)がそのまま用いられている。

特急料金は、「三角表」により各駅間個別に定められている。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業キロに基づいて算出されたものである。営業キロに対応する特急料金、およびその他の特定の区間の特急料金は以下のとおり。

なお、大宮駅 - 盛岡駅間については1982年の大宮暫定開業時、「営業キロが500キロメートルをわずかに越える(505キロメートル)ために特急料金負担増になる」ことが終着駅である盛岡で問題となり、当時、国鉄がこの区間について特例措置を取った経緯から401-500キロメートル区分の特急料金となっている。

参考 - 東北新幹線特急料金表
(2014年4月1日現在。普通車通常期・大人料金)
営業キロ・区間 特急料金(円)
自由席 指定席
100キロ以下 隣接駅間[* 1](50キロ以下)、
一ノ関 - 北上、北上 - 盛岡
860 2,360
隣接駅間[* 1](51 - 100キロ)、
古川 - 一ノ関
980
上記以外 1,840
101 - 200キロ 上野 - 宇都宮 2,260 2,780
上記以外 2,590 3,110
201 - 300キロ 3,470 3,990
301 - 400キロ 4,220 4,740
401 - 500キロ 4,750 5,270
501 - 600キロ 大宮 - 盛岡
上記以外 5,080 5,600
601 - 700キロ 5,440 5,960
701キロ以上 5,960 6,480
  • 東京駅と大宮駅以北の各駅との間の特急料金は、東京駅発着の営業キロは使用せず、上野駅発着の営業キロで算出した特急料金に210円を加算した額となっている。
  • 指定席特急料金は、閑散期は一律200円引き、繁忙期は一律200円増し。自由席は通年で同額。
  • グリーン車を利用する場合には、自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間も1,840円)の特急料金に利用区間に応じたグリーン料金を加算した金額となる。「グリーン料金」を参照。
  • グランクラスを利用する場合には、自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間も1,840円)の特急料金に利用区間に応じたグランクラス料金を加算した金額となる。「グランクラス料金」を参照。
  • 「はやて」の立席特急券の料金は自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間は1,840円)。
  • 「はやぶさ」「こまち」を大宮 - 盛岡間で利用する場合の特急料金は、以上の方法で算出された料金に「はやぶさ」「こまち」利用区間の加算額を加算した金額となる。「はやぶさ (新幹線)#特急料金」を参照。

営業編集

車内設備編集

全列車に普通車グリーン車を連結するほか、E5系・H5系を使用する列車(「はやぶさ」全列車と、「はやて」・「やまびこ」・「なすの」の一部列車)には、より上位のグレードである「グランクラス」車両も連結する。

なお、JR東日本は2007年3月のダイヤ改正以降、東北・上越・山形・秋田の各新幹線[注 9]および在来線特急列車の全てを禁煙車とし、喫煙ルームなども設けていないため、車内での喫煙はできない。

主要技術編集

冬季対策設備編集

東海道新幹線は開業4か月目で雪害の影響により列車の定時運行ができなくなった。そのため、寒冷・豪雪地帯を通過する東北・上越新幹線では10年に1度の積雪量に対しても正常に運行することを目的に「新幹線雪害対策委員会」が設立され、その成果が実際の雪害対策に反映された。東北・上越新幹線では10年以上かけて沿線の気象調査や技術開発が行われ、沿線の状況に合わせた雪害対策が取られた[26]。東北新幹線沿線は上越新幹線に比べて降雪量は少ないものの、12月から3月の平均気温が0℃未満であることから、年最大積雪深が30cm以上となる一ノ関 - 盛岡間に貯雪型高架橋が採用された[27]。貯雪式高架橋は、高架橋の軌道面をかさ上げすることで生じた空間に、新幹線車両のスノープラウによって排雪された線路上の雪をためることが可能な構造になっている[28]。 貯雪型高架橋は盛岡 - 八戸間でも採用されている[27]

積雪量が多いがバラスト軌道である北上駅付近および第2北上川橋梁附近の延長3.0kmは、貯雪能力が不足するため、散水消雪設備が設けられている[29]。また、八戸 - 新青森間は寒冷・多雪地帯であるため、上越新幹線で実績のあるスプリンクラーによる散水消雪方式の採用が検討され[30]、2008年度に青森市内に船岡試験場として300mの高架橋を建設し、散水消雪試験が行われた[31]。試験で得られた結果をもとに、七戸十和田 - 新青森間で散水消雪システムが導入された[31]。また、七戸十和田駅付近では予想される最大積雪深が貯雪能力を上回るため、貯雪量を拡大したポケット式貯雪型高架橋や高架橋内の降雪を減らすための雪覆いを設けた半雪覆式貯雪型高架橋が新幹線として初めて採用された[27]

分岐器においては雪による転換不良を防止するため、電気温風式融雪装置を設置するとともに、列車からの落雪や持込雪の対策として温水ジェット式の急速除雪装置が設置されている[29]

地震対策編集

東北新幹線沿線では太平洋沖での地震発生が多いことから、地震をいち早く感知して列車を停止させるため、沿線に約20km間隔で設置された地震計を用いた沿線検知システムに加えて、海岸線に約80km間隔で設置された地震計を用いた「海岸線検知システム」が導入された。1982年の開業当時は初期微動を引き起こすP波を用いた警報が実用段階ではなかったため、主要動を引き起こすS波加速度の大きさを基準とした警報が導入された[32]。地震計が設置されている場所の加速度が設定値以上になると警報が発せられ、予め決められた警報範囲で変電所からのき電を停止し、列車の非常ブレーキが作動することで列車防護を行うものであった[33]

1975年から国鉄において、P波から地震の規模や位置を推定するアルゴリズム(早期検知アルゴリズム)の研究が行われ、世界初のP波警報システムである「ユレダス (Urgent Earthquake Dtetection and Alarm System)」の開発が進められた。ユレダスは1992年に東海道新幹線で導入が開始され、1998年には東北新幹線においても導入された。ユレダス導入によってP波およびS波の2種類の警報判定が可能になり、S波到達より早く新幹線の停止信号を送ることが可能になった[34]

その後、最新の観測技術や高速ネットワークに対応し、早期探知アルゴリズムを改良した「早期地震防災システム」が開発された[35]

2004年に発生した新潟県中越地震による上越新幹線脱線事故をうけて、新幹線車両が地震などにより脱線した場合でも、車両がレールから大きく逸脱することを防止する「車両逸脱防止L型ガイド」を開発し、2008年度上期までにすべての新幹線車両に設置を完了した[36]。さらにレールの転倒や大幅な移動を防ぎ、L型車両ガイドが有効に機能するよう、スラブ軌道用[37]やバラスト軌道用[38]などの「レール転倒防止装置」を開発し、敷設工事が進められている。

JR東日本は早期地震検知体制のさらなる強化を図るため、防災科学技術研究所が整備を行っている「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」の地震観測データを新幹線早期地震検知システムに導入することを進めており、2017年11月より房総沖、2019年1月25日より茨城・福島沖から釧路・青森沖にかけての海底地震計情報が導入された。これにより、従来の検知体制と比較して最大で約20秒程度の検知時間の短縮が図られるとしている[報道 4]

沿革編集

整備計画決定まで編集

1969年(昭和44年)5月30日に「新全国総合開発計画」が閣議決定された。この中で主要開発事業の構想として「東北新幹線鉄道の建設を早急に行なうとともに」[39]と、現在の東北新幹線に相当する新幹線鉄道の建設構想が盛り込まれた。

1970年(昭和45年)に全国新幹線鉄道整備法(以下は全幹法と略記)が公布された。この法律により、逼迫する幹線の輸送力増強を目的とした東海道・山陽新幹線とは異なり、経済発展や地域の振興を目的とした新幹線の建設が行われるようになった。1971年(昭和46年)1月に全幹法第5条第1項の規定による「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」(昭和46年告示第17号)により東北新幹線(東京都 - 盛岡市)上越新幹線(東京都 - 新潟市)、成田新幹線(東京都 - 成田市)の基本計画が公示された [40]。この基本計画において東北新幹線(東京都 - 盛岡市)は東京都を起点に宇都宮市附近、仙台市附近を主要な経過地として盛岡市を終点とすることが示された[41]。同年4月1日に3路線の整備計画が決定された[40]。東北新幹線は最高設計速度260km/h、建設主体は日本国有鉄道(国鉄)とされた[41]

1972年(昭和47年)6月に、新たに4路線の基本計画が決定され[42]、7月3日に昭和47年告示第242号によって東北新幹線(東京都 - 青森市)に基本計画が改正された[43]。この基本計画において東北新幹線は東京都を起点に宇都宮市附近、仙台市附近、盛岡市を主要な経過地として青森市を終点とすることが示された。

翌年の1973年(昭和48年)11月には北海道新幹線(青森市 - 札幌市)、東北新幹線(盛岡市 - 青森市)、北陸新幹線(東京都 - 大阪市)、九州新幹線福岡市 - 鹿児島市)、九州新幹線(福岡市 - 長崎市)の5路線(いわゆる整備新幹線)の整備計画が決定された[43]。東北新幹線は最高設計速度260km/h、主要な経過地として「八戸市附近」が示され、建設主体は日本国有鉄道とされた[43]

東京 - 盛岡間の建設・開業編集

1971年(昭和46年)10月12日に東京 - 盛岡間の工事実施計画(その1)の認可申請が行われ、10月に認可、11月に東北新幹線の工事に着手した[44]。開業当初は最高速度210 km/h、12両編成の計画であるが、最高速度260km/h、大きな手戻りなく16両編成に対応できる建設基準であった[45]。認可時点での計画は、東京駅については、東京駅在来第6、第7ホームを東北新幹線に転用し、2面4線の東海道新幹線ホームとあわせて4面8線の新幹線ホームとして、このうち5線を東北新幹線と東海道新幹線が直通可能な配線にする計画であった[46]。東京駅を出た後は秋葉原駅付近で地下に入り、御徒町から上野公園の下を通って日暮里駅構内で再び地上に出て、京浜東北線沿いに赤羽まで北上し、北区浮間を経て荒川を渡り[46]、荒川から大宮駅手前にかけては延長10.8kmの南埼玉トンネルを建設する計画であった[47]

盛岡 - 大宮間の暫定開業編集

認可時点での完成目標は1976年(昭和51年)度であったが、オイルショック後の経済悪化や国鉄の経営悪化などにより、1977年(昭和52年)には完成目標が1980年(昭和55年)度に、1981年(昭和56年)には完成目標が1986年(昭和61年)度に繰り下げられた[48]。1978年(昭和53年)6月からは小山 - 宇都宮間の完成した新幹線線路約43kmを使用した試験走行が開始された。大宮以北の工事は順調に進められたが、大宮以南では地下ルートが技術的検討により高架ルートに変更され、同時に通勤新線(現在の埼京線)を併設するなど計画の変更がなされたことなどにより、工事が遅れていた。1980年(昭和55年)12月には東北・上越両新幹線の開業を1982年(昭和57年)春とし、仮の始終着駅を大宮駅とすること。大宮 - 上野間の開業を1984年(昭和59年)度とし、東京 - 上野間についても引き続いて完成に努力することが発表された[49]

1982年(昭和57年)6月22日に大宮駅 - 盛岡駅間が暫定開業した[50]。大宮駅 - 上野駅間には新幹線リレー号が運行された。

東北・上越新幹線反対運動と大宮以南の開業遅延編集

 
上野駅 - 大宮駅間を走行する列車

東北・上越新幹線の建設が開始された1970年代前半は、名古屋新幹線訴訟をはじめ、先に開業していた東海道・山陽新幹線の騒音問題が社会問題化した時期にあたる。このような中で建設が開始された東北・上越新幹線の沿線では、東北地方を含めた各地で騒音を懸念しての反対運動が展開された。特に都市化の進展しつつあった大宮以南の区間では、当初の工事実施計画では地下方式(南埼玉トンネル)での建設が予定されていた荒川北岸 - 大宮駅南側の区間が、後に高架方式へと変更されたこととも相まって、東京都北区、埼玉県戸田市浦和市与野市での反対運動は、激化・長期化することとなった(特にトンネルで真下を通過することになった星美学園はそのシンボルとなった)。工事用地内への居座り・デモ行進・地元説明会打切りなどの妨害行為がなされ、開業時期の遅れや事業費の肥大化の大きな原因となった。詳細は「東北・上越新幹線反対運動」、および「埼京線#当時の沿線住民の反対運動」を参照。

なお、地下方式から高架方式への転換にあたっては、同時に赤羽駅 - 大宮駅間に並行する通勤新線(埼京線)を同時に建設することが国鉄側から提案された。また、建設ルートがカーブの多い線形へと変更され、最高速度が110km/hに制限されることになった[51]

このような理由により、東京駅 - 大宮駅間は新幹線でも約25分(上野通過の列車は約23分)かかり、並行する在来線の所要時間と大差がない。この区間では最高速度引き上げに向けた工事が行われている。詳細は今後の予定を参照。

1983年(昭和58年)8月には国鉄再建監理委員会の緊急提言により安全対策上やむを得ない工事に限って施工するとした方針が示され、工事は停滞した[52]

上野延伸と240km/h化編集

1971年(昭和46年)10月の認可時点では、東北新幹線は東京駅在来第6、第7ホームを東北新幹線に転用し、秋葉原駅付近で地下に入り、御徒町から上野公園の下を通って日暮里駅構内で再び地上に出るルートが計画されており、上野に駅を設置する計画は存在しなかった[53]。しかし、東海道新幹線の利用客増加に伴う東京駅の容量不足により、第7ホームは東海道新幹線に転用された。これを補完するために上野駅を設置する工事実施計画の変更が行われ[53]1977年(昭和52年)12月に東京 - 盛岡間工事計画変更その2が認可された[52]。東北新幹線の上野駅は深さ約30mの地下4階に設けられ、2面4線で折り返し可能な構造で設計された[54]

1983年(昭和58年)3月の役員会において、上野開業時に東北新幹線の運転速度を230km/h程度とする申し合わせが行われた[55]。その後約1年間大宮 - 盛岡間で行われた約27.6万kmにおよぶ240km/h走行耐久試験の結果を踏まえて、1984年(昭和59年)11月に240km/hの営業運転が決定された [55]

1985年(昭和60年)3月14日に上野駅 - 大宮駅間が開業し、最高速度240km/h運転を開始した。これにより、大宮駅での新幹線リレー号への乗り換えが不要になり、上野駅 - 盛岡駅間の所要時間は最短で2時間45分に短縮された[56]

国鉄民営化と東京延伸編集

1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東京 - 盛岡間の東北新幹線の鉄道施設の保有及び東京 - 上野間の建設は新幹線鉄道保有機構に移管された[52]。東日本旅客鉄道(JR東日本)は新幹線鉄道保有機構にリース料を支払い、鉄道施設を借り受けて運営していた。また、東京 - 上野間の実際の工事は新幹線鉄道保有機構からの委託契約によりJR東日本により施工された[52]

都心部を通過するルートであり用地買収を極力抑えるため、上野 - 東京間のルートは複雑になっている。東京駅では、第6ホームを東北新幹線に転用し、将来的に東海道新幹線と直通運転可能な構造とした[57]。東京駅を出て、呉服橋から竜閑橋の間は都道407号線江戸通り)の中央分離帯に橋脚を設置し、道路の上空半分に高架橋を建設、神田駅付近では在来線高架橋を取り壊したうえで新幹線高架橋を建設した[58]。この高架橋は新幹線高架橋の上に在来線高架橋を継ぎ足す重層化を考慮した設計がされており [59]、在来線部分は2015年3月に上野東京ラインとして開業している[60]秋葉原駅付近からは25‰勾配で下り、地下の上野駅へ向かうが、この区間にある第1上野トンネルでは1990年(平成2年)1月にシールド工法区間(御徒町トンネル)の建設中に陥没事故が発生している[61]

1991年(平成3年)6月20日に東京駅 - 上野駅間が開業した[50]。東北・上越新幹線で東京駅へ向かう場合の在来線乗り換えが不要となったことにより、所要時間は東京駅 - 仙台駅間で2時間6分から22分短縮されて1時間44分、東京駅 - 盛岡駅間では2時間56分から20分短縮されて2時間36分、東京駅 - 青森駅間では21分短縮されて4時間54分となった[62]。同年10月に新幹線鉄道保有機構は解散し、東北新幹線 東京 - 盛岡間の鉄道施設はJR東日本に有償で譲渡された。

直通運転の増加と275km/h化編集

1988年(昭和63年)8月から奥羽本線 福島駅 - 山形駅間を狭軌(1067mm)から新幹線車両が直通可能な標準軌(1435mm)に改軌する工事が行われ、1992年(平成4年)7月1日に山形新幹線「つばさ」として東北新幹線との直通運転を開始した。山形新幹線開業に合わせて新幹線と在来線の双方の規格に対応した400系が導入された。

1995年から1997年10月1日の北陸新幹線開業時のダイヤ改正に至るまで、運行体系の見直しによるダイヤ改正が行われた。東北新幹線では開業以来、速達タイプ「やまびこ」と各駅停車タイプ「あおば」という列車愛称であった。しかし、「あおば」に比べて「やまびこ」の乗車率が高く、仙台や盛岡などの長距離利用客が指定席を取りづらくなっていることや、東京 - 宇都宮間などの近距離需要の増大に伴い、運行体系の見直しが行われた。1995年12月のダイヤ改正では、運行区間を基本とした列車愛称に変更され、近距離需要向けに東京 - 那須塩原間に「なすの」を新設し、遠距離需要を主とする「やまびこ」の停車駅を削減した[63]

1992年(平成4年)3月から田沢湖線 盛岡駅 - 大曲駅間においても同様の改軌工事が、奥羽本線 大曲駅 - 秋田駅間においては狭軌と標準軌の単線並列化工事が行われ、1997年(平成9年)3月22日に秋田新幹線「こまち」として東北新幹線との直通運転を開始した[64]。新たな新在直通対応車両として、在来線区間で最高速度130km/h、新幹線区間において最高速度275km/hで走行可能なE3系が導入された。秋田新幹線開業に合わせて「こまち」と併結する「やまびこ」のうち最速タイプの3往復については、宇都宮 - 盛岡間で最高速度275km/hで走行可能なE2系が導入された。これにより、所要時間は東京駅 - 盛岡駅間で2時間36分から15分短縮されて最速2時間21分、東京駅 - 秋田駅間で開業前の4時間37分から48分短縮されて3時間49分となった[65]。同年10月1日に北陸新幹線 高崎駅 - 長野駅間が開業した。北陸新幹線の乗り入れ開始に伴い、東京駅のJR東日本の新幹線ホームが1面2線から2面4線に増設された[66]。東北新幹線では列車名の見直しが行われ、東京 - 那須塩原間「なすの」、東京 - 仙台・盛岡間「やまびこ」に統一され、「あおば」は列車愛称としては廃止された[67]

盛岡 - 新青森間の建設・開業編集

建設の凍結と運輸省案による整備方針編集

国鉄の経営悪化などを背景に1982年(昭和57年)9月の臨時行政調査会の基本答申に沿って、東北新幹線(盛岡市 - 青森市)を含む整備新幹線計画を当面見合わせる閣議決定がなされた[3]

1985年(昭和60年)12月に、盛岡 - 新青森間の認可申請が行われた[43]1986年(昭和61年)11月には、青森市石江地区に、奥羽本線の駅として新青森駅が開業した。国鉄改革や行財政改革の進展、沿線地域の建設促進への強い要望などを背景に、1987年(昭和62年)1月に整備新幹線建設の凍結解除が閣議決定され、盛岡駅以北の東北新幹線の建設に道が開かれた[3]。しかし、建設費を削減するため、いわゆる「運輸省案」が考案され、東北区間については以下のような案が検討された 。時間短縮効果の高い沼宮内 - 八戸間に標準軌新線を建設し、盛岡 - 沼宮内間および八戸 - 青森間に狭軌に加え標準軌を導入する新幹線直通線化(ミニ新幹線化)をすることで上野 - 青森間で新幹線による直通運転を行い、所要時間を4時間51分から4時間2分に短縮するとした[68]

  • 東北区間の「運輸省案」[68]
    • 盛岡 - 沼宮内間:新幹線直通線
    • 沼宮内 - 八戸間:標準軌新線
    • 八戸 - 青森間:新幹線直通線

1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、1972年(昭和48年)の整備計画では国鉄が建設主体とされていた東北新幹線(盛岡市 - 青森市)は、日本国有鉄道改革法等施行法の附則により東日本旅客鉄道(JR東日本)が建設主体とされたが、同年9月に施行された「旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律」により東北新幹線(盛岡市 - 青森市)の建設は日本鉄道建設公団に引き継がれた。

1988年(昭和63年)8月31日の「整備新幹線の取扱いについて」において整備新幹線着工優先順位が示され、1(i)として北陸新幹線高崎 - 軽井沢間の標準軌新線、なお軽井沢 - 長野間の取扱いは1998年冬季五輪の開催地決定を考慮して3年以内に結論を出す。1(ii)として高岡 - 金沢間の新幹線規格新線。2として東北新幹線。3として九州新幹線。4として糸魚川 - 魚津間の新幹線規格新線とされた[69]

1989年(平成元年)1月17日の政府与党申合わせにおいて、整備新幹線の建設主体などなどが示された。整備新幹線の事業費はJR、国、沿線の地方自治体の負担とすること[70]。建設主体は日本鉄道建設公団とし、建設した鉄道施設を公団がJRに有償で貸し付けること[70]。北陸新幹線高崎 - 軽井沢間を平成元年度から本格的に着工すること、あわせて難工事推進事業として3トンネルについても平成元年度中に着手すること[71]などが示された。

1989年(平成元年)6月に難工事推進事業として、沼宮内(現 いわて沼宮内)- 八戸間の岩手トンネルの着工が認可された[72]。1992年(平成3年)に新幹線直通線(ミニ新幹線)や新幹線鉄道規格新線(スーパー特急)による「暫定整備計画」を決定できるよう全幹法が改正された。

昭和63年の「整備新幹線の取扱いについて」において優先順位2位であった東北新幹線は、1991年(平成3年)8月22日に盛岡 - 青森間193.4kmの工事実施計画が認可され、9月4日に起工式が行われた[43]。沼宮内 - 八戸間は標準軌新線(フル規格)、盛岡 - 沼宮内間および八戸 - 青森間は新幹線鉄道直通線(ミニ新幹線方式)であり、1992年(平成4年)7月29日に盛岡市 - 岩手町間および八戸市 - 青森市間の暫定整備計画が決定された[43]

全区間フル規格化編集

1994年(平成6年)12月の連立与党申合せにより、盛岡 - 沼宮内間を標準軌新線(フル規格)で建設すること、八戸 - 青森間の新幹線鉄道直通線(ミニ新幹線)計画を取り下げることが決定された[73]。前述の合意を踏まえて、1995年(平成7年)4月に盛岡 - 沼宮内間の工事実施計画(フル規格)が認可され、盛岡 - 八戸間の全区間が標準軌新線によるフル規格で建設されることになった。

1996年(平成8年)12月25日の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」では東北新幹線の新規着工区間として八戸 - 新青森(石江)間の標準軌新線(フル規格)が示された[国交省 1]。平成8年の合意に基づいて、1998年(平成10年)1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、従来の整備新幹線計画が維持されていることを確認したうえで新規着工区間の優先順位が示され(1)東北新幹線 八戸 - 新青森間、九州新幹線(鹿児島ルート)船小屋 - 新八代間、(2)北陸新幹線 長野 - 上越間とされた[報道 5]。同年3月に八戸 - 新青森間の工事実施計画(フル規格)が認可された[JRTT 1]

2000年(平成12年)12月18日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申合せにおいて、東北新幹線 盛岡 - 八戸間については「平成14年末の完成を目指す」とされた。八戸 - 新青森間については「今後概ね12年後の完成を目指す」とされた[国交省 2]

2002年(平成14年)12月1日に盛岡駅 - 八戸駅間が開業した[4]。また、新たな最速達列車として「はやて」の運行を開始した。これにより、所要時間は東京駅 - 八戸駅間では37分短縮されて2時間56分[74]、東京駅 - 青森駅間では28分短縮されて3時間59分(在来線乗り換え時間を含む)となった[75]

2003年(平成15年)10月1日に鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設立され、日本鉄道建設公団は解散した。これにより東北新幹線(盛岡 - 新青森間)の建設・貸付け業務は機構に引き継がれた。

2004年(平成16年)12月16日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申合せにおいて、東北新幹線 八戸 - 新青森間については「平成22年度末の開業を目指す」とされた[国交省 3]

2010年(平成22年)12月4日に八戸駅 - 新青森駅が開業し、東北新幹線は整備計画決定から39年の歳月を経て全線開通となった[5]。これにより、東京駅 - 新青森駅間の所要時間は36分短縮されて3時間23分となった[76]

全線開業後編集

東日本大震災による被災と復旧編集

2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により、東北新幹線は大きな被害を受けた。地震発生時には仙台・盛岡支社管内で14本の列車(うち13本は営業列車)が運行していた。14時46分に管内の海底地震計が基準値を超える地震を感知し、仙台 - 古川間を約270km/hで走行していた2本の列車は、運転中止基準値18.0カインを超過する12 - 15秒前にき電停止により自動的に非常ブレーキが作動し、緊急停車した。[77]。営業列車に脱線は生じなかったが、仙台駅構内を約72km/hで走行していた試7932B列車(E2系)の4両目の前台車2軸が脱線した。脱線原因としては東北地方太平洋沖地震の地震動のうち高架橋固有振動数に近い振動が共振現象により増幅され、その振動が車両に上心ロールを生じさせたことが原因とされている。ただし、早期地震検知システムにより脱線直前に減速されていたことや、車両の逸脱防止ガイドが機能したことで、車両が軌道から大きく逸脱することはなかった[78]主要技術も参照)。駅間やトンネル内で停車した列車では、飲食物の配布等が行われたが、当日中に全ての対応を行うことは困難な状況であった。その後、バスで乗客を避難所まで輸送し、翌12日中には全ての乗客の救済が完了した[79]

乗客の救済が完了した区間から新幹線線路設備の点検を開始し、16日に完了した。落橋やトンネルの崩落はなかったが、仙台駅ホームの天井が落下する[80]など5つの駅が損傷し、電化柱の損傷が約540箇所、架線の切断が約470箇所、高架橋の橋脚損傷が約100箇所、線路の損傷が約20箇所など、合計で約1,200箇所に被害が生じた[81]新幹線総合車両センターが被災したことで検測車両( East i)が使用できないため、京浜急行電鉄の軌道検測車等を借用して軌道検測を実施した[82]。仙台駅構内で停止直前に脱線した試7932B列車の撤去作業は3月24日に行われた[83]

(左)損傷した東北新幹線の架線(2011年3月13日、福島県伊達郡国見町付近)
(右)広瀬川に架かる橋梁上に緊急停止した「Maxやまびこ」(2011年3月27日、宮城県仙台市太白区

設備の損傷の少なかった東京駅 - 那須塩原駅間は3月15日に運転を再開した[81]。盛岡駅 - 新青森駅間は3月23日再開予定とされていたが、当初の見込みより1日早く3月22日に運転を再開した(22日は1日6.5往復、23日からは1日10往復)[84]

一ノ関駅 - 盛岡駅間は4月8日再開予定とされていたが、当初の見込みより1日早い4月7日に一部区間徐行運転により運転を再開した(上下各5本)[84]。しかし、同日夜に起きた東北地方太平洋沖地震の余震とみられる強い地震により新たに約550か所の被害が生じた[85]

4月12日に那須塩原駅 - 福島駅間で一部区間徐行運転により運転を再開した。また、同日再開した東北本線 福島駅 - 仙台駅間で臨時快速列車「新幹線リレー号」を上下計16本運転し(4月24日まで)、首都圏 - 仙台間の鉄道輸送が再開された[85]。4月25日に東京駅 - 仙台駅間で「はやて」「やまびこ」44往復運転により運転を再開した。また、東北本線 仙台駅 - 一ノ関駅で臨時快速列車6往復の運転を開始した[85][86]。4月29日に東北新幹線は全線で運転を再開し、東京駅 - 仙台駅間で上下108本、東京駅 - 盛岡駅間で上下57本、東京駅 - 新青森駅間で上下29本を運行した。全線運転再開にあわせて「つなげよう、日本。」「がんばろう日本! がんばろう東北!」のステッカーを貼って運転された。また、「はやぶさ」が東京駅 - 新青森駅間で1往復、東京駅 - 仙台駅で1往復運転され、グランクラス料金の一部は被災地復興支援の義援金として寄付された[87][88]

(左)復興推進キャンペーンのステッカーを貼付したE3系と、青森デスティネーションキャンペーンのステッカーを貼付したE2系
(2011年6月12日 東京駅)
(右)長野新幹線あさま用編成にも同様のステッカーを貼付(2011年7月11日 熊谷駅

運転再開当日は仙台市地下鉄南北線の全線開通や、東北楽天ゴールデンイーグルスKスタ宮城・vsオリックス・バファローズ戦)・ベガルタ仙台仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台)・vs浦和レッズ戦)の本拠地初戦の開催と重なったことから、仙台市の市民ボランティアのTwitterでの呼びかけにより、九州新幹線開業CMを元に、通過する列車を沿線で手を振って迎えようというプロジェクトが企画され、当日は沿線で多くの人が列車に向かって手を振る様子が見られ、この模様がYouTubeニコニコ動画などで配信された[新聞 1]

全線運転再開後も那須塩原駅 - 盛岡駅間では徐行運転による暫定ダイヤでの運転が継続されたが、7月29日に那須塩原駅 - 福島駅間および一ノ関駅 - 盛岡駅間で[報道 6]、9月23日には全区間で速度規制が解除され[報道 7]、約半年ぶりに震災前の所定ダイヤ(最高速度300km/h)での運転が可能になった[87]

300km/h以上の高速化編集

2005年6月からE954形 (FASTECH 360S)、2006年4月から新在直通対応のE955形 (FASTECH 360Z)による試験走行が開始され、地上設備と車両に関して様々な試験が行われた。その結果結果を踏まえて、2007年7月に東北新幹線320km/h化が決定された[89]。 320km/h運転に向けて、地上設備では2008年度から2012年度にかけて対策工事が行われ、騒音対策として防音壁のかさ上げや騒音低減装置(NIDES)、側壁吸音板の設置、トンネル微気圧波対策として緩衝工の新設・延伸[90]、コンクリート桁のたわみ低減対策[91]、通過時の駅構造物への圧力変動対策として一ノ関駅、水沢江刺駅、新花巻駅で改修工事が行われた[92]。車両面では320km/h運転が可能なE5系およびE5系と併結し320km/h走行が可能で新在直通車両であるE6系が開発された。

2011年3月5日のダイヤ改正では、E5系が導入され、JR東日本では初めての最高速度300km/h運転を行う「はやぶさ」3往復が運転を開始した[93]。これにより東京駅 - 新青森駅間の所要時間は最高速度275km/hである「はやて」より最速達列車で10分短縮されて3時間10分となった[93]

2013年3月16日のダイヤ改正では、E5系単独編成の「はやぶさ」において国内最速となる最高速度320km/hでの運転、およびE5系とE6系の併結編成「はやぶさ・スーパーこまち」での最高速度300km/h運転を開始した[93]

2014年3月15日のダイヤ改正では秋田新幹線の車両が新型車両のE6系に統一されたことで「はやぶさ・こまち」の全ての併結編成において宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度が320km/hに引き上げられた[94]。これにより、東京駅 - 秋田駅間の所要時間は8分短縮されて最速で3時間37分、下り平均で12分短縮されて3時間47分となった[94]。また、すべての「はやぶさ」が320km/h運転となったことで所要時間は東京駅 - 新青森駅間の下り平均で9分短縮されて3時間14分となった[94]

整備新幹線として建設された盛岡 - 新青森間の最高速度は1973年の整備計画に基づき260km/hとされているが、1993年以降に計画された整備新幹線では、施工後の変更が困難な緩和曲線と縦曲線について対応可能な範囲で360km/hで走行可能な線形を確保している[95]

年表編集

国鉄時代 開業前編集

  • 1964年昭和39年)
  • 1969年(昭和44年)
  • 1970年(昭和45年)
  • 1971年(昭和46年)
    • 1月18日:昭和46年運輸省告示第17号により、東北新幹線(東京都 - 盛岡市)を含む3路線の基本計画公示[44]
    • 4月1日:東北新幹線(東京都 - 盛岡市)を含む3路線の整備計画決定[40]
    • 10月12日:東京 - 盛岡間の工事実施計画(その1)認可申請[44]
    • 10月14日:東京 - 盛岡間の工事実施計画(その1)認可[44]
    • 11月26日:工事に着手[44]
  • 1972年(昭和47年)
    • 6月29日:東北新幹線(盛岡市 - 青森市)を含む4路線の基本計画決定および調査の指示[72]
    • 7月3日:昭和47年運輸省告示第242号により東北新幹線(東京都 - 青森市)に基本計画変更[72]
  • 1973年(昭和48年)
    • 11月13日:東北新幹線(盛岡市 - 青森市)を含む5路線の整備計画決定および建設の指示[41]
  • 1977年(昭和52年)
    • 8月10日:小山総合試験線(石橋 - 鷲宮間42.8 km)のレール敷設が完了[98]
    • 12月:東京 - 盛岡間の工事実施計画変更(その2)認可[99]
  • 1979年(昭和54年)
    • 6月9日:小山駅付近に建設された東北新幹線総合試験線にて、試作車両の走行試験を開始。
    • 9月:仙台試験線管理所開設。
  • 1981年(昭和56年)
    • 4月1日:仙台工場発足。
    • 6月12日:全国新幹線鉄道整備法改正。建設費の地元負担が可能とされる[100]
    • 8月1日:小山運転所(現・小山新幹線車両センター)発足。
    • 8月10日:盛岡新幹線第一運転所開所。仙台試験線管理所を改組し、仙台新幹線第一運転所発足。後に仙台工場と統合し、仙台総合車両所に改称。
    • 10月29日:列車愛称を「やまびこ」・「あおば」と発表。

国鉄時代 開業後編集

  • 1982年(昭和57年)
    • 3月30日:盛岡 - 新青森間ルート公表[JRTT 1]
    • 6月23日:東北新幹線 大宮駅 - 盛岡駅間 (495.2km) 開業[50]200系営業運転開始。最高速度210km/hで、速達タイプが「やまびこ」、各駅タイプが「あおば」となった。「やまびこ」5往復(うち1往復は臨時列車)と「あおば」6往復運転開始。大宮駅 - 上野駅間は専用列車の「新幹線リレー号」で結んでいた[101]
    • 9月24日:臨時行政調査会第三次答申にて、財政赤字の拡大、国鉄の経営悪化を理由に整備新幹線の建設計画の当面見合わせを閣議決定[3][72]
    • 11月15日:上越新幹線 大宮駅 - 新潟駅間開業、東北新幹線が(暫定開業に対する)本開業。定期列車を10往復から30往復に大幅増発。
    • 12月6日:盛岡市 - 青森市間における環境影響評価報告書案を公表[72]
  • 1985年(昭和60年)
    • 3月14日:東北新幹線 上野駅 - 大宮駅間 (27.7km) 開業。最高速度を240km/hに引き上げ[50]。同時に水沢江刺駅、新花巻駅開業。「新幹線リレー号」廃止。
    • 8月22日:整備新幹線財源問題等検討委員会の設置、新幹線駅周辺周辺環境整備事業の実施[72]
    • 12月4日:盛岡市 - 青森市間の工事実施計画認可申請[72]
  • 1987年(昭和62年)
    • 1月30日:整備新幹線計画見合わせの閣議決定を変更[72]
    • 月日不詳:上野第一運転所を上野新幹線第一運転所に改称。
    • 3月:東京 - 盛岡間の工事実施計画変更(その11)認可(上野 - 盛岡間の完了報告、東京 - 上野間に分割)[99]

JR東日本発足後編集

  • 1987年(昭和62年)
    • 4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR各社が発足。東北新幹線は東日本旅客鉄道(JR東日本)の管轄とされる。新幹線鉄道保有機構が発足し、東北新幹線(東京 - 盛岡)の鉄道施設をJR東日本に貸し付け。
    • 9月:「旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引き継ぎに関する法律」により、東北新幹線(盛岡市 - 青森市)の建設は日本鉄道建設公団に引き継ぎ。
  • 1988年(昭和63年)
  • 8月31日:「整備新幹線の取扱について」政府・与党申合せにおいて整備新幹線着工優先順位決定。東北新幹線は運輸省案で第2位[69]
  • 1989年平成元年)
    • 1月17日:「平成元年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱について」により整備新幹線の旧財源スキーム策定[70]
    • 6月2日:整備新幹線難工事推進事業計画(岩手トンネル)認可[72]
  • 1990年(平成2年)
    • 1月22日:東京駅延伸工事中に第1上野トンネル(通称:御徒町トンネル)の建設現場で土砂が噴出し、地上の道路が陥没する事故が発生。
    • 3月:東京 - 盛岡間工事実施計画変更(その12)認可(工事予算及び完了時期の変更)[99]
    • 3月10日:くりこま高原駅開業。
    • 12月24日:「整備新幹線着工等について政府与党申合せ」により盛岡 - 青森間の運輸省案による着工を決定。同時に、並行在来線をJRから経営分離することを明記。
  • 1991年(平成3年)
    • 月日不詳:盛岡新幹線第一運転所を盛岡新幹線運転所に改称。
    • 6月20日:東北新幹線 東京駅 - 上野駅間 (3.6km) 開業[50][102]
    • 8月9日:東北新幹線 沼宮内 - 八戸間、フル規格で追加認可申請[JRTT 1]
    • 8月22日:盛岡 - 青森間の工事実施計画認可[43]
    • 9月4日:盛岡 - 青森間起工式[43]
    • 10月1日:JR東日本が新幹線鉄道保有機構から東北新幹線(東京 - 盛岡間)の鉄道施設を有償で譲渡される。新幹線鉄道保有機構は解散し、鉄道整備基金設立。
  • 1992年(平成4年)
    • 6月19日:運輸政策審議会が、「五大都市(東京、大阪、名古屋、札幌、および福岡)から地方主要都市までを概ね3時間程度で結ぶ」とする答申を発表。
    • 7月1日:山形新幹線 福島駅 - 山形駅間開業。同線との直通列車として「つばさ」運転開始[102]。200系「やまびこ」と400系「つばさ」の併結運転開始。
    • 7月29日:盛岡市 - 岩手町間、および八戸市 - 青森市間の暫定整備計画の決定および建設の指示[43]
  • 1994年(平成6年)
    • 2月8日:非自民連立政権の政府・与党が新規着工凍結の申し合わせ。
    • 7月15日:E1系"Max"が営業運転開始。「Maxやまびこ」・「Maxあおば」を新設。
    • 12月19日:自社さ連立政権の政府・与党が再度新規着工凍結の申し合わせ。東北新幹線盛岡 - 沼宮内間をフル規格に変更し、八戸 - 青森間のミニ新幹線計画を取り下げ。
  • 1995年(平成7年)
    • 4月12日:東北新幹線 八戸 - 青森間のミニ新幹線の建設指示を撤回。
    • 4月26日:盛岡 - 沼宮内間の工事実施計画(フル規格)追加認可申請[JRTT 1]
    • 4月28日:盛岡 - 沼宮内間の工事実施計画(フル規格)追加認可、着手[JRTT 1]。また、東北新幹線 沼宮内 - 八戸間の工事実施計画の変更認可[103]
    • 12月1日:開業以来最大規模となる抜本的なダイヤ改正を実施。「やまびこ」・「Maxやまびこ」の停車パターンを大幅に見直して仙台・盛岡駅方面への速達化および混雑度の分散化が図られた。東京駅 - 那須塩原駅間で「なすの」・「Maxなすの」運転開始[102]。同時に「あおば」・「Maxあおば」を削減。400系「つばさ」は6両編成から7両編成に増結。
  • 1996年(平成8年)
    • 12月25日:政府・与党合意により、整備新幹線の新財源スキーム、新規着工区間など決定。上下分離方式により、JRは受益の範囲を限度とした貸付料を支払うこととされる。東北新幹線 八戸 - 新青森(石江)間のフル規格化および着工が決定[国交省 1]
  • 1997年(平成9年)
    • 3月22日:秋田新幹線 盛岡駅 - 秋田駅間開業。同線との直通列車として「こまち」運転開始[64]。最高速度を275km/hへ引き上げ。同日E2系が営業運転開始。200系・E2系「やまびこ」とE3系「こまち」の併結運転開始。「つばさ」を併結する「やまびこ」が10両編成となり、東京 - 福島間では新幹線としては初めてとなる17両編成の列車が見られるようになった。
    • 5月:全国新幹線鉄道整備法改正(財源スキームの見直し)。
    • 10月1日:北陸新幹線 高崎駅 - 長野駅間(通称・長野新幹線)が開業し、同新幹線が東京駅 - 大宮駅間に乗り入れ開始。列車愛称を行先別に整理し、「あおば」・「Maxあおば」を廃止して「やまびこ」・「Maxやまびこ」に統合(詳細は後述)。東京駅20・21番ホームの新設により上野駅発着の定期列車が消滅した(上越新幹線についても同じ)。鉄道整備基金が船舶整備公団と統合し、運輸施設整備事業団設立。
    • 12月20日:E4系Maxが営業運転開始[102]
  • 1998年(平成10年)
    • 1月21日:「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」公表。従来の整備計画として、東北新幹線 盛岡 - 青森間の維持を確認。東北新幹線 八戸 - 新青森(石江)間の優先順位第1位での建設着工を決定[報道 5]
    • 2月19日:八戸 - 新青森間の工事実施計画(フル規格)追加認可申請[JRTT 1]
    • 3月12日:八戸 - 新青森間の工事実施計画(フル規格)追加認可[JRTT 1]
    • 3月13日:東北新幹線 八戸 - 新青森間建設工事着手[JRTT 1]
    • 12月8日:E1系Maxによる「Maxやまびこ」が東京駅 - 仙台駅間1往復に削減され、仙台以北での定期運用終了。E3系「こまち」は5両編成から6両編成に増結。
  • 1999年(平成11年)
    • 4月29日:E4系「Maxやまびこ」と400系「つばさ」が併結運転開始。
    • 5月12日:東北新幹線 八戸 - 新青森間の青森車両基地の工事実施計画認可。
    • 12月4日:山形新幹線 山形駅 - 新庄駅間延伸開業[102]。E3系1000番台が営業運転開始し、E1系Maxが東北新幹線列車での定期運用を終了。秋田新幹線「こまち」との併結運転列車から200系が撤退してE2系のみとなり、「こまち」は所要時間の短縮が図られた。
  • 2000年(平成12年)
    • 12月14日:八甲田トンネル市ノ渡工区内で土砂崩れが発生し、作業員1人が死亡。
    • 12月18日:整備新幹線の取扱いについての政府・与党申し合わせ。東北新幹線 盛岡 - 八戸間は2002年(平成14年)末、八戸 - 新青森間は今後概ね12年後の完成を目指すとされた[国交省 2]
  • 2001年(平成13年)
    • 9月21日:山形新幹線「つばさ」との併結運転列車から200系が撤退し、E4系のみとなる。これにより17両編成の列車は一旦見られなくなった。
  • 2002年(平成14年)
    • 5月14日:八戸駅まで運行される列車の愛称を「はやて」と発表。
    • 6月23日:東北新幹線大宮開業20周年に合わせ、200系F93編成を使用した「想い出のあおば」を運転。
    • 9月4日:盛岡駅 - 八戸駅間開業に伴う特別急行料金の上限設定を申請。
    • 9月20日:盛岡駅 - 八戸駅間開業に伴う特別急行料金の上限設定を認可[報道 8]
    • 10月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を公表[104]

八戸延伸後編集

  • 2002年(平成14年)
    • 12月1日:東北新幹線 盛岡駅 - 八戸駅間 (96.6km) 開業[4]。同区間でデジタルATC(DS-ATC)を使用開始。
  • 2003年(平成15年)
  • 2004年(平成16年)
    • 4月1日:仙台総合車両所を新幹線総合車両センター、盛岡新幹線運転所を盛岡新幹線車両センターに、それぞれ改称。
    • 6月1日:上野新幹線第一運転所を東京新幹線車両センターに改称。
    • 12月16日:政府・与党検討委員会の検討結果(政府・与党申し合わせ)により、新たな財源スキーム(既設新幹線譲渡収入の前倒し活用など)および着工区間が決定東北新幹線 八戸駅 - 新青森駅間については、2010年(平成22年)度末の完成を目指すとされた[国交省 3]
  • 2005年(平成17年)
    • 3月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を閣議決定[105]
    • 5月31日:建設中の牛鍵トンネル内で、天井部分が60mに渡って陥没する事故が発生。この事故による新青森への延伸開業予定時期に支障はなく、年内に復旧工事がほぼ完了した。
    • 11月27日:古川駅 - 盛岡新幹線運転所間の保安装置をアナログATC(ATC-2型)からデジタルATC(DS-ATC)へ切り替える[106]
    • 12月10日:ダイヤ改正により、仙台駅以北における「Maxやまびこ」の定期運用終了。
    • 12月26日:八戸 - 新青森間工事実施計画(その2)の追加申請を認可[報道 9]
  • 2006年(平成18年)
    • 10月15日:新白河駅 - 古川駅間の保安装置をアナログATC(ATC-2型)からデジタルATC(DS-ATC)へ切り替える[94]
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:健康増進法第25条により、全車両を禁煙化。
    • 6月23日:東北新幹線大宮開業25周年に合わせ、200系K47編成のリニューアル車両をリバイバル塗装とした「東北新幹線大宮開業25周年記念号」を運転。
    • 7月22日:東京駅 - 新白河駅間の保安装置をアナログATC(ATC-2型)からデジタルATC(DS-ATC)へ切り替える。これに伴い、全線のATCがDS-ATCに統一される[94]
  • 2008年(平成20年)
    • 12月20日:E3系2000番台が「つばさ」として営業運転を開始。
  • 2010年(平成22年)
    • 4月18日:400系の営業運転が終了。
    • 9月24日:八戸駅 - 新青森駅間開業に伴う特別急行料金の上限設定を認可[報道 10]
    • 10月29日:国土交通省が、八戸駅 - 新青森駅間の鉄道施設の完成検査合格書をJR東日本に交付[報道 11]
    • 11月29日:「はやぶさ」運行に伴う特別急行料金の上限設定を認可[報道 12]
    • 12月3日:鉄道建設・運輸施設整備支援機構が申請した八戸駅 - 新青森駅間におけるJR東日本への貸付料を、国土交通省が認可[報道 13]

全線開業後編集

  • 2010年(平成22年)
    • 12月4日:東北新幹線 八戸駅 - 新青森駅間 (81.8km) 開業[5]。これにより東北新幹線は全線開業となる。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月5日:東京駅 - 新青森駅間で「はやぶさ」運転開始。最高速度を300km/hへ引き上げ[93]
    • 3月11日:東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生。地震直後から全線で運転を見合わせ[77]
    • 3月12日:東京駅 - 大宮駅間が運転再開(上越・長野新幹線の運転再開による)。
    • 3月15日:大宮駅 - 那須塩原駅間が運転再開[81]
    • 3月22日:盛岡駅 - 新青森駅間が運転再開[84]
    • 4月7日:一ノ関駅 - 盛岡駅間が運転再開するが、同日夜に起きた余震で一ノ関駅 - 新青森駅間が再度不通となる[84]
    • 4月12日:那須塩原駅 - 福島駅間が運転再開[84]
    • 4月13日:盛岡駅 - 新青森駅間が運転再開。
    • 4月23日:一ノ関駅 - 盛岡駅間が運転再開。
    • 4月25日:福島駅 - 仙台駅間が運転再開[84]
    • 4月29日:仙台駅 - 一ノ関駅間が運転再開し、全線で運転再開。ただし那須塩原駅 - 盛岡駅間の一部区間で速度規制による減速運転のため、暫定ダイヤで運転[87]
    • 7月29日:那須塩原駅 - 福島駅間および一ノ関駅 - 盛岡駅間で速度規制解除[87]
    • 9月23日:全区間で速度規制が解除され、震災前の通常ダイヤに戻る[87]
    • 11月19日:E5系を使用した「はやて」・「やまびこ」運転開始。秋田新幹線E3系「こまち」との併結運転の一部が、E2系からE5系に置き換え。同時に前日限りで200系が東北新幹線大宮駅以北での定期運用終了。
  • 2012年(平成24年)
    • 3月17日:E5系を使用した「なすの」運転開始。山形新幹線E3系「つばさ」との併結運転の一部が、E4系「Maxやまびこ」からE2系「やまびこ」に置き換えられ、再び17両編成の列車が見られるようになった。これによりE4系16両編成の「Maxやまびこ」・「Maxなすの」廃止。
    • 6月23日:東北新幹線大宮開業30周年を記念し、同日運転された臨時列車「やまびこ235号」に200系を充当。
    • 9月29日:前日限りでE4系が東北新幹線大宮駅以北での定期運用終了。Maxによる「Maxやまびこ」・「Maxなすの」が廃止され、同時に「つばさ」の併結車両がE2系のみとなる。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:「はやぶさ」のうち、単独運転を行う列車の一部で営業最高速度を320km/hに向上。「スーパーこまち」としてE6系が営業運転開始。同時に盛岡駅以北にてE2系の定期運用終了[93]
    • 6月4日:京浜東北線上中里駅付近での不発弾処理に伴い、11時頃から約3時間に亘って東京駅 - 大宮駅で運休[107]
  • 2014年(平成26年)3月15日:秋田新幹線の列車がE6系に統一され、「スーパーこまち」が「こまち」に統一される。東京 - 新青森間の「はやて」をすべて「はやぶさ」に統一し、「こまち」併結列車を含む「はやぶさ」全列車の営業最高速度を320km/hに向上[94]
  • 2016年(平成28年)
  • 2017年(平成29年)
    • 6月24日:団体臨時列車「東北新幹線開業35周年記念号」をE5系により大宮駅→盛岡駅[108]、E2系により盛岡駅→東京駅間[109]、E4系により仙台駅→上野駅間[110]にて運転。
    • 7月9-10日:E5系による団体臨時列車「東北新幹線開業35周年記念号」を上越新幹線新潟駅 - 八戸駅間直通で1往復運転(復路八戸発は10日運転)[111]
  • 2019年(平成31年)
    • 3月16日:東京発着の「はやて」定期列車が「はやぶさ」に統合され消滅。
    • 4月1日:新幹線統括本部の発足により[112]、駅施設と在来線を兼務する乗務員区所を除いて同本部の管轄となる。

今後の見通し編集

JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」における「次世代新幹線開発」の試験車両としてE956形(ALFA-X)による試験走行を2019年5月から2022年3月にかけて行う。試験走行は仙台 - 新青森間を中心に行われ、車両性能試験のため数回程度最高速度400km/hの走行試験を行うほか、最高速度360km/hまでの走行が予定されている[報道 15]

2018年5月16日に上野駅 - 大宮駅間のうち埼玉県内の区間の最高速度を将来的に現行の110km/hから最大130km/hに引き上げる事を発表した。2018年5月下旬から概ね2年程度をかけ、吸音板設置や防音壁かさ上げといった騒音対策等の地上設備の工事が行われる。これにより、最大1分程度の時間短縮が見込まれる[報道 16]

盛岡駅 - 新青森駅間の整備新幹線区間での最高速度を260km/hから320km/hに引き上げる方針を明らかにした[新聞 2]。盛岡以北で速度が引き上げられた場合、260km/hに制限されている全国の整備新幹線では初となる。

北海道・北陸新幹線の延伸・全通時における対応予定編集

今後、北海道北陸の各新幹線が延伸・全通すればさらなる運行本数増加が予想され、大宮 - 東京間および東京駅の線路容量が逼迫するとして、大宮駅から新宿駅へ乗り入れる別線を建設すべきとの意見[113](上越新幹線の本来の起点は新宿とされており、その建設とも見なせる)や、上野・大宮駅発着の列車を増発するべきという意見、東京駅 - 高崎駅間で上越新幹線と北陸新幹線を併結運転させるという意見もある。現在、ピーク時の大宮駅 - 東京駅間の運行本数は開業時から年々増えており、この区間が運行上の大きなボトルネックになっている[注 10]

なお、新宿駅 - 大宮駅間の別線の件については、近い将来のレベルでの完成は現実的ではないことから、2008年11月27日に開催された民主党の「整備新幹線を推進する議員の会」において、JR東日本の担当者から2014年度の北陸新幹線金沢開業および、2015年度の北海道新幹線新函館北斗開業後におけるピーク時の輸送には、大宮始発着の列車を一部設定することにより輸送分散を図るという案が、JR東日本の見解として提示された[114]。大宮駅の所在地であるさいたま市も、新幹線の大宮駅発着の設定による増発を2015年度から施政方針として掲げ[115][116][117]、国に要望している[118][119][120][121]

JR東日本社長(当時)の冨田哲郎は、北陸新幹線を走る「かがやき」の増発を利用状況に応じて行う際、新幹線の乗り入れが集中する繁忙期には上野駅とともに大宮駅を発着とする臨時列車も選択肢に入るとしている[122]。なお、東北新幹線では、2017年7月と9月に、初めて大宮駅始発・終着となる臨時「はやぶさ」が運行され[123]、北陸新幹線では、2018年3月からは上野終着の臨時「かがやき」が運行されている[124]

東海道・山陽新幹線との直通運転編集

現時点では、東京駅で東海道新幹線と東北新幹線の線路が接続されていないため、東海道・山陽新幹線との直通運転は物理的にできない。

1970年2月、全国新幹線整備法の成立に先立って新幹線の建設・運行に関する調査と審議を行う「新幹線建設委員会」が設置され、1971年7月までの審議において東北・上越新幹線については東海道新幹線とターミナルを共用し、直通運転を図るべきとされた[125]。後には直通運転も可能な試作電車が開発され、開業前の山陽および東北新幹線で試験運転を行っている[126]

しかし1982年に大宮駅 - 盛岡駅間で暫定開業した東北新幹線は、大宮駅以南の建設に時間がかかり、東海道新幹線と接続する東京駅への乗り入れは1991年までずれ込んだ。その間の1987年には国鉄分割民営化により、東北新幹線はJR東日本、東海道新幹線は東海旅客鉄道(JR東海)の管轄に分かれ、乗り入れに関する意思を統一することが困難となり、直通運転の構想は立ち消えとなった[127]。ほかにも採算性(需要)の問題や電源周波数[注 11]・保安装置などの相違やダイヤ編成の困難さ、東北新幹線内で遅延が発生した際の東海道新幹線への影響(その逆の場合も然り)など、直通運転の実現へ向けて生じる課題は多く、山積する課題をクリアしてまで実現させる程のメリットは無い。との見方が示されている。

路線形態詳細編集