集集線(しゅうしゅうせん)は台湾彰化県二水郷二水駅から南投県水里郷車埕駅に至る台湾鉄路管理局鉄道路線集集支線とも呼ばれる。2021年8月のトンネル損傷に伴い、集集駅から車埕駅間は不通となっている[1]

集集線
集集線を走るDR1000型気動車
集集線を走るDR1000型気動車
基本情報
中華民国の旗 台湾
起点 二水駅
終点 車埕駅
駅数 7駅
開業 1922年1月14日
運営者 台湾鉄路管理局
路線諸元
路線距離 29.7 km
軌間 1,067 mm (狭軌)
線路数 単線
電化方式 非電化
路線図
TRA Route Map 201301.svg
中部の縦貫線から内陸部へ伸びる支線は集集線
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集集線
各種表記
繁体字 集集線
簡体字 集集线
拼音 Jíjí xiàn
通用拼音 Jíjí siàn
注音符号 ㄗㄨㄥˋ ㄍㄨㄢˋ ㄒㄧㄢˋ
発音: ジージーシェン
ヂューヂューシェン
台湾語白話字 Chi̍p-chi̍p Soàⁿ 
客家語白話字: Si̍p-si̍p Sien
日本語読み: しゅうしゅうせん
英文 Ji-ji Line
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概要編集

全長29.7kmの行き止まりローカル線で、風光明媚な観光地日月潭(にちげつたん)へのアクセスルートである。日本のローカル線以上にノスタルジックな雰囲気を味わえる。南投県政府は「南投県観光鉄道」という愛称を付けて、観光客招致に用いている。

日本統治時代に、台湾電力水力発電所の建設資材の輸送のために敷設された古い路線であり、駅舎など各所に当時のままの設備が現存している。専用鉄道としての開業は1921年(大正10年)で、その後1927年(昭和2年)5月1日に台湾総督府に買収され、同鉄道部(台湾総督府鉄道)の集集線となった。その際、タンク式蒸気機関車6両が台湾総督府鉄道籍となっている。

路線データ編集

歴史編集

  • 1919年 - 建設開始[2]
  • 1921年 - 台湾電力株式会社の門牌潭発電所(現在の大観水力発電廠中国語版)建設の専用線として開通[2]
  • 1922年1月14日 - 社用品以外の貨物運輸と旅客扱い開始[注 1]。外車埕から発電所のある門牌潭までの貨物線区間は発電所竣工後まもなく廃止されている[2]
  • 1927年5月1日 - 当時の372.8万円で台湾総督府に買収され[2]、総督府鉄道の路線となる[6]
  • 1999年9月21日 - 921大地震(集集大震災)で壊滅的な被害を受ける[3]:頁48
  • 2001年1月21日 - 地震の被害より復興し営業再開[7]
  • 2007年2月3日 - 「2007南投火車好多節」開催に伴い、臨時駅夢幻鉄道村駅」を水里 - 車埕間に設置(3月11日まで)[8]
  • 2010年4月15日 - 龍泉から車埕間がトンネル補修のため、長期運休。バスによる代行運転[9]。当初の工期は2011年1月23日までだったが、トンネル内の出水により工事が長引き延長された[10]
  • 2011年7月9日 - トンネル改修工事が完了し、全線で運転再開[11]
  • 2014年8月28日 - 日本の千葉県を走るいすみ鉄道と姉妹鉄道の縁組みを結び、周永暉台湾鉄路局長(当時)が訪日の上千葉県勝浦市内で仮調印式を行う。10月の本調印後は相互送客やイベントの共同企画に取り組むことになった[12]。なお、日台の鉄道の姉妹提携の例として、江ノ島電鉄平渓線が共同で一日乗車券の交流の例などがある[13]
  • 2015年2月11日 - 集集線といすみ鉄道の「1日乗車券相互交流」が正式に始まる。2016年12月31日まで、一方の鉄道で使用した1日乗車券を提携路線の窓口に提出すると、提携路線の1日乗車券と引き換えられるというもの[14]
  • 2016年8月27日 - 集集線と天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線が姉妹鉄道協定を締結。同日から2017年12月31日まで、「1日乗車券の相互無償提供」が開始される。一方の有効期間内の使用済み「1日乗車券」をもう一方の鉄道の指定窓口に持参すると、「1日フリー乗車券」と無償で交換できる[15]

2021年の土砂災害編集

2021年8月14日早朝、大雨により本路線の二号トンネル及び三号トンネル上の土砂が地すべりを起こして並行する省道台16線の路上に崩落し、集集駅 - 車埕駅間が不通となる。20日にいったん開通したが、25日の降雨の影響により再度地すべりを起こして二号トンネルが損傷したため、26日始発から再び同区間不通、集集駅折り返し運転となる[1]。台鉄は9月2日、二号トンネル再建には8か月を要し、翌年4月末の復旧完了までは同区間をバス代行とする方針を発表した[1]。不通前の時刻のまま集集駅で折り返す際、一度エンジンを止めると発車まで40分間以上のアイドリングが必要なことにより、駅付近の住民や観光客から排気ガス騒音の苦情が出ていたことを受け[16]、11月13日以降は折り返し地点を付近に人家のない22.1km地点(集集駅から車埕方約2kmの地点)に変更。下り列車は集集駅で乗客を降ろした後、同地点まで回送し、折り返し時刻を待つこととした[17]

2022年4月1日時点で、2月の豪雨と3月の地震の影響で斜面復旧工事が遅れているため、復旧を8月まで延長することが発表されたが[18]、2022年5月18日の豪雨で発生した新たな土砂災害により年内の復旧も困難となり、復旧工事は2023年3月までの延期が見込まれている[19]

将来編集

政府の公共インフラ投資「前瞻基礎建設計画」に当路線の改良が組み込まれ、各駅のホーム延伸や集集、水里、車埕の1~2駅に交換駅を設置して運転間隔を現在の80分程度から60分程度に短縮するなど観光鉄道路線としての近代化が行われる予定である[20]。また、同時に計画された縦貫線の田中駅高鉄彰化駅を結ぶ田中線(仮称)開通時には高鉄彰化駅からの直通運転を構想している[21]

運行形態編集

  • 運行間隔は1時間20分 - 2時間に1本となっており、本数は少なめである。
  • 2往復ずつ西部幹線彰化との区間快車と田中までの区間車も乗り入れる[21]

使用車両編集

駅一覧編集

駅名 駅間
キロ
累計
キロ
等級 接続路線・備考 所在地
日本語 繁体字中国語 英語
二水駅 二水車站 Ershui 0.0 0.0 二等 縦貫線と接続 彰化県 二水郷
源泉駅 源泉車站 Yuanquan 2.9 2.9 招呼 無人駅
濁水駅 濁水車站 Zhuoshui 7.9 10.8 丙簡 台湾糖業鉄道中濁線(廃止) 南投県 名間郷
龍泉駅 龍泉車站 Longquan 4.9 15.7 招呼 無人駅。中興二号線分歧駅 集集鎮
集集駅 集集車站 Jiji 4.4 20.1 簡易 日本時代の木造駅舎
水里駅 水里車站 Shuili 7.2 27.4 簡易 日月潭東埔温泉方面バス乗換駅 水里郷
車埕駅 車埕車站 Checheng 2.3 29.7 簡易  

画像編集

南投火車好多節編集

南投火車好多節(南投鉄道フェスティバル)は年1回南投県政府による主催で行われていたイベント。2007年以降、沿線の名間・集集・水里の3郷鎮で鉄道に関するパビリオンが設置されたり、台鉄の蒸気機関車牽引列車が集集線を走行している。

2007年2-3月
2008年7-8月
2009年7-8月
2010年7-8月
  • CK124運行、きかんしゃトーマス展示[26]
2011年
  • 建国100周年と集集線全線運行再開を記念し、CK101とCK124運行[27]
2012年7-8月
2013年7-8月
2014年7-8月
2015年(ランタンフェスティバルを重視するため、9回目以降は開催されなくなった[34]
2016年
  • 2月のランタンフェスティバル期間にLEDで装飾したラッピング列車を運行[35]

脚注編集

[脚注の使い方]

註釈編集

  1. ^ 一部で1月13日などの記述があるが[3]:頁45、総督府の許可日であり[4]、当時の鉄道年報では営業開始日が14日となっている[5]

出典編集

  1. ^ a b c 李姿慧 (2021年9月2日). “通車再等8個月!台鐵集集線隧道變形拆除重建 集集-車埕停駛至明年5月初”. 台灣蘋果日報. https://tw.appledaily.com/life/20210902/RRAJV2MPOFF4BBGMWRWVOWZY64/ 
  2. ^ a b c d 尹志宗 (2007). “交通篇”. 水里鄉志. 南投縣水里鄉公所. p. 418. ISBN 9860091080. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=006_104_000001  國家圖書館
  3. ^ a b 片倉佳史 (9 2020). “集集線の歴史~台湾中部を走る地方路線”. 『交流』 (日本台湾交流協会) No.954: 頁45. https://www.koryu.or.jp/Portals/0/images/publications/magazine/2020/%EF%BC%99%E6%9C%88/2009_09katakura.pdf. 
  4. ^ 台湾総督府 (1922-01-13). “台湾総督府告示第1号”. 官報. 1922年02月15日 (第2859号 ed.). 大蔵省印刷局. p. 322. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954975/2. "臺灣電力株式會社鐵道二水外車埕間運輸營業開始ヲ許可セリ"  国立国会図書館
  5. ^ 七 私設鐵道 第六十表 營業哩及營業開始年月日. “台湾総督府交通局鉄道年報. 第26回(大正13年度)”. 台湾総督府交通局鉄道部 (国立国会図書館): 頁196. (1925-12-18). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/987000/177. 
  6. ^ 台湾総督府 (1927-04-28). “台湾総督府告示第54号”. 官報. 1927年06月11日 (第134号 ed.). 大蔵省印刷局. p. 283. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2956594/2. "臺灣電力株式會社鐵道二水、外車埕間ヲ官ニ買収シ昭和二年五月一日ヨリ運輸營業ヲ開始ス" 
  7. ^ “總統參加集集線通車典禮” (プレスリリース), 中華民国総統府, (2001年1月21日), https://www.president.gov.tw/NEWS/3008 
  8. ^ “〈中部〉南投火車好多節 熱鬧到3月”. 自由時報. (2007年2月4日). https://news.ltn.com.tw/news/local/paper/114829 
  9. ^ “集集線整修 龍泉車埕段15日起停駛”. 中央通訊社 (大紀元). (2010年4月12日). https://www.epochtimes.com/b5/10/4/12/n2874659.htm 
  10. ^ “隧道拓寬塌陷 水里段將延後通車”. 大紀元. (2010年10月11日). https://www.epochtimes.com/b5/10/10/11/n3051475.htm 
  11. ^ “集集線復駛 總統任列車長”. 大紀元. (2011年7月9日). https://www.epochtimes.com/b5/11/7/9/n3310258.htm 
  12. ^ 2016年9月5日付け交通新聞
  13. ^ 朝日新聞東京本社(2014年10月9日)夕刊1面「江ノ電連合西へ東へ」
  14. ^ いすみ鉄道株式会社. “臺灣鐵路集集線 と いすみ鉄道の1日乗車券相互交流が始まります。”. 2015年2月19日閲覧。
  15. ^ 天竜浜名湖鉄道. “天竜浜名湖鉄道・全線 台湾鉄路管理局・集集線 姉妹鉄道協定締結!”. 2016年10月4日閲覧。
  16. ^ “不發車也不熄火!台鐵火車製造廢氣 集集遊客居民被迫「聞臭」”. 自由時報. (2021年11月10日). https://news.ltn.com.tw/news/Nantou/breakingnews/3732355 2021年11月16日閲覧。 
  17. ^ “集集線隧道受損搶修!列車在車站噴1小時廢氣噪音 台鐵改找停駐點解套”. 台灣蘋果日報. (2021年11月12日). https://tw.appledaily.com/life/20211112/D2M7RERNVFCWNHQQQXLDSNQRAI/ 
  18. ^ ❗️台鐵【集集-車埕】通車時間延期❗️”. 集集鎮公所. Facebook (2022年4月1日). 2022年4月5日閲覧。
  19. ^ “台鐵集集支線隧道邊坡崩坍 通車延至明年3月、車站租金減免”. 自由時報. (2022年5月24日). https://news.ltn.com.tw/news/life/breakingnews/3937415 
  20. ^ 107預算書乙、業務計畫及預算概要台湾鉄路管理局,P20
  21. ^ a b “雙鐵推集集一日遊 明日開賣現省700元”. 三立新聞台. (2017年4月6日). http://www.setn.com/News.aspx?NewsID=246866 
  22. ^ “集集火車好多節 今先為活動暖身遊行”. 中央通訊社 (大紀元). (2007年1月28日). https://www.epochtimes.com/b5/7/1/28/n1605665.htm 
  23. ^ 2007南投火車好多節”. 美美網. 2018年4月29日閲覧。
  24. ^ “南投火車好多節開幕 國寶級火車CK124重現”. 中央通訊社 (大紀元). (2008年7月19日). https://www.epochtimes.com/b5/8/7/19/n2197480.htm 
  25. ^ “南投火車好多節 蒸汽火車鳴笛載客”. 自由時報 (大紀元). (2009年7月20日). https://www.epochtimes.com/b5/9/7/20/n2595400.htm 
  26. ^ “火車好多節 搭蒸氣火車看湯瑪士”. 大紀元. (2010年7月6日). https://www.epochtimes.com/b5/10/7/6/n2958481.htm 
  27. ^ “〈中部〉集集線復駛 火車好多節今開幕”. 自由時報. (2011年7月9日). https://news.ltn.com.tw/news/local/paper/507013 
  28. ^ “「2012南投火車好多節」―人々の目を奪うDT668蒸気機関車が披露”. 全球新聞股份有限公司. (2012年7月17日). http://jp.tranews.com/Show/Style201/News/c1_News.asp?SItemId=0271030&ProgramNo=A000201000001&SubjectNo=3271763&CityId=11 
  29. ^ “台湾のデゴイチ、活躍中”. 朝日新聞. (2012年8月8日). オリジナルの2012年8月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120810154159/http://www.asahi.com/travel/topics/TKY201208080163.html 
  30. ^ “集集線SLイベントで「デゴイチ」主人公に/台湾・南投”. 中央社 フォーカス台湾. (2013年7月9日). http://japan.cna.com.tw/news/atra/201307090003.aspx 
  31. ^ “南投火車好多節で台湾鐵路管理局DT668運転”. 鉄道ファン (雑誌). (2013年7月17日). https://railf.jp/news/2013/07/17/100000.html 
  32. ^ “2014南投火車好多節閉幕! 水里車埕吸引大批人潮”. 大台灣旅遊網. (2014年8月17日). http://jiji.tranews.com/Show/Style3/News/c4_News.asp?SItemId=0271030&ProgramNo=A100006000001&SubjectNo=3286166 
  33. ^ “超萌!小熊彩繪火車 遊客擠爆搶搭”. TVBS (Youtube). (2014年7月12日). https://www.youtube.com/watch?v=QBgAz9wYZeI 
  34. ^ “「火車好多節」沒了 集集拉明星麻豆搶客”. 自由時報. (2015年7月9日). https://news.ltn.com.tw/news/society/breakingnews/1374459 
  35. ^ “2016南投燈會在集集 花燈列車啟航”. 中視新聞台 (Youtube). (2016年2月5日). https://www.youtube.com/watch?v=mGDeto0jirM 

関連項目編集

外部リンク編集