2010年のインディアナポリスグランプリ

2010年のインディアナポリスグランプリは、ロードレース世界選手権2010年シーズン第11戦として、8月27日から29日までアメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された。

アメリカ合衆国の旗   2010年のインディアナポリスグランプリ
レース詳細
2010年のロードレース世界選手権 全18戦中第11戦
決勝日 2010年8月29日
開催地 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
開催コース 常設サーキット
4.216km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ スペインの旗 ダニ・ペドロサ
1:40.105 1:40.896
表彰台
1. スペインの旗 ダニ・ペドロサ
2. アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ 3. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 フリアン・シモン スペインの旗 フリアン・シモン
1:46.139 1:46.580
表彰台
1. スペインの旗 トニ・エリアス
2. スペインの旗 フリアン・シモン 3. イギリスの旗 スコット・レディング


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 マルク・マルケス スペインの旗 マルク・マルケス
1:48.124 1:48.672
表彰台
1. スペインの旗 ニコラス・テロル
2. ドイツの旗 サンドロ・コルテセ 3. スペインの旗 ポル・エスパルガロ


概要 編集

125ccクラス 編集

125ccクラス予選ではポイントリーダーのマルク・マルケスがシーズン7度目となるポールポジションを獲得、ポイントランキング3位のニコラス・テロルが2番グリッドに続いた。ランキング2位のポル・エスパルガロはこのシーズン初めてフロントロウを取り逃がし、5番グリッドからのスタートとなった[1]

日曜日の決勝では、マルケスとテロルの2台が他を大きく離してレースをリードしていたが、9周目にマルケスが転倒した後はテロルの独走状態となり、2連勝・シーズン3勝目を遂げた。2位にはサンドロ・コルテセ、3位にエスパルガロが入った。マルケスは転倒により一時14番手にまで順位を落としたが、そこから怒濤の追い上げを見せて5番手でフィニッシュを果たした。しかし残り2周の時、コースをショートカットしていたことから20秒加算のペナルティを受け、最終的なリザルトは10位に終わった。

この結果ポイントランキングではマルケスが何とかトップを維持、テロルが僅か4ポイント差の2位に迫ってきた[2]

Moto2クラス 編集

Moto2クラス予選では、チーム・アスパーフリアン・シモンが自身クラス初のポールポジションを獲得した。2番手にエクトル・ファウベル、3番手にはスコット・レディングと、マークVDSレーシングの2人が続いた[3]

決勝ではスタート直後に2箇所で多重クラッシュが発生し赤旗が掲示、26周の予定を17周に減算してレースをやり直すこととなった。この時のクラッシュで富沢祥也はマシンのフロントフォークが破損し、再スタートを断念した[4]

再レースではトニ・エリアス、シモン、レディングの3台がトップ集団を形成、最後はエリアスがシモンの追撃を抑えきって3連勝・シーズン5勝目を挙げた。2位のシモンはクラス自己最高位タイ、3位のレディングは自身クラス初の表彰台獲得となった。

ポイントランキングではトップのエリアスがランキング2位のアンドレア・イアンノーネに67ポイントの大差を築き、Moto2初代チャンピオン獲得に大きく近づいた[5]

MotoGPクラス 編集

MotoGPクラスでは金曜日に、テック3・ヤマハベン・スピーズが2011年シーズンよりバレンティーノ・ロッシの後釜としてヤマハ・ファクトリーチームに移籍することが発表された[6]。そして土曜日の予選ではそのスピーズが自身初のポールポジションを獲得した。サテライトチーム勢のポール獲得は2008年の中国GPでのコーリン・エドワーズ以来の出来事となった[7]

日曜の決勝レース、序盤はスピーズがトップを維持していたが、7周目にレプソル・ホンダダニ・ペドロサがトップに立つとそのまま独走態勢を築くことに成功し、シーズン3勝目を遂げた。スピーズはこれまでで自己ベストリザルトとなる2位、3位にはホルヘ・ロレンソが続いた。第5戦イギリスGPでの転倒により椎骨を骨折し欠場を続けていたインターウェッテン・ホンダ青山博一は今回より実戦に復帰し、12位で完走を果たした。

ポイントランキングでは、ランキング2位のペドロサが今回の勝利によって若干差を詰めたものの、依然トップのロレンソとの間には68ポイントの大差が残った[8]

 
勝者ダニ・ペドロサ

MotoGPクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 26   ダニ・ペドロサ ホンダ 28 47:31.615 5 25
2 11   ベン・スピーズ ヤマハ 28 +3.575 1 20
3 99   ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 28 +6.812 2 16
4 46   バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 28 +12.633 7 13
5 4   アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 28 +21.885 4 11
6 69   ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 28 +35.138 3 10
7 58   マルコ・シモンチェリ ホンダ 28 +36.740 8 9
8 19   アルバロ・バウティスタ スズキ 28 +36.825 11 8
9 41   アレックス・エスパルガロ ドゥカティ 28 +44.905 14 7
10 40   エクトル・バルベラ ドゥカティ 28 +51.368 16 6
11 65   ロリス・カピロッシ スズキ 28 +55.386 10 5
12 7   青山博一 ホンダ 28 +57.903 13 4
13 14   ランディ・ド・プニエ ホンダ 28 +1:04.139 17 3
Ret 36   ミカ・カリオ ドゥカティ 18 アクシデント 15
Ret 5   コーリン・エドワーズ ヤマハ 16 棄権 9
Ret 27   ケーシー・ストーナー ドゥカティ 7 アクシデント 6
Ret 33   マルコ・メランドリ ホンダ 2 アクシデント 12

Moto2クラス決勝結果 編集

 
赤旗の原因となった多重クラッシュ
順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 24   トニ・エリアス モリワキ 17 30:27.480 6 25
2 60   フリアン・シモン スッター 17 +0.405 1 20
3 45   スコット・レディング スッター 17 +4.227 3 16
4 29   アンドレア・イアンノーネ スピードアップ 17 +5.978 26 13
5 3   シモーネ・コルシ モトビ 17 +7.058 4 11
6 40   セルヒオ・ガデア ポンス カレックス 17 +9.432 8 10
7 12   トーマス・ルティ モリワキ 17 +9.815 17 9
8 2   ガボール・タルマクシ スピードアップ 17 +10.141 16 8
9 42   ジェイソン・ディ・サルボ FTR 17 +17.564 27 7
10 8   アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 17 +17.592 5 6
11 77   ドミニク・エガーター スッター 17 +17.618 21 5
12 63   マイク・ディ・メッリオ スッター 17 +20.527 22 4
13 71   クラウディオ・コルティ スッター 17 +26.008 14 3
14 80   アクセル・ポンス ポンス カレックス 17 +28.353 28 2
15 68   ヨンニ・エルナンデス BQR-Honda 17 +30.480 23 1
16 25   アレックス・バルドリーニ ICP 17 +30.538 20
17 34   ロジャー・リー・ヘイデン モリワキ 17 +31.860 29
18 53   バレンティン・デビーズ ADV 17 +32.255 31
19 9   ケニー・ノエス プロモハリス 17 +32.500 30
20 52   ルーカス・ペセック モリワキ 17 +32.529 15
21 39   ロベルティーノ・ピエトリ スッター 17 +44.569 33
22 5   ホアン・オリベ プロモハリス 17 +44.956 36
23 41   アルネ・トーデ スッター 17 +52.993 32
24 88   ヤンニック・ゲーラ モリワキ 17 +57.481 39
25 44   ロベルト・ロルフォ スッター 17 +1:16.404 19
26 72   高橋裕紀 テック3 14 +3 Laps 13
Ret 95   マシェル・アル・ナイミ BQR-Honda 12 棄権 38
Ret 16   ジュール・クルーセル スッター 11 アクシデント 18
Ret 14   ラタパー・ウィライロー ビモータ 8 棄権 7
Ret 35   ラファエレ・デ・ロサ テック3 6 棄権 10
Ret 65   ステファン・ブラドル スッター 5 棄権 9
Ret 4   リカルド・カルダス ビモータ 2 アクシデント 35
Ret 11   手島雄介 モトビ 2 アクシデント 37
Ret 55   エクトル・ファウベル スッター 1 アクシデント 2
Ret 6   アレックス・デボン FTR 1 アクシデント 34
Ret 61   ウラジミール・イワノフ モリワキ 1 アクシデント 25
DNS 48   富沢祥也 スッター 1回目スタートでアクシデント 24
DNS 56   ミハエル・ランセデール スッター 1回目スタートでアクシデント 11
DNS 10   フォンシ・ニエト モリワキ 負傷 12
17   カレル・アブラハム FTR FP2以降欠場

125ccクラス決勝結果 編集

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 40   ニコラス・テロル アプリリア 23 42:19.223 2 25
2 11   サンドロ・コルテセ デルビ 23 +4.995 4 20
3 44   ポル・エスパルガロ デルビ 23 +10.856 5 16
4 7   エフレン・バスケス デルビ 23 +15.402 6 13
5 12   エステベ・ラバト アプリリア 23 +19.912 10 11
6 99   ダニー・ウェブ アプリリア 23 +20.093 11 10
7 35   ランディ・クルメナッハ アプリリア 23 +20.702 13 9
8 23   アルベルト・モンカヨ アプリリア 23 +26.797 15 8
9 94   ジョナス・フォルガー アプリリア 23 +27.666 12 7
10 93   マルク・マルケス デルビ 23 +39.840 1 6
11 53   ジャスパー・イウェマ アプリリア 23 +46.153 19 5
12 39   ルイス・サロム アプリリア 23 +52.556 7 4
13 14   ヨハン・ザルコ アプリリア 23 +54.354 8 3
14 84   ヤコブ・コーンフェール アプリリア 23 +54.402 18 2
15 32   ロレンツォ・サヴァドーリ アプリリア 23 +1:07.208 21 1
16 72   マルコ・ラバイオリ ランブレッタ 23 +1:24.117 25
17 15   シモーネ・グロツキー アプリリア 23 +1:25.890 14
18 87   ルカ・マルコーニ アプリリア 23 +1:53.618 26
Ret 71   小山知良 アプリリア 14 棄権 9
Ret 38   ブラッドリー・スミス アプリリア 12 アクシデント 3
Ret 26   アドリアン・マルティン アプリリア 12 棄権 20
Ret 63   ズルファミ・カイルディン アプリリア 11 棄権 23
Ret 78   マルセル・シュロッター ホンダ 8 アクシデント 17
Ret 55   イサック・ビニャレス ランブレッタ 3 アクシデント 22
Ret 69   ルイ・ロッシ アプリリア 1 棄権 24
DNS 5   アレクシ・マスボー アプリリア スタートせず 16
DNQ 90   Kristian Lee Turner アプリリア 予選落ち

脚注 編集

参考文献 編集


前戦
2010年のチェコグランプリ
ロードレース世界選手権
2010年シーズン
次戦
2010年のサンマリノグランプリ
前回開催
2009年のインディアナポリスグランプリ
  インディアナポリスグランプリ 次回開催
2011年のインディアナポリスグランプリ