山の手言葉
東京の山の手で使われてきた方言
山の手言葉(やまのてことば)とは、主に東京の山の手で使われてきた方言。江戸言葉とともに東京方言を構成する。
参勤交代の交流で使う江戸の武家言葉と、将軍など京と接点がある一部だけが使う京言葉に分かれていたのが混ざりあい、中頃には江戸の上層武家が日常用いるようになっていた言葉を基盤として成立。明治時代には山の手の上位中産階級にも浸透していたので、日本語の標準語の母体となる。ただし、後述するように標準語との違いもあり東京弁とも言われる。
特徴 編集
代表的な表現 編集
「山の手言葉」を駆使する人物を扱った主な戦後作品 編集
映像作品 編集
いずれも「〜ですの」、「〜ざます」などといった女性版「山の手言葉」を頻繁に多用する。
- 紀行番組「兼高かおる世界の旅」- MCの一人として番組にレギュラー出演していた、兼高かおる。
- TVドラマ「白い巨塔」 - (主人公の一人である「財前五郎 浪速大学医学部第一外科助教授」の恩師兼上司)「東貞蔵 同大学医学部第一外科教授」の妻「東政子」。
- アニメ「魔法の妖精ペルシャ」 - 主人公「速水ペルシャ」。
- アニメ(およびゲームソフト)「サクラ大戦」シリーズ - 主要ヒロインの一人「神崎すみれ」。
- アニメ「とある」シリーズ - 主要ヒロインの一人「白井黒子」。
- アニメ「邪神ちゃんドロップキック」 - 主人公「邪神ちゃん」。
- アニメ「ドラえもん」 - 主要登場人物の一人「骨川スネ夫」の母親。
書籍作品 編集
- コミックス「ねえ、ぴよちゃん」 - 主要登場人物の一人(主人公の友人)「蘭ひみこ」。
主な話者著名人 編集
関連項目 編集
脚注 編集
注釈 編集
- ^ 相手への強い尊敬の念を込めた言葉。女房詞とは隠語的な使われ方で、言葉の最初に「お」を付けたり、後に「もじ」を付けるのが特徴的。現在でも使われている言葉が多くあり、かつおぶしの「か」を二つ重ねて「お」をつけた「おかか」、田楽の「でん」に「お」をつけた「おでん」、杓子の「しゃ」に「もじ」をつけた「しゃもじ」など 「ごめんあそばせ」の意味や使い方と由来|お嬢様言葉や方言とされる理由も解説
出典 編集
文献 編集
- 加藤ゑみ子『お嬢さまことば速修講座』ディスカヴァー・トゥエンティワン、ISBN 9784887591233