佐藤 一世(さとう いっせい、2001年7月21日 - )は、日本陸上競技選手。専門は中距離走長距離走千葉県松戸市出身。青山学院大学総合文化政策学部・総合文化政策学科社会卒業[1]

佐藤 一世
さとう いっせい
Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Issei Sato
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技
種目 長距離走
大学 青山学院大学
生年月日 (2001-07-21) 2001年7月21日(22歳)
生誕地 千葉県の旗千葉県松戸市
身長 164cm
体重 47kg
自己ベスト
1500m 3分53秒59(2019年)
5000m 13分36秒43(2023年)
10000m 28分11秒00(2023年)
ハーフマラソン 1時間03分05秒(2023年)
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経歴 編集

松戸市立小金中学校入学当初はサッカー部に所属していたが、2年生時から陸上部へ転向。千葉県大会の中距離走・駅伝大会などで実績を積む。

中学卒業後の2017年4月、八千代松陰高等学校に入学し陸上競技部へ入部。同高校2年生時に第69回全国高校駅伝へ初出場、1区・10Kmで区間2位と好走。さらに天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会でも5区・8.5Kmで区間賞を獲得した。高校3年生時も第70回全国高校駅伝では1区・区間賞を樹立し、全国都道府県対抗男子駅伝では5区・区間3位だった。

原晋監督に早くから素質の高さを見出され、高校卒業後の2020年4月に青山学院大学へ進学・同陸上競技部に所属[2]。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、2020年の3~6月の間は日本で公式レースが開催出来ず、2020年10月11日に決行予定だった第32回出雲全日本大学選抜駅伝競走も、止むを得ず中止が決定[3]

2020年11月1日の第52回全日本大学駅伝対校選手権大会は無事に開催が決定。佐藤自身初めての三大駅伝で5区(12.4Km)を担当し、35分47秒といきなり区間新記録を樹立する活躍を見せた。その後青学大は一時トップに立ったものの、8区で大きく失速し総合4位[4][5]

2021年1月2日第97回東京箱根間往復大学駅伝競走では青学大で唯一の1年生として4区に出走し、3区の湯原慶吾から11位で襷を受ける。途中で10位の日体大を追い抜き、区間4位の走りで5区・竹石尚人にタスキを繋いだ[6]。だが、竹石は途中4回も足のけいれんによるアクシデントで立ち止まり区間17位とブレーキ。結局青学大は往路初優勝を果たした創価大と7分35秒差の12位と大きく出遅れ、総合2連覇は絶望的に[7]。翌日は大きく順位を上げて復路優勝を果たしたが、総合優勝の駒澤大とは5分12秒の大差をつけられ総合4位に終わった[8]

2021年10月10日、2年ぶりの開催となった第33回出雲駅伝では3区を担当し、区間3位。だが優勝した東京国際大には遠く及ばず、1分57秒差の総合2位[9]。同年11月7日の第53回全日本大学駅伝では2年連続で5区を担当し区間賞を獲得。しかし青学大は8秒差で惜しくも駒澤大に敗れ、出雲駅伝に続き総合2位に終わる[10]

2022年1月2日の第98回箱根駅伝では、青学大が2年ぶり5度目の往路優勝に返り咲き[11]、翌日の復路でもトップを独走。佐藤は7区・岸本大紀から首位で襷を受けると、区間2位の好走で9区・中村唯翔へ襷を繋いだ[12]。その後中村と10区・中倉啓敦が連続で区間記録を更新する快走を見せ圧勝。2位・順大に10分51秒もの大差をつけ2年ぶり6度目の総合優勝及び復路優勝を果たし、大会新記録(10時間43分42秒)も樹立した[13]

2022年10日10日の出雲駅伝では出場なし。

同年11月6日の第54回全日本大学駅伝で今季初出場。区間賞は惜しくも東海大・石原翔太郎に譲ったが、区間2位の快走で13位から11位に押し上げた(青学大は3位)。

2023年1月2日・3日の第99回箱根駅伝では7区に出走し、6区・西川魁星から7位で襷を受ける。しかし区間7位に終わり、順大・浅井皓貴に追い抜かれ8位に後退。1位との差も詰められなかった。その後9区・岸本の快走などで巻き返し、総合3位(往路3位、復路9位)に入り表彰台を死守。だが総合優勝の駒澤大には7分14秒の大差をつけられ2連覇を逃し、9年ぶりの無冠に終わる。

2023年10日9日の第35回出雲駅伝では3区に出走し、2区・黒田朝日から2位で襷を受ける。佐藤自身は区間3位だったが1つ順位を下げ3位に後退。その後4区・山内健登が区間賞の快走を見せ2位に上がるも、5区と6区で伸び悩み1位と3分37秒差の4位に終わった[14][15][16]

同年11月5日の第55回全日本大学駅伝では前年と同じく3区に出走し、2位で襷を受ける。後続に追い抜かれる場面もあったが、最後は粘りを見せ2位を守り切った。しかし区間8位と振るわず、先頭との差も16秒から1分に開いた(最終的に青学大は3分34秒差の2位)[17][18][19]

2024年1月2日、3日の第100回箱根駅伝では1年生以来となる4区に出走。トップで襷を受けると2位・駒澤大との差を1分以上広げ、区間賞を獲得。青学大は5区以降も快走を続け、2年ぶり7回目の総合優勝(往路新記録、総合新記録)を果たした。

卒業後はSGホールディングスで競技を継続する予定。

人物・エピソード 編集

  • 2021年度・青山学院大学陸上部長距離ブロック元主将飯田貴之(現・富士通所属)は、八千代松陰高校時代から2学年先輩に当たる親しい間柄である。また、2021年1月2日に公開された『青学TV・青学駅伝タイムズNo.2』で飯田・近藤幸太郎・佐藤の3人にインタビューした動画で、佐藤は『憧れの選手』として飯田を挙げ、「競技面のみならず生活面でも学ぶことが多いので、後輩としても尊敬しています」と語り、2022年1月3日の第98回箱根駅伝後の優勝のインタビューで「飯田先輩に本当に憧れて、この大学に入ったのもあるので」と発言していた。
  • 青山学院大学陸上部で特に仲が良い選手は、同期の志貴勇斗。
  • 前述の動画で、自身の陸上の強みとして『駅伝力』を挙げている。理由は「トラックより駅伝など、大きい試合の方が結果を残しているから」と述べている。その公言通りに、佐藤は全日本大学駅伝対校選手権大会にこれまで2回とも5区に出走し、区間賞を獲得している。
  • 青山学院大学の1軍寮で毎週月曜日を除いた毎朝定例の、青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの公式Twitterでも公開される、順番で1人の選手が発言する『今日の一言』で、佐藤は2021年秋に『趣味』を挙げ、その際に「趣味が思い当たらない」と発言したという。しかし、趣味が無い訳では無く、それまでの佐藤の『今日の一言』では音楽にまつわる発言をすることが多く、本人のTwitterでも時々ツイートしている。
  • YOASOBIのファンで、2021年での一番うれしいことは「YOASOBIのライブに行けたこと」と答えている。

戦績 編集

主な戦績 編集

大会 種目(区間) 順位 記録 備考
2014年 千葉県中学校新人体育陸上大会 1500m決勝 総合2位 4分31秒71
2015年 千葉県中学校新人体育陸上大会 3000m決勝 総合3位 9分13秒15
2018年1月 第23回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 5区・8.5Km 区間3位 25分02秒 千葉県チーム総合3位
2018年12月 第69回全国高等学校駅伝競走大会 1区・10Km 区間2位 29分20秒00[20] 高校チーム総合7位
2019年1月 第24回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 5区・8.5Km 区間賞 24分29秒[21] 千葉県チーム総合14位
2019年7月 市原市ナイター陸上競技記録会 1500m 総合1位 3分53秒59 自己ベスト記録
2019年12月 第70回全国高等学校駅伝競走大会 1区・10Km 区間賞 28分48秒[22] 高校チーム総合16位
2020年1月 第25回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 5区・8.5Km 区間3位 24分13秒[23] 千葉県チーム総合10位
2021年3月 第24回日本学生ハーフマラソン選手権大会 21.01975Km 総合50位 1時間05分47秒 ハーフマラソン初出走
2021年5月 第100回関東学生陸上競技対抗選手権大会 10000m決勝 総合13位 28分50秒56 自己ベスト記録
2021年7月 ホクレンディスタンスチャレンジ士別大会 5000mB 総合6位 14分49秒74 自己ベスト記録

大学での駅伝実績 編集

年度 出雲駅伝 全日本大学駅伝 箱根駅伝
1年生
(2020年度)
第32回
(開催中止)
第52回
5区-区間賞
35分47秒
区間新記録
第97回
4区-区間4位
1時間03分09秒
2年生
(2021年度)
第33回
3区-区間3位
24分44秒
第53回
5区-区間賞
35分57秒
第98回
8区-区間2位
1時間04分49秒
3年生
(2022年度)
第34回
出場無し
第54回
3区-区間2位
33分52秒
第99回
7区-区間7位
1時間03分33秒
4年生
(2023年度)
第35回
3区-区間3位
24分52秒
第55回
3区-区間8位
34分23秒
第100回
4区-区間賞
1時間01分10秒

自己記録 編集

  • 1500m - 3分53秒59(2019年7月14日、市原市ナイター陸上競技記録会 2019)
  • 5000m - 13分36秒43(2023年9月24日、第10回絆記録挑戦会)
  • 10000m - 28分11秒00(2023年11月22日、GMOインターネットグループpresents MARCH対抗戦2023)
  • ハーフマラソン - 1時間03分05秒(2023年3月12日、第26回日本学生ハーフマラソン選手権大会)

外部リンク 編集

脚注 編集

  1. ^ 青山学院大学陸上競技部・長距離ブロック3年生
  2. ^ 箱根V青学大に入学する高校NO1佐藤一世が全国駅伝で区間新狙うスポーツ報知・2020年1月18日記載
  3. ^ 「第32回出雲全日本大学選抜駅伝競走」開催中止について(出雲全日本大学選抜駅伝競走組織委員会・2020年7月27日掲載)
  4. ^ 秩父宮賜杯 第52回全日本大学駅伝対校選手権大会・成績表(PDF)
  5. ^ 青学大1年佐藤区間新も4位「でこぼこ駅伝」原監督日刊スポーツ・2020年11月1日掲載
  6. ^ 第97回箱根駅伝 青山学院大学・選手一覧(1区・吉田圭太)(SAPPOROビール・スポーツスペシャル 第97回箱根駅伝・日本テレビ)
  7. ^ 創価大往路初V 青学大12位/箱根駅伝往路詳細日刊スポーツ・2021年1月2日掲載
  8. ^ 駒大が大逆転V 青学大は復路V/箱根駅伝復路詳細日刊スポーツ・2021年1月3日掲載)
  9. ^ 第33回出雲全日本大学選抜駅伝競走・総合成績(PDF)
  10. ^ 秩父宮賜杯 第53回全日本大学駅伝対校選手権大会・成績表(PDF)
  11. ^ 【箱根駅伝】青学大が2年ぶり5度目の往路優勝…3区「秘密兵器」太田蒼生、5区「若の神」若林宏樹ら快走スポーツ報知・2022年1月2日掲載
  12. ^ 【箱根駅伝】青学大、8区・佐藤一世も首位快走…戸塚中継所でも1位で9区にタスキつなぐ2022年1月3日・スポーツ報知・2022年1月3日掲載
  13. ^ 【箱根駅伝】青学大が圧勝!総合新記録で2年ぶり6度目V…「0区」に表れる青学大の強さの秘密スポーツ報知・2022年1月3日掲載
  14. ^ 【出雲駅伝】完敗5位の青学大・原監督「圧倒的に駒沢が上」3分37秒差 王者・駒大に脱帽 スポニチ(2023年10月9日)
  15. ^ 第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走 第3区 区間記録
  16. ^ 第35回出雲全日本大学選抜駅伝競走 総合成績
  17. ^ 【全日本大学駅伝】青学大 3区で“危険水域”オーバーの大ピンチ…駒大と1分差に スポニチ(2023年11月5日)
  18. ^ 【全日本大学駅伝】青山学院大・原監督「5000mの平均タイムはギネス級」箱根で巻き返し誓う 日刊スポーツ(2023年11月5日)
  19. ^ 秩父宮賜杯 第55回 全日本大学駅伝対校選手権大会
  20. ^ 第69回男子大会記録・全国高校駅伝
  21. ^ 天皇杯 第24回全国男子駅伝・大会結果
  22. ^ 第70回男子大会記録・全国高校駅伝
  23. ^ 天皇杯 第25回全国男子駅伝・大会結果