杉本つとむ

日本の言語学者

杉本 つとむ(すぎもと つとむ、1927年昭和2年)3月30日[1][2] - )は、日本言語史研究者。学位は、文学博士東北大学論文博士・1969年)(学位論文「近代日本語の研究」)。早稲田大学名誉教授[3]。本名・杉本孜。

杉本 つとむ
人物情報
別名 杉本 孜
生誕 (1927-03-30) 1927年3月30日
日本の旗 日本神奈川県横浜市
出身校 早稲田大学
学問
研究分野 国文学
研究機関 早稲田大学
学位 文学博士
テンプレートを表示

経歴

編集

1927年、横浜市生まれ[2]1951年(昭和26年)旧制早稲田大学文学部国文科を卒業[2]

1962年(昭和37年)、早稲田大学文学部専任講師となる[2]武蔵野女子短期大学[2]および武蔵野大学文学部講師[2]。1966年、早稲田大学文学部助教授[2]1969年(昭和44年)「近代日本語の研究」で東北大学より文学博士の学位を取得[2][4]。同年オーストラリア国立大学東洋学部客員教授[2]1971年、早稲田大学文学部教授に昇進[2]1975年国際基督教大学語学科[2]及び大学院言語研究科非常勤講師[2]1984年モスクワ大学招聘教授[2]及びオランダ・ライデン国立大学[2]国立民族学博物館研究員を兼任[2]1989年北京日本学研究センター講師[2]1997年定年により早稲田大学を退職し[2]、名誉教授となった[2]

受賞・栄典

編集

研究内容・業績

編集

著書

編集
  • 『近代日本語の成立 コトバと生活』桜楓社出版(1960)
  • 『日本語再発見』社会思想研究会出版部現代教養文庫 1960
  • 『にっぽん語の超克 その系譜と人間像』寧楽書房 1962 「人物でつづる近代日本語の歴史」雄山閣出版
  • 『現代語 あなたがつかう言葉の秘密』社会思想社・現代教養文庫 1963
  • 『近代日本語 歴史的所産としての言語』紀伊国屋新書 1966
  • 『近代日本語の新研究 その構造と形成』桜楓社 1967
  • 『日本語歴史文典試論』早稲田大学出版部 1970~1971
  • 『にっぽん語 創造と探求の歴史』社会思想社 現代教養文庫 1970
  • 『ことばの文化史』桜楓社 1972
  • 『女のことば誌』雄山閣出版 1975
  • 『方言風土記』雄山閣出版 1975
  • 『江戸時代蘭語学の成立とその展開』早稲田大学出版部(全5巻、1976~1981)
  • 『生活のことば語源読本』雄山閣出版 1977.8
  • 『杉本つとむ日本語講座』(全7巻、桜楓社 1978~1980)
  • 『長崎通詞 ことばと文化の翻訳者』開拓社 1981.6 「長崎通詞ものがたり」
  • 西鶴語彙管見』ひたく書房 1982.2
  • 『語源なるほどゼミナール』社会思想社 1983.3
  • 『日本翻訳語史の研究』八坂書房(1983)
  • 『語源の文化誌』開拓社 1983.12
  • 『現代語語源小辞典』開拓社 1983.12
  • 『江戸の博物学者たち』青土社 1985.2 のち講談社学術文庫
  • 『日本英語文化史の研究』八坂書房(1985)
  • 『江戸の女ことば あそばせとアリンスと』創拓社 1985.10
  • 『読む日本漢字百科』雄山閣出版 1986.12
  • 『常用漢字にない漢字の辞典 一九四五字からハミ出した難読・難解のクセモノたち』日本実業出版社 1986.5
  • 解体新書の時代 江戸の翻訳文化をさぐる』早稲田大学出版部 1987.2
  • 『「宛字」の語源辞典 なるほど!そうだったのか』日本実業出版社 1987.4
  • 『江戸の言語学者たち』雄山閣出版(1987)
  • 『東京語の歴史』中公新書(1988) のち講談社学術文庫 
  • 『江戸-東京語118話』早稲田大学出版部 1988.3
  • 『ことばの履歴書』社会思想社 現代教養文庫 1988.9
  • 『西洋人の日本語発見 外国人の日本語研究史1549~1868』創拓社 1989.3 のち講談社学術文庫
  • 越谷吾山 方言に憑かれた男日本最初の全国方言辞典を編む』さきたま出版会 1989.9
  • 『江戸洋学事情』八坂書房(1990)
  • 『国語学と蘭語学』武蔵野書院 1991.2
  • 『文字史の構想』萱原書房(1992)
  • 『江戸・蘭方医からのメッセージ』ぺりかん社 1992.12
  • 『漢字女編のルーツとドラマ』東京書籍 東書選書、1993
  • 『あて字用例辞典 名作にみる日本語表記のたのしみ』雄山閣出版 1994.1
  • 『江戸の翻訳家たち 早稲田大学出版部 1995.12
  • 『江戸の文苑と文章学』早大出版部(1996)
  • 『西洋文化事始め十講』スリーエーネットワーク 1996.2
  • 『女とことば今昔』雄山閣出版 1997.5
  • 杉本つとむ著作選集』全10巻 八坂書房、1998-99
  • 『蘭学に命をかけ申し候』皓星社 1999.12
  • 『一寸の虫にも五分の神 江戸っ子の生活と意見』雄山閣 2001.11
  • 『漢字百珍 日本の異体字入門』八坂書房(2001)
  • 『江戸の阿蘭陀流医師』早稲田大学出版部 2002.5
  • 馬琴、滝沢瑣吉とその言語生活』至文堂 2005.12
  • 『語源海』東京書籍、2005
  • 『気になる日本語の気になる語源』東京書籍 2006.12
  • 『語源入門 日本語力を高める』東京書籍 2007.9
  • 『市民のための国語の授業』おうふう 2007.6
  • 『蘭学三昧』皓星社 2009.4
  • 『日本語の旅路』皓星社 2010.3
  • 『日本本草学の世界 自然・医薬・民俗語彙の探究』八坂書房, 2011.9
  • 井原西鶴と日本語の世界 ことばの浮世絵師』彩流社 2012
  • 蘭学と日本語』八坂書房, 2013.10
  • 『十八・十九世紀日魯交流人物史話』東洋書店, 2013.11
  • 『江戸時代翻訳語の世界 近代化を推進した訳語を検証する』八坂書房, 2015.11
  • 『宛字百景 漢字と日本語の結び目をときほぐす』八坂書房, 2018.6
  • 『日本語下手談義』ひつじ書房, 2019.11

共編著

編集
  • 小関三英伝 幕末一思想家の生涯』敬文堂出版部 1970
  • 『漢字入門 『干禄字書』とその考察』早稲田大学出版部 1972
  • 異体字研究資料集成』(雄山閣出版 全12巻、1973-75)
  • 『江戸時代翻訳日本語辞典』早稲田大学出版部 1981.4
  • 『『和名抄』の新研究』桜楓社 1984.1
  • 『図録蘭学事始』早稲田大学出版部 1985.5
  • 『英華学芸詞林の研究 本文影印・研究・索引』呉美慧共編著 早稲田大学出版部 1989.10
  • 『日本語学辞典』岩淵匡共編著 桜楓社 1991.2
  • 『江戸長崎紅毛遊学』ひつじ書房 1997.3
  • 『江戸時代西洋百科事典 『厚生新編』の研究』雄山閣出版 1998.8
  • 『図録蘭学事始』編. 日本図書センター, 2013.5

校訂・翻訳

編集

監修

編集
  • 『広学百科 すぐ役立つ実例集 ことばと作法』 広学社(1976)

脚注

編集
  1. ^ 『著作権台帳』
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 「杉本つとむ先生略年譜・著作等目録」『国文学研究』第121巻、早稲田大学国文学会、1997年3月、101-104頁。 
  3. ^ 【東京書籍】 一般書籍 人文社会 語源海”. www.tokyo-shoseki.co.jp. 東京書籍. 2022年7月4日閲覧。
  4. ^ 杉本つとむ「近代日本語の研究」第10巻東北大学 博士論文(文学)、乙第1005号、1968年、NAID 500000401542 
  5. ^ 杉本つとむ「佐藤昌介「洋学史の研究」--幻術もて幻花を描くなかれ--蘭学独説(思想と潮流)」『朝日ジャーナル』第23巻第13号、朝日新聞社、1981年3月、73-75頁、ISSN 05712378NAID 40000078305 、「「幻術もて幻花を描く」のはだれか--「蘭学独説」の杉本つとむ氏へのお答えと提言」佐藤『朝日ジャーナル』1981-5-15
  6. ^ a b 久松健一「嚙みつく学者 杉本つとむ」『図書の譜 : 明治大学図書館紀要』第18号、明治大学図書館、2014年3月、115-125頁、ISSN 1342-808XNAID 120005479980